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69622027 第1四半期プライムJGAAP

株式会社 大真空 2027年度 第1四半期 決算

株式会社 大真空の2027年度第1四半期決算レポート

株式会社 大真空

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥105.8億¥93.8億+12.8%
営業利益¥-0.1億¥0.7億-115.7%
経常利益¥1.4億¥-5.4億+125.0%
純利益¥-0.3億¥-6.2億+95.9%
ROE-0.1%-1.3%-

Executive Summary

増収ながら営業段階が赤字化し、収益構造の脆弱性が浮上した決算である。売上高は105.8億円(前年比+12.8%)と増収を確保したが、営業利益は-0.1億円(前年0.7億円、YoY-115.7%)と損失に転落した。一方、為替差益1.8億円等の営業外収益により経常利益は1.4億円(前年-5.4億円)に浮上したが、実効税率が高水準となり純利益は-0.3億円の損失が継続した。増収の裏で販管費率が粗利率を上回る費用吸収不足が続いている点が要注意である。

業績変動要因

【売上高】売上高は105.8億円で前年比+12.8%の増収。地域別では日本+17.0%(構成比40.1%、83.2億円)、欧州+17.8%、東南アジア+17.0%、台湾+14.5%、中国+10.5%、北米+7.9%と全地域で二桁前後の伸長がみられ、需要回復が広範に及んでいる。

【損益】粗利率は20.2%(前年22.2%)とほぼ横ばいの一方、販管費率20.3%が上回り、営業利益は-0.1億円(前年0.7億円)と赤字化した。経常利益は営業外の為替差益1.8億円、受取利息0.4億円等により1.4億円の黒字となったが、法人税等1.6億円の負担が重く、親会社株主帰属純利益は-0.3億円(前年-6.2億円から改善)にとどまった。増収減益という結論であり、費用吸収力の低下が主因である。

セグメント別分析

セグメント別では地域間の採算格差が鮮明である。日本(売上83.2億円、構成比40.1%)は営業損失1.3億円と主力市場が不振、中国(43.3億円)は損失0.6億円、台湾(37.2億円)は損失0.3億円、東南アジア(24.6億円)は損失0.1億円と、アジア圏は総じて赤字となった。対照的に欧州(12.3億円、利益率3.1%)と北米(7.0億円、利益率5.9%)は黒字を確保し、増益(欧州+41.1%、北米+160.8%)となっている。全地域で増収が続く中、収益性は欧米が牽引し、主力の日本・中国が全社利益の足かせとなる構図が明確である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は-0.1%(前年+0.7%)と悪化し、粗利率20.2%に対し販管費率20.3%が上回る費用吸収不足が続く。ROEは-0.1%と低位で、純利益率も-0.2%にとどまる。【キャッシュ品質】経常利益は為替差益・受取利息など営業外要因への依存度が高く、営業段階のキャッシュ創出力は限定的である。【投資効率】総資産1,004.5億円に対し総資産回転率は低位で、建設仮勘定86.3億円(有形固定資産比22.3%)と投資パイプラインが積み上がっている。【財務健全性】自己資本比率は48.0%と一定の資本クッションを維持しているが、長期借入金145.7億円に加え短期借入金も高水準で、有利子負債への依存が続く。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示はないため、BS動向から資金動向を分析する。現金及び預金は158.0億円で前年の163.5億円からやや減少した。棚卸資産は原材料131.7億円、仕掛品73.1億円、製品60.6億円と積み上がり、売掛金・受取手形も104.9億円と高水準にあり、増収に伴う運転資本の拡大がキャッシュを圧迫している構図が見える。加えて建設仮勘定が86.3億円と大きく、投資活動への資金投下が続いていることを示す。営業利益が僅少である中でこれらの資金需要を満たすため、短期借入金は前年から増加しており、外部資金への依存度がやや高まっている。

収益の質

当期の経常黒字は為替差益1.8億円、受取利息0.4億円、受取配当金0.2億円といった営業外収益への依存度が高く、本業の稼ぐ力を示す営業利益はむしろ赤字であるため、収益の質は必ずしも高くない。特別損益は固定資産売却益0.01億円のみと軽微で、一時的要因の影響は限定的である。経常利益1.4億円に対し親会社株主帰属純利益は-0.3億円と乖離が大きく、これは法人税等1.6億円の負担が先行したことによるもので、実効税率が高水準となった影響が大きい。在庫・売掛金の高水準は将来的な収益の現金化の遅れを示唆し、アクルーアルの観点からも営業キャッシュフローの改善余地が残る。

業績予想・ガイダンス

通期計画に対する進捗は指標間でばらつきが大きい。売上高は105.8億円で通期計画410.0億円に対し25.8%の進捗となり、四半期の標準的な進捗率(25%)並みである。一方、営業利益は-0.1億円で通期計画14.0億円に対しマイナス進捗となり、下期での急速な巻き返しが前提となる。経常利益は1.4億円で通期計画7.8億円に対し17.3%の進捗で、標準を下回るものの為替寄与により一定の水準を確保した。業績予想・配当予想はいずれも無修正であり、会社側は下期の回復を見込んでいるとみられる。

株主還元

会社は年間配当予想28円を維持しており、当四半期の配当予想修正は行われていない。通期の親会社株主帰属純利益計画1.0億円と発行済株式数(自己株式除く約3,180万株)を前提とすると、配当性向は極めて高い水準になる可能性がある。当期の四半期純損失(親会社株主帰属-0.3億円)を踏まえると、通期計画達成には下期の大幅な利益回復が前提となる。自己株式取得の開示はなく、総還元性向ではなく配当性向による評価が妥当である。

リスク要因

  1. 地域間の採算格差固定化リスク: 主力の日本(構成比40.1%、営業損失1.3億円)と中国(損失0.6億円)が赤字を継続しており、欧米(合計利益率で3〜6%)の黒字が全社を支える構図が続けば、収益基盤の脆弱性が残る。

  2. 運転資本拘束リスク: 原材料131.7億円、仕掛品73.1億円、製品60.6億円と在庫が高水準にあり、売掛金・受取手形104.9億円も大きく、増収に伴う資金拘束が強まっている。

  3. 高配当性向による財務柔軟性低下リスク: 通期純利益計画1.0億円に対し年間配当28円の負担は重く、当期は四半期純損失であるため、利益水準と配当水準の不整合が財務柔軟性に影響を及ぼす可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率-0.1%8.7% (4.2%–14.2%)-8.8pt
純利益率-0.2%7.0% (3.2%–10.6%)-7.3pt

自社の収益性は業種中央値を大きく下回り、製造業内で下位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)12.8%6.2% (-1.1%–14.6%)+6.6pt

売上成長は業種上位に位置するが、増収を利益に結びつけられていない点が特徴である。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 増収と営業赤字の併存が示す費用構造の課題: 売上高が+12.8%増加する中でも営業利益率が-0.1%まで悪化しており、粗利率の伸び悩みと販管費の高止まりが増収効果を相殺している点が今後の焦点となる。

  2. 地域別収益性の二極化: 欧米セグメントが黒字化・増益を実現する一方、主力の日本・中国・台湾は赤字が継続しており、全社収益の改善には主力市場での採算改善が構造的な課題となる。

  3. 利益の質と配当の持続性に関するモニタリングポイント: 経常黒字が為替等の営業外要因に依存する構造であることに加え、通期配当計画と純利益計画の水準差が大きく、下期の業績回復動向が注目される。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,140円
base(基準)1,141円
bull(強気)1,142円
算出前提
1株純資産(BPS)1,516円
調整後予想EPS3.4円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向100.0%
予想EPSの信頼度調整×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.75倍 / 336.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,111円〜1,172円、ω±0.1で 1,130円〜1,148円。

注記:

  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 7%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。