| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1458.6億 | ¥1198.4億 | +21.7% |
| 営業利益 | ¥87.6億 | ¥86.1億 | +1.8% |
| 経常利益 | ¥95.5億 | ¥102.3億 | -6.6% |
| 純利益 | ¥62.0億 | ¥67.9億 | -8.8% |
| ROE | 1.1% | 1.2% | - |
2027年度第1四半期は、岩崎電気の連結化寄与により大幅増収となったが、販管費増と税負担の重さから増収減益の様相となった。売上高は1,458.6億円(前年比+21.7%)、営業利益は87.6億円(同+1.8%)とほぼ横ばい、経常利益は95.5億円(同▲6.6%)、純利益(連結、非支配株主帰属分を含む)は62.0億円(同▲8.8%)、うち親会社株主に帰属する当期純利益は41.4億円(同▲19.7%)となった。粗利率は23.0%へ改善した一方、M&A関連費用等で販管費率が上昇し、営業段階以下で増益効果が相殺された構図である。
【売上高】売上高1,458.6億円(YoY+21.7%)は、主力の自動車機器事業(売上1,119.9億円、構成比65.2%、YoY+8.7%)の堅調に加え、電子応用製品事業(売上484.1億円、構成比28.2%、YoY+75.4%)が岩崎電気の連結化により急拡大したことが牽引した。電装コンポーネンツ事業(売上104.4億円、構成比6.1%、YoY+13.7%)も増収に寄与した。
【損益】粗利率は23.0%で前年から+3.2pt改善したが、販管費率が17.0%へ+4.4pt上昇し(額として+96.7億円増)、営業利益率は6.0%(前年7.2%)へ低下し、営業利益は87.6億円(YoY+1.8%)にとどまった。経常段階では支払利息6.5億円・為替差損1.3億円が受取利息11.3億円を上回るペースで増加し、経常利益は95.5億円(YoY▲6.6%)となった。投資有価証券売却益12.7億円を含む特別利益12.9億円(一時的要因)が下支えしたものの、実効税率は40.3%(前年32.1%)へ上昇し、非支配株主に帰属する純利益20.6億円が控除された結果、親会社株主に帰属する当期純利益は41.4億円(YoY▲19.7%)となった。結論として、増収減益である。
自動車機器事業は営業利益100.2億円(YoY+6.4%、利益率9.0%)で全社利益の最大の柱を維持している。電装コンポーネンツ事業は営業利益13.2億円(YoY+20.8%、利益率12.7%)と4セグメント中最も高い採算を確保した。一方、電子応用製品事業は売上が+75.4%と急拡大したにもかかわらず、営業利益は12.7億円(YoY▲41.0%)に落ち込み、利益率は2.6%(前年の同事業比で大幅低下)にとどまった。これは岩崎電気の連結化に伴う統合初期コストやPPA関連費用の影響が示唆され、全社の営業利益率改善における当面のレバレッジポイントとなる。
【収益性】営業利益率6.0%(前年7.2%、▲1.2pt)、純利益率(連結ベース)4.2%(前年5.7%、▲1.5pt)、粗利率23.0%(前年19.8%、+3.2pt)で、原価面の改善を販管費増が相殺した構図である。【キャッシュ品質】売上債権回転日数(DSO)は約58日、棚卸資産回転日数(DIO)は約65日、仕入債務回転日数(DPO)は約45日で、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)は約78日となり、前年同期の約79日からほぼ横ばいであった。棚卸資産は+42.1%増加したが、これは主に売上拡大とM&Aによる連結範囲拡大が背景であり、資金効率の趨勢的悪化は現時点で確認されない。【投資効率】ROEは1.1%で、四半期実績としての水準であり通期換算値ではない点に留意が必要である。総資産は9,324.4億円へ拡大し、資産回転効率は資産急増(のれん・無形固定資産増)により一時的に低下している。【財務健全性】自己資本比率は49.4%(前年56.1%から▲6.7pt)で、M&Aに伴うのれん・無形固定資産の計上と総資産拡大が主因である。流動比率は167.6%、有利子負債(借入金・社債合計)は約2,013.0億円でうち短期比率は約73%とやや短期に偏っており、インタレストカバレッジは13.4倍と利払い耐性は確保されている。
CF計算書データの開示はないため、BS推移から資金動向を分析する。現金及び預金は2,407.8億円で前年の2,269.9億円から+137.9億円(+6.1%)増加した。有利子負債は短期借入金が767.0億円から1,467.0億円へ+700.0億円増加したことを主因に、借入金・社債合計で約2,013.0億円へ拡大しており、M&A(岩崎電気の株式取得)に伴う資金調達を短期借入で賄った可能性が高い。運転資本面では棚卸資産が+237.5億円、売掛金が+84.5億円それぞれ増加したが、買掛金も+149.1億円増加しており、前述の通りCCCはほぼ横ばいで推移している。現金残高が増加していることから、当四半期時点での資金繰りは維持されているが、短期資金への依存度がやや高い調達構造となっている。
当期の親会社株主に帰属する当期純利益41.4億円のうち、投資有価証券売却益12.7億円を含む特別利益12.9億円は非反復的な一時要因であり、純利益に対する寄与度は相応に大きい。営業外収益は17.0億円(売上高比1.2%)と小さく、受取利息11.3億円が支払利息6.5億円を上回り経常段階を下支えした一方、為替差損1.3億円が逆風となった。実効税率は40.3%(税引前利益103.8億円、法人税等41.8億円)と前年の32.1%から上昇しており、経常利益から純利益への段差を広げる要因となっている。加えて非支配株主に帰属する純利益20.6億円が連結純利益62.0億円から控除される構造であり、経常利益と親会社株主帰属純利益との乖離は税負担と非支配株主損益の両方に起因する。包括利益は162.0億円と純利益62.0億円を上回り、為替換算調整額54.5億円および有価証券評価差額金47.1億円がその差異の主因である。
通期予想に対する進捗率は、売上高が23.5%(1,458.6億円/6,220.0億円)、営業利益が15.9%(87.6億円/550.0億円)、経常利益が16.5%(95.5億円/580.0億円)、純利益(親会社株主帰属ベース)が12.2%(41.4億円/340.0億円)となっている。売上高が単純進捗基準(25%)に近い水準にある一方、利益系指標はいずれも下回っており、特に純利益の進捗が相対的に遅れている。M&A統合初期コストや高い税負担が第1四半期の利益進捗を圧迫した可能性があり、下期における統合効果の顕在化度合いが今後の進捗を左右するとみられる。業績予想・配当予想の修正はいずれも「無」である。
通期の配当予想は1株当たり55円で、前期実績の49円から+6円の増配となっている。予想EPS276.43円に対する配当性向は19.9%と算出され、保守的な水準にある。現金及び預金は2,407.8億円と潤沢であり、自己資本比率も49.4%を維持していることから、現時点の手元流動性は配当の裏付けとして一定の余力を有している。自社株買いに関するデータは開示されていない。
電子応用製品事業の採算低下: 売上高は+75.4%増加した一方、営業利益は▲41.0%減少し利益率は2.6%にとどまる。岩崎電気の連結化に伴う統合初期コストの吸収状況が、全社利益率の回復ペースに影響する。
資金調達構造の短期偏重: 有利子負債約2,013.0億円のうち短期借入金が約1,467.0億円(構成比約73%)を占め、前年から+700.0億円増加した。M&A関連資金を短期資金で賄っている状況であり、借換え環境の変化が財務コストに与える影響をモニタリングする必要がある。
実効税率の上昇と非支配株主損益の圧迫: 実効税率は40.3%(前年32.1%)へ上昇し、非支配株主に帰属する純利益20.6億円が連結純利益から控除されている。この結果、経常利益(YoY▲6.6%)に対し親会社株主帰属純利益(YoY▲19.7%)の減少幅がより大きくなっている。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 6.0% | 8.8% (4.4%–14.3%) | -2.8pt |
| 純利益率 | 4.2% | 7.3% (3.3%–10.6%) | -3.0pt |
自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を下回り、業種内では相対的に低位の収益性水準にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 21.7% | 6.6% (-0.3%–14.8%) | +15.1pt |
売上高成長率は業種中央値・上位四分位(14.8%)を大きく上回り、業種内で高い成長水準にある。
※出所: 当社調べ
のれんは岩崎電気の株式取得により583.0億円へ急増(前年52.4億円から+530.3億円)し、取得原価配分(PPA)は暫定値である旨が注記されている。今後の本配分確定および統合効果の顕在化状況が、電子応用製品事業の採算回復と併せて注視点となる。
通期予想に対する進捗率は売上高23.5%に対し営業利益15.9%、純利益12.2%と利益系指標が相対的に遅れており、下期における統合コストの吸収度合いが業績の質を評価する上での焦点となる。
配当予想は前期実績から6円の増配となる55円が据え置かれており、配当性向19.9%は現時点で保守的な水準にある。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 4,242円 |
| base(基準) | 4,303円 |
| bull(強気) | 4,379円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 4,669円 |
| 調整後予想EPS | 298.5円 |
| 株主資本コスト r | 9.15%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 19.9% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.92倍 / 14.4倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 4,181円〜4,430円、ω±0.1で 4,290円〜4,311円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。