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69232027 第1四半期プライムJGAAP

スタンレー電気(6923) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益2%増

2027年度第1四半期の売上高は1,459億円(前年同期比+21.7%)、営業利益は87.6億円(同+1.8%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1458.6億¥1198.4億+21.7%
営業利益¥87.6億¥86.1億+1.8%
経常利益¥95.5億¥102.3億−6.6%
純利益¥62.0億¥67.9億−8.8%
ROE1.1%1.2%-

Executive Summary

増収に対して利益の伸びが鈍く、増収減益の傾向が明確になった決算である。売上高は1,458.6億円(前年比+21.7%)と拡大した一方、営業利益は87.6億円(同+1.8%)にとどまり、経常利益は95.5億円(同-6.6%)、純利益(連結、非支配株主帰属分を含む)は62.0億円(同-8.8%)と減益となった。売上拡大は電子応用製品事業における岩崎電気の連結化が主因であり、既存事業の有機的成長とは区別して評価する必要がある。営業利益率は6.0%で前年同期の7.2%から低下しており、増収の効果が利益率改善に結びついていない点が特徴的である。

業績変動要因

【売上高】売上高は1,458.6億円で前年比+21.7%。セグメント別では自動車機器事業が1,119.9億円(同+8.7%、構成比76.8%)で最大の柱を維持し、電子応用製品事業は484.1億円(同+75.4%、構成比33.2%、セグメント間内部売上含む)と急拡大した。この急拡大は岩崎電気の連結化によるもので、既存事業の伸びとは性質が異なる。コンポーネンツ事業は104.4億円(同+13.7%)と堅調に推移した。

【損益】営業利益は87.6億円(同+1.8%)にとどまり、営業利益率は6.0%で前年の7.2%から低下した。要因は電子応用製品事業のセグメント利益が12.7億円(同-41.0%)に落ち込み、利益率が7.8%から2.6%へ大きく低下したことにある。買収後の統合コストや採算未確立が連結利益率を圧迫した形である。一方、自動車機器事業は営業利益100.2億円(同+6.4%)、コンポーネンツ事業は13.2億円(同+20.8%)と増益を確保し、連結利益を下支えした。経常利益は95.5億円(同-6.6%)、純利益は62.0億円(同-8.8%)となり、増収減益の決算である。

セグメント別分析

自動車機器事業は売上1,119.9億円(構成比76.8%)、セグメント利益100.2億円(利益率9.0%)と最大の利益貢献事業であり、増収増益を確保した。電子応用製品事業は岩崎電気の連結化により売上484.1億円(同+75.4%)と急拡大したが、セグメント利益は12.7億円(同-41.0%)、利益率2.6%(前年7.8%)へ大幅に低下し、連結利益率悪化の主因となっている。コンポーネンツ事業は売上104.4億円(同+13.7%)、セグメント利益13.2億円(同+20.8%、利益率12.7%)と3事業中最も高い利益率を維持し、規模は小さいが収益性は良好である。電子応用製品事業では取得に伴い582.7億円ののれんのうち544.3億円が当期発生の暫定計上であり、取得原価配分の確定と統合進捗が今後の焦点となる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率6.0%、経常利益率6.5%はいずれも前年同期(7.2%、8.5%)から低下し、粗利率23.0%から販管費率17.0%を差し引いた営業利益率への落差は増収局面での費用吸収力の弱さを示す。【キャッシュ品質】税引前利益103.8億円には投資有価証券売却益12.7億円が含まれ、税引前利益の約12.2%を一時的要因が占める。実効税率は約40.3%と高水準で、非支配株主帰属利益20.6億円を控除した親会社株主帰属利益への転換効率を低下させている。【投資効率】ROE1.1%(会社開示ベース、四半期実績のため年換算前の値)は低水準にとどまり、電子応用製品事業の収益性回復が資本効率改善の鍵となる。【財務健全性】自己資本比率61.6%、現金及び預金2,407.8億円は総資産の25.8%を占め、流動資産4,588.0億円は流動負債2,737.7億円を上回り財務基盤は安定している。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示は本データに含まれないため、貸借対照表の推移から資金動向を確認する。現金及び預金は2,407.8億円で前年の2,269.9億円から増加しており、資金繰りは安定的に推移している。一方で棚卸資産は800.9億円と前年の563.4億円から大きく増加し、売掛金・受取手形も928.7億円へ拡大しており、増収に伴う運転資本の積み増しが進んでいる。のれんは582.7億円で前年の52.4億円から急増しており、岩崎電気の取得に伴う支出が投資活動面で発生したことが示唆される。短期借入金は1,467.0億円と前年の767.0億円から大きく増加しており、買収資金の一部を短期調達で賄った可能性がある。

収益の質

当期利益の質は一時的要因の影響を受けている。特別利益12.9億円のうち12.7億円は投資有価証券売却益であり、税引前利益103.8億円の約12.2%を占める非経常的な押し上げ要因である。営業外損益は受取利息11.3億円が支払利息6.5億円を上回り、金融収支は経常利益を補完しているが、これは本業の収益力改善を意味しない。包括利益は162.0億円と純利益62.0億円を大きく上回り、その差は為替換算調整額54.5億円と有価証券評価差額金47.1億円によるもので、事業損益とは異なる評価性の要因が大きい。実効税率は約40.3%と高く、非支配株主帰属利益20.6億円を含めると、親会社株主帰属利益への転換効率は営業利益の伸びに比べて低下している。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想に対する進捗は、売上高が1,458.6億円で通期予想6,220.0億円の23.4%となり、標準的な四半期進捗(25%)に近い水準である。一方、営業利益は87.6億円で通期予想550.0億円の15.9%、経常利益は95.5億円で通期予想580.0億円の16.5%にとどまり、いずれも標準進捗を下回る。純利益(親会社株主帰属ベース)は41.4億円で通期予想340.0億円の12.2%であり、利益面の進捗は特に低い。業績予想・配当予想はいずれも修正なしで据え置かれており、通期達成には下期における電子応用製品事業の採算改善が前提となる。

株主還元

通期の1株当たり配当予想は111.0円、通期EPS予想276.43円に基づく配当性向は約40.2%であり、60%程度とされる一般的な持続可能性の目安の範囲内にある。前年の配当実績は49円であったが、これは中間期の実績と見られ、通期での単純比較はできない。自己株式は3,011,844株を保有しているが、当期における追加取得の実績は開示データに含まれておらず、上記は配当のみに基づく配当性向として評価している。配当の持続性は、Q1時点で通期利益計画に対する進捗が12.2%にとどまっていることを踏まえると、下期の利益率回復が重要な前提となる。

リスク要因

  1. 買収事業の採算リスク: 電子応用製品事業は売上高が前年比+75.4%と拡大した一方、セグメント利益は同-41.0%、利益率は2.6%(前年7.8%)に低下した。岩崎電気の統合進捗と、暫定計上されたのれん544.3億円の取得原価配分確定が今後の焦点となる。

  2. 利益計画達成リスク: 通期計画に対するQ1進捗率は営業利益15.9%、親会社株主帰属利益12.2%と標準進捗(約25%)を下回る。下期における大幅な収益改善がなければ、通期計画達成には不確実性が残る。

  3. 運転資本・調達構造の変化: 棚卸資産は800.9億円と前年比+42.1%、短期借入金は1,467.0億円と前年比+91.3%へ拡大した。増収に伴う運転資本の積み増しと短期調達への依存度上昇は、資金繰り・金利環境の変化への感応度を高める。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率6.0%8.7% (4.2%–14.3%)−2.7pt
純利益率4.2%7.1% (3.2%–10.6%)−2.9pt

業種中央値と比べ、営業利益率・純利益率とも下位に位置し、収益性は業種内で相対的に低い水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)21.7%6.2% (-1.1%–14.6%)+15.5pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、業種内でも高い成長を示しているが、これは主に買収による連結範囲拡大の影響を含む。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高は業種平均を大きく上回る+21.7%の成長を示した一方、営業利益率は6.0%と業種中央値8.7%を下回り、増収と収益性改善が両立していない構造が読み取れる。

  2. 電子応用製品事業は岩崎電気の連結化により売上規模を拡大したが、利益率は7.8%から2.6%へ低下し、暫定のれん544.3億円の取得原価配分確定と統合進捗が今後の採算回復を左右する注目点である。

  3. 通期計画に対するQ1の利益進捗率は営業利益15.9%、純利益12.2%と低く、下期における自動車機器事業の安定的な収益貢献と電子応用製品事業の採算改善の有無が、通期業績の着地を判断する材料となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)4,235円
base(基準)4,295円
bull(強気)4,371円
算出前提
1株純資産(BPS)4,669円
調整後予想EPS298.5円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向40.2%
予想EPSの信頼度調整×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.92倍 / 14.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 4,177円〜4,419円、ω±0.1で 4,283円〜4,303円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。

スタンレー電気(6923) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益2%増