記事一覧に戻る
68592027 第1四半期プライムJGAAP

エスペック(6859) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益14%増

2027年度第1四半期の売上高は139.2億円(前年同期比+13.0%)、営業利益は3.8億円(同+14.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥139.2億¥123.2億+13.0%
営業利益¥3.8億¥3.4億+14.1%
経常利益¥5.3億¥3.4億+53.1%
純利益¥1.6億¥1.1億+44.9%
ROE0.3%0.2%-

Executive Summary

主力の環境試験装置事業の増収と、受取配当金・為替差益等の営業外収益の増加により、増収増益となった。売上高は139.2億円(前年比+13.0%)、営業利益は3.8億円(同+14.1%)、経常利益は5.3億円(同+53.1%)、純利益は1.6億円(同+44.9%)。営業利益率は2.7%で前年からほぼ横ばいにとどまる一方、経常利益率は3.79%(前年2.79%)へ上昇した。ただし実効税率が約70%と高水準にあり、税引前利益から純利益への転化を抑制している。

業績変動要因

【売上高】売上高は139.2億円(前年比+13.0%)。主力の環境試験装置事業が119.6億円(+15.7%)と伸び、全体の85.9%を占めて牽引した。一方、電子デバイス事業・サービスは17.6億円(-3.8%)と減収し、装置事業の伸びを一部相殺した。

【損益】営業利益は3.8億円(+14.1%)で、営業利益率2.7%は前年2.72%からほぼ横ばい。装置事業の増収効果を、サービス事業の営業損失拡大(-0.7億円、前年比-80.5%)が一部相殺する構図となっている。経常利益は5.3億円(+53.1%)と大幅増で、受取配当金0.6億円・受取利息0.2億円・為替差益0.1億円を含む営業外収益(合計1.7億円)が押し上げに寄与した。純利益は1.6億円(+44.9%)で、税引前利益5.2億円に対し実効税率が約70%と高く、純利益への転化を抑制している。特別損益は固定資産除却損0.1億円のみで軽微であり、一時的要因の影響は限定的。全体として増収増益。

セグメント別分析

環境試験装置事業は売上119.6億円(+15.7%)、営業利益4.8億円(+14.8%)、利益率4.0%と全社利益を牽引した。電子デバイス事業・サービスは売上17.6億円(-3.8%)、営業損失0.7億円(前年比-80.5%)、利益率-4.2%と赤字が拡大した。装置事業の黒字がサービス事業の赤字を吸収する構図が続いており、事業間の収益性格差が全社営業利益率(2.7%)を押し下げる要因となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率2.7%(前年2.72%)はほぼ横ばい、経常利益率3.79%(前年2.79%)、純利益率1.1%(前年0.87%)は改善した。ROEは0.3%、EPSは7.32円(前年4.94円、+48.2%)となった。【キャッシュ品質】税引前利益5.2億円に対し実効税率は約70%と高水準で、純利益への転化を抑制している。営業外収益は配当・利息・為替差益が中心で、経常的な性格が強い。【投資効率】BPSは2,829.94円(前年2,873.40円、-1.5%)で、自己株式取得の進展が一株当たり純資産に影響している。総資産に対する売上創出力は低位で推移している。【財務健全性】自己資本比率は74.4%(前年74.0%)、有利子負債4.6億円に対し現金190.3億円で、ネットキャッシュは約185.7億円に達し、財務基盤は強固である。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書のデータは開示範囲に含まれないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。現金及び預金は190.3億円で前年比+29.5%増加し、流動性は一段と積み上がった。売掛金・受取手形は122.5億円で前年比-35.3%減少し、回収が進展したことがうかがえる。一方、仕掛品は54.7億円で前年比+41.8%増加しており、装置事業の受注・製造進行に伴う仕掛在庫の積み上がりが確認できる。短期借入金は1.3億円で前年比-53.6%減少し、外部資金への依存度が低下した。現金の増加と借入の圧縮が同時に進んでおり、内部資金による運転資本の充当が進んでいることを示している。

収益の質

当期の利益は営業外収益(受取配当金0.6億円、受取利息0.2億円、為替差益0.1億円)を中心とした経常的な収益構造であり、特別損益は固定資産除却損0.1億円のみと軽微で、一時的要因の影響は限定的である。税引前利益5.2億円に対し純利益は1.6億円で、実効税率は約70%と高水準にあり、この乖離が経常利益から純利益への転化を大きく抑制している。包括利益は7.9億円で純利益1.6億円を上回り、その差異の主因は為替換算調整額5.0億円である。海外関連資産の為替評価が包括利益を押し上げている一方、当期損益には計上されていない点は収益の質を評価するうえでの留意点となる。

業績予想・ガイダンス

通期計画に対する第1四半期の進捗率は、売上高19.1%(139.2億円/730.0億円)、営業利益4.8%(3.8億円/80.0億円)、経常利益6.5%(5.3億円/81.0億円)、純利益2.6%(1.6億円/58.8億円)といずれも単純な四半期按分(25%)を下回った。通期計画は売上高+4.2%、営業利益+12.9%、経常利益+8.4%の増益を見込んでおり、装置事業の検収時期や受注の期別配分により下期偏重の計画になっている可能性がある。当四半期時点で業績予想・配当予想の修正はない。

株主還元

配当予想は年間115円で、予想EPS278.95円に対する配当性向は41.2%となる。潤沢な現預金190.3億円とネットキャッシュ約185.7億円を背景に、配当の支払原資には余裕があるとみられる。自己株式の取得・処分に関する当期の実績データは開示範囲に含まれないため、本レポートでは配当性向を中心に記述する。

リスク要因

  1. 事業ポートフォリオの集中リスク: 環境試験装置事業が売上高の85.9%(119.6億円/139.2億円)を占め、特定事業への依存度が高い。同事業の需要動向が全社業績に与える影響は大きい。

  2. 電子デバイス事業・サービスの収益性リスク: 同事業は売上17.6億円(前年比-3.8%)、営業損失0.7億円(前年比-80.5%)と赤字が拡大しており、全社の営業利益率(2.7%)を押し下げる要因となっている。

  3. 高実効税率と運転資本の変動リスク: 実効税率は約70%(税引前利益5.2億円に対し純利益1.6億円)と高水準で、純利益の伸びを抑制している。また仕掛品が前年比+41.8%増加しており、在庫水準の変動が今後のキャッシュ創出に影響する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率2.7%8.7% (4.2%–14.2%)−6.0pt
純利益率1.1%7.0% (3.2%–10.6%)−5.9pt

収益性は営業利益率・純利益率ともに業種中央値を大きく下回り、業種内では低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)13.0%6.2% (-1.1%–14.6%)+6.8pt

売上高成長率は業種中央値を上回り、IQR上限に近い水準にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 主力の環境試験装置事業が2桁増収を牽引する一方、営業利益率は2.7%(前年2.72%)とほぼ横ばいで、増収が利益率改善に直結していない点が確認できる。

  2. 経常利益・純利益の伸び率(+53.1%、+44.9%)は営業利益の伸び(+14.1%)を上回っており、営業外収益と実効税率の変動が損益に与える影響が大きいことが読み取れる。

  3. 通期計画に対する第1四半期進捗率は営業利益4.8%、純利益2.6%と低水準にとどまっており、下期の受注消化・検収進捗が通期計画の達成状況を左右する構造となっている。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,837円
base(基準)2,899円
bull(強気)2,979円
算出前提
1株純資産(BPS)2,830円
調整後予想EPS301.2円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向41.2%
予想EPSの信頼度調整×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.02倍 / 9.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,820円〜2,983円、ω±0.1で 2,898円〜2,902円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。