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68142027 第2四半期プライムJGAAP

古野電気(6814) 2027年度第2四半期決算 増収・営業益38%増

2027年度第2四半期の売上高は799.2億円(前年同期比+16.4%)、営業利益は128.7億円(同+38.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

古野電気株式会社

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥799.2億¥686.5億+16.4%
営業利益¥128.7億¥93.0億+38.3%
経常利益¥137.8億¥101.7億+35.5%
純利益¥99.9億¥102.2億−2.3%
ROE(年換算)20.3%22.8%-

Executive Summary

今期は舶用事業の拡大で営業増益を確保した一方、法人税等の増加で親会社株主に帰属する当期純利益は減少し、営業利益と最終利益の方向性が分かれた。売上高は799.2億円(前年比+16.4%)、営業利益は128.7億円(同+38.3%)、経常利益は137.8億円(同+35.5%)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は99.5億円(同△2.4%)である。営業利益率は前年同期の13.5%から16.1%へ2.6pt拡大した。前年同期の法人税等が0.35億円と極めて小さかったことが、最終減益の主因である。

業績変動要因

【売上高】売上高は799.2億円で、前年同期比+16.4%(+112.6億円)の増収となった。構成比は舶用事業が84.8%(677.9億円、+13.0%)で、増収額の大半を占める。産業用事業は93.4億円(+34.3%)、無線LAN・ハンディターミナル事業は26.4億円(+69.3%)と、小規模ながら高い伸びを示した。主力の舶用事業が全体の成長を牽引する構造である。

【損益】営業利益は128.7億円(+38.3%)で、売上総利益率は43.0%から45.0%へ改善した。販管費は202.3億円から230.8億円へ+14.1%増えたが、増収率を下回り営業レバレッジが働いた。経常利益は137.8億円(+35.5%)で、営業外収益11.2億円が営業外費用2.1億円を上回った。特別損益は特別利益0.2億円、特別損失0.3億円と小さい。法人税等は前年の0.35億円から37.9億円に増え、親会社株主に帰属する当期純利益は99.5億円(△2.4%)となった。税負担の正常化が最終利益を押し下げており、本業の収益力低下によるものではない。結論として増収増益(営業・経常段階)、最終利益は微減の決算である。

セグメント別分析

舶用事業は売上高677.9億円(+13.0%)、営業利益122.1億円(+28.3%)、利益率18.0%で、セグメント利益の大半を稼ぐ中核である。産業用事業は営業利益8.2億円(前年比+339.6%)、利益率8.8%と大きく改善したが、水準は舶用事業を9.2pt下回る。

無線LAN・ハンディターミナル事業は営業利益3.6億円、利益率13.5%と黒字幅が拡大した。その他は営業損失0.4億円で、前年同期の0.9億円から縮小した。セグメント利益合計と連結営業利益の差は、主にセグメント間取引消去などの調整額(△4.8億円)である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は16.1%(前年同期13.5%)、粗利率は45.0%、販管費率は28.9%である。ROE(年換算)は20.3%、EPSは314.72円(前年322.48円)で、最終利益の微減を反映している。【キャッシュ品質】営業CFは69.6億円(前年比△18.1%)で、親会社株主に帰属する当期純利益の0.70倍にとどまった。運転資本変動前の営業CF小計は99.8億円で、棚卸資産の増加27.1億円と売上債権の増加12.6億円が差を生んだ。法人税等の支払は35.0億円である。【投資効率】設備投資は11.7億円で減価償却費20.4億円の0.57倍にとどまり、無形固定資産の取得9.3億円を別途行っている。フリーCF(営業CF+投資CF)は50.5億円である。【財務健全性】自己資本比率は65.9%、流動比率は318.0%(1099.5億円÷345.8億円)で、現金及び預金は264.6億円である。有利子負債は長期借入金93.0億円などを含め厚い手元資金の範囲内にあり、BPSは3,103.27円である。

キャッシュフロー分析

営業CFは69.6億円と前年の85.1億円から減少し、利益の伸びに比べて現金創出は弱かった。運転資本変動前の小計は99.8億円で、棚卸資産の増加27.1億円、売上債権の増加12.6億円、仕入債務の減少4.3億円が資金を押し下げた。契約負債の増加8.6億円は一部を補ったが、全体を相殺するには至らなかった。投資CFは△19.2億円(前年△3.3億円)で、設備投資は11.7億円である。フリーCFは50.5億円で、財務CFは△31.9億円となり、配当金の支払26.9億円などが含まれる。期末の現金及び現金同等物は259.5億円で、前年の235.4億円から増加した。営業増益が現金化に追いつくかは、在庫と債権の回収動向に左右される。

収益の質

営業利益と経常利益の差は9.1億円で、営業外収益11.2億円(受取配当金1.6億円、為替差益1.1億円、その他4.0億円など)が主である。特別損益は純額で△0.1億円と軽微であり、利益の大半は経常的な営業活動に由来する。一方、営業CFが親会社株主に帰属する当期純利益の0.70倍にとどまる点は、運転資本の膨張が利益の現金化を遅らせていることを示す。棚卸資産は301.9億円(前年286.0億円)に増加した。包括利益は114.9億円で、純利益99.9億円(連結)を上回り、為替換算調整額8.8億円や有価証券評価差額金5.5億円が上乗せした。最終利益の微減は税負担の正常化によるもので、利益の質は営業段階では堅調と読める。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高1,580億円(+12.4%)、営業利益210億円(+29.3%)、経常利益220億円(+20.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益170億円である。上期進捗率は売上高50.6%、営業利益61.3%、経常利益62.6%、純利益58.5%で、利益面が半期標準の50%を上回る。達成に必要な下期は、売上高780.8億円、営業利益81.3億円で、下期の営業利益率は約10.4%となり、上期の16.1%より低い。業績予想と配当予想はいずれも当四半期に修正されている。

株主還元

中間配当は1株115円で、通期予想は210円である。通期の配当性向は、予想EPS537.8円に対し約39.0%(210円÷537.8円)となる。上期の配当総額は期中平均株式数で概算36.4億円で、上期のフリーCF50.5億円の範囲内にある。現金及び預金264.6億円も厚く、配当の持続性は財務面から支えられている。

リスク要因

  1. 事業集中リスク: 舶用事業が売上高の84.8%、セグメント営業利益の大部分を占める。船舶関連の需要や市況が変動すれば、全社利益への影響が大きい。

  2. 運転資本・キャッシュ創出リスク: 営業CFは親会社株主に帰属する当期純利益の0.70倍にとどまる。棚卸資産は301.9億円で売上高の約37.8%に相当し、滞留が生じれば利益率と資金回収の双方に影響する。

  3. 事業間の採算格差リスク: 舶用事業の利益率18.0%に対し、産業用事業は8.8%である。低採算事業の構成比が高まれば、全社の営業利益率を押し下げる要因となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率16.1%6.4% (3.1%–10.7%)+9.7pt
純利益率12.5%5.0% (2.3%–8.6%)+7.5pt

営業利益率・純利益率ともに業種IQRの上限を上回る位置にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)16.4%1.8% (-3.1%–7.5%)+14.5pt

売上高成長率は業種IQRの上限(7.5%)を大きく上回る。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は前年同期の13.5%から16.1%へ拡大し、粗利率改善と販管費の増加率抑制が寄与した。通期予想の営業利益進捗率は61.3%で、上期の利益水準が高いことが読み取れる。ただし下期必要利益率は約10.4%と上期を下回る前提である。

  2. 営業CFは親会社株主に帰属する当期純利益の0.70倍で、棚卸資産と売上債権の増加が資金を吸収した。増益が現金に転換されるかは、在庫と債権の推移で確認できる。

  3. 最終利益の微減は前年の低い法人税等の反動が主因で、営業段階の改善とは分けて見る必要がある。現金及び預金264.6億円、自己資本比率65.9%と財務基盤は厚い。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,799円
base(基準)3,934円
bull(強気)4,106円
算出前提値
1株純資産(BPS)3,103円
調整後予想EPS588.2円
株主資本コスト r9.99%(10年国債 2.99% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向39.1%
予想EPSの信頼度調整×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.27倍 / 6.7倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,824円〜4,048円、ω±0.1で 3,914円〜3,964円。

注記:

  • のれん償却 7.6円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-09 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。