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68072027 第1四半期プライムJGAAP

日本航空電子工業(6807) 2027年度第1四半期決算

2027年度第1四半期の売上高は582.5億円(前年同期比+12.9%)、営業利益は3.3億円(同-77.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥582.5億¥516.0億+12.9%
営業利益¥3.3億¥14.8億−77.9%
経常利益¥3.5億¥10.9億−68.4%
純利益¥3.3億¥8.6億−61.1%
ROE0.2%0.6%-

Executive Summary

2027年度Q1は増収ながら大幅減益となり、売上拡大を利益に転換できていない点が最大の注目点である。売上高は582.5億円(前年比+12.9%)、営業利益は3.3億円(同-77.9%)、経常利益は3.5億円(同-68.4%)、純利益は3.3億円(同-61.1%)となった。主因は主力のコネクタ事業の採算悪化で、売上原価上昇と製品ミックスにより粗利率が12.8%にとどまり、販管費が粗利の95.6%を吸収した。

業績変動要因

【売上高】売上高は582.5億円で前年同期比+12.9%となった。セグメント別ではコネクタ事業が532.7億円(同+11.5%、構成比91.5%)、航機事業が48.2億円(同+30.0%、構成比8.3%)であった。自動車向け(308.7億円、+13.9%)、産機・インフラ向け(92.1億円、+43.7%)、航空・宇宙向け(24.7億円、+44.1%)が伸長した一方、携帯機器向け(140.9億円)は-7.4%と減少し、用途別に成長のばらつきが見られる。

【損益】営業利益は3.3億円(同-77.9%)、営業利益率は0.6%で前年同期2.9%から大幅に低下した。コネクタ事業のセグメント利益は7.98億円と同-67.3%に落ち込み、利益率は5.1%から1.5%へ低下、全社収益悪化の主因となった。対照的に航機事業は利益7.2億円(同+214.8%)、利益率15.0%と大幅改善している。経常利益は営業利益をやや上回る3.5億円にとどまったが、これは受取配当金2.3億円、為替差益0.9億円等の営業外収益が下支えしたためである。純利益3.3億円は固定資産除却損1.5億円という一時的要因の影響も受けており、増収減益と結論づけられる。

セグメント別分析

コネクタ事業は売上532.7億円(前年比+11.5%)と規模で全社の91.5%を占めるが、セグメント利益は7.98億円(同-67.3%)、利益率は5.1%から1.5%へ361bp低下しており、収益性悪化の中心である。航機事業は売上48.2億円(同+30.0%)、利益7.24億円(同+214.8%)、利益率15.0%と高採算を維持し、事業ポートフォリオ内で収益の下支え役を果たしている。本社スタッフ費用等の調整額は12.35億円と前年同期並みで、セグメント合計利益の減少(27.16億円→15.63億円、-42.4%)がそのまま連結営業利益急減に反映された。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は0.6%で前年同期2.9%から大幅低下し、純利益率も0.6%(前年同期1.7%)に縮小した。粗利率は12.8%にとどまり、製造業として原価負担または製品ミックスの悪化が示唆される。【キャッシュ品質】固定資産除却損1.5億円は純利益3.3億円に対して規模が大きく、一時的要因が利益変動に与える影響は無視できない。棚卸資産は375.6億円と総資産の15.8%を占め、年換算在庫回転日数は67日で、効率性目安の60日をやや上回る。【投資効率】ROEは0.2%(単期ベース、年換算では約0.9%)で、資本効率の低迷は財務レバレッジではなく営業段階の低収益性に起因する。【財務健全性】自己資本比率は60.8%、流動資産は流動負債を715.3億円上回り、流動比率は220%と保守的な財務構成を維持している。現金及び預金438.2億円は短期借入金110.0億円の約4倍にあたり、短期的な支払余力は厚い。

キャッシュフロー分析

本四半期のキャッシュフロー計算書項目は開示範囲外であるため、貸借対照表の変動から資金動向を分析する。現金及び預金は438.2億円で前年同期の485.0億円から減少しており、棚卸資産は375.6億円(前年同期328.2億円)へ増加、買掛金も323.3億円(同254.8億円)へ増加している。売掛金・受取手形は340.1億円で前年同期の359.8億円からやや減少した。棚卸資産の積み上がりは、売上拡大局面における運転資本負担の増加を示しており、在庫回転日数67日は製造業の効率性目安である60日をやや上回る水準である。固定資産除却損1.5億円は非現金項目を含みうるが、純利益に対する規模が大きく、当期純利益のみからキャッシュ創出力を判断する際には留意が必要である。

収益の質

経常利益と営業利益の乖離はわずかで、営業外収益4.8億円(受取配当金2.3億円、為替差益0.9億円、受取利息1.0億円)が営業外費用4.6億円(支払利息2.4億円等)とほぼ相殺した結果である。為替差益0.9億円は営業利益3.3億円の約28%に相当し、低水準の本業利益に対して為替要因の相対的な重要性が高い点は収益の質を評価するうえで留意点となる。包括利益は17.6億円と純利益3.3億円を大きく上回るが、これは為替換算調整額13.1億円と有価証券評価差額金2.9億円という評価性の項目によるもので、経常的な収益力を示す指標ではない。固定資産除却損1.5億円は一時的費用として利益変動性を高めているが、利益の過大計上を示すものではない。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高2,400億円(前年比+5.3%)、営業利益95.0億円(同+6.3%)、経常利益85.0億円(同+3.0%)であり、当四半期に予想修正はない。Q1時点の進捗率は売上高24.3%とQ1標準的な水準にほぼ沿うが、営業利益は3.4%、経常利益は4.1%にとどまり、大幅に低い。通期の営業増益率+6.3%を達成するには、Q2以降にコネクタ事業の利益率回復が前提となる。

株主還元

会社予想の年間配当金は1株当たり50.00円で、当四半期に配当予想の修正はない。通期予想EPS88.98円に対する予想配当性向は56.2%であり、持続可能性の目安である60%を下回る水準にある。ただしQ1純利益の通期進捗率は5.6%にとどまっており、配当原資の確保はQ2以降の収益回復に依存する。自己資本比率60.8%、流動比率220%など財務基盤は保守的であり、短期的な配当支払能力を支えている。

リスク要因

  1. コネクタ事業の採算悪化: 売上高は前年同期比+11.5%と増収であるにもかかわらず、セグメント利益は-67.3%、利益率は5.1%から1.5%へ361bp低下した。価格転嫁や生産性、原価管理の改善遅延が業績を左右する。

  2. 利払いカバレッジの低下: EBIT(営業利益)3.3億円に対し支払利息2.4億円で、インタレストカバレッジは約1.4倍にとどまる。営業利益の回復が遅れれば、利払い余力がさらに低下する可能性がある。

  3. 在庫滞留リスク: 棚卸資産は375.6億円で年換算在庫回転日数は67日と効率性目安の60日を上回る。自動車向け・産機向け需要の変動次第では、在庫評価やキャッシュ転換への影響が生じ得る。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率0.6%8.7% (4.2%–14.3%)−8.1pt
純利益率0.6%7.1% (3.2%–10.6%)−6.5pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を大きく下回り、収益性面で業種内では低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)12.9%6.2% (-1.1%–14.6%)+6.7pt

売上高成長率は業種中央値を上回り、トップラインの拡大は業種内で相対的に高い水準にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 増収にもかかわらず営業利益率が前年同期2.9%から0.6%へ低下しており、収益構造上の課題は売上規模ではなく採算にある。主力のコネクタ事業の利益率低下が全社収益を押し下げている点が決算データから読み取れる。

  2. 航機事業は売上・利益ともに大幅増加し、利益率15.0%と高採算を維持している。事業ポートフォリオ内でのセグメント間の収益性格差が拡大している点は構造的な変化として注目される。

  3. 通期営業利益計画に対するQ1進捗率は3.4%にとどまり、Q1標準的な進捗(約25%)を大きく下回る。会社は予想を据え置いており、Q2以降の利益率回復状況が今後の決算データで確認すべき焦点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,817円
base(基準)1,835円
bull(強気)1,858円
算出前提
1株純資産(BPS)2,137円
調整後予想EPS96.1円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向56.2%
予想EPSの信頼度調整×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.86倍 / 19.1倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,786円〜1,887円、ω±0.1で 1,826円〜1,841円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。