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67682027 第1四半期プライムJGAAP

タムラ製作所(6768) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益4%減

2027年度第1四半期の売上高は327.8億円(前年同期比+13.5%)、営業利益は11.3億円(同-3.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥327.8億¥288.7億+13.5%
営業利益¥11.3億¥11.8億−3.7%
経常利益¥11.0億¥9.2億+19.4%
純利益¥30.4億¥2.4億+1157.0%
ROE4.7%0.4%-

Executive Summary

本決算は増収ながら本業の採算が悪化し、純利益急増は一時的要因に依存している点が最重要ポイントである。売上高は327.8億円(前年比+13.5%)と拡大した一方、営業利益は11.3億円(同-3.7%)と減益となった。経常利益は11.0億円(同+19.4%)と営業外収支で持ち直したが、親会社株主に帰属する純利益30.4億円(同+1157.0%)は投資有価証券売却益15.2億円を含む特別利益21.9億円によるところが大きく、継続的な収益力の改善を示すものではない。

業績変動要因

【売上高】売上高は327.8億円で前年比+13.5%増加した。セグメント別では主力の電子部品関連事業が211.5億円(構成比64.5%、同+6.9%)、電子化学実装関連事業が115.7億円(構成比35.3%、同+31.6%)と大きく伸びた一方、情報機器関連事業は0.9億円(同-71.2%)へ縮小した。全体の増収は電子化学実装関連事業の急拡大が牽引している。

【損益】営業利益は11.3億円で前年比-3.7%となり、増収にもかかわらず減益となった。電子部品関連事業は営業利益10.4億円(同+19.9%、利益率4.9%)と増益・増収を両立したが、電子化学実装関連事業は営業利益6.1億円(同-19.8%、利益率5.3%)と増収減益に転じ、連結利益の伸び悩みの主因となった。情報機器関連事業も2.7億円の損失が続く。経常利益は営業外収支を含め11.0億円(同+19.4%)まで改善したが、純利益30.4億円は投資有価証券売却益15.2億円を含む特別利益21.9億円が主因であり、本業の収益構造とは切り離して評価する必要がある。結論として、本決算は増収減益である。

セグメント別分析

電子部品関連事業は売上211.5億円(前年比+6.9%)、営業利益10.4億円(同+19.9%)と増収増益で利益率も4.4%から4.9%へ改善した。電子化学実装関連事業は売上115.7億円(同+31.6%)と大幅増収も、営業利益6.1億円(同-19.8%)と減益で、利益率は8.7%から5.3%へ約340bp低下しており、増収を採算改善に結び付けられていない。情報機器関連事業は売上0.9億円(同-71.2%)に縮小し、営業損失2.7億円と赤字が継続する。全社費用(未配賦)は1.7億円から2.5億円に増加し、連結営業利益を圧迫した。事業別の採算二極化が連結利益の伸び悩みの背景にある。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は3.5%で前年同期の約4.1%から低下し、粗利率24.5%・販管費率21.0%の構成では増収が営業レバレッジ改善につながっていない。純利益率は9.3%(前年約0.9%)に急上昇したが、投資有価証券売却益を主因とする一時的なものである。【キャッシュ品質】税引前利益32.9億円と経常利益11.0億円の差21.8億円は特別損益純額と一致し、純利益の増加分は本業外要因による。【投資効率】ROE4.7%は純利益率9.3%×総資産回転率0.25回×財務レバレッジ2.01倍で構成され、一時益を含むため継続的な資本効率を表す水準としては留意が必要である。【財務健全性】自己資本比率49.7%、流動比率191.4%、当座比率168.4%と短期流動性は良好だが、有利子負債に占める短期比率は6割超と高く、リファイナンス構成の管理が課題となる。

キャッシュフロー分析

CF計算書データは開示されていないため、BS推移から資金動向を分析する。現金及び預金は179.2億円で前年同期の189.5億円から減少している一方、売掛金・受取手形は320.7億円、棚卸資産は101.4億円と高水準で推移し、売上拡大に伴い運転資本への資金滞留が生じている可能性がある。短期借入金は174.8億円と前年の190.8億円から減少し、長期借入金は116.0億円へ増加しており、資金調達構造は短期から長期へシフトする方向にある。純資産は651.8億円と前年の629.0億円から増加し、利益剰余金の積み上がりが自己資本を支えている。

収益の質

当期純利益30.4億円のうち、特別利益21.9億円(投資有価証券売却益15.2億円を含む)が大きく寄与しており、経常的な収益力を表す経常利益11.0億円や営業利益11.3億円との乖離が大きい。税引前利益32.9億円に対する実効税率は7.5%と低水準であり、これは特別利益を含む利益構成が税負担を抑制したためである。営業外収益2.5億円は受取配当金0.6億円やその他0.9億円で構成され、売上高対比では小さい。包括利益は29.2億円と純利益30.4億円をやや下回り、有価証券評価差額金-3.5億円などその他有価証券評価による評価損の影響が確認できる。以上より、当期の利益の質は営業利益・経常利益の水準に比して純利益が押し上げられており、通期業績の評価では特別損益を除いた経常段階の進捗を重視すべきである。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画に対する進捗率は、売上高25.2%(327.8億円/1300.0億円)と標準的な水準にあるが、営業利益は20.3%(11.3億円/56.0億円)、経常利益は22.5%(11.0億円/49.0億円)とそれぞれ25%を下回る。一方、純利益は67.6%(30.4億円/45.0億円)と高進捗だが、投資有価証券売却益による押し上げが主因であり、通期の本業計画達成力を示すものではない。当四半期において業績予想の修正は行われていない。今後は電子化学実装関連事業の利益率回復が、営業利益計画達成の鍵となる。

株主還元

通期配当予想は年間16.00円で、当四半期における配当予想の修正はない。通期純利益計画45.0億円とEPS予想56.55円に基づく予想配当性向は約28.3%であり、一般的な持続可能性の目安である60%を下回る水準にある。自己株式数は319万株保有されているが、自社株買いの実行額は開示されておらず、配当のみに基づく配当性向として評価している。

リスク要因

  1. 電子化学実装関連事業の採算悪化: 売上高は前年比+31.6%増加した一方、セグメント利益は同-19.8%減少し、利益率は8.7%から5.3%へ約340bp低下した。増収の採算転化が課題である。

  2. 運転資本の滞留: 売掛金320.7億円、棚卸資産101.4億円が高水準にあり、売上拡大に伴う資金滞留が生じている。短期借入金は174.8億円で有利子負債に占める短期比率が高く、借換条件の変動が資金コストに影響し得る。

  3. 特別利益への依存: 純利益30.4億円のうち投資有価証券売却益15.2億円を含む特別利益21.9億円の寄与が大きく、営業利益20.3%・経常利益22.5%という通期進捗を踏まえると、本業の収益力を示す指標としては経常段階の水準を重視する必要がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率3.5%8.7% (4.2%–14.3%)−5.2pt
純利益率9.3%7.1% (3.2%–10.6%)+2.2pt

営業利益率は業種中央値を大きく下回る一方、純利益率は特別利益の影響で上回っている。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)13.5%6.2% (-1.1%–14.6%)+7.3pt

売上成長率は業種中央値を上回り、IQR上限に近い水準にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高が前年比+13.5%増加した一方、営業利益は同-3.7%減少しており、増収が営業レバレッジの改善に結び付いていない点が本決算の構造的な特徴である。

  2. 親会社株主に帰属する純利益30.4億円は投資有価証券売却益15.2億円を主因とする特別利益に依存しており、継続的な収益力の評価には経常利益11.0億円・営業利益11.3億円を基準とすることが適切である。

  3. セグメント別では電子部品関連事業が増収増益・利益率改善を示した一方、電子化学実装関連事業は増収減益となり、事業間の採算格差が拡大している。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)753円
base(基準)769円
bull(強気)781円
算出前提
1株純資産(BPS)819円
調整後予想EPS62.2円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向28.3%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.94倍 / 12.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 748円〜791円、ω±0.1で 767円〜770円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(68%)が標準(25%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。