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67542027 第1四半期プライムIFRS

アンリツ(6754) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益219%増

2027年度第1四半期の売上高は325.8億円(前年同期比+38.0%)、営業利益は42.8億円(同+219.5%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

アンリツ株式会社

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥325.8億¥236.2億+38.0%
営業利益¥42.8億¥13.4億+219.5%
税引前利益¥46.4億¥13.5億+242.9%
純利益¥32.9億¥5.8億+463.5%
ROE2.5%0.4%-

Executive Summary

全セグメント・全地域で増収となり、営業レバレッジと金融収支の改善が重なって大幅増益となった決算である。売上高は325.8億円(前年比+38.0%)、営業利益は42.8億円(同+219.5%)、純利益は32.9億円(同+463.5%)となった。増収の主因は主力の通信計測事業(TestAndMeasurement)の需要回復と、環境計測事業のEV/電池試験装置等の急拡大(+323.0%)であり、粗利率が53.2%まで改善したことで営業利益率は13.1%(前年5.7%)へ大きく上昇した。

業績変動要因

【売上高】全報告セグメントが増収し、通信計測(193.8億円、構成比59.5%、YoY+33.6%)が牽引役となった。環境計測は36.0億円(YoY+323.0%)と急拡大、PQAは78.9億円(同+15.7%)で緩やかな増収となった。地域別ではアジア他が116.4億円(YoY+63.1%)と最も伸長し、米州+38.2%、日本+22.2%、EMEA+18.9%と全地域で2桁増収となり、特定地域に依存しない需要回復が確認できる。

【損益】営業利益率は13.1%で前年5.7%から+7.5pt改善し、売上増加を上回るペースで固定費が吸収された。金融収益4.2億円が金融費用0.6億円を上回り、税引前利益46.4億円は営業利益を3.6億円上回った。法人税等の実効負担率は29.1%で前年56.9%から大幅に低下し、純利益32.9億円(YoY+463.5%)を押し上げた。増収と粗利改善・税負担軽減が重なった増収増益の決算である。

セグメント別分析

通信計測は売上193.8億円(構成比59.5%)、営業利益31.5億円(利益率16.3%)で、営業利益全体42.8億円の73.7%を占める中核事業である。PQAは売上78.9億円(YoY+15.7%)、営業利益7.7億円(利益率9.8%)で安定成長を示す。環境計測は売上36.0億円(YoY+323.0%)と急拡大したが、営業利益2.0億円・利益率5.5%にとどまり、拡大局面での先行費用が利益率を抑えている。報告セグメント以外(センシング&デバイス、物流等)は営業利益6.0億円・利益率35.4%と高収益で全体利益に寄与している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は13.1%で前年5.7%から+7.5pt改善し、純利益率も10.1%で前年2.5%から+7.6pt拡大した。粗利率は53.2%と高水準で、製品ミックスの改善が利益率上昇の主因である。【キャッシュ品質】営業CF65.1億円は純利益32.9億円の1.98倍にあたり、利益に見合う現金創出が確認できる。【投資効率】ROEは四半期実績で2.5%であり、四半期利益を用いた単期の水準として捉える必要がある。【財務健全性】自己資本比率は75.8%(前期末76.6%からやや低下)、有利子負債合計は35.7億円にとどまり、現金及び現金同等物509.4億円が有利子負債を大きく上回る実質無借金に近い財務構成である。

キャッシュフロー分析

営業CFは65.1億円で前年同期比+50.3%となり、税引前利益46.4億円を上回る水準のキャッシュ創出を確認できる。運転資本面では棚卸資産の増加が営業CFを23.7億円押し下げた一方、売上債権の減少が23.5億円、仕入債務の増加が5.8億円の資金化要因として寄与した。投資CFは14.4億円の支出で、うち設備投資7.0億円は減価償却費16.5億円を下回り、更新投資は抑制的な水準にある。財務CFは41.5億円の支出で、配当支払38.4億円が主因であり自社株買いの実施はなかった。フリーCFは50.7億円で、配当支払と設備投資の合計45.4億円を上回り、内部資金で株主還元と投資をまかなえる水準にある。

収益の質

営業利益42.8億円に対し税引前利益は46.4億円で、差額の主因は純金融収益3.6億円(金融収益4.2億円-金融費用0.6億円)であり、持分法損益は0.04億円と軽微である。特別損益的な一時項目は目立たず、当期利益の大宗は本業の営業利益と金融収支から構成されている。包括利益は43.4億円で純利益32.9億円との差は10.5億円にとどまり、この差は主に為替換算調整額を含むその他の包括利益によるもので、純利益と包括利益の乖離は限定的である。この乖離幅の小ささは、当期の利益計上が為替や有価証券評価等の変動要因に大きく依存していないことを示している。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対する進捗率は売上高23.3%(325.8億円/1400.0億円)、営業利益21.4%(42.8億円/200.0億円)、純利益21.9%(32.9億円/150.0億円)である。営業利益・純利益の進捗は単純な4分の1(25%)をやや下回るが、第1四半期の季節性や在庫積み増しなどの先行対応を踏まえれば許容範囲の立ち上がりといえる。業績予想・配当予想とも当四半期での修正は行われていない。

株主還元

通期の配当予想は25円/株で、前期実績20円から増配となる。予想EPS117.20円に対する配当性向は約21.3%(25円/117.20円)であり、フリーCF水準からみても持続可能な範囲にある。当第1四半期の配当支払38.4億円は前期決算に基づくものであり、自社株買いは前年同期の13.4億円に対し当期は0円で、当期は配当を中心とした株主還元となっている。

リスク要因

  1. セグメント集中リスク: 通信計測事業が売上高の59.5%、営業利益の73.7%を占めており、当該分野の需要変動が連結業績に大きく影響する構造である。

  2. 運転資本の積み上がり: 棚卸資産は288.6億円で前期末比+9.8%と増加し、営業CFを23.7億円押し下げる要因となった。需要対応のための積み増しであるが、在庫水準の推移はモニタリングが必要である。

  3. 地域構成と為替感応度: アジア他・米州が合計で売上の約60%を占め、円換算収益は為替変動の影響を受けやすい。当第1四半期は円安方向の為替換算差額7.0億円がプラスに寄与した。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率13.1%8.8% (4.4%–14.3%)+4.3pt
純利益率10.1%7.3% (3.3%–10.6%)+2.8pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を上回り、収益性は業種内で上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)38.0%6.6% (-0.3%–14.8%)+31.4pt

売上高成長率は業種中央値を大幅に上回り、当期は業種内でも高成長の部類に入る。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は13.1%へ7.5pt改善し、粗利率53.2%と高水準を維持しており、収益性の質的な向上がうかがえる。一方で通期進捗は21%台と保守的なペースにとどまり、下期の積み上げ状況が確認ポイントとなる。

  2. 環境計測事業は売上YoY+323.0%と急拡大した一方、利益率は5.5%にとどまり、事業拡大に伴う先行費用と収益化のタイムラグが読み取れる。

  3. 配当予想は前期比+5円(20円→25円)の増配で、予想配当性向は約21.3%と抑制的な水準にあり、営業CF・FCFの水準からみても支払い余力は確保されている。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,106円
base(基準)1,134円
bull(強気)1,171円
算出前提
1株純資産(BPS)1,041円
調整後予想EPS126.5円
株主資本コスト r9.15%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向21.3%
予想EPSの信頼度調整×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.09倍 / 9.0倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,102円〜1,168円、ω±0.1で 1,132円〜1,138円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。