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67532027 第1四半期プライムJGAAP

シャープ(6753) 2027年度第1四半期決算 減収・営業益46%減

2027年度第1四半期の売上高は4,352億円(前年同期比-7.9%)、営業利益は82.1億円(同-46.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥4352.0億¥4724.9億−7.9%
営業利益¥82.1億¥153.0億−46.3%
経常利益¥66.0億¥185.9億−64.5%
純利益¥32.0億¥277.5億−88.4%
ROE1.0%9.4%-

Executive Summary

2027年3月期第1四半期は減収減益となり、主力事業の利益率低下が全社収益性を押し下げた。売上高は4352.0億円(前年比-7.9%)、営業利益は82.1億円(同-46.3%)、経常利益は66.0億円(同-64.5%)、純利益は32.0億円(同-88.4%)となった。ディスプレイデバイス事業の減収に加え、増収を確保したスマートワークプレイス・スマートライフでも利益率が悪化しており、特別損失や高い実効税率も純利益の大幅減に寄与した。

業績変動要因

【売上高】売上高は4352.0億円で前年比-7.9%の減収。セグメント別ではスマートワークプレイスが2008.5億円(同+6.1%)、スマートライフが1440.6億円(同+2.6%)と増収を確保したが、ディスプレイデバイスが913.2億円(同-16.4%)と大幅減収となり、全社の減収要因となった。

【損益】営業利益は82.1億円(同-46.3%)、営業利益率は1.9%で前年の約3.2%から約1.3pt縮小した。粗利率23.2%に対し販管費率21.3%と、粗利の9割超を販管費が吸収する構造にある。経常利益は66.0億円(同-64.5%)で、営業外費用75.7億円(うち支払利息29.3億円)が営業外収益59.5億円を上回り、営業減益に加えて営業外収支の悪化が利益を圧迫した。純利益は32.0億円(同-88.4%)で、特別損失14.6億円が特別利益2.9億円を上回ったことに加え、法人税等22.2億円は税引前利益54.3億円に対し実効税率約41%と高く、純利益への転換を大きく抑制した。減収減益であり、特にディスプレイデバイスの減収と全社的な利益率悪化が中心的な要因である。

セグメント別分析

スマートワークプレイスは売上高2008.5億円(同+6.1%)、営業利益107.1億円(同-24.6%)で最大の利益貢献事業だが、利益率は7.5%から5.3%へ約2.2pt低下した。スマートライフは売上高1440.6億円(同+2.6%)、営業利益37.4億円(同-45.6%)で、利益率は4.9%から2.6%へ約2.3pt低下した。ディスプレイデバイスは売上高913.2億円(同-16.4%)、営業損失21.8億円で、前年の損失25.2億円から縮小しており、赤字幅は改善傾向にある。全社費用を含む調整額はマイナス40.7億円で、各セグメントの利益改善分を連結営業利益へ転嫁する過程で本社費用・基礎研究開発費が吸収要因となっている。増収セグメントでも利益率が揃って低下している点は、価格競争や原材料・部材コストの影響を示唆する。

主要財務指標

【収益性】営業利益率1.9%、純利益率0.7%で、いずれも前年から大幅に低下しており、粗利率23.2%に対し販管費率21.3%と収益構造の重さが目立つ。【キャッシュ品質】営業CFは-195.2億円で、純利益32.0億円に対する乖離が大きく、売掛金増加273.9億円・棚卸資産増加366.4億円という運転資本の積み上がりが主因である。【投資効率】ROEは1.0%にとどまり、設備投資49.4億円は減価償却費92.3億円の約半分にとどまるため、投資水準の抑制が続いている。【財務健全性】自己資本比率は21.2%で、長期借入金3869.2億円を中心とした有利子負債への依存度が高く、財務CF310.9億円による資金調達で現金及び現金同等物を確保している状況にある。

キャッシュフロー分析

営業CFは-195.2億円で前年の-427.1億円から改善したものの依然として大幅な赤字であり、純利益32.0億円との乖離が大きい。売上債権(契約資産含む)の増加273.9億円、棚卸資産の増加366.4億円、仕入債務の減少54.9億円が運転資本を押し上げ、営業CFを圧迫した。投資CFは-30.9億円で、設備投資49.4億円を主因とする。フリーキャッシュフローは-226.1億円となり、当期の資本支出を営業活動による現金創出で賄えていない。財務CFは310.9億円のプラスで、長期借入金の調達3891.5億円と返済3231.1億円を通じた資金調達・借換えにより資金収支を支えており、現金及び現金同等物は133.4億円の増加となった。現金増加の源泉が営業活動ではなく財務活動に依存している点は、資金繰りの構造として注視が必要である。

収益の質

経常的な収益力は営業利益82.1億円(利益率1.9%)にとどまり、営業外収支は収益59.5億円に対し費用75.7億円と赤字であり、支払利息29.3億円が経常利益を圧迫する主要因となっている。特別損益は特別利益2.9億円(固定資産売却益2.8億円)に対し特別損失14.6億円で、純特別損失として一時的要因が純利益を押し下げた。法人税等22.2億円は税引前利益54.3億円に対し実効税率約41%と高く、税負担が純利益への転換を抑制している。包括利益は130.8億円と純利益32.0億円を大きく上回るが、これは為替換算調整額55.9億円や持分法適用会社のOCI持分42.0億円など評価性の項目によるもので、経常的な収益力の改善を示すものではない。営業CFが純利益を大きく下回っている点も、運転資本増加を伴う会計利益とキャッシュ創出の乖離を示しており、収益の質は総じて低い水準にある。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画は売上高17700.0億円(前年比-6.5%)、営業利益300.0億円(同-38.2%)、経常利益220.0億円(同-62.0%)であり、通期でも減収減益を見込んでいる。第1四半期の進捗率は売上高24.6%、営業利益27.4%、経常利益30.0%と標準的な25%近傍かこれを上回るが、親会社株主帰属純利益の進捗は32.0億円/250.0億円で12.8%にとどまる。純利益進捗の遅れは、特別損失や高い実効税率といった第1四半期特有の要因を反映しており、通期での税負担・特別損益の動向が計画達成の鍵となる。当四半期時点で業績予想の修正が行われている一方、配当予想の修正はない。

株主還元

2027年3月期の1株当たり配当金は現時点で未定である。第1四半期のフリーキャッシュフローは-226.1億円、親会社株主帰属純利益も32.0億円にとどまっており、配当原資の観点では通期の収益・キャッシュ創出の回復が判断材料となる。配当性向・総還元性向は配当額が未定のため算定していない。

リスク要因

  1. 運転資本悪化リスク: 売上債権の増加273.9億円、棚卸資産の増加366.4億円により営業CFが-195.2億円となっている。回収条件や在庫水準の動向が今後のキャッシュ創出力を左右する。

  2. 収益性低下リスク: 営業利益率1.9%、純利益率0.7%はいずれも前年から大幅に低下している。増収となったスマートワークプレイス・スマートライフでも利益率が低下しており、価格競争やコスト増の影響が持続するかが焦点となる。

  3. 財務レバレッジリスク: 自己資本比率は21.2%、長期借入金は3869.2億円に達し、財務CFへの依存度が高い。営業CFが継続してマイナスとなる場合、外部資金への依存度がさらに高まる可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率1.9%8.7% (4.2%–14.3%)−6.8pt
純利益率0.7%7.1% (3.2%–10.6%)−6.4pt

収益性は業種中央値を大きく下回り、営業利益率・純利益率ともに業種内で低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−7.9%6.2% (-1.1%–14.6%)−14.1pt

売上成長も業種中央値を大きく下回り、業種内では減収企業として位置づけられる。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 増収セグメントでも利益率が軒並み低下しており、価格競争・コスト増への耐性が全社収益性回復の鍵となる。スマートワークプレイスは最大の利益貢献事業であり、同事業の利益率動向が特に注目される。

  2. 営業CFが-195.2億円と大幅な赤字であり、純利益との乖離は運転資本(売上債権・棚卸資産の増加)によるものである。会計上の利益とキャッシュ創出の乖離が今後解消されるかが焦点となる。

  3. 通期計画では営業利益・経常利益の進捗率は標準的な水準にある一方、純利益進捗率は低く、特別損益や税負担の動向が通期業績の着地に影響する可能性がある。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)459円
base(基準)468円
bull(強気)479円
算出前提
1株純資産(BPS)475円
調整後予想EPS41.6円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.99倍 / 11.3倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 455円〜481円、ω±0.1で 467円〜468円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。