| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥861.4億 | ¥850.8億 | +1.2% |
| 営業利益 | ¥-18.7億 | ¥-13.7億 | -36.3% |
| 経常利益 | ¥-15.2億 | ¥-15.6億 | +2.4% |
| 純利益 | ¥24.6億 | ¥-16.4億 | +250.1% |
| ROE | 1.4% | -0.9% | - |
当期は最終利益が黒字転換した一方、本業の収益力は悪化しており、利益の質という観点では投資有価証券売却益という一時的要因への依存度が高い決算となった。売上高は861.4億円(前年比+1.2%)とほぼ横ばいで推移したが、営業利益は-18.7億円と前年の-13.7億円から赤字幅が拡大した(YoY-36.3%)。経常利益は-15.2億円で前年の-15.6億円からわずかに赤字幅が縮小したものの、赤字基調は継続している。純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)は24.5億円と、前年同期の-16.4億円から黒字転換したが、これは特別利益として計上した投資有価証券売却益51.4億円が主因であり、税引前利益36.2億円の大宗を占める。粗利率は21.3%で前年の23.5%から低下しており、増収にもかかわらず売上総利益は減少している。
【売上高】売上高は861.4億円で前年比+1.2%の微増となった。セグメント別では、パブリックソリューションが281.7億円(同+22.2%)と大きく伸長し全社を牽引した一方、金融ソリューションは274.0億円(同-12.9%)と反落した。コンポーネント&マニュファクチャリングは298.5億円(同+2.2%)でほぼ横ばいだった。増収の主因はパブリックソリューションの案件拡大であり、金融ソリューションの減収が相殺要因となっている。
【損益】売上原価が678.1億円と売上以上に増加した結果、売上総利益は183.2億円(前年比-8.2%)に減少し、粗利率は21.3%と前年の23.5%から低下した。販管費は201.9億円(同-5.3%)に圧縮され販管費率は23.4%へ改善したが、粗利率低下を吸収できず営業損失は18.7億円に拡大した。セグメント利益ではパブリックソリューションが11.2億円(前年1.9億円から大幅増)と回復した一方、金融ソリューションは2.3億円(同-85.5%)に急減、コンポーネント&マニュファクチャリングは-5.7億円と赤字が継続している。経常段階では受取配当金4.7億円・為替差益4.9億円などの営業外収益15.1億円が営業外費用11.7億円を上回り、経常損失は15.2億円に縮小した。さらに特別利益として投資有価証券売却益51.4億円を計上したことで税引前利益は36.2億円に転換し、法人税等11.6億円を控除した純利益は24.5億円となった。経常利益と純利益の乖離は特別利益によるものであり、一時的要因が最終黒字化を主導している。全体としては増収減益(営業利益ベース)に区分される。
4区分のうち、パブリックソリューションは売上281.7億円(前年比+22.2%)、営業利益11.2億円(同+492%)、利益率4.0%と大幅に改善し、全社利益の牽引役となった。金融ソリューションは売上274.0億円(同-12.9%)、営業利益2.3億円(同-85.5%)、利益率0.8%と急減益となり、案件構成の変化が影響したとみられる。コンポーネント&マニュファクチャリングは売上298.5億円(同+2.2%)と横ばいだが、営業損益は-5.7億円と前年の-5.2億円から赤字がやや拡大し、赤字体質が継続している。その他区分は売上34.1億円(同-27.5%)、営業損益-0.1億円である。各報告セグメント計の利益は7.8億円だが、全社費用等の調整額が-26.3億円(前年-23.9億円)と拡大しており、全社費用の増加が連結営業損益の悪化に寄与している。
【収益性】営業利益率は-2.2%(前年-1.6%)と悪化し、粗利率は21.3%(前年23.5%)に低下した一方、販管費率は23.4%(前年25.1%)に改善しており、コスト削減効果を粗利率低下が上回った形である。純利益率は2.8%(前年-1.9%)と特別利益の計上により黒字転換した。【キャッシュ品質】ROEは1.4%で、純利益率・総資産回転率・財務レバレッジの積として構成されるが、純利益の大宗が一時的な投資有価証券売却益に依存しているため、コアの資本効率を示す数値としては限定的な意味を持つ。【投資効率】総資産回転率は低水準にとどまり、売上債権・棚卸資産の水準が資産効率に影響している。設備投資は46.1億円で減価償却費39.0億円を上回り、投資超過の状態にある。【財務健全性】自己資本比率は41.4%(前年40.5%)に上昇し、流動資産2302.2億円が流動負債1528.9億円を上回る流動超過の状態にある。一方で有利子負債は短期借入351.4億円と長期借入526.4億円の合計877.9億円に達し、営業損益が赤字であることから利払い負担の吸収力はモニタリングが必要な水準にある。
営業活動によるキャッシュフローは134.3億円となり、前年同期の21.1億円から大幅に増加した。主因は売上債権の回収が進んだことによる+389.0億円のプラス寄与であり、営業CF小計(運転資本変動前)165.8億円に対して棚卸資産が-125.7億円、仕入債務が-75.7億円のマイナス要因として働いている。投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券売却による収入166.5億円が設備投資46.1億円などの支出を上回り、+73.3億円のプラスとなった。財務活動によるキャッシュフローは短期借入金の返済等により-123.5億円となった。フリーキャッシュフロー(営業CF+投資CF)は207.6億円と潤沢だが、その源泉は売上債権回収と有価証券売却という一過性の要素に大きく依存しており、今後は在庫水準の高止まりや売上債権の再積み上がりが生じた場合、キャッシュ創出力が反転するリスクを内包している。
当期純利益24.5億円は、税引前利益36.2億円の主要な源泉が特別利益として計上された投資有価証券売却益51.4億円であることから、経常的な収益力を反映したものではなく一時的要因に大きく依存している。営業利益は-18.7億円、経常利益も-15.2億円といずれも赤字であり、本業ベースの収益力は前年から悪化している。営業外収益15.1億円は受取配当金4.7億円と為替差益4.9億円が中心であり、これらも事業活動に付随する経常的な収益とは性質が異なる部分を含む。包括利益は-28.9億円と純利益24.5億円から大きく下振れており、その差異は有価証券評価差額金-37.7億円と退職給付に係る調整額-14.4億円によるものである。純利益と包括利益の乖離が大きいことは、自己資本の変動性が高く、当期純利益の水準のみでは財務体質の変化を捉えきれないことを示している。
通期業績予想(売上高4400.0億円、営業利益220.0億円、経常利益220.0億円)に対し、当第1四半期の進捗率は売上高が19.6%、営業利益・経常利益はいずれも赤字であるため進捗率はマイナスとなっている。純利益(親会社株主帰属、予想180.0億円)に対する進捗は13.6%であり、EPS進捗(28.28円/予想207.52円=13.6%)とも整合する。会社は業績予想の修正を行っておらず、通期計画達成には下期における粗利率改善と営業損益の黒字転換が前提となる進捗状況である。
通期配当予想は0円であり、前年同期も無配であることから配当性向は算出されない。フリーキャッシュフローは207.6億円と潤沢だが、現状の配当方針は無配を維持しており、自社株買いに関する情報も開示されていない。
粗利率の低下: 粗利率は21.3%と前年の23.5%から低下しており、売上原価の伸びが売上高の伸びを上回っている。増収にもかかわらず売上総利益が前年比-8.2%となっており、コスト構造や製品ミックスの変化が利益率を圧迫している状況である。
棚卸資産の増加と運転資本リスク: 棚卸資産の増減はキャッシュフロー上-125.7億円のマイナス要因となっており、原材料299.7億円・製品211.3億円・仕掛品205.2億円の合計は716.1億円に達する。在庫水準の高止まりが続く場合、キャッシュ転換の遅延や評価損リスクにつながる可能性がある。
営業損益の赤字継続と金利負担: 営業利益は-18.7億円、経常利益も-15.2億円と赤字が継続する中、有利子負債は877.9億円、支払利息は4.9億円に達しており、本業のキャッシュ創出力が限定的な状態での利払い負担はモニタリングが必要な水準にある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | -2.2% | 8.8% (4.4%–14.3%) | -11.0pt |
| 純利益率 | 2.9% | 7.3% (3.3%–10.6%) | -4.4pt |
営業利益率・純利益率とも業種中央値を下回り、収益性は業種内で相対的に低い水準にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 1.2% | 6.6% (-0.3%–14.8%) | -5.4pt |
売上高成長率も業種中央値を下回っており、トップラインの伸びは業種内で緩やかな部類に位置する。
※出所: 当社集計
当期純利益24.5億円は税引前利益36.2億円の大宗を占める投資有価証券売却益51.4億円に依存しており、本業(営業利益-18.7億円、経常利益-15.2億円)は赤字が継続している。決算数値を見る際は、最終利益の黒字化と本業収益力の動向を分けて捉える必要がある。
セグメント別ではパブリックソリューションが営業利益11.2億円(前年比+492%)と大きく改善した一方、金融ソリューションは2.3億円(同-85.5%)に急減し、コンポーネント&マニュファクチャリングは赤字が継続している。全社の業績は特定セグメントへの依存度が高まっている。
包括利益は-28.9億円と純利益から大きく乖離しており、有価証券評価差額金と退職給付に係る調整額の悪化が主因である。棚卸資産の増加と合わせ、バランスシート項目の変動が損益計算書上の数値以上に自己資本や運転資本へ影響を与えている点は、今後の推移を確認する上でのポイントとなる。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 2,030円 |
| base(基準) | 2,081円 |
| bull(強気) | 2,145円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 1,981円 |
| 調整後予想EPS | 224.1円 |
| 株主資本コスト r | 9.65%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 0.0% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.05倍 / 9.3倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 2,020円〜2,144円、ω±0.1で 2,078円〜2,085円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。