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65862027 第1四半期プライムIFRS

マキタ(6586) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益17%増

2027年度第1四半期の売上高は2,066億円(前年同期比+10.7%)、営業利益は305.6億円(同+17.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社 マキタ

機械


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥2065.5億¥1866.1億+10.7%
営業利益¥305.6億¥260.7億+17.2%
税引前利益¥326.4億¥268.6億+21.5%
純利益¥229.6億¥192.8億+19.1%
ROE2.3%1.9%-

Executive Summary

増収に加え粗利率改善が牽引し、増収増益となった決算である。売上収益は2065.5億円(前年比+10.7%)、営業利益は305.6億円(同+17.2%)、税引前利益は326.4億円(同+21.5%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は228.7億円(同+18.6%)となった。売上総利益率が39.3%へ拡大し、販管費増加を吸収したことが増益の主因である。

業績変動要因

【売上高】全地域で前年同期を上回り、最大市場の欧州は1,040.4億円(+10.8%)、北米233.1億円(+18.4%)、その他318.6億円(+18.3%)と高成長だった。アジアは89.1億円(+11.3%)、日本は384.3億円(+0.9%)と国内は相対的に弱い。

【損益】売上総利益率は37.0%から39.3%へ改善し営業増益の主因となったが、販管費は前年比+17.9%と売上成長を上回り上昇圧力となった。地域別営業利益では北米が3.3億円から46.0億円へ急拡大した一方、欧州は売上増収にもかかわらず80.3億円(△21.1%)、日本も67.1億円(△26.4%)と減益となった。金融収益が金融費用を上回り税引前利益を押し上げ、結果として増収増益で着地した。

セグメント別分析

欧州は売上構成比が最大(外部売上の約50%)で営業利益80.3億円を計上したが、前年比21.1%の減益となり、増収減益の構図が続く。北米は売上233.1億円(+18.4%)に対し営業利益は4.6億円から46.0億円へ大幅増となり、全社増益への寄与が最も大きい。アジアは営業利益68.3億円(+13.7%)、利益率76.7%と高いが、これはセグメント間取引を含む数値であり外部売上との単純比較には留意が必要である。日本は営業利益67.1億円(△26.4%)、その他セグメントは9.2億円(△50.8%)と減益であり、地域間の収益性格差が拡大している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率14.8%(前年14.0%から+0.8pt)、純利益率11.1%(同10.3%から+0.7pt)と、粗利率改善を主因に収益性は改善した。【キャッシュ品質】営業CFは317.7億円で親会社帰属利益228.7億円の1.39倍となり、利益の現金化は良好である。棚卸資産増加による資金流出は10.9億円にとどまり、売上債権の55.1億円減少と仕入債務28.4億円増加が営業CFを押し上げた。【投資効率】ROE(当四半期非年換算)は2.3%で、年換算概算では約9%程度にとどまる。棚卸資産3,859.8億円は総資産の32.4%を占め、在庫回転の長さが資本効率の制約要因となっている。【財務健全性】自己資本比率84.5%、有利子負債は短期借入金16.0億円のみと極めて低く、現金及び現金同等物2,563.6億円が短期借入金を大幅に上回り、実質無借金に近い財務基盤を維持している。

キャッシュフロー分析

営業CFは317.7億円で前年同期比+123.7%と大幅に増加し、四半期利益229.6億円に対し1.39倍となった。増加の主因は売上債権の75.4億円の減少と仕入債務28.4億円の増加であり、棚卸資産増加による資金流出は10.9億円と限定的である。投資CFは14.2億円のプラスで、固定資産取得支出40.5億円を定期預金の払戻超過が上回った結果である。財務CFは配当金支払335.9億円と自己株式取得40.8億円を主因に379.4億円のマイナスとなった。フリーキャッシュフローは331.9億円で、営業CFの増加により配当・自社株買いを賄う原資は確保されているが、当四半期の配当支払額はFCFをわずかに上回っている。

収益の質

営業利益の増益は主に本業の売上総利益率改善によるものであり、金融収益23.9億円が金融費用3.1億円を上回ったことも税引前利益を押し上げたが、その規模は売上高の1.0%程度にとどまり利益の質を大きく歪めるものではない。営業CFが親会社帰属利益を上回っており、アクルーアル(会計上の利益と現金創出のかい離)は小さく、利益の現金裏付けは良好といえる。一方、包括利益は470.1億円と四半期利益229.6億円を大きく上回るが、その大半は在外営業活動体の換算差額163.7億円やFVOCI金融資産の公正価値変動76.9億円といった為替・市場要因によるものであり、本業の収益力とは区別して捉える必要がある。特別損益に該当する一時的項目は開示上明確ではなく、経常的な事業損益が業績を牽引した。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想(売上高8,200億円、営業利益1,100億円)に対する第1四半期進捗率は、売上高25.2%、営業利益27.8%となり、標準的な四半期進捗(25%)をやや上回る。通期予想の営業利益成長率は前期比+5.1%にとどまる一方、第1四半期実績は+17.2%と大幅に上回っており、通期にかけて増益率が鈍化する前提が織り込まれている。この背景には、欧州の営業減益や販管費増加圧力の継続が想定されている可能性がある。業績予想の修正は今回行われていない。

株主還元

当四半期の配当支払額は335.9億円、自己株式取得は40.8億円で、合計376.7億円の株主還元を実施した。配当支払額を親会社帰属利益228.7億円で除した配当性向は147.0%となるが、これは前期利益に対応する期末配当の支払いを含む四半期ベースの数値であり、年間の実質的な配当性向を示すものではない。会社は連結配当性向50%以上を利益配分の基本方針としており、2027年3月期の期末配当額は2027年4月の取締役会で決定予定で、現時点では未定である。豊富な現金及び現金同等物2,563.6億円と実質無借金の財務基盤は、今後の株主還元の継続性を資金面で支えている。

リスク要因

  1. 在庫・運転資本リスク: 棚卸資産は3,859.8億円と前期末比+2.7%増加し、総資産の32.4%を占める。在庫回転が長期化しており、需要鈍化局面では評価損や運転資本の追加流出につながり得る。

  2. 欧州セグメントの採算悪化: 欧州は外部売上高が前年比+10.8%増加した一方、営業利益は80.3億円と前年比21.1%減少した。最大の売上構成地域である欧州の増収減益が続けば、全社の利益率改善の持続性に影響する。

  3. 販管費の売上成長超過: 販管費は前年比+17.9%増と、売上成長率+10.7%を上回るペースで増加している。足元は粗利率改善で吸収しているが、売上成長が鈍化した場合には営業利益率の圧迫要因となり得る。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率14.8%8.7% (4.2%–14.3%)+6.1pt
純利益率11.1%7.1% (3.2%–10.6%)+4.0pt

営業利益率・純利益率ともに業種中央値および上位レンジ(IQR上限)を上回り、業種内で高水準の収益性を示している。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)10.7%6.2% (-1.1%–14.6%)+4.5pt

売上高成長率は業種中央値を上回るが、IQR上限(14.6%)の範囲内にとどまり、突出した高成長ではない。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 本業の収益力改善が明確であり、営業利益率14.8%(前年比+0.8pt)、純利益率11.1%(同+0.7pt)、営業CFが利益を上回る現金創出力は、利益の質の高さを示している。

  2. 資本効率は在庫水準の高さによって制約されており、棚卸資産が総資産の3割超を占める構造は、ROE水準や資産回転率の観点でモニタリングが必要な論点である。

  3. 通期予想に対する進捗は営業利益・売上高ともに標準を上回るペースだが、通期の増益率想定(+5.1%)は第1四半期実績(+17.2%)を大きく下回り、欧州の採算悪化や販管費増加の継続が通期業績の変動要因として意識される。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,755円
base(基準)3,833円
bull(強気)3,949円
算出前提
1株純資産(BPS)3,907円
調整後予想EPS336.7円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.071(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.98倍 / 11.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,726円〜3,946円、ω±0.1で 3,831円〜3,835円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。