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65042027 第1四半期プライムJGAAP

富士電機(6504) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益38%増

2027年度第1四半期の売上高は2,733億円(前年同期比+10.2%)、営業利益は250.2億円(同+38.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

富士電機株式会社

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥2732.6億¥2479.2億+10.2%
営業利益¥250.2億¥180.9億+38.3%
経常利益¥256.1億¥173.2億+47.8%
純利益¥216.7億¥113.3億+91.2%
ROE2.6%1.3%-

Executive Summary

第1四半期は増収増益となり、営業レバレッジの効いた利益成長が特徴の決算である。売上高は2,732.6億円(前年比+10.2%)、営業利益は250.2億円(同+38.3%)、経常利益は256.1億円(同+47.8%)、純利益は216.7億円(同+91.2%)となった。増益率が増収率を大きく上回り、営業利益率は9.2%と前年同期から約1.9pt改善した。ただし純利益の伸びには投資有価証券売却益69.7億円が寄与しており、この点は差し引いて評価する必要がある。

業績変動要因

【売上高】売上高は2,732.6億円で前年同期比+10.2%。セグメント別ではエネルギーが824.9億円(同+11.2%)、インダストリーが1,038.9億円(同+19.0%)と牽引した一方、半導体は544.0億円(同-0.8%)、食品流通は261.2億円(同-0.8%)と減収となり、事業間で明暗が分かれた。

【損益】営業利益は250.2億円(同+38.3%)で、増益の中心はインダストリー(利益+194.4%)とエネルギー(同+43.4%)である。半導体は利益30.6億円(同-37.3%)と利益率5.6%へ低下し、食品流通も減益となった。経常利益は受取配当金16.6億円の計上もあり同+47.8%、純利益は投資有価証券売却益69.7億円を含む特別利益69.8億円により同+91.2%と大きく伸びた。結論として増収増益であり、営業面の改善に一時的な特別利益が上乗せされた形である。

セグメント別分析

エネルギーは売上824.9億円(+11.2%)、営業利益121.1億円(+43.4%)、利益率14.7%と全セグメント中最高水準で、全社利益の中核をなす。インダストリーは売上1,038.9億円(+19.0%)、営業利益85.3億円(+194.4%)と利益率8.2%へ大幅改善し、増益貢献が最大のセグメントである。半導体は売上544.0億円(-0.8%)、営業利益30.6億円(-37.3%)、利益率5.6%へ低下し、需要調整の影響がうかがえる。食品流通は売上261.2億円(-0.8%)、営業利益26.9億円(-14.0%)と減収減益であった。全社の増益はエネルギー・インダストリーへの依存度が高い構図である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率9.2%(前年同期7.3%)、粗利率28.8%、経常利益率9.4%はいずれも前年から改善しており、営業面の収益性は着実に向上している。【キャッシュ品質】営業CFは515.2億円で親会社株主帰属純利益206.9億円の2.49倍にあたり、利益の現金裏付けは良好だが、売掛金・契約資産の減少851.5億円という運転資本変動の寄与が大きい。【投資効率】ROE(四半期ベース)は2.6%、設備投資104.1億円は減価償却151.2億円を下回り、設備投資/減価償却比率は約0.69倍にとどまる。【財務健全性】自己資本比率61.4%、現金及び預金745.9億円を有し、財務基盤は総資産13,577.9億円に対して安定的である。

キャッシュフロー分析

営業CFは515.2億円で前年同期比+362.5%と大幅に増加し、投資CFは-71.5億円(うち設備投資104.1億円)、財務CFは-420.9億円(うち自社株買い210.1億円)であった。フリーキャッシュフローは443.6億円と高水準であり、設備投資、配当支払、自社株買いを賄う余力を有する。もっとも営業CFの増加は売上債権・契約資産の減少851.5億円と契約負債の増加148.1億円という運転資本流入に支えられており、棚卸資産は210.2億円積み増しとなっている。今後、売上債権や契約負債の動きが反転した場合には、営業CFの伸びが鈍化する可能性がある点は留意される。

収益の質

経常利益256.1億円は営業利益250.2億円に受取配当金16.6億円などの営業外収益を加えた水準であり、本業の伸びを反映した経常的な利益である。一方、税引前利益324.1億円には投資有価証券売却益69.7億円を中心とする特別利益69.8億円が含まれており、純利益216.7億円(親会社株主帰属分206.9億円)の伸び(同+91.2%、+89.4%)には一過性要因の寄与が大きい。継続的な収益力を評価する際には、営業利益率9.2%や経常利益率9.4%を基準とすることが妥当である。包括利益は292.4億円で、純利益216.7億円との差は為替換算調整額50.2億円や有価証券評価差額金27.8億円などのOCI項目によるものであり、純利益との乖離はアクルーアルではなく評価性の要因が中心である。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高1兆3,000億円(前年比+5.9%)、営業利益1,565億円(同+14.6%)、経常利益1,570億円(同+12.7%)であり、業績・配当予想の修正はない。第1四半期の進捗率は売上高21.0%、営業利益16.0%、経常利益16.3%、親会社株主帰属純利益18.6%にとどまる。営業利益の進捗率は単純な25%基準を下回るが、通期予想の営業利益率12.0%は第1四半期実績9.2%を上回っており、下期にかけての利益率改善計画を織り込んだ予想と解釈できる。

株主還元

当四半期は現金配当160.9億円を支払うとともに、自社株買い210.1億円を実施し、現金による株主還元総額は371.0億円に達した。フリーキャッシュフロー443.6億円に対する還元総額の比率は約83.6%であり、当四半期の現金創出の大部分を還元に充当した形である。なお2027年3月期の期末配当予想額は未定であり、配当性向は通期の配当決定額と通期純利益の対応関係で改めて評価する必要がある。

リスク要因

  1. 在庫回転リスク: 棚卸資産は1,076.8億円(うち製品1,076.8億円)で、DIO水準は高めである。需要変動時には在庫評価損や稼働調整により利益率が圧迫される可能性がある。

  2. セグメント間の業績格差: 半導体(売上-0.8%、利益-37.3%)と食品流通(売上-0.8%、利益-14.0%)が減収減益となっており、エネルギー・インダストリーの好調のみで全社の変動吸収力を測ることはできない。

  3. 一時的利益への依存: 純利益の伸びには投資有価証券売却益69.7億円が含まれ、毎期再現可能な収益ではない。継続的な収益力の評価には営業利益・経常利益を中心に見る必要がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率9.2%8.7% (4.2%–14.3%)+0.5pt
純利益率7.9%7.1% (3.2%–10.6%)+0.8pt

自社の収益性は業種中央値をやや上回る水準に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)10.2%6.2% (-1.1%–14.6%)+4.0pt

売上成長率は業種中央値を上回り、IQR上限に近い水準にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は9.2%へ改善し、エネルギー・インダストリー両セグメントの増益が全社利益成長を牽引した。半導体・食品流通の減益はポートフォリオ内のばらつきを示している。

  2. 営業CFは515.2億円と純利益を上回る水準で、現金創出力は良好だが、その増加の一部は売掛金・契約資産の減少という運転資本要因によるものであり、持続性の確認が必要である。

  3. 純利益の大幅増には投資有価証券売却益69.7億円が含まれる。通期進捗率は営業利益16.0%、経常利益16.3%であり、通期予想達成には下期の利益率改善が前提となっている。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)6,353円
base(基準)6,610円
bull(強気)6,872円
算出前提
1株純資産(BPS)5,709円
調整後予想EPS830.2円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.087(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.16倍 / 8.0倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 6,422円〜6,806円、ω±0.1で 6,588円〜6,644円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。