| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥14971.1億 | ¥13129.0億 | +14.0% |
| 営業利益 | ¥1395.0億 | ¥1119.7億 | +24.6% |
| 税引前利益 | ¥1570.8億 | ¥1240.8億 | +26.6% |
| 純利益 | ¥1151.9億 | ¥965.2億 | +19.3% |
| ROE | 2.4% | 2.1% | - |
三菱電機の2027年3月期第1四半期は、FA関連需要拡大と価格改善による増収増益が続き、営業利益率も前年から改善する増収増益決算となった。売上高は14,971.1億円(前年比+14.0%)、営業利益は1,395.0億円(同+24.6%)、税引前利益は1,570.8億円(同+26.6%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,098.2億円(同+20.8%)となった。増収の主因はインダストリー・モビリティのFAシステム事業におけるAI・半導体関連投資需要の取り込みと、主力のライフ事業における空調・家電の国内駆け込み需要・価格改善である。これを受け会社は通期見通しを売上高6兆2,700億円、調整後営業利益6,200億円に上方修正した。
【売上高】売上高は14,971.1億円で前年同期比+14.0%の増収。インダストリー・モビリティ(+17.7%)とセミコンダクター・デバイス(+17.3%)が牽引し、FAシステム事業はAI・半導体関連設備投資需要の拡大により大きく伸長した。主力のライフ事業(売上構成比42.2%)も空調・家電の国内駆け込み需要と価格改善で+11.9%の増収を確保した。地域別では海外売上比率が54.7%から56.8%へ上昇し、アジア(中国+33.7%)の伸びが目立つ。
【損益】営業利益は1,395.0億円(同+24.6%)で、売上総利益率は33.4%(前年31.6%、+1.8pt)へ改善し、販管費率も23.8%(前年24.5%、-0.7pt)へ低下した。ネクストステージ支援制度に伴う特別退職金99.0億円を一時的要因として吸収したうえでの増益である。税引前利益は1,570.8億円(+26.6%、利益率10.5%)で、持分法投資利益144.6億円(前年95.5億円)の増加も寄与した。親会社株主に帰属する四半期純利益は1,098.2億円(+20.8%、利益率7.3%)で、増収増益の決算である。
営業利益(調整後)は主力のライフ事業が608.1億円(YoY+32.2%、マージン9.6%)で構成比最大(売上高比42.2%)を占め、業績の中心的な牽引役となっている。もっとも増益率で最大の伸びを見せたのはインダストリー・モビリティで、営業利益571.4億円(YoY+128.8%、マージン12.8%)とほぼ倍増し、今回の全体増益の主要因となった。AI・半導体関連投資向けFAシステム事業の拡大が背景にある。セミコンダクター・デバイスは営業利益162.2億円ながらマージン22.1%と全セグメント中最高水準を維持。一方デジタルイノベーションは先行投資費用増により営業利益8.6億円(YoY-30.8%)と減益、マージンも4.2%にとどまり、セグメント間の収益性格差が大きい。
収益性: ROE 2.4%(四半期・非年率換算、前年同期2.2%)、営業利益率 9.3%(前年8.5%) キャッシュ品質: 営業CF/純利益(連結)3.4倍、FCF 3,015.1億円 投資効率: 設備投資/減価償却 1.7倍(834.5億円/505.2億円)、成長投資局面を示唆 財務健全性: 自己資本比率 63.1%(前年度末60.9%)、流動比率 約199%(流動資産4兆1,656億円/流動負債2兆930億円)
営業CFは3,886.7億円で、四半期純利益(連結)1,151.9億円の3.4倍と潤沢な水準にある。もっとも売上債権の減少(+2,320.0億円)や退職給付に係る負債の増加(+3,143.6億円、非現金項目)が押し上げに寄与しており、一部一時的な要因を含む点に留意が必要。投資CFは-871.6億円で、設備投資834.5億円が主因。財務CFは-1,138.8億円で、配当支払614.3億円、自己株買い32.4億円等が中心。FCFは3,015.1億円(前年同期1,740.9億円、+73.2%)となった。現金創出評価は強いが、棚卸資産増加(CF寄与-506.6億円)や契約資産増加(CF寄与-486.5億円)が運転資本面での重荷となっており、この点はモニタリングが必要である。
税引前利益1,570.8億円に対し、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,098.2億円で、差異は法人税等418.9億円(実効税率26.7%)と非支配株主持分53.7億円が主因であり、特段の質的な乖離要因はない。その他の損益は-48.2億円(前年+181.2億円)とマイナスに転じたが、これは特別退職金99.0億円(構造改革費用、一時的要因)の計上によるもの。持分法投資利益は144.6億円(前年95.5億円)で税引前利益の9.2%を占め、増加が増益に寄与した。包括利益(親会社株主帰属)は1,499.5億円と純利益を401.3億円上回るが、この乖離は主に在外営業活動体の換算差額+318.6億円(円安による為替換算、非現金)によるもので、実現損益ではない点に留意すべきである。営業CFは純利益(連結)を3.4倍上回っており、アクルーアル面での懸念は小さい。
通期見通しに対するQ1進捗率は、売上高23.9%(14,971.1億円/62,700億円)、調整後営業利益23.3%(1,443.2億円/6,200億円)、親会社株主帰属純利益22.2%(1,098.2億円/4,950億円)。標準進捗(Q1=25%)をやや下回るが、下期偏重の事業特性を踏まえれば概ね計画線上とみられる。今回、通期見通しを売上高+700億円、調整後営業利益+300億円上方修正しており、主因はFAシステム事業の需要増と、Q1実績為替(USD161円等)が通期想定(USD150円)より円安に推移した影響である。契約負債(前受金)は4,783.2億円(前期末比+15.9%)で、通期売上予想比7.6%相当。前受金の積み上がりは受注環境の底堅さを示唆する。
配当は年間予想60円/株で、予想EPS241.87円に対する配当性向は24.8%。中間・期末の内訳は本資料からは確認できないが、通期ベースで方針が示されている。自己株式取得は32.4億円で、前年同期(292.4億円)から大幅に縮小しており、当四半期は配当を中心とした株主還元となった。配当総額614.3億円と自己株買い32.4億円を合算した資金流出は、フリーCF3,015.1億円の範囲内に収まっており、現預金水準(9,291.5億円)からも継続性に問題は見られない。
【短期】通期見通し(売上6兆2,700億円、調整後営業利益6,200億円)に対する上期進捗の確認、想定為替(USD150円)対比での実勢レート動向、ネクストステージ支援制度による構造改革効果(通期約450億円見込み)の顕在化。
【長期】AI・半導体関連設備投資需要を背景としたFAシステム事業の拡大、米国OTセキュリティ事業会社買収によるデジタルイノベーション事業強化、中東関係会社の連結子会社化によるビルシステム事業の海外展開拡大。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 9.3% | 8.8% (4.3%–14.4%) | +0.5pt |
| 純利益率 | 7.7% | 7.3% (3.3%–10.6%) | +0.4pt |
| 自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値をやや上回る水準にある。 |
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 14.0% | 6.6% (-0.5%–14.7%) | +7.4pt |
| 売上高成長率は業種中央値を大幅に上回り、IQR上限に近い高い伸びとなっている。 |
※出所: 当社集計
為替変動リスク: 当第1四半期の実績為替はUSD161円・EUR186円・CNY23.6円と、通期想定(USD150円・EUR175円・CNY21.5円)対比で円安に推移し、通期上方修正(+300億円)の一因となった。今後円高方向に振れた場合は増益効果が反転するリスクがある。
棚卸資産の積み上がり: 棚卸資産は1,324.5億円(前期末比+4.9%)に増加し、キャッシュフロー計算書でも棚卸資産の増加が営業CFを506.6億円押し下げている。需要変動局面での在庫評価・価格圧力についてモニタリングが必要。
退職給付に係る資産の減少: 退職給付に係る資産は656.1億円(前期末比△313.7億円、-32.4%)と大きく減少しており、金利動向や再測定による評価変動が財務諸表に影響を与えている。
営業利益率は9.3%(前年8.5%、+0.8pt)へ改善し、売上総利益率(+1.8pt)・販管費率(-0.7pt)の両面でコスト効率化が進展した。特別退職金99.0億円という一時的費用を吸収したうえでの増益であり、収益構造の改善は構造的な要素を含む可能性を示唆する。
主力のライフ事業(売上構成比42.2%)に次ぐ規模のインダストリー・モビリティ事業が、AI・半導体関連投資需要を背景に営業利益+128.8%と急拡大し、今回の増益の主要因となった。事業ポートフォリオにおける収益源の多様化が進んでいる。
通期見通しを売上高・調整後営業利益ともに上方修正した一方、Q1進捗率(売上23.9%、純利益22.2%)は標準進捗(25%)をやや下回っており、下期の実行度合いが通期達成の確度を左右する。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 2,351円 |
| base(基準) | 2,437円 |
| bull(強気) | 2,526円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 2,233円 |
| 調整後予想EPS | 261.4円 |
| 株主資本コスト r | 8.65%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 24.8% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.081(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.09倍 / 9.3倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 2,367円〜2,511円、ω±0.1で 2,432円〜2,445円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。