- 売上高: 27,095.86億円
- 営業利益: 2,942.87億円
- 当期純利益: 2,031.46億円
- 1株当たり当期純利益: 42.24円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 27,095.86億円 | 22,583.25億円 | +20.0% |
| 売上原価 | 18,999.13億円 | 15,968.66億円 | +19.0% |
| 売上総利益 | 8,096.73億円 | 6,614.59億円 | +22.4% |
| 販管費 | 5,153.86億円 | 4,504.43億円 | +14.4% |
| 営業利益 | 2,942.87億円 | 2,110.16億円 | +39.5% |
| 持分法投資損益 | 28.74億円 | 75.79億円 | -62.1% |
| 税引前利益 | 2,951.09億円 | 2,720.43億円 | +8.5% |
| 法人税等 | 919.63億円 | 716.27億円 | +28.4% |
| 当期純利益 | 2,031.46億円 | 2,004.16億円 | +1.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,894.50億円 | 1,922.04億円 | -1.4% |
| 1株当たり当期純利益 | 42.24円 | 42.01円 | +0.5% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 42.21円 | 41.98円 | +0.5% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 78,402.68億円 | 78,672.39億円 | -269.71億円 |
| 棚卸資産 | 18,578.40億円 | 17,704.79億円 | +873.61億円 |
| 固定資産 | 72,011.42億円 | 71,740.07億円 | +271.35億円 |
| 有形固定資産 | 17,088.78億円 | 16,529.13億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 4,961.74億円 | 4,420.91億円 | +540.83億円 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -290.65億円 | -743.92億円 | +453.27億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -3,064.44億円 | 95.19億円 | -3,159.63億円 |
| 現金及び現金同等物 | 15,044.96億円 | 13,234.80億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 1,470.31円 |
| 純利益率 | 7.0% |
| 粗利益率 | 29.9% |
| 負債資本倍率 | 1.22倍 |
| 実効税率 | 31.2% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +20.0% |
| 営業利益前年同期比 | +39.5% |
| 税引前利益前年同期比 | +8.5% |
| 当期純利益前年同期比 | +1.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -1.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 4.54十億株 |
| 自己株式数 | 64.55百万株 |
| 期中平均株式数 | 4.48十億株 |
| 1株当たり純資産 | 1,512.60円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| ConnectiveIndustries | 7,115.57億円 | 834.45億円 |
| DigitalSystemsAndServices | 6,806.27億円 | 855.91億円 |
| Energy | 9,082.45億円 | 1,290.55億円 |
| Mobility | 3,440.53億円 | 304.61億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 117,000.00億円 |
| 営業利益予想 | 14,080.00億円 |
| 当期純利益予想 | 9,600.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 9,000.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 201.14円 |
| 1株当たり配当金予想 | 28.00円 |
2027年度Q1の業績は、増収・大幅な増益で滑り出し良好。売上高は27,095.86億円で前年比+20.0%、営業利益は2,942.87億円で+39.5%と、トップラインの拡大に対し利益成長が大きく上回った。粗利益率は29.9%と前年同期比+60bp、営業利益率は10.9%と+160bp改善し、収益性の底上げが確認できる。セグメントではEnergyが売上9,082.45億円(+36.8%)、セグメント損益1,290.55億円(+64.5%)で牽引、マージン14.2%とグループ最高水準。Connective Industriesは売上7,115.57億円(+14.8%)、損益834.45億円(+31.9%)、マージン11.7%と改善。Digital Systems & Servicesは売上6,806.27億円(+10.1%)、損益855.91億円(+19.8%)、マージン12.6%と堅調。Mobilityも売上3,440.53億円(+20.6%)、損益304.61億円(+40.2%)で復調基調。税引前利益は2,951.09億円(+8.5%)と伸びは鈍化し、当期純利益は1,894.50億円で-1.4%と減益、これは金融収益の縮小と税負担率上昇(実効税率31.2%)が主因。営業外の影響を除く本業の強さは明確で、金融収益は86.43億円と前年の726.48億円から大きく正常化した一方、金融費用は6.43億円と軽微で金利負担は限定的。営業キャッシュフローは4,961.74億円と純利益の2.62倍で、利益の現金化は極めて良好。フリーキャッシュフローは4,671.09億円で、配当1,215.67億円と設備投資947.63億円を十分に賄い、加えて自社株買い1,479.82億円を実行してもなお余裕。バランスシートは自己資本比率43.7%、有利子負債6,240.26億円(Debt/Capital 8.4%)と健全で、短期借入金610.89億円に対し現金1.50兆円と流動性は厚い。のれんは2.68兆円(総資産比17.8%、純資産比39.7%)と高めで、M&A資産の維持と将来の減損リスク監視が必要。契約負債は3.21兆円まで増加し、プロジェクト型の前受構造がキャッシュ創出に寄与。通期計画に対するQ1進捗は、売上23.2%、営業利益20.9%、親会社純利益21.1%で、営業・純利益は標準進捗25%をやや下回る。今後はEnergyの高採算案件の実行、サプライチェーンの安定、および在庫回転の引き締めがマージン維持の鍵。為替・資源価格の変動や大型案件の実行リスクは残るが、Q1のキャッシュ創出と受注構造は通期目標達成に前向きなサイン。総じて、運転資本の変動を吸収しつつ、事業ポートフォリオ再編の成果が収益性に反映されている。
ROEは2.8%(= 純利益率7.0% × 総資産回転率0.180 × 財務レバレッジ2.22倍)。3因子のうち、今期の変化が最も大きいのは純利益率で、営業段階の改善(営業利益率+160bp)に対し、金融収益の正常化と実効税率上昇で最終利益率は前年の約8.9%から7.0%へ-190bp低下。総資産回転率は0.180と、契約資産・在庫・のれんを多く抱えるプロジェクト/プラットフォーム型の資産構造により高くはないが、売上+20%で改善方向。財務レバレッジは2.22倍と穏当で、低Debt/Capital(8.4%)が示す通り、ROE押し上げ効果は限定的。ビジネス面ではEnergyの高採算案件寄与と価格転嫁の浸透、コストコントロールによりEBITマージンが10.9%に改善。一方、前年に高水準だった金融収益が86億円まで縮小し、税負担係数は0.642へ低下(実効税率上昇)が最終段の逆風。これらの変化のうち、営業面の改善は案件ミックス・価格設定・コスト改善に基づく持続可能性が高いのに対し、金融収益は一過性の反動で来期以降も平常水準が前提。販管費は5,153.86億円で前年比+14.4%程度と、売上成長+20.0%を下回り、正の営業レバレッジが発現。警戒点として、在庫回転日数の長期化兆候(DIO高水準)は、将来のマージン圧迫(値引き・償却)に波及しうる。
売上は+20.0%と広範なセグメントで拡大し、特にEnergy(+36.8%)が牽引。営業利益は+39.5%と伸長、マージン拡大(+160bp)は価格改定・ミックス改善の成果。地理別では海外比率68%(前年65%)へ上昇し、欧州・アジアの伸長が確認できる。純利益は金融収益の正常化と税負担増で横ばい圏だが、営業ベースのモメンタムは強い。受注の先行指標として契約負債が3.21兆円まで積み上がり、今後の売上認識を支える構造。投資配分はCapEx 947.63億円と前年から増加、減価償却1,186.88億円に対して0.80倍でやや抑制的だが、のれん・無形に依存するビジネスモデル上、成長投資はソフト/プロジェクト資産に偏る傾向。為替・資源案件のボラティリティは残るが、Q1の営業CFとFCFの厚みは通期の執行余力を示す。
自己資本比率は43.7%、Debt/Capitalは8.4%と資本構成は堅牢。現金1.50兆円に対し短期借入金611億円、長期借入金5,629億円で有利子負債計6,240億円。インタレストカバレッジはEBIT 2,942.9億円 ÷ 支払利息6.43億円 ≈ 450倍超と極めて強固。流動資産7.84兆円と流動負債7.17兆円の対比から流動性は良好で、満期ミスマッチは限定的。契約負債3.21兆円は前受形の負債であり、プロジェクト進捗に応じた将来の売上・CF認識を裏付ける。のれん2.68兆円は純資産比39.7%と高めで、資産の一部がM&A価値の維持に依存する点は構造的リスク。退職給付債務は2,334.75億円と管理可能な水準。オフバランスの重大な引当・負債は開示範囲内では目立たない。
自己株式: -1,604.62億円 → -3,021.23億円(-88.3%)- 機動的な自己株買いの加速による資本効率向上(1株価値向上)。一方で手元資金・柔軟性への影響をモニター。短期借入金: 434.07億円 → 610.89億円(+40.7%)- 運転資金・資本政策の機動対応。現金水準からみて返済能力は高く、金利負担影響は軽微。
営業CFは4,961.74億円で純利益の2.62倍と高品質。主なブリッジは契約負債の増加+1,220.13億円、売上債権・契約資産の減少による回収改善、在庫の増加-562.08億円、法人税支払-2,072.12億円。FCFは4,671.09億円で、配当1,215.67億円とCapEx 947.63億円の合計2,163.30億円を2.2倍でカバー。自社株買い1,479.82億円を実施後も現金は期首比+1,810.16億円。運転資本では在庫増がマイナス寄与、未払費用減少も資金流出要因だが、受注前受(契約負債)によりネットで大幅な資金創出。OCF/EBITDA(目安)も高水準でキャッシュコンバージョンは良好。
会社予想の年間DPSは28円、予想EPS201.14円に対する配当性向は約13.9%と十分に低位で持続可能。Q1のFCF 4,671.09億円は、当期の配当支払1,215.67億円を大きく上回る。総還元(配当+自社株買い)2,695.49億円に対しても、OCF 4,961.74億円で充当余地がある。ネットキャッシュに近い保守的なレバレッジと高いキャッシュ創出力から、配当の維持・漸進的増配余地は高い。
ビジネスリスクとして、大型プロジェクトの実行リスク(Energy・グリッド/原子力):コスト超過・検収遅延がマージンとキャッシュに影響、在庫滞留・陳腐化リスク:DIO高水準により値引き・減損の可能性、サプライチェーン逼迫リスク:重要部材の納期遅延が売上認識時期と原価に影響、為替変動リスク:海外売上比率68%で通貨感応度が高い、価格転嫁持続性:原材料・エネルギーコスト反転時の価格競争が挙げられます。
財務リスクとしては、のれん依存度高め(純資産比39.7%):事業価値毀損時の減損損失リスク、ROIC 2.7%の低位:資本コストを下回る局面が継続すると価値毀損懸念、在庫積み上がりによる運転資本の資金拘束と将来のCFボラティリティが挙げられます。
主な懸念事項としては、実効税率の上昇により純利益率が低下(約-190bp):通期も圧迫要因になりうる、金融収益の正常化に伴う最終利益の伸び鈍化:営業改善とのギャップ管理、Energyセグメントへの利益集中:案件ミックス変動時のグループ利益感応度が挙げられます。
重要ポイントとして、営業面は広範に改善、特にEnergyの高採算案件が利益を牽引(営業利益率+160bp)、金融収益の反動と税負担増で純利益率は低下、最終段のボラティリティに留意、営業CF・FCFともに厚く、総還元を実行しつつ現金積み増し、在庫回転は課題、契約負債の積み上がりが短期のCFと売上見通しを下支え、のれん比率が高く、M&A資産の価値維持と減損管理が重要が挙げられます。
注視すべき指標は、受注残・契約負債の推移と売上転化速度、在庫回転日数(DIO)と在庫構成の改善度合い、Energyの案件マージンと収益認識のタイミング、実効税率の動向と税前利益とのギャップ、キャッシュコンバージョンサイクルとOCF/EBITDAです。
セクター内ポジションについては、国内の重電・IT融合型プラットフォーマーとして、資本構成・流動性は同業でも堅牢、営業利益率は上位レンジに回復。一方、ROICと在庫効率は改善余地が大きく、のれん依存度の高さが中期の質的リスクとなる。案件品質と運転資本効率の改善を継続できるかが相対優位性のカギ。