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64722027 第1四半期プライムJGAAP

NTN(6472) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益19%増

2027年度第1四半期の売上高は2,123億円(前年同期比+6.7%)、営業利益は83.2億円(同+19.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

NTN株式会社

機械


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥2122.8億¥1990.4億+6.7%
営業利益¥83.2億¥69.8億+19.2%
経常利益¥63.5億¥40.3億+57.5%
純利益¥22.2億¥14.5億+53.2%
ROE0.7%0.5%-

Executive Summary

増収に加え増収率を上回る利益成長を達成した増収増益決算で、営業レバレッジの改善が見られた。売上高は2,122.8億円(前年比+6.7%)、営業利益は83.2億円(同+19.2%)、経常利益は63.5億円(同+57.5%)、純利益は22.2億円(同+53.2%)となった。増収の主因は日本を除く全地域での売上拡大、増益の主因は日本セグメントの大幅な収益改善である。ただし営業利益率は3.9%にとどまり、利益率の絶対水準はなお低い。

業績変動要因

【売上高】売上高は2,122.8億円で前年比+6.7%増となり、全地域で増収した。セグメント別(内部売上高含む)では日本863.5億円(+3.1%)、米州692.7億円(+7.2%)、欧州514.0億円(+8.7%)、アジア他424.8億円(+7.2%)と、欧州・米州・アジア他の伸びが日本を上回った。

【損益】営業利益は83.2億円(同+19.2%)で、増収率を上回る利益成長により営業利益率は3.9%と前年から改善した。地域別営業利益は日本41.7億円(前年4.2億円から大幅増)、アジア他43.4億円(+13.2%)が牽引した一方、米州は5.2億円と前年16.3億円から68.1%減益、欧州は3.5億円の損失で赤字が継続した。経常利益は営業外費用として支払利息17.7億円・為替差損5.2億円を計上しつつも63.5億円(同+57.5%)と大幅増益。特別損失には構造改革費用10.5億円を含む11.7億円を計上し、税引前利益は54.5億円、実効税率は約59%と高水準となり、純利益への転換率を押し下げた。結論として増収増益。

セグメント別分析

セグメント別営業利益(内部売上込み売上高に対する利益率)は、アジア他が43.4億円・利益率10.2%と最大で、セグメント利益合計86.8億円の約半分を占める。日本は41.7億円・利益率4.8%で前年の4.2億円から大幅増益し、収益回復が顕著である。一方、米州は5.2億円・利益率0.7%にとどまり前年比68.1%減益、欧州は3.5億円の損失で前年からの赤字継続となった。アジア他・日本への利益依存が強く、米州・欧州の採算改善が全社収益性向上の鍵となる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率3.9%は前年から改善したが絶対水準は低く、粗利率19.2%・販管費率15.3%という構造から利益バッファーが薄い。純利益率は0.9%にとどまり、営業段階から純利益段階にかけて金利負担と高税負担で利益が目減りしている。【キャッシュ品質】営業CFは264.6億円で純利益の10倍超に達し、減価償却費99.0億円や仕入債務増加66.7億円が寄与しており、利益の現金化は良好である。【投資効率】ROEは0.7%(四半期ベース)、設備投資97.9億円は減価償却費とほぼ同水準で、能力増強より維持更新に近い投資規模である。【財務健全性】自己資本比率は36.3%で前年35.9%からほぼ横ばい、有利子負債は約2,724億円に上り、短期借入金1,262.6億円は流動負債の一角を占め、支払利息17.7億円の負担が経常利益を圧迫している。

キャッシュフロー分析

営業CFは264.6億円で前年比+42.2%と大きく増加し、減価償却費99.0億円に加え仕入債務の増加66.7億円が寄与した。投資CFは117.8億円の支出で、設備投資97.9億円がその中心であり、既存設備の維持更新水準に近い規模である。財務CFは221.0億円の支出で、長期借入金の返済200.0億円と短期借入金の純減が資金流出の主因となった。結果としてフリーキャッシュフローは146.8億円の黒字を確保し、営業活動で得た資金が設備投資を上回って賄われたことを示す。現金及び現金同等物は差引60.9億円減少し、期末残高は1,251.6億円となった。

収益の質

経常利益の伸び(+57.5%)は営業利益の伸び(+19.2%)を上回るが、これは前年の為替差損等の営業外負担が相対的に軽かった構図の裏返しであり、経常的な収益力の改善は主に営業段階の増益に支えられている。一方で特別損失11.7億円には構造改革費用10.5億円という一時的要因が含まれ、特別利益2.7億円を差し引いた特別損益は8.9億円のマイナスとなり、純利益を押し下げている。税引前利益54.5億円に対し法人税等32.3億円が計上され、実効税率は約59%と通常水準を大きく上回り、純利益への転換効率を損なっている。営業CFが純利益を大幅に上回る一方、棚卸資産は1,307.2億円と総資産の15%を占め、在庫水準が高止まりしており、営業CFの強さが仕入債務増加に一定程度依存している点には留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想は売上高8,100億円(前期比-2.0%)、営業利益330億円(同+6.3%)、経常利益210億円(同-10.6%)で、当四半期に修正はない。第1四半期の進捗率は売上高26.2%、営業利益25.2%と標準的な25%近辺で発進した一方、経常利益進捗率は30.2%とやや先行している。純利益(親会社株主帰属分)は19.3億円で通期予想150億円に対し進捗率12.9%にとどまり、構造改革費用や高い実効税率の影響が反映されている。通期計画達成には、下期にかけての特別損益の縮小と税負担の正常化が課題となる。

株主還元

通期の1株当たり配当予想は13.00円で、当四半期に配当予想の修正はない。期中平均株式数594.5百万株から算出される年間配当総額は概算77.3億円で、通期純利益予想150億円に対する配当性向は約51.5%となる。第1四半期の営業CF264.6億円・フリーキャッシュフロー146.8億円は年間配当予想額を上回る水準であり、当四半期の実際の配当支払額32.8億円もキャッシュフローの範囲内で賄われている。自社株買いに関する実績は確認されないため、総還元性向ではなく配当性向として評価する。

リスク要因

  1. 地域別採算の偏り: アジア他がセグメント利益43.4億円で最大寄与する一方、米州は前年比68.1%減益の5.2億円、欧州は3.5億円の営業赤字が継続しており、地域間の収益格差が全社利益率の重石となっている。

  2. 財務レバレッジと短期借換: 有利子負債は約2,724億円に上り、うち短期借入金1,262.6億円が含まれる。支払利息は17.7億円で営業利益の約21%に相当し、金利変動や借換条件の変化が収益に影響し得る。

  3. 一時的費用と高税負担: 特別損失11.7億円には構造改革費用10.5億円が含まれ、実効税率は約59%と高水準である。これらが税引前利益から純利益への転換を押し下げており、通期純利益計画の進捗率が低くなる要因となっている。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率3.9%8.7% (4.2%–14.3%)−4.8pt
純利益率1.0%7.1% (3.2%–10.6%)−6.1pt

収益性は営業利益率・純利益率とも業種中央値を大きく下回る水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)6.7%6.2% (-1.1%–14.6%)+0.5pt

売上成長率は業種中央値をわずかに上回り、トップラインは業種平均並みの伸びを示している。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 増収率6.7%を上回る営業利益成長率19.2%は、固定費吸収による営業レバレッジの改善を示す。ただし営業利益率3.9%は業種中央値を大きく下回り、利益率改善余地は大きい。

  2. 通期営業利益進捗率25.2%は標準的な発進だが、純利益進捗率12.9%は構造改革費用と実効税率約59%の影響で大きく下回る。下期の特別損益・税負担の動向が通期純利益計画達成の鍵となる。

  3. 米州の大幅減益と欧州の営業赤字継続は、アジア他・日本への利益依存を強めている。地域別採算の平準化が進むかが、今後の収益性評価の観点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)464円
base(基準)470円
bull(強気)478円
算出前提
1株純資産(BPS)530円
調整後予想EPS27.0円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向51.5%
予想EPSの信頼度調整×1.071(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.89倍 / 17.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 457円〜483円、ω±0.1で 468円〜471円。

注記:

  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 45%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。