記事一覧に戻る
63392027 第1四半期プライムJGAAP

新東工業(6339) 2027年度第1四半期決算 減収・営業益55%増

2027年度第1四半期の売上高は398.1億円(前年同期比-3.9%)、営業利益は11億円(同+55.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

機械


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥398.1億¥414.2億−3.9%
営業利益¥11.0億¥7.1億+55.1%
経常利益¥13.9億¥5.0億+175.7%
純利益¥6.8億¥4.2億+62.9%
ROE0.6%0.4%-

Executive Summary

当四半期は減収ながら営業増益・経常増益・純利益増益となり、収益構造の質的改善が確認できる決算である。売上高は398.1億円(前年比-3.9%)と減収となったものの、営業利益は11.0億円(同+55.1%)、経常利益は13.9億円(同+175.7%)、純利益は6.8億円(同+62.9%)と大幅増益を確保した。営業利益率は2.8%で前年同期比約1.1pt改善したが、なお製造業として低水準にあり、経常利益の伸びには受取配当金や為替差益等の営業外収益が寄与している。

業績変動要因

【売上高】売上高は398.1億円で前年比-3.9%の減収となった。セグメント別では最大の表面づくり領域(構成比58.9%)が234.5億円・同+1.8%と堅調、環境技術領域も30.6億円・同+12.3%と伸長した一方、ハンドリング技術領域は13.3億円・同-48.2%、素材+形づくり領域は110.4億円・同-8.4%、支援技術領域は11.1億円・同-15.2%と大きく落ち込み、全体では減収基調となった。

【損益】営業利益は11.0億円(同+55.1%)と増益を確保し、表面づくり領域のセグメント利益が10.1億円(同+262.9%)と急拡大したことが最大の牽引役となった。環境技術領域も5.1億円(同+59.6%)と利益率16.8%で高収益を維持した。一方、支援技術領域は2.4億円の営業赤字(前年-1.0億円から赤字拡大)、ハンドリング技術領域・素材+形づくり領域も利益率1.0%、0.5%に低下しており、事業間の収益格差が拡大している。経常利益は13.9億円(同+175.7%)と営業利益の伸びを上回ったが、これは受取配当金4.7億円、為替差益0.8億円等の営業外収益7.7億円が押し上げたためである。純利益は6.8億円(同+62.9%)にとどまり、税引前利益13.6億円に対し法人税等6.7億円と実効税率が約49.6%に達したことが、経常利益の伸びに比べ純利益の伸びを抑制した。総括すると、減収増益の決算であり、主力の表面づくり・環境技術領域への収益依存が強まっている。

セグメント別分析

表面づくり領域は売上234.5億円(同+1.8%)、営業利益10.1億円(同+262.9%)と大幅増益で、連結営業利益11.0億円の91.4%を占め、全社利益への依存度が極めて高い。環境技術領域は売上30.6億円(同+12.3%)、営業利益5.1億円(同+59.6%)、利益率16.8%と全社中最も高収益なセグメントである。一方、素材+形づくり領域(売上110.4億円、同-8.4%)は利益0.5億円(同-53.2%)、ハンドリング技術領域(売上13.3億円、同-48.2%)は利益0.1億円(同-95.5%)と、いずれも需要減退・稼働低下により大幅減益となった。支援技術領域は売上11.1億円(同-15.2%)に対し2.4億円の営業赤字で、前年同期の1.0億円の赤字から損失が拡大している。全社費用を含む調整額も-2.65億円と前年-2.22億円から拡大し、事業別の改善効果を一部相殺している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は2.8%で前年同期の1.7%から改善したが、粗利率29.8%・販管費率27.0%という構造の中で依然低水準にある。純利益率は1.7%にとどまり、税引前利益13.6億円に対し実効税率は約49.6%と高水準で、税負担が純利益への転化を抑制している。【キャッシュ品質】売掛金468.7億円は総資産の20.1%を占め、在庫合計は261.6億円(原材料90.7億円、仕掛品82.7億円、製品88.3億円)に上る。【投資効率】ROEは0.6%、自己資本比率は52.7%であり、資本効率面では改善余地がある。EPSは12.98円(前年3.56円)、BPSは2,191.80円である。【財務健全性】現金及び預金は381.4億円で流動負債507.1億円に対し厚みがあり、流動資産1,177.2億円は流動負債を大きく上回る。長期借入金402.4億円が有利子負債の主体を占め、負債構成は長期化している。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示数値は含まれないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。現金及び預金は381.4億円で前年同期の413.2億円から減少しており、投資有価証券は409.3億円(前年349.8億円)へ増加していることから、手元資金の一部が有価証券投資に振り向けられた可能性がある。売掛金468.7億円は総資産の20.1%を占める規模であり、在庫は原材料・仕掛品を中心に前年から積み増しが見られる。長期借入金は402.4億円で前年407.8億円からほぼ横ばいであり、有利子負債水準は安定的に推移している。流動資産1,177.2億円は流動負債507.1億円を大きく上回り、短期的な支払余力は確保されている。

収益の質

経常利益13.9億円は営業利益11.0億円を上回るが、その差分は受取配当金4.7億円、受取利息1.3億円、為替差益0.8億円といった営業外収益7.7億円によるものであり、本業以外の収益への依存度がやや高い。特別損益は特別利益0.1億円、特別損失0.4億円と純額でわずかなマイナスにとどまり、純利益への影響は限定的である。一方、包括利益は51.6億円と純利益6.8億円を大きく上回っており、有価証券評価差額金39.6億円と為替換算調整額6.7億円が主因である。この乖離は市場価格変動による評価益の寄与が大きいことを示しており、経常的な事業収益力とは区別して捉える必要がある。税引前利益13.6億円に対し法人税等6.7億円が計上され、実効税率は約49.6%と高水準であり、税負担の重さが利益の質を評価する上での留意点となる。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高1,700.0億円(前年比-3.5%)、営業利益73.0億円(同+90.5%)、経常利益66.0億円(同+96.1%)であり、業績・配当予想の修正はいずれも「無」である。当第1四半期の進捗率は売上高23.4%、営業利益15.1%、経常利益21.1%、純利益12.2%となる。売上高の進捗は概ね標準的な水準だが、営業利益・純利益の進捗は通期計画に対しやや低く、通期予想営業利益率4.3%に対しQ1実績2.8%との差から、下期にかけて収益性改善が計画に織り込まれている。

株主還元

通期配当予想は1株当たり48.00円であり、配当予想の修正はない。通期予想EPS106.63円に基づく予想配当性向は45.0%となる。期中平均株式数52,516千株を用いると年間配当総額は概算25.2億円となり、通期予想純利益56.0億円に対し配当余力は確保されている。ただしQ1純利益は通期予想の12.2%にとどまるため、配当の実質的な裏付けは下期の利益進捗に依存する。自社株買いに関する開示はなく、総還元性向は算定していない。

リスク要因

  1. 事業別収益格差の拡大: ハンドリング技術領域は売上-48.2%、利益-95.5%、支援技術領域は営業赤字2.4億円に拡大した。低採算事業の需要回復が遅れれば、全社収益性の改善ペースが制約される。

  2. 主力領域への利益集中: 表面づくり領域のセグメント利益10.1億円は連結営業利益11.0億円の91.4%を占める。同領域の受注・採算変動が連結業績全体に与える影響が大きい。

  3. 高い税負担: 実効税率は約49.6%に達し、税引前利益13.6億円から純利益6.8億円への転化を抑制している。経常利益の伸び(+175.7%)に比べ純利益の伸び(+62.9%)が小幅にとどまる要因となっている。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率2.8%8.7% (4.2%–14.3%)−5.9pt
純利益率1.7%7.1% (3.2%–10.6%)−5.4pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を大きく下回り、収益性面で業種内では低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−3.9%6.2% (-1.1%–14.6%)−10.1pt

売上高成長率も業種中央値を大きく下回り、業種内トップラインの伸びに対し見劣りする水準にある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 当四半期は減収下での営業増益(+55.1%)となり、表面づくり領域を中心とした採算改善がその主因である。ただし営業利益率2.8%は業種中央値8.7%を下回り、収益性改善は途上段階にある。

  2. 経常利益の大幅増益(+175.7%)は営業外収益(受取配当金・為替差益等)の寄与が大きく、純利益の伸び(+62.9%)は高い実効税率(約49.6%)により抑制されている。利益の質を見る上で本業収益と営業外収益の区別が重要である。

  3. ハンドリング技術・素材+形づくり・支援技術の3領域が減益・赤字となっており、全社収益の主力領域への集中度が高まっている点は、事業ポートフォリオの構造的観察点として留意される。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,896円
base(基準)1,921円
bull(強気)1,957円
算出前提
1株純資産(BPS)2,192円
調整後予想EPS114.2円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向45.0%
予想EPSの信頼度調整×1.071(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.88倍 / 16.8倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,868円〜1,975円、ω±0.1で 1,912円〜1,926円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。