| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥271.8億 | ¥248.2億 | +9.5% |
| 営業利益 | ¥4.8億 | ¥1.7億 | +188.8% |
| 経常利益 | ¥8.8億 | ¥6.8億 | +28.5% |
| 純利益 | ¥20.8億 | ¥24.2億 | -14.3% |
| ROE | 1.8% | 2.1% | - |
当第1四半期は売上高・営業利益・経常利益がそろって増加した増収増益決算だが、純利益は特別利益の規模縮小により前年から減少しており、増益の内実は一時的要因への依存度が高い点に留意が必要である。売上高は271.8億円(前年比+9.5%)、営業利益は4.8億円(同+188.8%)、経常利益は8.8億円(同+28.5%)となった。一方、純利益(当期純利益)は20.8億円(前年24.2億円、同-14.3%)で、前年に計上された投資有価証券売却益の反動を主因に減益となった。営業利益率は1.8%と前年の0.7%から改善したが、これは産業事業の採算回復と全社粗利率の上昇(21.3%、+1.4pt)によるもので、水環境事業は小幅の営業赤字が続いている。当期も投資有価証券売却益22.2億円を含む特別利益23.1億円を計上しており、税引前利益(31.8億円)の押し上げ要因となっている。
【売上高】売上高は271.8億円で前年比+9.5%の増収となった。セグメント別では産業事業が101.9億円(構成比37.5%、前年比+14.6%)と高成長を牽引し、水環境事業は170.7億円(構成比62.8%、同+8.7%)で増収を維持した一方、その他区分は11.8億円(同-23.0%)と減収した。地域別では国内が244.9億円(構成比90.1%、同+8.6%)と大半を占め、アジアが19.0億円(同+14.9%)、その他地域が7.9億円(同+30.7%)と海外がより高い伸びを示した。
【損益】売上総利益は57.9億円、粗利率は21.3%で前年19.9%から+1.4pt改善し、産業事業の採算回復が寄与した。一方、販管費は53.1億円で前年比+11.3%増と売上成長率(+9.5%)を上回っており、固定費の伸びが営業レバレッジを一部相殺した。この結果、営業利益は4.8億円(同+188.8%)、営業利益率は1.8%(前年0.7%)となった。経常利益は8.8億円(同+28.5%)で、受取配当金2.7億円・受取利息0.8億円・為替差益0.5億円といった営業外収益が押し上げに寄与した。税引前利益は31.8億円まで拡大したが、これは投資有価証券売却益22.2億円を含む特別利益23.1億円の計上によるもので、経常段階の水準を大きく上回る一時的な押し上げである。純利益(当期純利益)は20.8億円(同-14.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は20.7億円(同-16.0%)で、いずれも前年に計上された同種の投資有価証券売却益(前年30.5億円)からの縮小により減益となった。結論として、売上高・営業利益・経常利益は増収増益だが、純利益は特別利益の規模縮小により減益となった。
産業事業は売上高101.9億円(前年比+14.6%)、営業利益6.0億円(同+285.4%)、利益率5.9%と全社利益の牽引役となった。水環境事業は売上高170.7億円(同+8.7%)で全社売上の62.8%を占める最大セグメントだが、営業損益は-0.2億円(前年-1.6億円)と損失縮小にとどまり、利益率は-0.1%とわずかながら赤字が継続している。その他区分(不動産賃貸、印刷・製本等)は売上高11.8億円(同-23.0%)、営業損益-1.0億円(前年+1.8億円)と黒字から赤字に転じ、全社営業利益4.8億円に対して押し下げ要因となった。産業事業(利益率5.9%)と水環境事業(利益率-0.1%)の格差は6.0ptに達しており、水環境事業の採算改善が全社マージン向上の課題である。
【収益性】営業利益率は1.8%で前年0.7%から+1.1pt改善したが、純利益率(当期純利益ベース)は7.6%と前年9.8%から-2.1pt低下しており、特別利益の規模縮小が響いた。ROEは1.8%で、純利益率・総資産回転率(0.148倍)・財務レバレッジ(約1.6倍)の積で構成される水準にとどまる。【キャッシュ品質】包括利益合計は0.15億円と純利益20.8億円を大きく下回り、有価証券評価差額金が-18.9億円と大幅なマイナスとなったことが主因で、保有有価証券の売却に伴う評価差額の実現(リサイクリング)が影響したとみられる。【投資効率】総資産回転率は0.148倍(四半期ベース)で、総資産は1836.0億円と前年2030.2億円から-9.6%縮小しており、売掛金の圧縮(500.0億円、-37.4%)が主因である。【財務健全性】自己資本比率は62.1%で前年57.9%から+4.2pt上昇し、有利子負債(短期0.5億円、長期95.6億円、社債50.0億円)に対し現金及び預金286.2億円・短期有価証券264.0億円を保有するネットキャッシュ基調にあり、財務基盤は引き続き健全である。
キャッシュフロー計算書の明示的な数値は開示されていないため、貸借対照表の増減から資金動向を分析する。現金及び預金は286.2億円で前年300.5億円から-4.7%減少した一方、短期有価証券は264.0億円と前年比+161.0%(+163.0億円)増加しており、余資運用を通じた流動性クッションの積み増しが進んでいる。運転資本面では、売掛金・受取手形が500.0億円(前年798.3億円、-37.4%)と大幅に圧縮され、契約負債(前受金)は155.5億円(前年97.6億円、+59.2%)に増加しており、プロジェクトの請求進捗と前受金の積み上がりがキャッシュ創出に寄与したとみられる。一方、買掛金・支払手形は84.2億円(前年182.1億円、-53.8%)と大きく減少しており、仕入債務の支払いが進んだ分はキャッシュアウト方向に作用している。仕掛品は38.3億円(前年31.9億円、+20.0%)に増加しており、案件の検収・引渡しタイミングが今後のキャッシュ転換における留意点となる。
当四半期の税引前利益31.8億円のうち、経常的な収益力を示す経常利益は8.8億円にとどまり、残りの大部分は投資有価証券売却益22.2億円を含む特別利益23.1億円という一時的要因によるものである。営業外収益4.7億円の内訳は受取配当金2.7億円、為替差益0.5億円、受取利息0.8億円等であり、いずれも本業の営業損益(4.8億円)を補完する非経常的な色彩を帯びる項目が中心である。アクルーアルの観点では、純利益20.8億円に対して包括利益合計はわずか0.15億円にとどまり、有価証券評価差額金が-18.9億円と大きく悪化しており、保有有価証券の売却実現に伴う評価差額の取り崩し(リサイクリング)が包括利益を押し下げた可能性がある。また、契約負債(前受金)が155.5億円(+59.2%)に増加する一方、仕掛品が38.3億円(+20.0%)に積み上がっており、売上計上に先行した前受・未成工事のバランスが今後の収益認識タイミングに影響しうる。総じて、当期純利益の質は特別利益への依存度が高く、経常的な稼ぐ力を評価する上では営業利益・経常利益の水準を重視する必要がある。
通期業績予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が17.9%(271.8億円/1520.0億円)、営業利益が4.4%(4.8億円/110.0億円)、経常利益が7.5%(8.8億円/117.0億円)で、いずれも四半期均等進捗の目安となる25%を下回っている。通期計画は売上高+2.0%、営業利益+11.8%、経常利益+6.5%の増収増益を見込んでおり、Q1時点の低進捗は下期偏重の収益計画であることを示唆する。当四半期において業績予想・配当予想の修正はいずれも「無」であり、会社側は現行計画を据え置いている。
通期の配当予想は1株当たり88円で、2026年3月期中間配当としては普通配当40円に創業120周年記念配当2円を加えた42円を実施しており、単純計算では期末に46円を見込む形となる。通期予想EPS214.87円に対する配当性向は約41.0%(88円/214.87円)であり、極端に高い水準ではない。自己資本比率62.1%、現金及び預金286.2億円に短期有価証券264.0億円を加えた厚い流動性を背景に、配当原資の確保という観点での負担は限定的とみられる。自社株買いに関する開示は確認されない。
プロジェクト進捗・検収タイミングリスク: 仕掛品は38.3億円で前年比+20.0%増加している。案件の検収・引渡しが計画から遅延した場合、売上・利益・キャッシュ化のタイミングに影響が及ぶ可能性がある。
水環境事業の採算低迷: 同事業の営業利益率は-0.1%で、産業事業の5.9%との差は6.0ptに達する。全社売上の62.8%を占める最大セグメントの収益性改善が遅れる場合、全社マージンの重石となり続ける可能性がある。
純利益の一時的要因への依存: 税引前利益31.8億円のうち特別利益23.1億円(投資有価証券売却益22.2億円)が占める比率は72.6%に達する。包括利益合計は0.15億円と純利益20.8億円を大きく下回っており、有価証券の評価差額変動を映した収益のブレが存在する。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 1.8% | 8.7% (4.2%–14.2%) | -6.9pt |
| 純利益率 | 7.6% | 7.0% (3.2%–10.6%) | +0.6pt |
| 営業利益率は業種中央値を大きく下回る一方、純利益率は特別利益の押し上げにより中央値をわずかに上回っている。 |
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 9.5% | 6.2% (-1.1%–14.6%) | +3.2pt |
| 売上高成長率は業種中央値を上回り、IQR上位圏に位置している。 |
※出所: 当社集計
粗利率は21.3%(前年19.9%)へ+1.4pt改善し、産業事業の採算回復が全社利益を牽引した一方、販管費の伸び(+11.3%)が売上成長(+9.5%)を上回り、営業レバレッジの効きを抑制している。
純利益の押し上げ要因は投資有価証券売却益22.2億円が中心であり、経常利益8.8億円との乖離が大きい。通期計画に対する進捗率も売上17.9%・営業利益4.4%・経常利益7.5%と四半期均等進捗の目安を下回っており、下期の案件進捗が計画達成の前提となる。
セグメント別では産業事業(利益率5.9%)と水環境事業(利益率-0.1%)の採算格差が6.0pt存在し、契約負債(前受金)は155.5億円(+59.2%)に増加している。前受金の積み上がりは将来の売上計上余地を示す一方、水環境事業の黒字化が全社マージン改善の構造的な鍵となる。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 2,688円 |
| base(基準) | 2,740円 |
| bull(強気) | 2,817円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 2,884円 |
| 調整後予想EPS | 230.2円 |
| 株主資本コスト r | 9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 40.9% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.071(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.95倍 / 11.9倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 2,665円〜2,819円、ω±0.1で 2,736円〜2,744円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。