記事一覧に戻る
62662026 第2四半期プライムJGAAP

タツモ(6266) 2026年度第2四半期決算 減収・営業益95%減

2026年度第2四半期の売上高は126.8億円(前年同期比-24.4%)、営業利益は1.2億円(同-95.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

タツモ株式会社

機械


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥126.8億¥167.9億−24.4%
営業利益¥1.2億¥25.2億−95.1%
経常利益¥2.7億¥23.8億−88.6%
純利益¥0.4億¥16.5億−97.7%
ROE(年換算)0.3%12.2%-

Executive Summary

2026年12月期第2四半期累計は、表面処理用機器事業の急速な悪化と販管費増加により営業利益が大幅に縮小し、収益性が大きく低下した決算となった。売上高は126.8億円(前年同期167.9億円、YoY-24.4%)、営業利益は1.2億円(同25.2億円、YoY-95.1%)、経常利益は2.7億円(同23.8億円、YoY-88.6%)、親会社株主に帰属する中間純利益は0.4億円(同16.5億円、YoY-97.7%)となった。売上減少に対し研究開発費や販管費が高止まりしたため営業レバレッジが逆回転し、営業利益率は1.0%(前年同期15.0%)まで低下した。

業績変動要因

【売上高】売上高は126.8億円で前年同期比24.4%減少した。主力のプロセス機器事業は106.7億円(同12.5%減、構成比84.1%)と相対的に小幅な減少に留まったが、表面処理用機器事業は14.5億円(同63.6%減)と急減した。金型・樹脂成形事業も5.6億円(同13.5%減)と縮小し、全セグメントが減収となった。

【損益】営業利益は1.2億円(同95.1%減)にとどまり、粗利率は28.4%と前年の31.2%から低下する一方、販管費は34.8億円と28.1%増加した。研究開発費が2.4億円から5.4億円へ倍増以上に拡大したことも利益圧迫要因である。経常利益は為替差益0.9億円を含む営業外収益に支えられ2.7億円(同88.6%減)となったが、税引前利益2.7億円に対し法人税等が2.3億円と実効税率が高く、純利益は0.4億円(同97.7%減)まで縮小した。セグメント別では表面処理用機器事業が前年の5.2億円の利益から0.9億円の損失に転落し、連結利益悪化の最大要因となった。減収減益であり、固定費・研究開発費負担の重さが利益率悪化を増幅させた。

セグメント別分析

プロセス機器事業は売上高106.7億円(前年同期比12.5%減)、セグメント利益2.2億円(同88.5%減)、利益率2.0%と、売上構成比84.1%を占める主力事業ながら採算が大幅に悪化した。半導体装置60.8億円、搬送装置34.5億円、洗浄装置11.4億円が内訳である。表面処理用機器事業は売上高14.5億円(同63.6%減)、セグメント損失0.9億円となり、前年同期の5.2億円の利益から赤字転落した。金型・樹脂成形事業は売上高5.6億円(同13.5%減)、セグメント損失0.02億円とわずかな赤字である。3事業すべてが減益・悪化しており、特に表面処理用機器事業の急減速が連結業績を最も強く押し下げている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は1.0%で前年同期15.0%から大幅低下し、純利益率も0.3%(前年同期9.8%)まで縮小した。粗利率は28.4%で前年同期31.2%から280bp低下している。【キャッシュ品質】営業CFはマイナス3.4億円で、純利益0.4億円に対する営業CF/純利益比率はマイナスとなり、収益とキャッシュフローの乖離が大きい。棚卸資産は172.1億円(うち仕掛品132.0億円、在庫全体の76.7%)まで積み上がり、資金化の遅れが顕在化している。【投資効率】ROE(年換算)は0.3%と極めて低水準であり、設備投資13.3億円は減価償却費5.2億円の約2.5倍に達しており、投資回収と稼働率改善が課題となる。【財務健全性】自己資本比率は55.5%、現金及び預金は147.8億円で流動性は確保されているが、EBITDAの低下により有利子負債の実質的な負担感は増している。

キャッシュフロー分析

営業CFはマイナス3.4億円となり、前年同期の43.9億円のプラスから大幅に悪化した。運転資本変動前の小計は4.5億円の黒字であったが、棚卸資産の16.8億円増加と法人税等の支払8.3億円が資金を圧迫し、最終的に赤字化した。投資CFはマイナス2.9億円で、設備投資13.3億円を継続する一方、定期預金の取崩し等で一部相殺されている。財務CFは0.1億円とほぼ中立である。結果としてフリーキャッシュフローはマイナス6.3億円となり、営業活動で設備投資を十分に回収できていない状態にある。契約負債(前受金)は62.2億円と前年同期の36.6億円から69.9%増加しており、受注案件に係る前受金は運転資金の支えとなっているが、在庫・仕掛品の売上転換の進展が今後のキャッシュフロー改善の鍵となる。

収益の質

経常利益2.7億円のうち、営業利益は1.2億円に過ぎず、残りは為替差益0.9億円を含む営業外収益1.9億円が支えている構造であり、為替差益は営業利益の72.9%に相当する規模であるため、経常利益の内容は営業活動以外の要因に左右されやすい。税引前利益2.7億円に対し法人税等は2.3億円と、実効税率は約85.8%に達し、通常水準を大きく上回るため、税負担の変動が純利益を大きく左右する構図となっている。包括利益は3.3億円(親会社株主分3.0億円)で、純利益0.4億円との乖離は主に為替換算調整額2.9億円によるものであり、事業の実態的な収益力とは別の要因が包括利益を押し上げている。棚卸資産の16.8億円増加は営業CFを圧迫しており、利益とキャッシュフローの乖離という観点から収益の質は低下している。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想は据え置かれており、売上高355.0億円(YoY+0.2%)、営業利益36.0億円(同-24.5%)、経常利益35.0億円(同-30.1%)を計画している。第2四半期累計の進捗率は売上高35.7%、営業利益3.4%、経常利益7.7%と、いずれも半期経過時点の目安である50%を大きく下回っている。計画達成には下期に売上高228.2億円、営業利益34.8億円が必要であり、下期営業利益率は約15.2%への急回復が前提となる。表面処理用機器事業の採算改善や仕掛品の売上転換の進捗が、計画実現度を判断する材料となる。

株主還元

第2四半期末の配当は1株当たり0円であり、通期の配当予想は1株当たり34.0円で修正はない。通期EPS予想170.65円に対する配当性向は約19.9%であり、配当のみで見た水準は保守的である。自社株買いの実施額はわずかで、総還元性向と配当性向の差異は限定的である。当第2四半期累計のフリーキャッシュフローはマイナス6.3億円であり、当期中のキャッシュ創出のみでは年間配当を十分にカバーできていない状況にある。

リスク要因

  1. 表面処理用機器事業の急減速: 売上高は14.5億円(前年同期比63.6%減)、セグメント損失0.9億円となり、前年同期5.2億円の利益から赤字転落した。案件の延期・検収遅延が継続すれば下期の利益回復を阻害する主因となる。

  2. 棚卸資産・仕掛品の滞留: 棚卸資産は172.1億円に達し、うち仕掛品が132.0億円で在庫全体の76.7%を占める。在庫の資金化・検収進展の遅れは、追加の評価損リスクや運転資金負担の増大につながる可能性がある。

  3. 半導体・製造装置市場の設備投資サイクル変動: 主力のプロセス機器事業は売上構成比84.1%を占めており、顧客の設備投資抑制や検収タイミングの後ずれが生じると、連結業績の振れが増幅されやすい構造にある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率1.0%9.7% (5.4%–23.7%)−8.7pt
純利益率0.3%5.4% (1.3%–20.1%)−5.1pt

自社の営業利益率・純利益率は業種中央値を大きく下回り、収益性は業種内で低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−24.4%10.6% (-3.4%–25.4%)−35.0pt

自社の売上成長率は業種中央値を大幅に下回り、業種内で最も弱い成長局面にある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高が24.4%減少する中で販管費・研究開発費が拡大し、営業利益は95.1%減という大幅な縮小となった。この非対称な変動は、固定費構造の重さと売上変動に対する耐性の低さを示している。

  2. 表面処理用機器事業が前年の利益から赤字へ転落したことが連結業績悪化の主因であり、事業ポートフォリオ間の採算差が拡大している。通期営業利益予想に対する進捗率は3.4%に留まり、下期での急回復計画が据え置かれている点は、今後の実現度確認が重要な観察点となる。

  3. 棚卸資産の積み上がりと営業CFの赤字化は、利益とキャッシュフローの質的な乖離を示しており、仕掛品の売上転換の進捗が今後のキャッシュ創出力を左右する構造的な論点である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,791円
base(基準)1,835円
bull(強気)1,900円
算出前提
1株純資産(BPS)1,821円
調整後予想EPS182.8円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向19.9%
予想EPSの信頼度調整×1.071(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.01倍 / 10.0倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,783円〜1,889円、ω±0.1で 1,835円〜1,836円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。