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61912026 第3四半期プライムIFRS

株式会社エアトリ 2026年度 第3四半期 決算

株式会社エアトリの2026年度第3四半期決算レポート

株式会社エアトリ

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥271.3億¥200.3億+35.4%
営業利益¥31.7億¥26.9億+18.0%
税引前利益¥30.1億¥26.1億+15.5%
純利益¥24.2億¥17.4億+39.0%
ROE12.4%10.6%-

Executive Summary

IT開発事業の急拡大とエアトリ経済圏その他事業の伸長を主因に、増収増益ながら粗利率低下を伴う成長局面にある。売上高は271.3億円(前年比+35.4%)、営業利益は31.7億円(同+18.0%)、純利益(連結の当期純利益)は24.2億円(同+39.0%)となった。粗利率は51.4%と前年から低下したが、販管費率の大幅改善(40.8%)が吸収し営業増益を確保した。親会社株主に帰属する当期純利益は21.8億円(同+34.7%)で、こちらも二桁増益となっている。

業績変動要因

【売上高】売上高は271.3億円で前年比+35.4%。主力のOnlineTravel(45.9億円、-4.2%)は横ばい圏に留まった一方、ITDevelopment(16.2億円、大幅増)とOtherWithinTheAirtripEconomicZone(18.9億円、+58.7%)が牽引役となり、事業ポートフォリオの多角化が進んだ。InboundSegmentも+11.5%と増収した。

【損益】営業利益は31.7億円(+18.0%)で、営業利益率は11.7%と前年比縮小したが、販管費率の改善が粗利率低下を吸収する構図となった。金融費用の増加(1.9億円)があったものの、税負担が軽減(法人税等5.9億円、税引前利益比19.6%)し、純利益は24.2億円(+39.0%)と増益率が拡大した。セグメント別ではOnlineTravelの利益(7.8億円、-20.6%)が減少する一方、ITDevelopmentが黒字転換(0.5億円)、投資事業が赤字(-1.4億円)となり、利益率のばらつきが連結マージンを押し下げている。結論として増収増益である。

セグメント別分析

セグメント別では利益率に大きな差が見られる。OnlineTravelは売上45.9億円(-4.2%)、営業利益7.8億円(-20.6%、利益率16.9%)と依然最大の利益貢献セグメントだが減益基調にある。ITDevelopmentは売上16.2億円と急拡大し営業利益0.5億円(利益率3.3%)へ黒字転換、新たな成長エンジンとして浮上した。OtherWithinTheAirtripEconomicZoneは売上18.9億円(+58.7%)、利益1.8億円(+73.5%、利益率9.4%)と着実に拡大。InboundSegmentは売上9.6億円(+11.5%)と増収したが利益0.4億円(-65.6%、利益率4.5%)とコスト先行で悪化。Investmentは売上3.3億円に対し営業損失1.4億円(利益率-42.9%)で、連結マージンを希薄化する要因となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率11.7%、純利益率8.9%はいずれも前年から粗利率低下の影響を受けたが、販管費効率化と税負担軽減により純利益率はほぼ横ばいで着地した。粗利率は51.4%と前年から低下しており、事業ミックス変化(IT開発・その他の構成比上昇)が背景にある。【キャッシュ品質】営業CFは24.9億円と純利益24.2億円を上回り、キャッシュ裏付けは良好。フリーCFは5.9億円のプラスを確保している。【投資効率】ROEは12.4%で、総資産・純資産の拡大(M&Aによるのれん積み増し等)を伴いながらも二桁水準を維持している。【財務健全性】自己資本比率は42.0%、現金及び預金132.3億円と手元流動性は厚く、有利子負債は流動・非流動合計で48.2億円に留まる。のれんは40.8億円へ増加し総資産の10.2%を占め、今後の減損モニタリングが重要となる。

キャッシュフロー分析

営業CFは24.9億円で前年比-24.8%となったが、純利益24.2億円を上回る水準を確保しており、利益の現金裏付けは良好である。運転資本面では売上債権の増加(-6.15億円)と棚卸資産の増加(-0.73億円)がキャッシュ創出を圧迫した一方、契約負債の増加(+6.0億円)と仕入債務の増加(+1.5億円)がこれを一部相殺した。投資CFは-19.0億円で、無形資産取得(-7.65億円)や子会社取得・事業譲受(計-5.02億円)など成長投資が中心である。財務CFは-4.8億円で、配当支払(-2.2億円)と自社株買い(-5.6億円)を実施しつつ、借入による資金調達も行っている。この結果フリーCFは5.9億円のプラスを維持し、現金及び現金同等物は132.3億円まで積み上がった。

収益の質

本業の営業利益31.7億円が経常的収益の中心であり、営業外損益の影響は限定的である。金融費用1.9億円が金融収益0.4億円を上回り純利益を圧迫したが、その他の収益4.1億円(段階取得損益等を含む)が一部を補っている。営業利益と純利益の乖離は主に税負担の軽減(実効税率約19.6%)によるもので、経常的な収益構造に大きな歪みは見られない。営業CFが純利益を上回っており、アクルーアル(会計発生高)の偏りは小さく、利益の質は良好と評価できる。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画は売上高340.0億円、営業利益15.0億円、EPS予想26.34円である。Q3累計時点での進捗率は売上高79.8%、営業利益211%、EPS換算の親会社帰属純利益は364%相当と、利益項目で計画を大幅に上回る進捗となっている。この乖離は、IT開発事業やその他事業の伸長とコスト効率化が想定以上に進んだことに加え、通期計画自体が期末の一過性コストや保守的な前提を織り込んでいる可能性を示唆する。業績予想の修正は今回発表時点で行われていない。

株主還元

期中に親会社株主への配当金2.2億円を支払った(中間配当実績、Q2配当は無配であり期末での実施と見られる)。配当性向は親会社株主に帰属する当期純利益21.8億円に対し約10.3%である。加えて自社株買いを5.6億円実施しており、配当と合わせた総還元額は7.8億円、総還元性向は約35.9%となる。フリーCF5.9億円の範囲内にほぼ収まっており、手元流動性の厚さも踏まえると還元原資の面で無理のない水準といえる。

リスク要因

  1. のれん増加に伴う減損リスク: のれんは40.8億円と前年の4.1倍に急増し、総資産の10.2%、純資産の20.9%を占める水準となった。M&Aによる連結範囲拡大が背景であり、被買収事業の業績が計画を下回った場合、将来的な減損認識リスクがモニタリングポイントとなる。

  2. セグメント別収益変動リスク: 投資事業は営業損失1.4億円(利益率-42.9%)、インバウンド事業は利益が前年比-65.6%と、一部セグメントで収益のボラティリティが高い。これらが連結マージンを希薄化する構造が継続する可能性がある。

  3. 運転資本負担の増加: 売上債権が前年から16.1億円増加、棚卸資産も2.3億円増加しており、売上拡大に伴う運転資本の積み上がりが営業CFの創出力を圧迫する要因となっている。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率11.7%8.3% (3.6%–18.6%)+3.4pt
純利益率8.9%6.1% (2.3%–12.8%)+2.8pt

収益性は業種中央値を上回り、IT・通信業界内では上位グループに位置する水準である。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)35.4%10.4% (-0.9%–19.9%)+24.9pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、業種内でも突出した成長スピードを示している。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高+35.4%の高成長に対し、販管費率の改善(40.8%)で営業増益を確保しており、粗利率低下を吸収するコスト管理が機能している点は業績の質を評価するうえで注目される。

  2. 営業CFが純利益を上回る水準を維持しキャッシュ品質は良好だが、のれんが総資産の10.2%まで急増しており、M&A関連資産の将来的な収益貢献と減損リスクの両面が今後の焦点となる。

  3. 通期計画に対する利益進捗が211%〜364%と極めて高く、上振れ余地の大きさと期末における一過性コスト計上の可能性の双方が読み取れる決算内容である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)631円
base(基準)640円
bull(強気)642円
算出前提
1株純資産(BPS)764円
調整後予想EPS29.0円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.84倍 / 22.1倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 622円〜658円、ω±0.1で 636円〜642円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(364%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 40%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。