記事一覧に戻る
60782026 第2四半期プライムJGAAP

株式会社バリューHR 2026年度 第2四半期 決算

株式会社バリューHRの2026年度第2四半期決算レポート

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥52.1億¥47.3億+10.1%
営業利益¥3.5億¥3.2億+11.3%
経常利益¥3.8億¥3.4億+9.9%
純利益¥2.5億¥1.4億+78.9%
ROE3.7%2.0%-

Executive Summary

2026年上期は増収増益となったが、営業キャッシュフローの大幅マイナスが利益の質に懸念を残す決算である。売上高は52.1億円(前年47.3億円、YoY+10.1%)、営業利益は3.5億円(同+11.3%)、経常利益は3.8億円(同+9.9%)、純利益は2.5億円(同+78.9%)。純利益の大幅増は、投資有価証券売却益0.6億円等の特別利益と受取配当・売却益による営業外収益が押し上げた面が大きい。一方で営業CFは-13.9億円と純利益を大幅に下回り、預り金の減少が主因の資金流出となっている。

業績変動要因

【売上高】売上高は52.1億円で前年比+10.1%の増収。セグメント別では主力のバリューカフェテリア事業が42.5億円(構成比81.6%、前年比+10.0%)、HRマネジメント事業が9.6億円(構成比18.4%、前年比+10.5%)と両セグメントがバランスよく拡大した。

【損益】営業利益は3.5億円(前年比+11.3%)で、営業利益率は6.8%と前年6.7%からわずかに改善。粗利率は27.9%で前年比-0.9pt低下したが、販管費率が21.1%(前年22.1%)へ改善し、これを相殺した。経常利益は3.8億円(+9.9%)で、受取配当0.2億円と有価証券売却益0.4億円が下支え。純利益は2.5億円(+78.9%)と大幅増だが、特別利益0.6億円(投資有価証券売却益)という一時的要因の寄与が大きく、実効税率は約41%と高水準で純利益を抑制している。増収増益。

セグメント別分析

バリューカフェテリア事業は売上42.5億円(前年38.6億円、+10.0%)、セグメント利益8.3億円(前年8.1億円、+2.1%)、セグメント利益率19.6%。HRマネジメント事業は売上9.6億円(前年8.7億円、+10.5%)、セグメント利益1.8億円(前年1.3億円、+46.5%)、セグメント利益率19.1%と両事業とも高収益を維持している。ただし全社費用(配賦不能費用)が6.6億円(前年6.2億円)に増加し、連結営業利益は3.5億円まで圧縮された。セグメント単体の収益性は高いが、本社コストの拡大が連結マージンの伸びを抑える構図が続いている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は6.8%、純利益率は4.8%(前年3.0%)で+1.8pt改善したが、改善分の一部は特別利益による一時的な押し上げを含む。【キャッシュ品質】営業CFは-13.9億円で純利益2.5億円を大幅に下回り、営業CF/純利益は-5.5倍と収益の現金化に課題がある。【投資効率】ROEは3.7%、総資産回転率は0.31倍と資産重い事業構造を反映し低位で安定。設備投資0.5億円は減価償却2.6億円の約2割にとどまり、投資は抑制的である。【財務健全性】自己資本比率は40.7%、流動比率は98.2%と1.0倍を割り込み、短期的な資金管理への注意が求められる。有利子負債は約54.9億円で、Debt/EBITDAは高水準にあるが、利払い余力を示す指標は現時点で確保されている。

キャッシュフロー分析

営業CFは-13.9億円と前年(-10.5億円)から流出幅が拡大した。主因は預り金の減少(約-23.1億円)で、これを契約負債の増加+5.1億円が一部相殺したものの、全体として大幅なマイナスとなった。投資CFは-2.6億円で、うち設備投資は0.5億円と限定的であり、無形資産取得が投資活動の中心を占める。財務CFは+0.6億円で、短期借入金の増加が資金確保に寄与した一方、自社株買い0.6億円や配当支払いが資金を圧迫した。フリーCFは-16.5億円となり、現金及び預金は33.4億円へ前年から-32.2%減少している。営業活動由来の資金流出が現金取り崩しと短期借入増加の両方を招いており、下期における運転資本の正常化が資金繰り面の焦点となる。

収益の質

経常的な収益は顧客との契約から生じる収益(売上)を中心に構成され、営業外収益は売上比約1.3%と小規模である。営業外収益の内訳は受取配当0.2億円、有価証券売却益0.4億円、受取利息が僅少であり、いずれも本業以外の資産運用に由来する。特別利益0.6億円(投資有価証券売却益)、特別損失0.1億円(投資有価証券評価損)は一時的な項目であり、税前利益を押し上げたが持続性は限定的である。実効税率は約41%と高く、純利益を圧迫している。営業CFが純利益を大幅に下回る点(アクルーアルの観点で現金化の遅れ)は、収益の質を評価する上で留意すべき事実であり、経常利益と純利益の乖離は主に特別損益と高い税負担によって説明される。

業績予想・ガイダンス

通期予想(売上110.0億円、営業利益16.5億円、経常利益16.3億円)に対する上期進捗率は、売上47.4%、営業利益21.3%、経常利益23.1%、純利益24.0%となっている。標準的な進捗率50%と比較すると、売上はほぼ計画線に近いが、利益系指標は明確に下期偏重の様相を示す。通期の営業利益予想は前年比+86.9%と大幅増益を見込んでおり、上期の全社費用先行や事業の季節性を踏まえると、下期における案件消化・収益積み上げの実現度が計画達成の焦点となる。契約負債の増加(+5.1億円)は下期の売上計上余力を示す一つの材料である。業績予想・配当予想の修正はいずれも「無」である。

株主還元

中間配当は14.5円(前年同期の年間配当は13円)を実施し、通期の配当予想は28.00円である。当期純利益2.5億円(親会社株主帰属分)に対する上期配当性向は高水準にあり、通期純利益予想10.5億円に基づけば通期配当性向は概ね71%程度となる。加えて自社株買いを0.6億円実施しており、配当と合わせた総還元は当期のフリーキャッシュフロー(-16.5億円)を上回る規模となっている。現金及び預金は33.4億円と一定の水準を維持しているが、前年から-32.2%減少しており、株主還元の水準は下期のキャッシュフロー回復度合いを踏まえたモニタリングが必要と考えられる。

リスク要因

  1. 営業キャッシュフローの質: 営業CFは-13.9億円で純利益2.5億円を大幅に下回り、営業CF/純利益は-5.5倍。預り金の大幅減少が主因であり、同様の変動が再発した場合、資金繰りへの影響が継続する可能性がある。

  2. 短期流動性: 流動比率は98.2%と1.0倍を下回り、流動資産(50.5億円)が流動負債(51.4億円)をわずかに下回る状態。短期借入金は前年3.5億円から9.9億円へ増加しており、資金調達構造の変化に留意が必要である。

  3. 通期計画に対する利益進捗の遅れ: 上期の営業利益進捗率は21.3%(標準50%比-28.7pt)と大幅に低く、通期の大幅増益予想(+86.9%)の実現は下期における全社費用の伸び抑制と収益積み上げに依存している。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率6.8%17.3% (4.1%–24.5%)-10.5pt
純利益率4.8%13.0% (2.0%–16.2%)-8.2pt

自社の収益性指標は業種中央値を大きく下回り、営業利益率・純利益率ともに業種内で低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)10.1%22.5% (16.2%–26.8%)-12.4pt

売上高成長率も業種中央値を下回り、成長スピードの面では業種内で中位以下に位置する。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 増収と販管費効率化により営業利益率は6.8%へ小幅改善したが、粗利率は-0.9pt低下しており、原価構造には逆風が見られる。全社費用の拡大が連結マージンの伸びを抑制する構図が続いている。

  2. 営業CFは-13.9億円(営業CF/純利益-5.5倍)と純利益との乖離が大きく、預り金・契約負債などの負債性科目の季節的変動が資金繰りに大きく影響している。今後の四半期でこの変動が正常化するかが、収益の質を評価する上で注目される。

  3. 通期計画は営業利益+86.9%という大幅増益を前提としているが、上期進捗は21.3%にとどまる。下期の収益積み上げペースと全社費用の伸び抑制が、計画達成の確度を左右する構造的な注目点である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)290円
base(基準)298円
bull(強気)308円
算出前提
1株純資産(BPS)253円
調整後予想EPS41.2円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向71.2%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.18倍 / 7.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 290円〜306円、ω±0.1で 297円〜300円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。