| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥2161.6億 | ¥1999.5億 | +8.1% |
| 営業利益 | ¥143.6億 | ¥110.5億 | +30.0% |
| 経常利益 | ¥206.4億 | ¥120.2億 | +71.7% |
| 純利益 | ¥161.5億 | ¥92.9億 | +73.9% |
| ROE | 3.4% | 2.1% | - |
2027年3月期第1四半期は増収増益となり、特に営業外収益の押し上げにより経常利益・純利益の伸びが営業利益の伸びを大きく上回った。売上高は2,161.6億円(前年同期1,999.5億円、YoY+8.1%)、営業利益は143.6億円(同110.5億円、YoY+30.0%)、経常利益は206.4億円(同120.2億円、YoY+71.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は157.3億円(同89.8億円、YoY+75.2%)となった。増益の主因はディスクドライブサスペンション(DDS)事業の大幅な増収増益と、為替差益・受取配当を中心とした営業外収益の倍増である。
【売上高】全社売上高は前年比+8.1%増収で、5セグメント中4セグメントが増収となった。DDSが+24.0%、産業機器ほかが+18.4%、精密部品が+10.0%と二桁成長を達成した一方、シートは+1.1%、懸架ばねは+3.7%と伸びが鈍かった。売上構成比はシート34.5%、懸架ばね20.3%、DDS17.4%、産業機器ほか17.3%、精密部品13.3%で、シートが依然として最大セグメントだが、DDSの構成比拡大が全社利益率の改善に寄与している。
【損益】営業利益率は6.6%(前年5.5%)へ約+1.1pt改善し、粗利率も14.9%(前年13.6%)へ改善した。販管費率は8.2%(前年8.1%)とわずかに上昇したが、粗利率改善がこれを吸収した。経常利益は営業外収益68.6億円(前年29.1億円)の押し上げが大きく、内訳は為替差益30.0億円、受取配当24.9億円が中心である。特別損失は固定資産除却損1.6億円のみで純利益への影響は軽微。結論として増収増益であり、うち経常段階以下は非経常性の高い営業外収益の寄与が大きい。
利益貢献度ではDDSが突出しており、営業利益90.6億円(全社営業利益143.6億円の約63%)、営業利益率24.1%と全セグメント中最高水準にある。産業機器ほかは売上374.3億円(+18.4%)、営業利益27.1億円(+66.7%)と増益率が高く、利益率も7.2%へ改善した。精密部品は売上287.9億円(+10.0%)、営業利益13.0億円(+26.2%)、利益率4.5%と着実に拡大している。一方、懸架ばねは売上438.6億円(+3.7%)に対し営業損失5.1億円(前年は利益2.7億円)へ転落し、セグメント間の収益格差が拡大した。シートは売上745.0億円(+1.1%)、営業利益17.9億円(+0.4%)、利益率2.4%とほぼ横ばいで推移している。
【収益性】営業利益率は6.6%(前年5.5%)、純利益率(親会社株主帰属ベース)は7.3%(前年4.5%)へ改善し、粗利率も14.9%(前年13.6%)へ拡大した。改善の主因は高マージンのDDSの構成比上昇と営業外収益の増加である。【キャッシュ品質】包括利益は231.5億円と純利益(連結)161.5億円を上回り、有価証券評価差額金+52.8億円や為替換算調整額+17.2億円が上乗せ要因となっており、当期の損益計算書上の利益に加えて資産評価面でも改善が見られる。【投資効率】ROEは3.4%で、純利益率の改善が寄与する一方、総資産回転率は低水準にとどまり、資本効率面では改善余地が残る。【財務健全性】自己資本比率は62.0%、流動比率は205.6%(流動資産4,214.5億円/流動負債2,049.7億円)、当座比率(棚卸資産除く流動資産ベース)は190.9%と高い水準を維持しており、財務基盤は安定している。
キャッシュフロー計算書のデータは開示されていないため、貸借対照表の推移から資金動向を確認する。現金及び預金は1,258.9億円(前期末1,084.0億円、+174.9億円、+16.1%)と積み増しが進んだ一方、売上債権は1,520.1億円(前期末1,585.1億円、-65.0億円、-4.1%)へ減少し、棚卸資産も302.5億円(前期末303.7億円、-1.2億円)とほぼ横ばいで、運転資本面での資金負担は限定的である。投資有価証券は795.6億円(+84.5億円、+11.9%)へ増加し、保有資産の評価益拡大が示唆される。負債面では長期借入金が176.7億円(前期末224.0億円、-47.3億円、-21.1%)へ圧縮されており、有利子負債の返済が進捗している。総じて、手元流動性の積み増しと有利子負債の圧縮が同時に進んでおり、財務の安定性は維持されている。
営業利益143.6億円に対し、営業外収益68.6億円(為替差益30.0億円、受取配当24.9億円が中心)が経常利益206.4億円を押し上げており、経常利益のうち非経常性の高い営業外要因の寄与度は相対的に大きい。特別損益は固定資産除却損1.6億円のみで、純利益に対する影響は限定的(純利益比約1%)であり、この点で経常利益と純利益の乖離は小さい。一方で、包括利益231.5億円は純利益(連結)161.5億円を上回り、その差は有価証券評価差額金や為替換算調整額といったその他有価証券・為替評価の変動によるもので、当期の損益計算書上の利益以上に純資産が積み上がっている。為替差益は営業利益の約20.9%に相当する規模であり、市況変動に応じて変動しうる点は収益の持続性を評価するうえで留意点となる。
通期計画(売上高8,600.0億円、営業利益590.0億円、経常利益640.0億円)に対する第1四半期の進捗率は、売上高25.1%、営業利益24.3%、経常利益32.3%、純利益(親会社株主帰属ベース、通期予想450.0億円)34.9%となった。売上・営業利益は四半期の標準的な進捗線に沿う一方、経常利益・純利益は営業外収益(為替差益・受取配当)の寄与により通期計画に対してやや先行している。当四半期において業績予想および配当予想の修正は行われていない。
年間配当予想は69円で、通期EPS予想222.12円に基づく配当性向は約31.1%となる。前年同期の配当実績は33円であったが、これは中間時点の実績であり通期実績との単純比較はできない。手元現金1,258.9億円、自己資本比率62.0%という財務基盤を踏まえると、予想配当水準の支払い余力は確保されている。
セグメント間収益格差: 懸架ばねは売上438.6億円(+3.7%)に対し営業損失5.1億円と赤字転落した一方、DDSは営業利益率24.1%と高収益を維持しており、全社利益がDDSに依存する構図となっている。
営業外収益への依存: 経常利益の押し上げ要因である為替差益30.0億円は営業利益の約20.9%に相当する規模であり、市況変動によって変動しうる非経常性の高い項目である。受取配当24.9億円も保有株式の配当方針に左右される。
資本効率の低さ: ROEは3.4%にとどまり、自己資本比率62.0%という保守的な財務構成と併せて考えると、収益性改善に対して資本効率面での改善余地が残る。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 6.6% | 8.7% (4.2%–14.2%) | -2.1pt |
| 純利益率 | 7.5% | 7.0% (3.2%–10.6%) | +0.4pt |
| 営業利益率は業種中央値を下回るが、純利益率は営業外収益の押し上げにより中央値をわずかに上回る。 |
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 8.1% | 6.2% (-1.1%–14.6%) | +1.9pt |
| 売上高成長率は業種中央値を上回り、成長性の面では相対的に高い位置づけにある。 |
※出所: 当社集計
DDSと産業機器ほかの増益率がそれぞれ+43.1%、+66.7%と高く全社の利益率改善を牽引する一方、懸架ばねは営業損失に転落し、セグメント間の収益格差が拡大している点はポートフォリオ構成の観点で注目される。
経常利益・純利益の伸び率(+71.7%、+75.2%)が営業利益の伸び率(+30.0%)を大きく上回っており、その差の主因は為替差益・受取配当という営業外収益の拡大にある。これは収益の質を評価するうえで確認すべきポイントである。
自己資本比率62.0%、流動比率205.6%と財務健全性は高水準にあり、配当予想69円(配当性向約31.1%)は現時点の財務基盤に照らして裏付けられている。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 2,334円 |
| base(基準) | 2,410円 |
| bull(強気) | 2,464円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 2,312円 |
| 調整後予想EPS | 248.0円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 31.1% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.04倍 / 9.7倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 2,342円〜2,481円、ω±0.1で 2,407円〜2,413円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。