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59912027 第1四半期プライムJGAAP

ニッパツ(日本発条株式会社)(5991) 2027年度第1四半期決算

2027年度第1四半期の売上高は2,162億円(前年同期比+8.1%)、営業利益は143.6億円(同+30.0%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

建設・資材/金属製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥2161.6億¥1999.5億+8.1%
営業利益¥143.6億¥110.5億+30.0%
経常利益¥206.4億¥120.2億+71.7%
純利益¥161.5億¥92.9億+73.9%
ROE3.4%2.1%-

Executive Summary

増収に対し営業利益・経常利益・純利益がいずれも大幅な増益となり、収益性が改善した決算である。売上高は2161.6億円(前年比+8.1%)、営業利益は143.6億円(同+30.0%)、経常利益は206.4億円(同+71.7%)、純利益は161.5億円(同+73.9%)となった。増益の中心は本業改善に加え、為替差益や受取配当金といった営業外収益の押し上げ効果であり、経常利益の伸び率が営業利益を大きく上回る点が特徴である。

業績変動要因

【売上高】売上高は2161.6億円で前年比+8.1%増収。セグメント別ではディスクドライブサスペンション(DDS)が+24.0%と大きく伸長し、産業機器ほかも+18.4%増、精密部品・部材も+10.0%増と牽引役となった。一方、シートは+1.1%、サスペンションスプリングは+3.7%にとどまり、事業間で成長の濃淡が明確である。

【損益】営業利益は143.6億円(前年比+30.0%)で、営業利益率は6.6%と前年の5.5%から改善した。DDSが営業利益90.6億円(同+43.1%、利益率24.1%)と全社利益の過半を稼ぎ出す一方、サスペンションスプリングは前年の2.7億円の利益から5.1億円の損失に転落した。経常利益は営業外収益68.6億円(為替差益30.0億円、受取配当金24.9億円を含む)の押し上げにより206.4億円(同+71.7%)となり、営業利益の伸びを大きく上回った。純利益は161.5億円(同+73.9%)で、増収増益の決算である。

セグメント別分析

DDSが売上376.4億円(+24.0%)、営業利益90.6億円(+43.1%、利益率24.1%)と全社営業利益143.6億円の63.1%を占める主力事業として増益を牽引した。産業機器ほかは売上374.3億円(+18.4%)、営業利益27.1億円(+66.7%)と大幅増益。精密部品・部材は売上287.9億円(+10.0%)、営業利益13.0億円(+26.2%)と着実に拡大した。一方、サスペンションスプリングは売上438.6億円(+3.7%)に対し営業損失5.1億円(前年は営業利益5.1億円)へ転落しており、原価吸収や価格転嫁の課題がうかがえる。シートは売上745.0億円(+1.1%)、営業利益17.9億円(+0.4%)とほぼ横ばいで推移した。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は6.6%で前年の5.5%から改善したが、粗利率は14.9%にとどまり、原価変動の影響を受けやすい収益構造である。純利益率は7.3%(親会社株主帰属純利益ベース)と良好な水準にある。【キャッシュ品質】売掛金は1520.1億円、棚卸資産は302.5億円で、営業活動に伴う運転資本規模は大きい。【投資効率】ROEは3.4%(単純計算)で、Q1利益を年換算した場合は約13.9%相当となるが、為替差益等の非経常的要因の再現性には留意が必要である。【財務健全性】自己資本比率は62.0%と高水準で、流動資産4214.5億円に対し流動負債2049.7億円と流動性は厚い。有利子負債は442.7億円にとどまり、現金及び預金1258.9億円が上回る保守的な財務構成である。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の数値は開示範囲に含まれないが、貸借対照表からは資金動向の一端が読み取れる。現金及び預金は1258.9億円で前年の1084.0億円から増加しており、手元流動性は厚みを増している。売掛金は1520.1億円、棚卸資産は302.5億円(うち原材料354.5億円、仕掛品187.0億円、製品302.5億円)で構成され、増収に伴う運転資金の積み上がりが見込まれる規模である。買掛金は973.6億円とほぼ前年並みで推移しており、仕入債務面での大きな変化は見られない。有利子負債は442.7億円と限定的で、現金及び預金がこれを上回るため、財務面での資金繰り余力は確保されている。

収益の質

経常利益の伸び率+71.7%は営業利益の伸び率+30.0%を大きく上回っており、この差は営業外収益の拡大に起因する。営業外収益は68.6億円で、内訳は為替差益30.0億円、受取配当金24.9億円、その他6.3億円であり、いずれも本業の営業活動とは独立した要因である。為替差益は営業利益の20.9%に相当する規模であり、経常利益の質を評価する上では、この非経常的な収益への依存度を考慮する必要がある。包括利益は231.5億円(親会社株主分226.0億円)で純利益161.5億円を上回っており、有価証券評価差額金52.8億円や為替換算調整額17.2億円といったその他の包括利益項目が上乗せされている。純利益と包括利益の乖離は市場環境(株価・為替)による評価益の影響が大きく、経常的な収益力とは区別して捉える必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高8600.0億円(前年比+5.3%)、営業利益590.0億円(同+28.9%)、経常利益640.0億円(同+22.6%)であり、当第1四半期時点で業績予想・配当予想の修正は行われていない。進捗率は売上高25.1%、営業利益24.3%と標準的な水準にある一方、経常利益は32.3%相当と高めであり、この差は為替差益を含む営業外収益の寄与によるものである。通期達成の質を評価する上では、営業利益ベースの進捗が標準的である点と、経常利益の進捗が非経常要因に押し上げられている点を分けて捉える必要がある。

株主還元

通期の1株当たり配当予想は69.00円で、当第1四半期時点で配当予想の修正はない。予想EPS222.12円に基づく配当性向は31.1%であり、利益に対して抑制的な水準にある。発行済株式数は231,066千株(うち自己株式28,471千株)で、自社株買いの実施状況については本資料からは確認できない。

リスク要因

  1. 為替変動リスク: 営業外収益に含まれる為替差益30.0億円は営業利益の20.9%に相当する規模であり、為替相場の変動により経常利益の変動幅が本業の変化以上に大きくなる可能性がある。

  2. 特定セグメントへの利益集中リスク: DDSが全社営業利益の63.1%を占めており、同事業の需要動向や価格競争環境の変化が連結業績に与える影響は大きい。

  3. サスペンションスプリング事業の採算悪化: 売上高438.6億円(+3.7%)に対し営業損失5.1億円となり、前年の営業利益5.1億円から損益が悪化した。原価吸収や価格転嫁の状況が今後の焦点となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率6.6%8.7% (4.2%–14.3%)−2.0pt
純利益率7.5%7.1% (3.2%–10.6%)+0.4pt

営業利益率は業種中央値を下回るが、純利益率は中央値をやや上回っており、営業外収益が収益性を補完する構図となっている。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)8.1%6.2% (-1.1%–14.6%)+1.9pt

売上高成長率は業種中央値を上回り、成長性の面では相対的に良好な位置にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は6.6%と前年から約1.1pt改善したが、粗利率は14.9%にとどまり、原価変動への耐性は業種内で相対的に低い水準にある。

  2. 経常利益・純利益の高い伸び率は、為替差益・受取配当金といった営業外収益の寄与が大きく、本業の営業利益成長(+30.0%)と区別して捉える必要がある。

  3. DDS事業が全社営業利益の6割超を占める一方、サスペンションスプリング事業は営業損失に転落しており、セグメント間の収益構造の偏りが今後の注目点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,334円
base(基準)2,410円
bull(強気)2,464円
算出前提
1株純資産(BPS)2,312円
調整後予想EPS248.0円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向31.1%
予想EPSの信頼度調整×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.04倍 / 9.7倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,342円〜2,481円、ω±0.1で 2,407円〜2,413円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。