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59382027 第1四半期プライムIFRS

LIXIL(5938) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益74%減

2027年度第1四半期の売上高は3,792億円(前年同期比+4.0%)、営業利益は17.6億円(同-74.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社LIXIL

建設・資材/金属製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥3792.1億¥3646.8億+4.0%
営業利益¥17.6億¥68.4億−74.3%
税引前利益−¥8.8億¥35.1億−125.1%
純利益−¥35.9億−¥4.8億−653.4%
ROE−0.5%−0.1%-

Executive Summary

増収下での大幅減益が今回決算の最重要ポイントで、粗利率低下と販管費増による負の営業レバレッジが利益を圧迫した。売上高は3792.1億円(前年比+4.0%)となったが、営業利益は17.6億円(同-74.3%)、純利益は-35.9億円(前年-4.8億円から赤字幅拡大)となった。主力のウォーターテクノロジー事業は増収を維持した一方、ハウジングテクノロジー事業が赤字転落し、連結収益性悪化の主因となっている。

業績変動要因

【売上高】売上高は3792.1億円で前年比+4.0%増収。セグメント別ではウォーターテクノロジー事業が2096.6億円(同+8.8%)と牽引役となった一方、ハウジングテクノロジー事業は1233.6億円(同-2.6%)と減収、リビング事業は461.9億円(同+2.0%)で小幅増収にとどまった。増収の裾野は主力事業に偏っている。

【損益】売上総利益は1244.4億円で前年の1247.6億円からわずかに減少し、粗利率は32.8%と前年の34.2%から1.4pt低下した。販管費は1227.5億円(同+6.0%)と売上成長率を上回るペースで増加し、販管費率は32.4%へ0.6pt上昇した。この結果、営業利益は17.6億円(同-74.3%)、営業利益率は0.5%と前年1.9%から大幅に縮小した。金融費用34.1億円が営業利益を上回り税引前損失8.8億円となり、法人税等27.1億円を計上した結果、純損失は35.9億円に拡大した。増収減益に区分される。

セグメント別分析

ウォーターテクノロジー事業は売上収益2096.6億円(前年比+8.8%)、事業利益107.1億円(同+0.8%)で増収増益を維持したが、事業利益率は5.5%から5.1%へ低下した。ハウジングテクノロジー事業は売上収益1233.6億円(同-2.6%)、事業損失3.9億円となり、前年同期の事業利益6.1億円から赤字転落した。リビング事業は売上収益461.9億円(同+2.0%)、事業利益13.2億円(同-38.8%)で増収減益となり、利益率は4.2%から2.5%へ低下した。全社費用を含む調整額は99.4億円のマイナスで前年の98.2億円から拡大しており、連結利益の重石となっている。3事業のうちハウジングテクノロジー事業の採算悪化が連結減益の主因である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は0.5%で前年1.9%から1.4pt低下、純利益率は-0.9%で前年-0.1%から悪化した。ROEは-0.5%で前年同期の-0.1%程度から低下しており、資本収益性は低水準にある。【キャッシュ品質】営業CFは79.9億円で純損失35.9億円を上回る黒字を確保したが、前年同期の195.1億円から-59.1%減少した。棚卸資産が60.3億円増加し、仕入債務が94.7億円減少するなど、運転資本の悪化が要因である。【投資効率】ROIC相当の年換算値は1%台にとどまり、投下資本に対する収益力は限定的である。設備投資85.1億円を控除した営業ベースの資金余力は乏しい。【財務健全性】自己資本比率は33.8%で前年35.3%から1.5pt低下、負債資本倍率は約1.94倍である。営業利益17.6億円に対し金融費用34.1億円が上回り、金利負担が本業収益を吸収できていない状況が確認できる。

キャッシュフロー分析

営業CFは79.9億円で純損失35.9億円を上回る黒字を確保したものの、前年同期の195.1億円から59.1%減少しており、キャッシュ創出力は弱まっている。運転資本面では売上債権が56.9億円減少して資金流入となった一方、棚卸資産が60.3億円増加、仕入債務が94.7億円減少しており、ネットで運転資本が資金を吸収した。投資CFは有形固定資産取得85.1億円や有価証券等の取得1209.9億円(売却・償還1009.9億円)を含み、-344.7億円と大幅な資金流出となった。財務CFは425.2億円の流入で、短期借入・CP増加404.0億円と社債発行248.9億円が主因であり、配当支払129.3億円を含む資金需要を外部調達で賄った形である。営業CFと投資CFを合わせたフリーCFは-264.8億円であり、現金残高の増加は本業のキャッシュ創出ではなく資金調達に支えられている。

収益の質

今期の損益悪化は特別損益に起因するものではなく、粗利率低下(34.2%→32.8%)と販管費率上昇(31.7%→32.4%)という経常的な収益構造の悪化が主因である。営業外では金融費用34.1億円が金融収益11.9億円を大きく上回り、持分法損益も-4.2億円と悪化に寄与した。税引前損失8.8億円に対し法人税等27.1億円を計上したため、実効税率は赤字下で通常の比較が困難な水準となっており、税負担が純損失拡大の一因となっている。包括利益は11.8億円と純損失-35.9億円を上回っており、在外営業活動体の換算差額79.4億円のプラスが差異の主因である。営業CFが純損失を上回っている点は会計上の損失ほど資金繰りが悪化していないことを示すが、その営業CFも前年から大幅減少しており、収益の質は慎重に評価する必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期計画は売上高1兆6000億円、営業利益375.0億円(前年比+32.0%)、純利益120.0億円(同+47.4%)である。売上高のQ1進捗率は23.7%と標準的な25%をわずかに下回る水準だが、営業利益の進捗率は4.7%にとどまり、標準的な25%を大きく下回っている。通期計画の達成には残り3四半期で357.4億円の営業利益計上が必要であり、通期の計画営業利益率2.3%に対しQ1実績は0.5%にとどまる。純利益についても、Q1の35.9億円の損失から通期120.0億円の計画達成には155.9億円の利益積み上げが必要となる。業績予想・配当予想の修正はいずれも無しとされているが、Q1実績と計画の乖離は大きく、下期における収益性回復の実現度が計画達成の焦点となる。

株主還元

当四半期の配当支払額は129.3億円であり、Q1の親会社所有者帰属損失35.1億円を上回っている。通期配当予想は1株90円で、前期は45円(中間・期末合計)から実質増額の見込みである。配当予想の修正は無しとされている。期中平均株式数287,505,931株に配当予想90円を適用すると年間配当額は概算258.8億円となり、通期純利益計画120.0億円に対する配当性向は約216%と算出される。この配当性向は純利益計画に対して100%を大きく上回る水準であり、配当の原資は当期利益のみではなく、利益剰余金1814.6億円や資金調達を含めた総合的な資金繰りに依存している。自社株買いは0.0億円と僅少で、資本還元は配当が中心である。

リスク要因

  1. ハウジングテクノロジー事業の採算悪化: 売上収益が前年比-2.6%となる中、事業利益は前年同期の6.1億円から-3.9億円の損失に転落した。住宅関連需要や価格転嫁力の動向が連結利益に与える影響は大きい。

  2. 金融費用負担と借入依存: 金融費用34.1億円が営業利益17.6億円を上回り、営業利益で金利負担を賄えていない。社債及び借入金の合計は6428.7億円に達し、Q1中に短期借入・CPを404.0億円積み増しており、資金調達コストの変動に対する耐性は限定的である。

  3. 運転資本の悪化: 棚卸資産が60.3億円増加する一方、仕入債務が94.7億円減少しており、運転資本の変動が営業CFを前年比-59.1%に押し下げた。在庫滞留と支払サイトの管理が今後の資金創出力を左右する。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率0.5%8.7% (4.2%–14.3%)−8.2pt
純利益率−0.9%7.1% (3.2%–10.6%)−8.1pt

営業利益率・純利益率ともに業種中央値を大きく下回り、収益性は業種内で低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)4.0%6.2% (-1.1%–14.6%)−2.2pt

売上高成長率は業種中央値をやや下回るが、IQRレンジ内には収まっている。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 増収にもかかわらず営業利益が前年比-74.3%と急減した点は、粗利率低下と販管費増による負の営業レバレッジの発生を示している。売上成長のみでは利益回復に直結しない構造にある。

  2. ハウジングテクノロジー事業の赤字転落が連結減益の主因であり、主力のウォーターテクノロジー事業が増収増益を維持している点とのコントラストが決算の特徴である。

  3. 通期営業利益計画に対するQ1進捗率は4.7%にとどまり、配当性向も通期純利益計画ベースで約216%に達する。下期の収益回復ペースと資本還元の持続性が、今後の決算で注目される点である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,829円
base(基準)1,841円
bull(強気)1,851円
算出前提
1株純資産(BPS)2,272円
調整後予想EPS46.6円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向100.0%
予想EPSの信頼度調整×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.81倍 / 39.5倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,793円〜1,892円、ω±0.1で 1,828円〜1,850円。

注記:

  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 32%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。