| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1971.8億 | ¥1371.2億 | +43.8% |
| 営業利益 | ¥122.6億 | ¥59.3億 | +106.8% |
| 税引前利益 | ¥124.2億 | ¥49.9億 | +148.8% |
| 純利益 | ¥86.1億 | ¥36.3億 | +137.0% |
| ROE | 3.8% | 1.6% | - |
2027年3月期第1四半期は貴金属事業の価格・スプレッド改善を背景に増収増益となり、通期予想に対する進捗も順調である。売上高は1,971.8億円(前年同期1,371.2億円、+43.8%)、営業利益は122.6億円(同59.3億円、+106.8%)、税引前利益は124.2億円(同49.9億円、+148.8%)、純利益は86.1億円(同36.3億円、+137.0%)となった。粗利率は7.3%(前年同期5.6%)へ改善し、増収に加えマージン拡大が増益を牽引した。売上・利益ともに貴金属事業への高い依存度が特徴で、金属市況の変動が業績に大きく反映される構造にある。
【売上高】売上高は1,971.8億円で前年同期比+43.8%の増収。貴金属事業(PreciousMetals)が売上のほぼ全て(構成比99.98%)を占め、同事業単体も+43.8%増収した。増収の主因は貴金属価格の上昇と処理量の拡大とみられ、環境保全事業やその他事業の売上規模は0.4億円と僅少で連結売上への影響は限定的である。
【損益】売上総利益は144.1億円(粗利率7.3%、前年同期5.6%から+1.7pt)、販管費は26.8億円(販管費率1.4%、前年同期1.5%から低下)で、営業利益は122.6億円(営業利益率6.2%、前年同期4.3%から+1.9pt)となった。営業外では金融収益6.2億円が金融費用4.6億円を上回り純額+1.6億円、持分法投資損益は5.2億円の利益となり、税引前利益は124.2億円(+148.8%)に達した。純利益は86.1億円(+137.0%)で、税引前利益からの実効税率は約30.6%となり前年同期(約27.2%)からやや上昇した。増収に加えマージン拡大と営業外収益の押し上げが重なり、増収増益で決算を終えている。
報告セグメントは貴金属事業と環境保全事業の2区分。貴金属事業は売上1,971.4億円(連結売上比99.98%、+43.8%)、営業利益117.9億円(+110.1%)、利益率6.0%(前年同期4.1%から改善)で、連結利益の大半を占める中核事業である。環境保全事業は売上非開示だが営業利益5.2億円(+36.4%)を計上し、規模は小さいものの安定的な増益となった。その他事業は売上0.4億円に対し営業損失0.5億円で、セグメント間調整額を含め連結営業利益は12,259百万円(報告セグメント計12,309百万円から調整額△50百万円)となっている。連結利益の大半を貴金属事業が稼ぐ構造は、金属市況変動に対する業績感応度の高さを意味する。
【収益性】営業利益率6.2%(前年同期4.3%から+1.9pt)、純利益率4.4%(前年同期2.6%から+1.7pt)と、増収に伴う規模効果と粗利率改善によりいずれも改善した。ROEは3.8%で、純利益の四半期実績と期末純資産に基づく水準である。【キャッシュ品質】営業CFは570.7億円で純利益86.1億円の約6.6倍と高水準だが、後述の通り仕入債務増加への依存度が高い点は品質評価上留意が必要である。【投資効率】ROEは3.8%と、増益にもかかわらず総資産・純資産の規模拡大により資本効率面では低位にとどまっており、運転資本を含めた資産回転の改善が今後の課題となる。【財務健全性】自己資本比率は35.3%で前期末(2026年3月末)37.5%から2.2pt低下、有利子負債は合計2,540.9億円(前期末比+708.9億円、+38.7%)に増加した。一方、流動資産5,582.5億円に対し流動負債2,909.7億円で流動比率は約1.92倍、EBIT122.6億円に対し金融費用4.6億円でインタレストカバレッジは約26.7倍と、短期的な負債耐性は保たれている。
営業CFは570.7億円で前年同期5.1億円から大幅に増加し、フリーCF(営業CF+投資CF)は555.1億円に達した。増加の主因は税引前利益の拡大に加え、仕入債務の増加+848.2億円という運転資本要因であり、売掛金の増加△286.3億円をカバーしてなお営業CFを押し上げた。投資CFは△15.6億円で、設備投資13.9億円が中心であり大規模な投資は見られない。財務CFは△481.6億円で、長期借入返済410.0億円や短期借入の純減180.0億円、配当支払55.7億円が主な流出要因となった一方、長期借入による調達164.5億円も実施している。この結果、現金及び現金同等物は期首103.4億円から期末177.0億円へ増加した。フリーCFが配当・設備投資を大きく上回る潤沢な水準にある一方、営業CFの伸びが仕入債務増加という一時的な運転資本要因に支えられている点は、キャッシュ創出の持続性を見る上で留意すべき事実である。
当期の増益要因は貴金属事業の売上拡大とマージン改善による営業利益の増加が中心で、特別損益等の一時的項目の影響は限定的である。営業外では金融収益6.2億円が金融費用4.6億円を上回り純額+1.6億円、持分法投資利益5.2億円も税引前利益を下支えしており、いずれも売上高比では小さいものの安定的な寄与となっている。営業CFは純利益の約6.6倍と表面上は高品質だが、仕入債務の大幅増加(+848.2億円)に依存した部分が大きく、恒常的なキャッシュ創出力を評価するには運転資本動向の正常化を確認する必要がある。なお、包括利益は△1.9億円と純利益86.1億円から大きく乖離しており、その主因はキャッシュフロー・ヘッジに係るその他の包括利益△90.1億円の評価差であり、純資産(その他の資本の構成要素)を△88.7億円押し下げた。この乖離は損益計算書上の収益力とは別に、金属価格ヘッジに伴う資本のボラティリティが存在することを示している。
通期予想(売上高6,800億円、営業利益410.0億円、親会社株主純利益290億円)に対する第1四半期の進捗率は、売上高29.0%、営業利益29.9%、純利益29.7%で、いずれも単純な四半期進捗の目安である25%を4〜5pt上回っている。業績予想・配当予想の修正はいずれも実施されておらず、会社側は現時点で通期計画を変更する必要がないとの認識を示している。貴金属価格・スプレッドの動向が第2四半期以降も進捗ペースを左右する主な要因になるとみられる。
当第1四半期の配当支払額は55.7億円(前年同期30.5億円)で、前期決算に係る期末配当の支払いが中心とみられる。通期の配当予想は1株当たり135.00円、EPS予想337.43円に基づく配当性向は40.0%であり、フリーCF555.1億円は当四半期の配当支払額を大きく上回っている。配当予想の修正は行われておらず、現行のキャッシュ創出水準からは年間配当予想を賄う原資は確保されている状況である。
セグメント集中リスク: 貴金属事業が連結売上の99.98%、報告セグメント利益の大半を占め、金属市況・スプレッドの変動が業績全体に直結しやすい構造となっている。
運転資本依存によるキャッシュフローの反動リスク: 当期の営業CF570.7億円は仕入債務の+848.2億円の増加に大きく依存しており、決済タイミングが翌期以降に反転した場合、営業CFの水準が変動する可能性がある。
ヘッジ評価差による資本ボラティリティ: キャッシュフロー・ヘッジに係るOCIが△90.1億円となり包括利益は△1.9億円、自己資本比率は前期末37.5%から当期末35.3%へ低下した。金属価格ヘッジの評価変動が資本水準に影響を与えている。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 6.2% | 8.7% (4.2%–14.2%) | -2.5pt |
| 純利益率 | 4.4% | 7.0% (3.2%–10.6%) | -2.7pt |
製造業中央値との比較では、営業利益率・純利益率ともに下回っており、貴金属リサイクル特有の薄利多売型の収益構造を反映している。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 43.8% | 6.2% (-1.1%–14.6%) | +37.5pt |
売上高成長率は業種中央値を大幅に上回っており、当期は業種内でも高成長のポジションにある。
※出所: 当社集計
増収増益かつ通期進捗率が売上・営業利益・純利益いずれも29〜30%と標準的な進捗(25%)を上回るペースにある一方、利益率水準は業種中央値を下回り、成長率と収益性の水準に差異がある点は決算の質を見る上でのポイントとなる。
営業CFの急拡大は仕入債務の大幅増加という運転資本要因に大きく依存しており、フリーCFの高水準が構造的なものか一時的なものかは今後の運転資本動向を確認する必要がある。
自己資本比率は前期末37.5%から当期末35.3%へ低下し、その主因はキャッシュフロー・ヘッジの評価差△90.1億円による純資産の減少であり、損益計算書上の増益とは別に資本面のボラティリティが存在する。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 2,816円 |
| base(基準) | 3,012円 |
| bull(強気) | 3,063円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 2,617円 |
| 調整後予想EPS | 388.0円 |
| 株主資本コスト r | 9.65%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 40.0% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.150(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.15倍 / 7.8倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 2,929円〜3,100円、ω±0.1で 3,003円〜3,026円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。