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58022027 第1四半期プライムJGAAP

住友電気工業(5802) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益61%増

2027年度第1四半期の売上高は1兆3,306億円(前年同期比+15.9%)、営業利益は970.6億円(同+61.0%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

鉄鋼・非鉄/非鉄金属


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥13305.9億¥11484.4億+15.9%
営業利益¥970.6億¥603.0億+61.0%
経常利益¥1030.4億¥618.4億+66.6%
純利益¥690.1億¥409.4億+68.6%
ROE2.4%1.4%-

Executive Summary

情報通信・エレクトロニクス・産業素材関連事業の増益が牽引し、増収に対して営業利益が大幅に伸びる増収増益決算となった。売上高は1兆3,305.9億円(前年同期比+15.9%)、営業利益は970.6億円(同+61.0%)、経常利益は1,030.4億円(同+66.6%)、純利益(親会社株主帰属)は664.1億円(同+89.1%)となった。営業利益率は7.3%で前年同期の5.3%から約2.0pt改善し、増収以上のペースで利益が拡大した。主力の自動車関連事業の増収に加え、情報通信関連事業の高採算な伸長が全社利益率の押し上げに寄与した。

業績変動要因

【売上高】売上高は前年同期比+15.9%の1兆3,305.9億円。自動車関連事業が外部売上高の60.3%を占める最大セグメントで、同+19.7%の8,028.0億円と増収を牽引した。情報通信関連事業は+40.3%、産業素材関連事業他は+24.6%、エレクトロニクス関連事業は+22.8%とそれぞれ二桁増収となった一方、環境エネルギー関連事業のみ-3.7%の減収である。

【損益】営業利益は前年同期比+61.0%の970.6億円で、粗利率19.5%(前年同期18.0%)への改善と、販管費率12.2%への抑制が寄与した。セグメント別では情報通信関連事業が利益+235.1%・利益率31.5%と突出して伸び、産業素材関連事業他も+203.1%と大幅増益。一方、自動車関連事業は増収にもかかわらず利益は-2.1%、利益率は3.2%へ低下しており、収益性の重石となっている。経常利益は営業外収益(受取配当金37.0億円等)が寄与し+66.6%、純利益は税引前利益1,023.8億円から法人税等333.8億円・非支配株主帰属分25.9億円を控除し+89.1%と大幅増益。特別損失は固定資産除却損6.6億円のみで影響は限定的。結論として増収増益である。

セグメント別分析

自動車関連事業は売上高8,028.0億円(構成比60.3%、YoY+19.7%)で最大だが、営業利益は260.3億円(YoY-2.1%)と減益、利益率は3.2%(前年4.0%)に低下した。情報通信関連事業は売上高864.8億円(構成比6.5%、YoY+40.3%)と規模は小さいが、営業利益272.5億円(YoY+235.1%)、利益率31.5%と全社で突出した収益性を示し、全セグメント利益合計の28.0%を占める最大の利益貢献先となった。産業素材関連事業他は売上高1,157.4億円(YoY+24.6%)、利益170.5億円(YoY+203.1%、利益率14.7%)と大幅増益。エレクトロニクス関連事業は売上高1,105.8億円(YoY+22.8%)、利益117.2億円(YoY+86.4%、利益率10.6%)。環境エネルギー関連事業は売上高2,530.4億円(YoY-3.7%)と唯一の減収だが、利益は152.7億円(YoY+12.1%)と増益で利益率6.0%へ改善した。総じて、規模の大きい自動車関連事業の採算低下を、高収益の情報通信関連事業を中心とする他事業の増益が補う構図である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は7.3%で前年同期5.3%から改善、純利益率は5.0%であり、粗利率19.5%からの営業レバレッジ効果が全体の収益性向上を支えている。【キャッシュ品質】売掛金9,177.5億円、棚卸資産1兆1,399.4億円で合計が総資産の40.0%を占め、運転資本の重さがうかがえる一方、買掛金5,390.7億円は仕入債務によるカバーが限定的であることを示す。【投資効率】ROEは四半期ベースで2.4%、税引前利益に対する持分法損益88.8億円のプラス寄与があり、投資有価証券は8,488.7億円と前年同期の7,130.3億円から増加している。【財務健全性】自己資本比率は56.9%(前年56.9%からほぼ横ばい)で、総資産5兆1,434.9億円、純資産2兆9,277.0億円と資本基盤は厚い。長期借入金1,703.5億円、社債1,299.5億円に加え1年内償還社債450.0億円が計上されており、財務構成は保守的だが短期性資金の比率には留意が必要である。

キャッシュフロー分析

本決算ではキャッシュフロー計算書の営業CF・投資CF・財務CFの数値は開示されておらず、BS動向から資金状況を確認する。現金及び預金は前年同期の2,369.8億円から2,647.3億円へ増加している一方、売掛金9,177.5億円・棚卸資産1兆1,399.4億円が総資産の40.0%を占め、増収に伴う運転資本の積み上がりがうかがえる。短期借入金は前年同期の2,107.3億円から3,284.5億円へ増加しており、運転資本の拡大を短期資金調達で賄っている可能性がある。増益局面において、利益成長が実際の現金創出につながっているかは、今後の売掛金・在庫の増減ペースを継続的に確認する必要がある。

収益の質

今期の利益成長は営業利益+61.0%を核とした経常的な収益改善が中心であり、特別損失は固定資産除却損6.6億円にとどまるため一時的要因の影響は限定的である。営業外収益179.7億円には受取配当金37.0億円、受取利息13.8億円が含まれ、持分法損益88.8億円のプラス寄与も税引前利益を押し上げている。営業外費用は119.9億円で支払利息54.5億円を含み、差引の営業外損益は純収益となり経常利益を押し上げた。包括利益は1,768.1億円と純利益690.1億円を大きく上回り、有価証券評価差額金868.6億円や為替換算調整額200.2億円といった評価性の要因が主因である。この乖離は市況変動に伴う一時的な評価益の性格が強く、経常的な稼得力とは区別して捉える必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画は売上高5兆4,000億円(前期比+5.7%)、営業利益4,500億円(同+7.6%)、経常利益4,600億円(同+6.7%)である。第1四半期進捗率は売上高24.6%、営業利益21.6%、経常利益22.4%、親会社株主帰属利益19.5%(通期予想3,400億円に対する664.1億円)となり、売上高は標準的な四半期進捗(25%)に近い一方、利益進捗はやや下回る水準にとどまる。当四半期では業績予想の修正が行われており、情報通信関連事業の高収益成長の持続性と、自動車関連事業の採算回復が通期計画達成の焦点となる。

株主還元

通期予想の1株当たり配当金は株式分割後ベースで39.00円である。通期予想EPS108.99円に対する予想配当性向は35.8%であり、当四半期において配当予想の修正は行われていない。期中平均株式数を用いた年間予想配当総額は通期純利益予想3,400億円に対しても同水準の35.8%に相当し、内部留保や設備投資との両立が可能な範囲にある。自己株式数は5,608万株保有しているが、当期の自社株買い実施額は開示されておらず、配当のみに基づく配当性向として記載する。

リスク要因

  1. 自動車関連事業の採算低下: 外部売上高の60.3%を占める主力事業で、売上高は+19.7%増収したがセグメント利益は-2.1%減、利益率は前年同期4.0%から3.2%へ約73pt低下した。原材料・物流費や製品ミックスの変動が連結採算に影響する構造にある。

  2. 運転資本の重さ: 売掛金9,177.5億円、棚卸資産1兆1,399.4億円は合計で総資産の40.0%を占める。増収局面での在庫・売上債権の積み上がりは、利益の現金化ペースに影響しうる。

  3. 低い粗利率水準: 粗利率19.5%は改善傾向にあるものの、20%を下回る水準にとどまる。原材料価格や為替変動を販売価格へ十分転嫁できない場合、利益率が圧迫される可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率7.3%8.7% (4.2%–14.3%)−1.4pt
純利益率5.2%7.1% (3.2%–10.6%)−1.9pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値をやや下回り、収益性は業種内で中位から下位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)15.9%6.2% (-1.1%–14.6%)+9.7pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、IQR上限をも超える高成長水準にある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高+15.9%に対し営業利益+61.0%となり、営業利益率は前年同期比約2.0pt改善した。情報通信関連事業を中心とする高収益セグメントの伸長が、増益の分散度を高めている点が特徴である。

  2. 主力の自動車関連事業は増収の一方で利益率が低下しており、規模の大きさゆえに通期利益動向への影響度が大きい。同事業の採算動向は今後の注視点となる。

  3. 通期計画に対する営業利益進捗率は21.6%と標準的な25%をやや下回る。売掛金・棚卸資産が総資産の40.0%を占める運転資本構造とあわせ、利益成長のキャッシュ化ペースが決算の質を評価する上での観察点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,002円
base(基準)1,066円
bull(強気)1,083円
算出前提
1株純資産(BPS)938円
調整後予想EPS125.3円
株主資本コスト r8.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向35.8%
予想EPSの信頼度調整×1.150(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.14倍 / 8.5倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,036円〜1,098円、ω±0.1で 1,063円〜1,071円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。