| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥2016.0億 | ¥1690.4億 | +19.3% |
| 営業利益 | ¥210.3億 | ¥114.2億 | +84.1% |
| 経常利益 | ¥234.7億 | ¥100.2億 | +134.3% |
| 純利益 | ¥163.9億 | ¥-54.1億 | +402.9% |
| ROE | 3.8% | -1.3% | - |
三井金属の2027年3月期第1四半期は、機能材料セグメントの高採算成長を主因に増収増益となり、前年の赤字から大幅な収益回復を果たした。売上高は2016.0億円(前年比+19.3%)、営業利益は210.3億円(同+84.1%)、経常利益は234.7億円(同+134.3%)、純利益は163.9億円(前年△54.1億円から黒字転換)となった。粗利率は20.9%へ改善し、販管費増を吸収しつつ営業利益率は10.4%まで拡大した。持分法投資利益の増加も経常段階の押し上げに寄与している。
【売上高】売上高は2016.0億円(前年比+19.3%)で、機能材料(外部売上980.3億円、+41.1%)と金属(747.8億円、+32.7%)が牽引した。その他事業は自動車部品子会社の株式譲渡に伴う事業構成変更で252.9億円(△28.9%)と減少した。機能材料は銅箔・電池材料・レアマテリアル等の需要回復・数量増が押し上げ要因となっている。
【損益】営業利益は210.3億円(同+84.1%)で、粗利率改善(前年から+2.9pt程度)と販管費の伸び抑制が寄与し、営業利益率は10.4%へ拡大した。経常利益は持分法投資利益28.3億円の増加も加わり234.7億円(同+134.3%)となった。特別利益に投資有価証券売却益10.4億円を計上したが、純利益163.9億円に対する寄与度は約6%程度と限定的で、コア収益の回復が主因である。増収増益。
機能材料セグメントはセグメント利益182.4億円(前年104.9億円から+74.0%)で全社セグメント利益の約71%を占め、最大の収益源となっている。金属セグメントは市況上昇とリサイクルスプレッド改善を受けセグメント利益68.3億円(同+105.0%)と大幅増益。その他事業は前年△5.4億円から5.8億円へ黒字転換した。セグメント構成では機能材料への収益偏重が強まっており、同事業の需要動向が全社業績を左右する構造となっている。
【収益性】営業利益率は10.4%で前年(6.8%)から大幅に改善し、純利益率も8.1%相当まで回復した。ROEは3.8%で、前年の赤字(マイナスROE)から黒字化に伴い正常化した水準にある。【キャッシュ品質】売掛金・受取手形は1249.9億円、棚卸資産は715.1億円と資産規模が拡大しており、売上拡大に対して在庫・売掛金の増加ペースが速い場合、資金効率への影響が生じ得る。【投資効率】総資産7192.7億円に対し純資産4304.6億円で、資産の積極活用余地が残る一方、持分法損益28.3億円が経常利益の押し上げに寄与している。【財務健全性】自己資本比率は59.8%と高水準で、長期借入金378.5億円・社債400.0億円(1年内償還100.0億円を含む)と負債構成は保守的であり、財務基盤は総じて安定している。
キャッシュフロー計算書の詳細開示はないが、BS変動から資金動向を捉えると、売掛金・受取手形は1249.9億円、棚卸資産のうち原材料は1009.6億円、仕掛品667.8億円と増加傾向にあり、売上拡大に伴う運転資本の積み増しが進んでいる。現金及び預金は536.0億円で前年582.7億円からやや減少しており、事業拡大に伴う資金需要の高まりがうかがえる。一方で短期借入金は307.7億円から361.6億円へ圧縮されており、短期調達構成の見直しが進んでいる。利益剰余金は3415.3億円へ積み増しが続いており、当期利益の内部留保による資本基盤の強化が確認できる。
経常的収益が利益の大宗を占めており、営業外収益合計36.8億円(受取配当3.1億円、持分法損益28.3億円等)は売上高比で約1.8%と限定的である。特別利益10.8億円(投資有価証券売却益10.4億円)は純利益163.9億円に対して約6.6%の寄与にとどまり、特別損失6.0億円(固定資産除却損2.6億円、災害損失2.0億円)と相殺されることで一時的要因の純利益への影響は限られる。経常利益234.7億円から税引前利益239.5億円への調整は特別損益の純額(+4.8億円)で説明でき、税引前利益から法人税等75.6億円を差し引いた純利益163.9億円との整合性が確認できる。包括利益は180.4億円で純利益163.9億円を上回っており、為替換算調整額22.6億円や持分法適用会社のOCI持分22.1億円がプラス要因となる一方、繰延ヘッジ損益△20.9億円がマイナス方向に働いている。
通期予想は売上高8500.0億円(前期比+12.1%)、営業利益940.0億円(△28.2%)、経常利益1000.0億円(△26.9%)である。当第1四半期の進捗率は売上高23.7%、営業利益22.4%、経常利益23.5%となり、単純な25%線に対していずれもやや下回るが大きな乖離ではない。通期の営業利益・経常利益は前期比で減益を見込んでおり、当第1四半期の大幅増益から一転して収益性の巻き戻しを想定している点が特徴である。当社は業績予想および配当予想を修正しており、株式分割(1株→10株)の実施も決議している。
当社は2026年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき10株の株式分割を実施することを決議した。分割を反映しない場合の2027年3月期(予想)の1株当たり期末配当金は140円、通期配当金は280円である。前期の年間配当は100円(前年同期データ参照)であり、通期配当金280円(分割前換算)は増配となる。配当予想の修正も行われており、業績回復を反映した株主還元方針の見直しがうかがえる。
運転資本効率の低下: 売掛金・受取手形1249.9億円、棚卸資産715.1億円(原材料1009.6億円を含む)と資産規模が拡大しており、売上増加ペースを上回る在庫・売掛金の積み増しが続く場合、キャッシュ創出の遅延につながる可能性がある。
金属市況・為替変動リスク: 金属セグメントは市況とリサイクルスプレッドに業績が連動しやすく、為替差損3.8億円を計上している。市況・為替の変動が営業外損益および金属セグメント収益に影響を与え得る。
セグメント収益の偏重: 機能材料セグメントがセグメント利益全体の約7割を占めており、同セグメントの需要動向(半導体・電子材料関連等)への依存度が高い構造となっている。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 10.4% | 8.7% (4.2%–14.2%) | +1.7pt |
| 純利益率 | 8.1% | 7.0% (3.2%–10.6%) | +1.1pt |
自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を上回り、製造業内で相対的に高い収益性水準にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 19.3% | 6.2% (-1.1%–14.6%) | +13.1pt |
売上高成長率は業種IQRの上限を上回り、製造業内でも高成長グループに位置する。
※出所: 当社調べ
機能材料セグメント主導のマージン改善により営業利益率は10.4%へ拡大し、業種中央値(8.7%)を上回る水準となった。この収益構造は特別損益への依存度が低く、コア事業の回復に基づくものである点が特徴。
通期予想は営業利益・経常利益ともに前期比減益を見込んでおり、第1四半期の大幅増益とは対照的な進捗設計となっている。上期の高収益が通期を通じて維持されるかは、下期以降の金属市況・機能材料需要の動向次第となる。
売掛金・棚卸資産の増加ペースが売上成長を上回る傾向がみられ、運転資本の効率性は今後の観察点となる。株式分割・配当予想の修正も決議されており、株主還元方針の変化にも留意が必要である。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 6,000円 |
| base(基準) | 6,070円 |
| bull(強気) | 6,087円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 7,524円 |
| 調整後予想EPS | 160.8円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 30.0% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.150(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.81倍 / 37.7倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 5,902円〜6,245円、ω±0.1で 6,022円〜6,101円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。