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53322027 第1四半期プライムJGAAP

TOTO(5332) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益2%減

2027年度第1四半期の売上高は1,686億円(前年同期比+1.7%)、営業利益は80.7億円(同-1.6%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

TOTO株式会社

建設・資材/ガラス・土石製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1686.1億¥1657.5億+1.7%
営業利益¥80.7億¥82.1億−1.6%
経常利益¥93.7億¥87.4億+7.3%
純利益¥70.9億¥63.9億+11.0%
ROE1.3%1.2%-

Executive Summary

売上高は微増収となったが営業利益は減益となり、本業の収益性はやや後退した。売上高は1686.1億円(前年比+1.7%)、営業利益は80.7億円(同-1.6%)、経常利益は93.7億円(同+7.3%)、純利益は70.9億円(同+11.0%)となった。経常・純利益の増益は為替差益や投資有価証券売却益など営業外・特別損益の寄与が大きく、本業ベースの改善は限定的である。

業績変動要因

【売上高】売上高は1686.1億円(前年比+1.7%)。連結売上高の62.6%を占める日本住設事業は1101.3億円(同-1.5%)と減収の一方、米州事業200.3億円(+6.9%)、アジア・オセアニア257.7億円(+14.8%)、欧州19.1億円(+29.3%)、中国大陸178.5億円(+14.5%)と海外住設は総じて増収。新領域のアドバンストセラミックス事業も159.8億円(+5.8%)と伸長し、海外・新領域が国内低迷を補う構図である。

【損益】営業利益は80.7億円(前年比-1.6%)、営業利益率4.8%で前年から縮小した。日本住設のセグメント利益は6.3億円(同-46.1%)、米州は0.7億円の損失に転落するなど主力・海外の採算悪化が響いた一方、セラミック事業は65.1億円(同+10.0%)、利益率40.7%と全社利益の大半を稼ぐ構造となっている。経常利益は為替差益11.1億円、受取配当金8.0億円等の営業外収益25.8億円が寄与し93.7億円(+7.3%)。純利益は投資有価証券売却益10.4億円を含む特別利益10.6億円も加わり70.9億円(+11.0%)となった。増収減益に区分され、営業外・特別損益への依存度が高い増益である。

セグメント別分析

セラミック事業は売上159.8億円(+5.8%)、営業利益65.1億円(+10.0%)、利益率40.7%と突出した収益性を維持し、全セグメント利益合計の約75%を稼ぐ主力収益源である。日本住設事業は売上1101.3億円(-1.5%)、利益6.3億円(-46.1%)と採算が大きく低下した。米州事業は売上200.3億円(+6.9%)と増収だが利益は0.7億円の損失に転じ、増収が利益化していない。アジア・オセアニアは利益19.2億円(-12.2%)ながら利益率7.5%を維持し、中国大陸は損失3.1億円と前年の赤字幅から縮小した。海外住設全体(グローバル住設事業)は売上1756.9億円(+3.3%)、利益22.1億円(-24.0%)で増収減益となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率4.8%、粗利率35.3%、販管費率30.5%で、粗利対比で販管費負担が重く営業段階の利益余力は限定的である。ROEは1.3%(四半期実績値)で、税引前利益104.3億円のうち特別利益純増分5.3億円が含まれる点に留意が必要である。【キャッシュ品質】経常利益の伸びは営業外収益25.8億円(為替差益11.1億円、受取配当金8.0億円)が牽引し、純利益には投資有価証券売却益10.4億円も加わっており、営業利益減益を非経常項目が補っている構図である。【投資効率】総資産8080.8億円、自己資本比率67.0%と資本構成は堅固だが、売上高対比の資産規模は大きく資産効率の改善余地がある。棚卸資産870.3億円は総資産の10.8%を占め、在庫効率の管理が課題となる。【財務健全性】現金及び預金1012.7億円に対し有利子負債は短期借入金233億円中心の小規模水準で、自己資本比率67.0%とあわせて財務基盤は健全である。

キャッシュフロー分析

本資料にはキャッシュフロー計算書の数値が含まれないため、BS推移から資金動向を分析する。現金及び預金は1012.7億円で前年の1328.6億円から315.8億円減少した。棚卸資産は870.3億円で前年の800.3億円から70億円増加し、売掛金・受取手形は888.9億円で前年の1031.9億円から減少した。買掛金は714.2億円で前年の807.2億円から減少しており、運転資本の増加(在庫積み増しと仕入債務の圧縮)が現預金減少の一因とみられる。有形固定資産は2699.1億円で前年から27.0億円増加しており、設備投資は継続している。

収益の質

当期の経常利益・純利益の増益は、営業利益の減益を営業外・特別損益が補う形で実現しており、収益の質という観点では慎重な評価を要する。営業外収益25.8億円のうち為替差益11.1億円、受取配当金8.0億円が主要項目であり、これらは事業環境や保有株式市場の動向に左右される非経常性の高い項目である。特別利益10.6億円の中心は投資有価証券売却益10.4億円で、税引前利益104.3億円の約10%を占める。特別損失は固定資産除却損5.3億円にとどまり、特別損益の純増寄与は約5.3億円で親会社株主帰属純利益の一定割合に相当する。包括利益は176.7億円と純利益70.9億円を大きく上回り、有価証券評価差額金79.8億円、為替換算調整額31.7億円が押し上げ要因となっており、純利益と包括利益の乖離は資本市場・為替変動の影響を強く受けている。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想に対し、売上高進捗率は21.5%(実績1686.1億円/予想7850.0億円)、営業利益進捗率は13.5%(実績80.7億円/予想600.0億円)にとどまり、四半期均等進捗の目安25%を下回る。経常利益進捗率も16.0%程度(実績93.7億円/予想585.0億円)であり、特に営業利益の進捗遅れが目立つ。通期予想は前年比で営業利益+11.6%増を見込むが、Q1時点では前年比-1.6%の減益であり、下期にかけて日本住設・米州事業の採算改善が計画達成の鍵となる。業績予想・配当予想ともに当四半期における修正は行われていない。

株主還元

通期配当予想は1株当たり120.00円、通期EPS予想279.78円に基づく配当性向は約42.9%である。前年実績配当は50円(中間・期末合計の一部)であり、今期は増配計画となっている。期中平均株式数164,417千株から試算される年間配当総額は約197億円で、通期親会社株主帰属純利益予想460.0億円対比の配当性向は約42.9%となり、一般的な持続可能性の目安を下回る水準にある。配当予想の修正は本四半期において行われていない。

リスク要因

  1. 国内主力事業の採算悪化: 連結売上高の62.6%を占める日本住設事業は売上高1101.3億円(-1.5%)、セグメント利益6.3億円(-46.1%)となった。国内の低採算が継続すれば通期営業利益計画600.0億円の達成を圧迫する。

  2. 米州事業の増収減益: 米州事業は売上高200.3億円(+6.9%)と増収した一方、セグメント損益は0.7億円の損失に転じた。増収が利益化しておらず、価格・コスト構造の改善が課題となる。

  3. 収益の質への依存: 経常・純利益の増益は為替差益11.1億円、受取配当金8.0億円、投資有価証券売却益10.4億円といった営業外・特別損益に支えられており、営業利益は前年比-1.6%の減益である。これら非経常項目への依存度が高い状態が続けば、本業収益力の実態把握には注意を要する。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率4.8%8.7% (4.2%–14.3%)−3.9pt
純利益率4.2%7.1% (3.2%–10.6%)−2.9pt

自社の収益性は業種中央値を大きく下回り、IQR下限に近い水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)1.7%6.2% (-1.1%–14.6%)−4.5pt

売上成長率も業種中央値を下回り、増収ペースは業種内で相対的に緩やかである。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益は前年比-1.6%の減益となる一方、経常・純利益は為替差益や投資有価証券売却益などの営業外・特別要因により増益を確保している。本業収益力の動向は営業利益・営業利益率の推移で継続的に確認する必要がある。

  2. セラミック事業は売上高159.8億円、セグメント利益65.1億円、利益率40.7%と全社利益の中心を担う一方、主力の日本住設事業と海外の米州事業は採算が悪化しており、利益構造は特定事業への依存度が高まっている。

  3. 通期計画に対する進捗率は売上高21.5%、営業利益13.5%と、営業利益の進捗が標準的な四半期割合を下回っている。下期における国内・米州事業の採算改善が通期計画達成の観察ポイントとなる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,222円
base(基準)3,314円
bull(強気)3,380円
算出前提
1株純資産(BPS)3,294円
調整後予想EPS312.4円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向42.9%
予想EPSの信頼度調整×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.01倍 / 10.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,222円〜3,409円、ω±0.1で 3,313円〜3,314円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。