| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥2219.2億 | ¥2111.9億 | +5.1% |
| 営業利益 | ¥114.6億 | ¥100.6億 | +13.9% |
| 経常利益 | ¥123.1億 | ¥99.9億 | +23.2% |
| 純利益 | ¥89.3億 | ¥72.1億 | +23.9% |
| ROE | 1.3% | 1.0% | - |
太平洋セメントの当第1四半期(2026年4-6月期)は、主力セメント事業の価格改定効果とコスト安定化を背景に増収増益となった。売上高は2,219.2億円(前年2,111.9億円、YoY+5.1%)、営業利益は114.6億円(同100.6億円、YoY+13.9%)、経常利益は123.1億円(同99.9億円、YoY+23.2%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は83.5億円(同68.2億円、YoY+22.3%)となった。増収に加え、粗利率改善と受取配当金増加が営業・経常段階の利益成長を押し上げた一方、支払利息の増加が純利益の伸びをやや抑制した。
【売上高】売上高は2,219.2億円でYoY+5.1%。全社売上の73.8%を占める主力セメントが+4.8%と伸長し全体を牽引した。環境事業は+9.2%、その他事業(不動産・エンジニアリング等)は+9.0%と好調に推移した一方、建材・建築土木は-3.2%と唯一の減収セグメントとなった。資源は+2.6%と小幅増収にとどまった。
【損益】粗利率は22.7%で前年約22.0%から改善し、営業利益率は5.2%(前年4.8%)、経常利益率は5.5%(前年4.7%)といずれも改善した。営業外では受取配当金20.3億円が経常利益の伸びに寄与した一方、支払利息は19.3億円へ増加し金利負担が拡大した。特別損益は特別利益8.2億円(投資有価証券売却益6.3億円含む)、特別損失7.2億円で純額+1.0億円と軽微であり、純利益への影響は限定的である。売上・利益ともに前年を上回っており、増収増益で着地した。
セメントは売上1,637.8億円(YoY+4.8%、全社売上の73.8%)、営業利益59.8億円(YoY+34.4%)、利益率3.6%と、増収に加え利益率改善で全社利益成長の主因となった。資源は売上231.0億円(YoY+2.6%)、営業利益27.3億円(YoY+7.9%)、利益率11.8%と全セグメント中最高水準を維持し、収益性の下支え役となっている。環境は売上208.2億円(YoY+9.2%)と増収も、営業利益は18.7億円(YoY-5.8%)と減益で、コスト増が収益性を圧迫した。建材・建築土木は売上100.9億円(YoY-3.2%)、営業利益0.9億円(YoY-76.0%)と大幅減益で、利益率も0.9%に低下しており収益性の課題が最も顕著なセグメントとなっている。その他事業は売上191.5億円(YoY+9.0%)、営業利益8.3億円(YoY+12.2%)と着実な伸びを示した。
【収益性】営業利益率は5.2%で前年4.8%から改善、純利益率(親会社株主帰属ベース)は3.8%で前年3.2%から改善しており、価格改定とコスト安定化が全社的な採算向上につながっている。【キャッシュ品質】CF計算書データは開示されていないため貸借対照表の推移から見ると、現金及び預金は1,589.1億円と前年から大幅に増加した一方、売上債権1,479.7億円、棚卸資産622.0億円もともに増加傾向にあり運転資本の積み上がりが見られる。【投資効率】ROEは1.3%(四半期ベース、純利益÷自己資本平均)、自己資本比率は44.4%で前年48.1%程度から低下している。総資産1兆5,900.1億円に対し純資産は7,064.9億円で、総資産の伸び(+7.5%)が純資産の微減(-0.8%)を上回っており、資産効率面ではモニタリングが必要な局面にある。【財務健全性】流動比率は96.5%、当座比率は84.9%といずれも1倍を下回り、短期借入金2,554.9億円を含む短期負債の厚みが相対的に大きい。インタレストカバレッジは営業利益ベースで5.95倍を確保しており、現時点の利払い負担への耐性は維持されている。
キャッシュフロー計算書データは開示されていないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。現金及び預金は1,589.1億円で前年637.2億円から+951.9億円(+149.4%)増加し、期末時点の手元流動性は大きく積み増された。一方で短期借入金も2,554.9億円と前年から+969.9億円(+61.2%)増加しており、現金増加の相当部分が短期資金調達によって形成されている点には留意が必要である。自己株式は-315.1億円と前年から-100.0億円拡大しており、自己株式取得が進んだことを示唆する。売上債権(1,479.7億円)や棚卸資産(622.0億円)も前年から増加しており、事業拡大に伴う運転資本の積み上がりが手元資金の実質的な自由度を左右する要素となっている。
当期の利益は営業・経常段階の実質的な収益改善に主として支えられており、一時的要因の寄与は限定的である。特別利益8.2億円(うち投資有価証券売却益6.3億円)と特別損失7.2億円は純額+1.0億円にとどまり、純利益(親会社株主帰属ベース83.5億円)に対する比率は約1.2%と小さい。営業外収益34.3億円のうち受取配当金は20.3億円で売上高比約0.9%であり、市場環境に左右されうる収益ではあるものの過度な依存とはいえない水準である。一方、支払利息は19.3億円へ増加しており、有利子負債の積み上がりに伴う金利コスト増が経常段階での逆風として顕在化している。営業利益(114.6億円)と純利益(親会社株主帰属83.5億円)の乖離は主に法人税等34.8億円と非支配株主帰属純利益5.8億円によるもので、特段の異常な調整項目は見当たらない。
通期業績予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高21.6%(2,219.2億円/10,270.0億円)、営業利益15.1%(114.6億円/760.0億円)、経常利益17.6%(123.1億円/700.0億円)であり、単純比例配分の目安である25%と比較すると利益面での進捗はやや緩やかである。会社側の通期計画は売上高YoY+14.3%に対し、営業利益YoY+1.8%、経常利益YoY-6.8%と保守的な増益・減益計画となっており、第1四半期の二桁増益ペースとは異なる前提が置かれている。当四半期において業績予想・配当予想の修正は行われていない。セメント事業の季節性(下期偏重の建設需要)を踏まえると、通期計画の達成度合いは下期の需要動向と価格改定の浸透度に左右される。
会社側の年間配当予想は120円で、EPS予想575.14円に基づく配当性向は約20.9%(120円/575.14円)である。前年同時点の配当実績は50円であったが、比較対象期間や基準が異なる可能性があるため、当期予想値ベースでの評価にとどめる。貸借対照表上、自己株式は前年から+100.0億円相当拡大しており、自己株式の取得が進んだことがうかがえるが、自社株買いの実施額や方針に関する個別開示はないため、配当のみに基づく配当性向として評価する。
短期流動性リスク: 流動比率96.5%、当座比率84.9%といずれも1倍を下回り、短期借入金2,554.9億円を含む短期負債の比重が大きい。現金及び預金1,589.1億円との対比では、短期負債への依存度がやや高い財務構造となっている。
セグメント収益性の格差: 建材・建築土木の営業利益はYoY-76.0%と大幅減益、環境事業もYoY-5.8%の減益となっており、主力セメント(利益率3.6%)以外の一部セグメントで採算悪化が生じている。
事業集中リスク: セメントセグメントが全社売上の73.8%、営業利益の過半を占めており、同事業の需給・価格動向が全社業績に与える影響が相対的に大きい構造となっている。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 5.2% | 8.7% (4.2%–14.2%) | -3.5pt |
| 純利益率 | 4.0% | 7.0% (3.2%–10.6%) | -3.0pt |
自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を下回り、収益性は業種内で相対的に低位に位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 5.1% | 6.2% (-1.1%–14.6%) | -1.2pt |
売上高成長率は業種中央値をやや下回るものの、IQRのレンジ内に収まる水準である。
※出所: 当社集計
セメント事業の営業利益がYoY+34.4%と大きく伸長し、全社の営業利益改善(YoY+13.9%)を牽引した。価格改定とコスト安定化が利益率改善(営業利益率5.2%、前年4.8%)の主因であり、この傾向が下期も継続するかが業績動向を左右する構造となっている。
現金及び預金は前年から+149.4%増加した一方、短期借入金も+61.2%増加しており、手元流動性の拡大が短期資金調達によって支えられている点は財務構造上の特徴として留意される。
通期業績予想に対する第1四半期進捗率は営業利益15.1%、経常利益17.6%と、単純按分の25%を下回っており、会社計画自体も通期で経常利益YoY-6.8%を見込む保守的な内容となっている。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 6,408円 |
| base(基準) | 6,603円 |
| bull(強気) | 6,745円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 6,484円 |
| 調整後予想EPS | 642.2円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 20.9% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.02倍 / 10.3倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 6,416円〜6,800円、ω±0.1で 6,601円〜6,608円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。