| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥2463.4億 | ¥2102.0億 | +17.2% |
| 営業利益 | ¥88.3億 | ¥68.7億 | +28.5% |
| 税引前利益 | ¥18.7億 | ¥27.4億 | -31.5% |
| 純利益 | ¥1.1億 | ¥4.5億 | -75.2% |
| ROE | 0.1% | 0.2% | - |
増収増益ながら金利・税負担が最終利益を大きく圧迫した点が、この決算の最重要ポイントである。売上高は2463.4億円(前年比+17.2%)、営業利益は88.3億円(同+28.5%)と増収増益を確保した。一方、税引前利益は18.7億円(同-31.5%)、親会社株主に帰属する四半期利益は1.9億円(前年同期は1.5億円の損失から回復)にとどまった。金融費用86.7億円が金融収益10.7億円を大きく上回り、EBITの大半を相殺したことが増益と純利益の乖離を生んでいる。営業活動によるキャッシュ・フローは-138.6億円で、利益と現金創出の間に大きなギャップが見られる。
【売上高】売上高は2463.4億円で前年比+17.2%増加した。自動車用ガラス(構成比53.9%、売上1326.9億円、+20.9%)が最大の伸長要因で、建築用ガラス(構成比40.9%、1008.4億円、+13.0%)、高機能ガラス(同5.1%、125.8億円、+13.9%)も増収に寄与した。地域別では欧州977.97億円、米州909.93億円がいずれも前年から拡大し、地域全般にわたる需要拡大がうかがえる。
【損益】営業利益は88.3億円(前年比+28.5%)で、建築用ガラス(86.6億円、+30.0%、利益率8.6%)と高機能ガラス(21.8億円、+71.1%、利益率17.3%)が牽引した。一方、自動車用ガラスの営業利益は11.9億円(-49.9%)、利益率0.9%まで低下し、増収の裏で採算が悪化している。税引前利益は金融費用の増加(86.7億円、前年80.3億円)により18.7億円へ縮小し、法人税等17.6億円が計上された結果、実効税率は約94%と高水準となり純利益は1.1億円にとどまった。売上高・営業利益は増収増益だが、最終利益段階では金利・税負担の重さがボトルネックとなっている。
建築用ガラスと高機能ガラスが増収増益を牽引し、自動車用ガラスが採算悪化により全社利益率を希薄化する構図が明確である。建築用ガラスは売上1008.4億円(+13.0%)、営業利益86.6億円(+30.0%、利益率8.6%)と全社営業利益の98%を占める最大の利益源となった。高機能ガラスは売上125.8億円(+13.9%)、営業利益21.8億円(+71.1%、利益率17.3%)と最も高い利益率を確保している。対照的に自動車用ガラスは売上1326.9億円(+20.9%)と最大の売上規模を持つものの、営業利益は11.9億円(-49.9%)、利益率0.9%へ急落し、増収の質に課題がある。その他区分は営業損失32.0億円で、本社費用やのれん償却等を反映している。
【収益性】営業利益率は3.6%で前年3.3%から改善したが、純利益率は0.1%と極めて低く、金融費用86.7億円が税引前利益を圧迫している。実効税率は法人税等17.6億円÷税引前利益18.7億円から約94%相当となり、税負担が純利益率を大きく押し下げている。【キャッシュ品質】営業活動によるキャッシュ・フローは-138.6億円で、純利益1.1億円を大きく下回り、フリーキャッシュフローは-281.6億円のマイナスとなった。棚卸資産は1943.6億円へ増加し、運転資本の拘束が営業CFの悪化要因となっている。【投資効率】ROEは0.1%で、純利益の低さがそのまま反映された水準にとどまる。持分法による投資利益12.6億円は税引前利益18.7億円の約67%を占め、本業単独の収益力に対する持分法投資への依存度が高い。【財務健全性】自己資本比率は13.4%で前年13.5%とほぼ同水準を維持している。有利子負債は流動2733.7億円・固定2961.2億円の合計5694.9億円に達し、現金及び現金同等物442.7億円との差額は大きい。長期借入の増加(前年2393.7億円→2961.2億円)は短期債務の一部を長期化する動きとみられる。
営業CFは-138.6億円で前年の-149.7億円からわずかに改善したが、依然大幅なマイナスが続いている。運転資本変動前の営業CF小計は-48.5億円であり、棚卸資産の積み増しなどが現金化を遅らせている。投資CFは-143.0億円で、設備投資133.6億円が主因となっており、営業CFと合算したフリーキャッシュフローは-281.6億円のマイナスとなった。財務CFは+123.9億円で、社債発行及び借入れによる収入674.9億円が社債償還及び借入金返済550.3億円を上回り、外部調達により資金不足を補う構図となっている。結果として現金及び現金同等物は期初575.6億円から442.7億円へ減少しており、内部資金創出力が投資と返済を十分にカバーできていない状況が読み取れる。
純利益1.1億円に対し、その形成過程には一時的要因と本業以外の収益への依存が観察される。個別開示項目は収益0.9億円・費用7.0億円で純額-6.1億円となり、規模自体は小さいものの純利益に対しては相対的に大きな影響を及ぼしている。金融費用86.7億円は営業利益88.3億円とほぼ同水準に達し、営業外の金利負担が本業の稼ぐ力を実質的に相殺する構造となっている。持分法による投資利益12.6億円は税引前利益18.7億円の約67%を占め、本業単独の収益力の薄さを示唆する。包括利益は-23.6億円と純利益1.1億円から大きく乖離しており、在外営業活動体の換算差額+35.3億円がプラスに寄与した一方、キャッシュ・フロー・ヘッジ-36.7億円やその他の金融資産の公正価値変動-21.8億円がマイナスに働いた。営業CFが純利益を大幅に下回っている点も、計上された利益に対する現金の裏付けが弱いことを示している。
通期進捗は売上高・営業利益が順調な一方、純利益は大きく遅れている。売上高の進捗率は2463.4億円÷8800.0億円で28.0%、営業利益は88.3億円÷360.0億円で24.5%となり、単純進捗基準(25%)に対しおおむね順調な水準にある。一方、純利益は1.1億円÷40.0億円で2.8%(親会社株主帰属ベースでは1.9億円÷30.0億円で6.2%)にとどまり、通期予想達成には金融費用・税負担の圧縮が必要と読み取れる。通期の営業利益予想は前年比+24.9%、純利益予想は前年比-32.1%が見込まれており、会社側も税・金利面での下押しを予想の前提に織り込んでいる。
当期の配当予想は1株当たり0円であり、配当性向は算出されない。前年同期には親会社株主への配当19.5億円の実績があったが、当期は営業CF・フリーキャッシュフローがともにマイナスで推移しており、内部資金による安定配当の余地は限定的な状況にある。自己株買いの実施額は0.0億円で、株主還元は現時点で抑制的な運用となっている。
収益性と現金創出のギャップ: 営業利益率3.6%に対し営業CFは-138.6億円のマイナスで、純利益1.1億円と営業CFの間に大きな乖離がある。棚卸資産1943.6億円の積み増しが運転資本を拘束しており、在庫水準の適正化が課題となる。
金利・税負担の重さ: 金融費用86.7億円は営業利益88.3億円とほぼ同水準に達し、実効税率は約94%相当と高水準である。有利子負債は合計5694.9億円に達し、金利環境の変化が最終利益に与える影響は大きい。
自動車用ガラスの採算悪化: 売上構成比53.9%を占める自動車用ガラスの営業利益率が0.9%まで低下しており、全社利益率を希薄化している。同事業の収益改善が進まない場合、増収が増益に直結しにくい構造が続く可能性がある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 3.6% | 8.7% (4.2%–14.2%) | -5.1pt |
| 純利益率 | 0.0% | 7.0% (3.2%–10.6%) | -7.0pt |
営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を下回り、収益性は業種内で相対的に低位にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 17.2% | 6.2% (-1.1%–14.6%) | +10.9pt |
売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、トップラインの拡大ペースは業種内で優位に位置する。
※出所: 当社集計
トップラインは自動車用・建築用・高機能ガラスの全セグメントで前年比2桁増収となり、地域別にも欧州・米州で拡大が確認できる。一方、営業利益段階では建築用・高機能が牽引し、自動車用の利益率低下(0.9%)が全社マージンを希薄化している点は、決算データが示す増収の質を評価するうえでの注目点である。
税引前利益18.7億円に対し金融費用86.7億円、法人税等17.6億円が計上され、純利益は1.1億円に圧縮された。持分法による投資利益12.6億円が税引前利益の約67%を占めており、本業単独の収益力と最終利益の関係を見る際の留意点となる。
営業CFが-138.6億円と純利益を大幅に下回り、フリーキャッシュフローも-281.6億円のマイナスとなった。財務CFによる外部調達(+123.9億円)で資金不足を補う構図となっており、棚卸資産の水準や資金調達構造の変化は今後の決算データで継続的に確認すべき項目である。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 837円 |
| base(基準) | 843円 |
| bull(強気) | 847円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 1,061円 |
| 調整後予想EPS | 23.6円 |
| 株主資本コスト r | 9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 0.0% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.79倍 / 35.7倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 819円〜867円、ω±0.1で 835円〜847円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。