| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥34078.3億 | ¥28699.7億 | +18.7% |
| 営業利益 | ¥4826.0億 | ¥503.0億 | +859.5% |
| 税引前利益 | ¥4776.6億 | ¥443.9億 | +976.0% |
| 純利益 | ¥4288.0億 | ¥53.3億 | +7945.1% |
| ROE | 10.4% | 0.1% | - |
今四半期は原油スプレッド改善と在庫評価益を主因に営業利益が急回復し、通期利益計画の大部分を1四半期で達成した点が最大のポイントである。売上高は34,078.3億円(前年比+18.7%)、営業利益は4,826.0億円(同+859.5%、前年503.0億円)、純利益(親会社帰属)は4,149.8億円(前年△145.2億円から黒字転換)となった。増益の主因は主力の石油製品セグメントでのタイムラグ益・在庫影響の解消・海外製品市況高であり、通期見通しは中東情勢の不確実性を理由に据え置かれている。
【売上高】売上高は34,078.3億円で前年比+18.7%増収。主力の石油製品ほかセグメントが+21.6%と牽引し、海外製品市況高と円安(1米ドル159円、前提想定超過)が押し上げ要因となった。機能材(+19.0%)、上流の石油・天然ガス開発(+10.8%)も増収に寄与した一方、電気(-22.6%)は連系線制度終了の影響で減収となった。
【損益】営業利益は4,826.0億円で前年比+859.5%と急拡大し、営業利益率は14.2%(前年1.8%)へ大幅改善した。PDF開示によれば在庫影響除きでも石油製品セグメントの営業利益は2,114億円(+145%)であり、タイムラグ・製油所トラブル改善・海外市況高という経常的な要因が中心である。税引前利益4,776.6億円に対し法人税等488.6億円(実効税率10.2%)と低水準にとどまり、純利益4,149.8億円を押し上げた。特別損益的な要素としては前年計上されていた子会社株式売却益(633.7億円)が今期は無く、その他収益は前年811.4億円から347.5億円へ縮小している。増収増益で結論づけられる。
売上構成比89.4%を占める石油製品ほかが主力事業であり、営業利益4,066.2億円(前年比+24,558.4%)と業績変動の主因である。同セグメントの利益率は13.3%と前年から大幅改善し、全社利益拡大をほぼ単独で牽引した。その他区分(JX金属の持分法利益取り込み等)は営業利益351.8億円(+68.8%)、利益率32.4%と高採算だが売上は-8.7%減。上流の石油・天然ガス開発も利益率32.4%と高いが、電気(利益率4.8%、営業利益-66.2%)は制度要因で採算が悪化しており、セグメント間の利益率格差が拡大している。
収益性: ROE 10.4%、営業利益率14.2%(前年1.8%) キャッシュ品質: 営業CF/純利益 0.14倍と純利益に対する現金裏付けは弱い、FCF -805.4億円 投資効率: 設備投資910.2億円/減価償却826.8億円 ≒1.10倍で、緩やかな成長投資局面 財務健全性: 自己資本比率38.9%(前年37.1%)、流動比率約1.64倍
営業CFは585.6億円(前年比-67.9%)にとどまり、純利益4,149.8億円との乖離が大きい。主因は棚卸資産の増加(-5,755.4億円)による運転資本吸収で、仕入債務の増加(+2,538.1億円)が一部相殺した。投資CFは-1,391.0億円で、設備投資910.2億円が主因。財務CFは-3,387.7億円で、配当458.0億円、自社株買い311.8億円に加え長期借入金返済1,587.8億円が主因。FCFは-805.4億円となった。現金創出評価は運転資本膨張の影響で要モニタリングと評価できる。
本邦IFRS採用企業のため税引前利益で評価する。税引前利益4,776.6億円に対し純利益4,288.0億円(うち親会社帰属4,149.8億円)で乖離は法人税等488.6億円(実効税率10.2%)が主因であり、低実効税率が純利益を押し上げている。営業外の金融収益36.0億円・金融費用85.4億円は売上高比で小さく、営業利益が利益の大半を構成する。一方、営業CFが純利益を大幅に下回っており(585.6億円対4,149.8億円)、棚卸資産増加という運転資本要因を伴うため、収益の質は現金裏付けの面で注意を要する。
通期予想に対する進捗率は、売上高26.5%(標準進捗25%に近い)に対し、営業利益79.1%、純利益(親会社帰属)はほぼ100.0%に達しており、利益面で顕著な前倒し進捗となっている。当四半期の業績予想修正は無く、通期見通しは中東情勢の不確実性を理由に5月公表時点の前提(原油ドバイ85ドル/バレル、為替155円/ドル、白油販売数量4,150万kL)を据え置いている。1Q実績はドバイ原油96ドル/バレル、為替159円/ドルと通期前提を上回る水準で推移した。
配当予想は年間34円、EPS予想155.72円に対する配当性向は約21.8%である。当四半期の配当支払は458.0億円、自社株買いは311.8億円実施しており、これらを合算した総還元769.8億円の純利益(親会社帰属)4,149.8億円に対する総還元性向は約18.5%となる。当四半期の配当予想修正は無い。PDF開示では2か年総還元性向50%からの追加還元を検討している旨が示されている。
【短期】中東情勢(ホルムズ海峡情勢)の収束時期と原油調達・輸出環境への影響、通期業績予想の公表時期。
【長期】米国TPC Holdings買収(2026年10月クロージング予定、機能材セグメントへの寄与)によるブタジエン生産能力拡大、グループ会社数削減(実質170社程度への圧縮)を通じたROIC向上。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 14.2% | 8.7% (4.2%–14.2%) | +5.5pt |
| 純利益率 | 12.6% | 7.0% (3.2%–10.6%) | +5.5pt |
自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を上回り、業種内でも上位水準に位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 18.7% | 6.2% (-1.1%–14.6%) | +12.4pt |
売上成長率も業種中央値を大きく上回り、IQR上限も超える高成長水準にある。
※出所: 当社調べ
中東情勢による原油調達リスク: ホルムズ海峡情勢の影響で1Q定修除き稼働率は68%(中東影響除けば84%)にとどまった。今後の収束時期次第で調達・輸出環境への影響が変動する。
運転資本膨張によるキャッシュ創出力の低下: 棚卸資産が前期末比+37.2%(15,577.9億円→21,366.1億円)と急増し、営業CF/純利益は0.14倍にとどまる。在庫評価益の剥落や在庫サイクル反転時には粗利の逆風要因となり得る。
セグメント集中リスク: 売上高の89.4%を石油製品ほかセグメントが占め、電気セグメントは連系線制度終了等で営業利益が-66.2%と減益であり、事業ポートフォリオの分散度は限定的である。
営業利益率は14.2%(前年1.8%)へ+1,442bt改善し、通期営業利益進捗率は79.1%と大幅前倒しとなっている。PDF開示によれば在庫影響を除いても石油製品セグメントの営業利益は+145%増と、経常的なマージン改善が相応に寄与している点が確認できる。
実効税率は10.2%と低水準であり、純利益の伸び率(+7945.1%)は営業利益の伸び率(+859.5%)を大きく上回っている。この差は税率要因によるところが大きく、税率が平準化した場合の利益水準の変化は注視点となる。
営業CFは585.6億円で純利益4,149.8億円を大きく下回り、フリーキャッシュフローは-805.4億円となった。配当・自社株買いは手元資金の取り崩しで実施されており、在庫水準の正常化がキャッシュフロー改善の観察ポイントとなる。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 1,493円 |
| base(基準) | 1,575円 |
| bull(強気) | 1,609円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 1,406円 |
| 調整後予想EPS | 179.1円 |
| 株主資本コスト r | 8.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 21.8% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.150(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.12倍 / 8.8倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 1,529円〜1,622円、ω±0.1で 1,571円〜1,581円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。