記事一覧に戻る
50112027 第1四半期プライムJGAAP

ニチレキグループ(5011) 2027年度第1四半期決算

2027年度第1四半期の売上高は142.3億円(前年同期比+3.8%)、営業利益は1.4億円(黒字転換)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

エネルギー資源/石油・石炭製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥142.2億¥137.0億+3.8%
営業利益¥1.4億−¥3.2億+145.1%
経常利益¥3.3億−¥1.1億+388.6%
純利益¥2.5億¥0.0億+8166.7%
ROE0.3%0.0%-

Executive Summary

売上高の増収に加え、前年同期の営業赤字から黒字転換したことが今四半期の最重要ポイントである。売上高は142.2億円(前年同期比+3.8%)、営業利益は1.4億円(前年同期の△3.2億円から回復)、経常利益は3.3億円(同+388.6%)、純利益は2.5億円(前年同期0.0億円から増加)となった。増収はアスファルト応用加工製品事業の伸長が主導し、営業利益改善には全社費用調整の圧縮も寄与したが、道路舗装事業がセグメント損失に転じている点には留意が必要である。

業績変動要因

【売上高】売上高は142.2億円で前年同期比+3.8%増収。セグメント別ではアスファルト応用加工製品事業が76.3億円(+12.0%)と伸長し全体を牽引した一方、道路舗装事業は84.5億円(+0.9%)とほぼ横ばいで推移した。その他事業も2.8億円(+34.8%)と増収した。

【損益】営業利益は1.4億円で前年同期の△3.2億円から黒字転換し、営業利益率は1.0%と前年同期から改善した。アスファルト応用加工製品事業のセグメント利益は8.2億円(+113.8%、利益率10.7%)と大きく改善した一方、道路舗装事業は△0.7億円のセグメント損失に転落し、増収が採算改善に直結していない。経常利益は3.3億円(+388.6%)まで拡大したが、これは受取配当金1.9億円を含む営業外収益2.7億円の寄与が大きく、本業利益の改善以上に投資収益に依存する構造である。純利益は2.5億円(前年同期0.0億円)となったが、比較対象のベースが極めて小さい点は留意すべきである。特別損益は利益0.1億円・損失0.1億円と軽微で一時的要因の影響はほぼない。総じて増収増益の決算だが、増益の中身は投資収益への依存度が高い。

セグメント別分析

アスファルト応用加工製品事業は売上高76.3億円(+12.0%)、セグメント利益8.2億円(+113.8%、利益率10.7%)と、増収増益で全社利益の主力となった。道路舗装事業は売上高84.5億円(+0.9%)とほぼ横ばいながら、セグメント損益は前年同期の1.9億円の利益から△0.7億円の損失に転じ、公共工事の施工進捗や採算悪化が影響したとみられる。その他事業は売上高2.8億円(+34.8%)、利益1.4億円(+94.6%、利益率52.4%)と高採算だが規模は小さい。全社費用等の調整額は前年同期の△9.7億円から△7.5億円へ改善し、連結営業利益の黒字転換に寄与した。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は1.0%で前年同期のマイナスから改善したが、水準としては低い。純利益率は約1.7%、経常利益率は約2.3%であり、経常利益の押し上げには受取配当金1.9億円を含む営業外収益2.7億円の寄与が大きい。【キャッシュ品質】現金及び預金は192.4億円で総資産の17.3%を占め、流動資産375.8億円に対し流動負債132.5億円と、流動比率は約283.6%と厚い水準にある。【投資効率】ROEは0.3%(Q1累計ベース)にとどまり、有形固定資産485.2億円・投資有価証券128.2億円という大きな投下資本に対し、Q1時点の利益創出力は限定的である。【財務健全性】自己資本比率は71.1%と高水準で、長期借入金144.0億円を中心とする有利子負債構成は保守的であり、財務基盤は総じて安定している。

キャッシュフロー分析

本資料にはCF計算書の開示がないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。現金及び預金は192.4億円で前年同期の247.5億円から減少しており、流動資産全体も375.8億円と前年同期の499.5億円から縮小している。一方で買掛金・支払手形は45.5億円、その他流動負債も含め流動負債全体は132.5億円と前年同期の243.5億円から大きく圧縮されており、運転資本構成の変化がうかがえる。有形固定資産は485.2億円、投資有価証券は128.2億円と、いずれも前年同期からやや増加しており、事業資産・投資資産への資金配分が継続している。純資産は791.3億円で総資産の71.1%を占め、財務基盤の安定性を背景に資金繰り面での余力は確保されている。

収益の質

経常利益3.3億円のうち、営業利益は1.4億円にとどまり、残りの押し上げ要因は営業外収益2.7億円である。この営業外収益の中心は受取配当金1.9億円であり、経常利益の約58%に相当する。これは投資有価証券からの果実であり、本業の収益力とは切り離して評価する必要がある。特別損益は利益・損失ともに0.1億円規模で軽微であり、一時的要因が経常利益と純利益の乖離を生んでいるわけではない。包括利益は6.0億円で純利益2.5億円を上回っており、その差は有価証券評価差額金3.1億円が主因である。この評価差額金は市場変動に伴う未実現の含み益的性格が強く、経常的な収益とは区別して捉える必要がある。総じて、今四半期の利益改善は営業利益の回復に加え、投資収益や評価益といった非経常的・非本業的な要因への依存度が相応に高い。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高800.0億円(前年比+5.5%)、営業利益60.0億円(同+1.3%)、経常利益63.0億円(同+3.7%)、EPS151.11円である。今回、業績予想・配当予想ともに修正はない。Q1実績の進捗率は売上高17.8%、営業利益2.4%、経常利益5.2%と、標準的な四半期進捗(25%)を大きく下回っている。舗装・工事関連の季節性を考慮する必要があるものの、通期営業利益計画の達成には残り3四半期で58.6億円の営業利益積み上げが必要であり、道路舗装事業の採算回復が焦点となる。

株主還元

通期配当予想は1株当たり85.0円で、今回修正はない。予想EPS151.11円に基づく配当性向は約56.2%であり、配当金のみを用いた水準としては一般的な目線の範囲内にある。自己株式55.1億円を保有するが、当期の自己株式取得実績は開示されておらず、総還元性向の算定は行っていない。現金及び預金192.4億円、自己資本比率71.1%という財務基盤は配当支払いを下支えするが、Q1時点の親会社株主帰属利益の通期進捗率は5.6%にとどまり、配当水準の維持にはQ2以降の利益積み上げが重要となる。

リスク要因

  1. 道路舗装事業の採算悪化: 売上高84.5億円と最大規模を持つ道路舗装事業がセグメント損失0.7億円に転じており、公共工事の発注・施工時期や工事採算の変動が通期利益計画の達成可否を左右する。

  2. 低い営業利益水準に伴う利払い余力の限定: 営業利益1.4億円に対し支払利息は0.7億円で、インタレストカバレッジは約2倍にとどまる。D/Eレシオ0.41倍と負債量自体は抑制的だが、本業収益力が低い局面では利払い負担の相対的な重さが意識されやすい。

  3. 営業外収益・投資資産の変動リスク: 受取配当金1.9億円が経常利益の約58%を占め、投資有価証券128.2億円は総資産の11.5%に相当する。投資先の配当方針変化や株式市場の変動は、経常利益および包括利益(有価証券評価差額金3.1億円計上)に影響を与えうる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率1.0%8.7% (4.2%–14.3%)−7.7pt
純利益率1.7%7.1% (3.2%–10.6%)−5.4pt

自社の収益性は業種中央値を大きく下回り、営業利益率・純利益率ともに業種内で低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)3.8%6.2% (-1.1%–14.6%)−2.4pt

売上高成長率も業種中央値をやや下回り、成長面でも平均的な水準には届いていない。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益は前年同期比+145.1%と黒字転換したが、営業利益率は1.0%にとどまり、増益の絶対水準にはなお改善余地がある。アスファルト応用加工製品事業が利益面の主力としてセグメント利益8.2億円まで拡大した一方、道路舗装事業のセグメント損失0.7億円が全社収益性を抑制している。

  2. 経常利益の改善には受取配当金を中心とする営業外収益の寄与が大きく、本業ベースの収益改善と投資収益は区別して捉える必要がある。

  3. 通期計画に対するQ1進捗率は営業利益2.4%、経常利益5.2%と標準的な水準を下回っており、季節性を踏まえても、Q2以降の道路舗装事業の採算回復状況が通期計画達成の鍵となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,456円
base(基準)2,516円
bull(強気)2,536円
算出前提
1株純資産(BPS)2,781円
調整後予想EPS173.8円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向56.2%
予想EPSの信頼度調整×1.150(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.90倍 / 14.5倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,448円〜2,587円、ω±0.1で 2,508円〜2,522円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。