| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥593.5億 | ¥545.5億 | +8.8% |
| 営業利益 | ¥78.4億 | ¥72.5億 | +8.1% |
| 経常利益 | ¥84.5億 | ¥77.8億 | +8.7% |
| 純利益 | ¥63.3億 | ¥53.8億 | +17.7% |
| ROE | 4.7% | 4.4% | - |
長谷川香料の当第3四半期累計は、増収増益に加え投資有価証券売却益等の一時的要因が寄与し、純利益が二桁増益となった決算である。売上高は593.5億円(前年比+8.8%)、営業利益は78.4億円(同+8.1%)、経常利益は84.5億円(同+8.7%)、純利益は63.3億円(同+17.7%)となった。営業利益の伸びは概ね増収に沿ったものである一方、純利益は特別利益6.1億円(投資有価証券売却益)と金融収益の計上により、増収率・営業増益率を上回る伸びとなっている。
【売上高】売上高は593.5億円で前年同期比+8.8%の増収となった。セグメント別では米国が138.3億円(+18.0%)と最も高い伸びを示し、アジアが148.1億円(+9.0%)、日本が330.2億円(+4.3%)で続いた。売上構成比は日本55.6%、アジア25.0%、米国23.3%で、国内比重が過半を占める構成に大きな変化はない。
【損益】営業利益は78.4億円(前年比+8.1%)で増収率をやや下回り、営業利益率は13.2%と前年13.3%から0.1pt低下した。粗利率は42.1%(前年42.3%)へやや低下したが、販管費率は28.9%(前年29.0%)へ改善し一部を相殺した。セグメント利益はアジアが38.1億円(利益率25.7%)で最大の稼ぎ頭となる一方、米国は1.1億円(利益率0.8%)にとどまるが前年の0.5億円から+130.4%増と改善が進んでいる。経常利益は84.5億円(+8.7%)で、受取利息3.5億円・受取配当1.7億円を含む営業外収益6.6億円が押し上げに寄与した。純利益は63.3億円(+17.7%)と経常利益の伸びを上回ったが、これは投資有価証券売却益6.1億円の特別利益計上によるもので一時的要因である。増収増益の決算。
セグメント別営業利益は日本38.4億円(+3.9%、利益率11.6%)、アジア38.1億円(-0.6%、利益率25.7%)、米国1.1億円(+130.4%、利益率0.8%)となった。アジアは売上+9.0%の増収に対し利益はほぼ横ばいで、利益率は前年から低下したとみられるが25.7%の高水準は維持している。米国は売上+18.0%の増収に加え利益が2倍超に拡大し採算改善が進むが、利益率は依然1%未満にとどまる。日本は増収率+4.3%に対し利益+3.9%とほぼ比例的な増益で、全社利益の柱として安定的に推移している。
【収益性】営業利益率は13.2%で前年13.3%から0.1pt低下し、粗利率42.1%(前年42.3%)の低下を販管費率28.9%(前年29.0%)の改善が一部相殺した。純利益率は10.7%で前年9.9%から0.8pt改善し、営業段階を上回る伸びとなっている。【キャッシュ品質】経常利益84.5億円と純利益63.3億円の差は主に法人税等26.9億円(実効税率約29.8%)によるもので、特別利益6.1億円は一時的要因として区別して評価する必要がある。【投資効率】ROEは4.7%で、前年同期の同様の計算(4.4%)から小幅に改善した。売上成長に対し売掛金・棚卸資産の増加ペースがやや上回っており、資産効率の面では改善余地がある。【財務健全性】自己資本比率は83.4%で前年83.5%からほぼ横ばい、負債資本倍率は0.20倍と保守的な資本構成を維持している。流動比率は484.5%、支払利息0.2億円に対し営業利益は78.4億円でインタレストカバレッジは約327倍と、金利負担の余力は極めて大きい。
営業活動によるキャッシュ・フロー計算書は開示されていないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。現金及び預金は350.5億円で前年同期の348.5億円からほぼ横ばいとなった。一方、売掛金・受取手形は217.8億円(前年200.2億円)、棚卸資産は100.5億円(前年87.5億円、+14.9%)へ増加し、増収ペースを上回る形で運転資本が積み上がっている。買掛金・支払手形も75.5億円(前年58.1億円、+29.9%)へ増加し、仕入増加の一部を吸収している。固定資産面では有形固定資産433.2億円、無形固定資産278.2億円(のれん107.1億円を含む)が拡大しており、新規連結や設備投資に伴う資金投下が進んでいる可能性がある。利益成長に対し運転資本の積み上がりが並行して進んでいる点は、今後の資金創出力を評価するうえで注視すべきポイントである。
当期の経常利益84.5億円に対し純利益は63.3億円となり、その差の主因は法人税等26.9億円(実効税率約29.8%)である。経常利益は営業利益78.4億円に、受取利息3.5億円・受取配当金1.7億円を含む営業外収益6.6億円が加わって構成されており、金融収益が一定の比重を占める。加えて特別利益6.1億円(投資有価証券売却益)が税引前利益を押し上げており、これは一時的要因であって毎期経常的に発生するものではない。包括利益は150.4億円で純利益63.3億円を大きく上回るが、この差は主に為替換算調整額78.9億円によるもので、海外子会社の換算差を反映したものである。包括利益と純利益の乖離が大きい点は当期の事業成果そのものというより為替相場変動の影響を示すものであり、収益の質を評価する上では純利益・経常利益ベースの分析がより実態に即している。
通期業績予想に対する進捗率は、売上高77.6%(593.5億円/765.0億円)、営業利益83.1%(78.4億円/94.3億円)、経常利益84.1%(84.5億円/100.5億円)、純利益86.5%(63.3億円/73.2億円)である。累計期間が9か月であることを踏まえると、いずれも単純按分の75%を上回る進捗で、特に利益項目は前倒し気味に推移している。純利益の進捗率が最も高いのは特別利益計上等の一時的要因が寄与した結果であり、通期を通じて同水準の押し上げ要因が継続するとは限らない点に留意が必要である。当四半期において業績予想・配当予想の修正はいずれも実施されていない。
配当は中間50円を実施済みで、通期予想は100円(前期実績37円)である。年間配当予想100円を会社予想の純利益73.2億円と、発行済株式数から自己株式を控除した約4,059万株を基に算定すると、配当総額は約40.6億円、配当性向は約55.4%となる。自己資本比率83.4%、現金及び預金350.5億円という強固な財務基盤が、この配当水準の持続性を支える要因となっている。自社株買いに関する開示は確認されない。
運転資本効率の変化: 売掛金は217.8億円(+8.8%)、棚卸資産は100.5億円(+14.9%)へ増加し、いずれも売上成長率+8.8%と同程度かそれを上回るペースで積み上がっている。資金の滞留度合いは今後のキャッシュ創出力を左右するためモニタリングが必要である。
米国セグメントの採算: 売上は138.3億円(+18.0%)と大きく伸びたが営業利益率は0.8%にとどまり、日本11.6%、アジア25.7%と比べ低水準にある。増収が利益に十分転化していない状態が続いている。
のれん増加に伴う評価リスク: のれんは107.1億円で前年比+46.6%増加し、純資産比7.9%に達した。新規連結による影響とみられ、今後の収益貢献状況によっては減損評価の対象となり得る。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 13.2% | 8.3% (4.4%–12.7%) | +4.9pt |
| 純利益率 | 10.7% | 6.3% (2.8%–10.0%) | +4.4pt |
収益性指標はいずれも業種中央値を明確に上回り、業種内でも上位に位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 8.8% | 3.0% (-2.1%–8.9%) | +5.8pt |
売上高成長率も業種中央値を大きく上回り、業種内で高い伸びを示している。
※出所: 当社集計
純利益+17.7%の伸びのうち、投資有価証券売却益6.1億円等の一時的要因の寄与が大きく、営業利益+8.1%との差分は経常的な収益力の向上のみでは説明できない。
アジアは営業利益率25.7%と高採算を維持し全社利益を下支えする一方、米国は増収下でも利益率0.8%にとどまり、地域間の採算格差が構造的な特徴として続いている。
通期予想に対する累計進捗率は利益項目で80%台後半に達し、前倒し傾向が確認される一方、その一部は一時的要因に支えられている。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 2,937円 |
| base(基準) | 2,994円 |
| bull(強気) | 3,018円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 3,326円 |
| 調整後予想EPS | 198.6円 |
| 株主資本コスト r | 9.65%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 55.4% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.90倍 / 15.1倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 2,913円〜3,079円、ω±0.1で 2,983円〜3,001円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。