記事一覧に戻る
49122026 第2四半期プライムIFRS

ライオン(4912) 2026年度第2四半期決算 増収・営業益55%増

2026年度第2四半期の売上高は2,168億円(前年同期比+8.7%)、営業利益は207億円(同+54.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

素材・化学/化学


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥2168.4億¥1994.6億+8.7%
営業利益¥207.0億¥133.8億+54.7%
税引前利益¥225.0億¥146.5億+53.6%
純利益¥127.0億¥111.4億+14.1%
ROE3.5%3.2%-

Executive Summary

増収に加え営業利益が大幅増益となり、収益性が明確に改善した決算である。売上高は2,168.4億円(前年比+8.7%)、営業利益は207.0億円(同+54.7%)、純利益(親会社株主帰属)は108.4億円(同+12.9%)となった。営業利益率は9.5%と前年から大きく改善した一方、実効税率の上昇が最終利益の伸びを抑制した。

業績変動要因

【売上高】売上高は2,168.4億円、前年比+8.7%の増収。セグメント別ではOverseas(904.4億円、構成比41.7%)が+21.2%と牽引役となり、主力のGeneralUseConsumableProducts(1,067.5億円、構成比49.2%)は+1.6%の微増、IndustrialProducts(191.3億円)は-0.3%とほぼ横ばいだった。海外事業の拡大が全体成長の主因である。

【損益】営業利益は207.0億円、前年比+54.7%と大幅増益。売上原価率が低下し粗利率46.9%を確保する一方、販管費率は39.8%に抑制され、営業レバレッジが働いた。ただし税引前利益225.0億円に対し法人税等98.0億円と実効税率は43.6%に達し、純利益(親会社株主帰属)は108.4億円、伸び率+12.9%にとどまった。増収増益であるが、高税負担が最終利益の伸びを抑制している点が特徴である。

セグメント別分析

海外事業(Overseas)は904.4億円と全社売上の41.7%を占め、前年比+21.2%と全セグメント中最大の伸びを示した。国内の日用消耗品(GeneralUseConsumableProducts)は1,067.5億円で構成比49.2%と依然最大セグメントだが、伸びは+1.6%にとどまる。産業用製品(IndustrialProducts)は191.3億円でほぼ横ばい(-0.3%)。増収の牽引役が海外事業に集中している点は、今後の為替感応度や地域リスクの分散という観点でモニタリングに値する。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は9.5%で前年から大幅に改善し、粗利率46.9%・販管費率39.8%という構造のもとで営業レバレッジが効いている。純利益率は5.0%(親会社帰属利益ベース)で、税引前利益の伸び+53.6%に対し実効税率43.6%が最終利益への転換を抑制している。【キャッシュ品質】営業CFは95.4億円で親会社帰属利益108.4億円に対する比率は0.88倍と、利益の現金化にはやや改善余地がある。【投資効率】ROEは3.5%(提供値ベース)で、資産回転率・財務レバレッジともに抑制的な水準にあり、資本効率は相対的に低位にとどまる。【財務健全性】自己資本比率は62.5%と厚く、現金及び現金同等物834.0億円に対し有利子負債は小さく、財務基盤は極めて保守的である。

キャッシュフロー分析

営業CFは95.4億円で前年から大幅に増加したものの、棚卸資産の増加49.1億円と仕入債務の減少98.5億円が運転資本面で資金を圧迫し、営業CF小計122.2億円から目減りした。投資CFは-36.7億円で、うち設備投資が45.8億円を占める。財務CFは-112.1億円で、配当支払41.5億円のほか借入返済等が含まれる。フリーキャッシュフローは58.6億円の黒字を確保し、設備投資と中間配当の両立を可能にしているが、在庫・仕入債務を含む運転資本の動向が今後のキャッシュ創出力を左右する。

収益の質

税引前利益225.0億円は前年比+53.6%と大きく伸びたが、法人税等98.0億円により実効税率は43.6%と高水準にとどまり、税負担が最終利益の伸びを圧縮している。金融収益13.3億円は金融費用5.4億円を上回り、持分法投資利益10.1億円もあわせて経常的な利益を下支えしている。その他の収益79.8億円は売上高の3.7%程度であり、一時的要因への依存度は限定的とみられる。営業CF/純利益比率は0.88倍で、利益とキャッシュフローの間に一定の乖離があり、在庫増加・仕入債務減少という運転資本要因がアクルーアルの主因である。包括利益159.4億円は純利益127.0億円を上回り、為替換算差額等の非支配株主分を含む項目が押し上げ要因となっている。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画は売上高4,300.0億円(前年比+1.9%)、営業利益400.0億円(同+10.0%)、EPS予想90.38円、配当予想34.00円で、当第2四半期時点での業績・配当予想の修正はない。上期実績に基づく進捗率は売上高50.4%、営業利益51.8%と、標準的な50%進捗をやや上回っており、上期の収益性改善が通期計画に対して順調に推移している。一方、親会社帰属利益の通期計画は前年比-9.4%の減益を見込んでおり、上期の高税負担が継続する場合、下期の利益進捗を注視する必要がある。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり17.00円で、通期配当予想34.00円のちょうど半額にあたる。配当性向は親会社帰属利益ベースで約43.4%と算定され、無理のない水準にある。自社株買いは0.0億円とごく僅かで、総還元性向は配当性向と実質的に同水準である。フリーキャッシュフロー58.6億円は中間配当支払41.5億円を上回っており、現金創出面から配当継続を裏付けている。

リスク要因

  1. 運転資本の資金流出: 棚卸資産が49.1億円増加し、仕入債務は98.5億円減少した。営業CF/純利益比率は0.88倍にとどまり、利益の現金化力に改善余地がある。

  2. 高い実効税率: 実効税率は43.6%と高水準で、税引前利益の増益+53.6%に対し親会社帰属利益の伸びは+12.9%に抑制された。税負担の正常化が今後の焦点となる。

  3. 海外事業への成長依存: 増収の主因は海外セグメント(+21.2%)であり、国内主力の日用消耗品は+1.6%に鈍化している。為替変動や海外需要の変化が業績に与える影響が相対的に大きい構造にある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率9.5%9.7% (5.4%–23.7%)−0.1pt
純利益率5.9%5.4% (1.3%–20.1%)+0.5pt

営業利益率は業種中央値とほぼ同水準、純利益率は中央値をやや上回る位置にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)8.7%10.6% (-3.4%–25.4%)−1.9pt

売上高成長率は業種中央値をやや下回るが、IQRの範囲内に収まる。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高+8.7%に対し営業利益+54.7%と、営業レバレッジによる収益性改善が上期の最大の特徴である。営業利益率は9.5%へ拡大し、通期計画9.3%を上回る水準で推移している。

  2. 親会社帰属利益の進捗率は43.4%と標準的な50%を下回り、実効税率43.6%という高税負担が営業段階の好調さを最終利益に十分反映できていない構造がみられる。

  3. フリーキャッシュフローは58.6億円の黒字で配当原資を確保する一方、棚卸資産増加と仕入債務減少による運転資本の流出が営業CFの伸びを抑制しており、今後の資金効率改善が注目点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,139円
base(基準)1,162円
bull(強気)1,181円
算出前提
1株純資産(BPS)1,203円
調整後予想EPS97.2円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向37.6%
予想EPSの信頼度調整×1.075(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.97倍 / 12.0倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,130円〜1,196円、ω±0.1で 1,161円〜1,163円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。