| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥7092.7億 | ¥6319.9億 | +12.2% |
| 営業利益 | ¥674.5億 | ¥488.0億 | +38.2% |
| 経常利益 | ¥691.8億 | ¥486.3億 | +42.3% |
| 純利益 | ¥460.1億 | ¥300.1億 | +53.3% |
| ROE | 15.4% | 10.9% | - |
サイバーエージェントの2026年3Q累計は、ゲーム事業の高収益化を主因に増収増益が加速した決算である。売上高は7,092.7億円(前年6,319.9億円、+12.2%)、営業利益は674.5億円(同488.0億円、+38.2%)、経常利益は691.8億円(同486.3億円、+42.3%)となった。純利益(連結、非支配株主分含む)は460.1億円(+53.3%)、親会社株主に帰属する純利益は360.4億円(前年241.0億円、+49.5%)で、いずれも増収率を上回るペースで拡大した。増益の主因はゲーム事業の売上・利益率の同時拡大であり、粗利率は31.0%(前年約29.0%)、営業利益率は9.5%(前年7.7%)へ改善した。
【売上高】売上高は7,092.7億円で前年比+12.2%の増収。セグメント別では、インターネット広告が3,636.9億円(+4.9%)と構成比51.3%を占める最大セグメントながら成長は緩やか、ゲームが1,933.9億円(+37.8%)と高成長を続け構成比を高めた。投資育成は2.4億円(-83.1%)と縮小が続く。売上構成の変化は、広告依存度の高さを維持しつつも利益貢献の重心がゲームへ移行している点を示す。
【損益】営業利益は674.5億円(+38.2%)、営業利益率は9.5%(前年7.7%)へ改善した。ゲームは営業利益509.2億円(+44.8%、利益率26.3%)と高マージンを確保し全社利益の大半を牽引、一方インターネット広告は営業利益154.2億円(-1.7%)とトップライン成長に反して微減益となり、販促投資等がマージンを圧迫した。投資育成は営業損失16.5億円(前年比損失縮小)。経常利益は691.8億円(+42.3%)で、営業外収支は為替差益9.7億円等により収益25.1億円・費用7.7億円と純益方向に寄与したが、規模は売上比0.35%程度と限定的。特別損失24.1億円(うち減損13.2億円)が発生したが、前年の減損38.9億円からは縮小しており一時的要因の影響は軽減。税負担(法人税等208.6億円、税負担率約31.2%)と非支配株主帰属利益99.7億円の控除により、経常利益から親会社株主帰属純利益への圧縮幅が相対的に大きい。全体としては増収増益、かつ利益率の構造的改善を伴う決算と評価できる。
ゲーム事業が売上1,933.9億円(+37.8%)・営業利益509.2億円(+44.8%、利益率26.3%)と全社利益の中心に位置づけられ、利益成長の主エンジンとなっている。インターネット広告は売上3,636.9億円(+4.9%)と構成比では最大だが、営業利益154.2億円(-1.7%)、利益率4.2%と収益性はゲームに大きく劣る。投資育成は売上2.4億円・営業損失16.5億円と小規模ながら損失が継続している。セグメント間のマージン格差(ゲーム26.3%対広告4.2%)が全社ミックスの改善を通じて、営業利益率の押し上げに寄与している。
【収益性】営業利益率は9.5%(前年7.7%)へ+179bp改善、粗利率は31.0%(前年約29.0%)へ改善しており、ゲーム事業の高マージン化が全社レベルの収益性向上を牽引している。販管費率は21.5%(前年21.3%)とわずかに上昇しているが、粗利改善がこれを吸収し営業レバレッジが働いている。【キャッシュ品質】営業外収益は売上比0.35%程度と小さく、経常的な事業損益が利益の中心を占める。特別損失24.1億円(うち減損13.2億円)は前年の減損38.9億円から縮小し、一過性要因の影響は軽減している。【投資効率】ROEは15.4%で、親会社株主帰属純利益360.4億円の積み上げと自己資本の拡大が背景にある。EPS(基本)は71.07円(前年47.59円、+49.3%)、希薄化後EPSは67.10円。【財務健全性】自己資本比率は54.0%(前年約49.5%)に上昇し、現金及び預金2,120.8億円と潤沢な流動性を有する。総資産は5,511.7億円とわずかに減少する一方、純資産は2,979.0億円に増加し、資本基盤は強化されている。
キャッシュフロー計算書の詳細開示はないが、B/S動向から資金動向を把握できる。現金及び預金は2,120.8億円で前年2,298.5億円からやや減少している一方、利益剰余金は1,736.2億円(前年1,462.6億円、+18.7%)と積み上がっており、当期利益の内部留保が進んでいることが確認できる。売掛金は878.2億円(前年885.1億円)とほぼ横ばい、買掛金は761.0億円(前年817.5億円)とやや減少しており、運転資本の健全性は維持されている。長期借入金は546.2億円(前年524.2億円)とやや増加し、長期資本を中心とした安定的な資金調達構造がうかがえる。
利益の質は概ね営業本業に基づくものと評価できる。営業外収益25.1億円(受取利息5.1億円、受取配当金4.8億円、為替差益9.7億円等)は売上高比0.35%と小規模で、経常利益の押し上げ要因としては限定的である。特別損益は損失24.1億円(うち減損13.2億円)で純利益を小幅に押し下げたが、前年の減損38.9億円と比較すると一時的要因の影響は縮小している。経常利益691.8億円に対し親会社株主帰属純利益は360.4億円となり乖離が大きいが、この差は主に法人税等208.6億円の税負担と非支配株主帰属利益99.7億円の控除によるものであり、収益の質そのものを損なう要因ではない。包括利益は424.2億円(親会社株主分324.2億円)で、純利益と比べ有価証券評価差額金-37.0億円の影響がみられるが、その他の構成要素は限定的である。
通期予想に対する進捗率は、売上高74.6%(7,092.7/9,500.0億円)、営業利益87.6%(674.5/770.0億円)、経常利益88.7%(691.8/780.0億円)である。3Q累計時点の標準進捗(75%)と比較すると、売上高はほぼ標準的な進捗であるのに対し、利益項目は10ポイント以上前倒しで進捗しており、ゲーム事業の高マージン寄与や粗利率改善が背景にある。当四半期において業績予想および配当予想の修正が行われており、通期の利益計画に対する上振れの可能性を示す進捗状況となっている。
会社が示す通期の配当予想は1株当たり20.00円である。発行済株式数507,105千株を基に想定年間配当総額を算定すると約101.4億円となり、通期の親会社株主帰属純利益予想410.0億円に対する配当性向は概ね24.7%となる。現預金2,120.8億円と自己資本比率54.0%という財務基盤を踏まえると、配当実行の資金的な裏付けは相応に確保されている状況といえる。なお、当四半期において配当予想の修正が行われている点は留意される。
事業集中リスク: 売上高の51.3%をインターネット広告セグメントが占め、広告市況やプラットフォームポリシーの変化を受けやすい構造となっている。同セグメントの営業利益は-1.7%と減益であり、収益性面での構造的な圧迫要因が見られる。
ゲーム事業への収益依存: 営業利益509.2億円のうち、ゲームセグメントが全社の大部分を占める構造となっており、ヒットタイトルのライフサイクルや新規タイトルの投入状況が全社業績に与える影響が相対的に大きい。
税負担・非支配株主帰属利益による純利益圧縮: 経常利益691.8億円に対し法人税等208.6億円(負担率約31.2%)と非支配株主帰属利益99.7億円が計上され、親会社株主帰属純利益への転換率が72.9%にとどまっている。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 9.5% | 8.3% (3.6%–18.6%) | +1.2pt |
| 純利益率 | 6.5% | 6.1% (2.3%–12.8%) | +0.4pt |
営業利益率・純利益率ともに業種中央値を上回り、収益性は業種内で相対的に良好な位置づけにある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 12.2% | 10.4% (-0.9%–19.9%) | +1.8pt |
売上成長率は業種中央値を上回るが、IQRの上限(19.9%)には達していない水準。
※出所: 当社調べ
ゲーム事業の高マージン化(利益率26.3%)が全社の営業利益率を9.5%へ押し上げており、事業ポートフォリオにおける利益貢献の重心が広告からゲームへ移行している点が構造的な変化として観察される。
通期予想に対する進捗率は営業利益・経常利益ともに約88%と、標準進捗75%を上回るペースであり、当四半期に業績予想・配当予想の修正が行われたことと整合的である。
経常利益から親会社株主帰属純利益への転換率は72.9%にとどまり、税負担および非支配株主帰属利益の存在が純利益の伸び幅を抑制する構造となっている。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 660円 |
| base(基準) | 692円 |
| bull(強気) | 702円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 587円 |
| 調整後予想EPS | 88.9円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 24.7% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.18倍 / 7.8倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 672円〜713円、ω±0.1で 690円〜696円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。