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47042026 第2四半期プライムJGAAP

トレンドマイクロ株式会社 2026年度 第2四半期 決算

トレンドマイクロ株式会社の2026年度第2四半期決算レポート

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1486.0億¥1339.1億+11.0%
営業利益¥217.9億¥284.7億-23.5%
経常利益¥248.2億¥214.8億+15.6%
純利益¥148.9億¥142.3億+4.6%
ROE12.5%10.9%-

Executive Summary

増収減益が本決算の要点で、トップライン拡大の一方で販管費増が営業段階の利益を圧迫した。売上高は1486.0億円(前年比+11.0%)と2桁成長を維持したが、営業利益は217.9億円(同-23.5%)と大幅減益となった。経常利益は非営業の為替差益や受取利息の寄与で248.2億円(同+15.6%)に増益転換し、純利益は148.9億円(同+4.6%)を確保した。売上成長を上回る販管費の増勢(+26.4%)が営業利益率を押し下げた主因である。

業績変動要因

【売上高】売上高は1486.0億円で前年比+11.0%増収。地域別ではAsiaPacificが621.9億円(+22.2%)、Europeが393.2億円(+17.0%)と成長を牽引し、Americasは359.2億円(+8.0%)、Japanは441.6億円(+0.5%)とほぼ横ばいで、成長の中心はアジア・欧州にシフトしている。

【損益】売上原価の増加は限定的で粗利率は77.2%(前年比+約1.0pt)と改善したが、販管費は928.5億円と前年比+26.4%増加し、売上成長を大きく上回った。この結果、営業利益は217.9億円(-23.5%)と減益。一方、経常利益は為替差益13.7億円と受取利息16.4億円の押し上げで248.2億円(+15.6%)に増益転換した。純利益は法人税等の負担(実効税率約40%)もあり148.9億円(+4.6%)と小幅増益に留まった。増収減益の決算である。

セグメント別分析

セグメント利益はJapanが76.4億円(利益率17.3%)と最も高く、次いでAsiaPacificが71.4億円(利益率11.5%、+6.9%)、Europeが51.8億円(利益率13.2%、-17.1%)、Americasが22.8億円(利益率6.3%、-54.0%)と最も低い。Americasは売上+8.0%増収ながら利益は半減し、採算悪化が全社の営業利益率低下に大きく寄与した。Japanも売上は+0.5%とほぼ横ばいながら利益は-26.2%と減少し、高採算セグメントの収益性低下が全社利益を押し下げている。総じて、成長の中心であるAsiaPacific・Europeの利益成長が販管費増をカバーできず、地域ミックスの変化が全社マージンの下押し要因となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は14.7%で前年から低下、純利益率は10.0%程度で前年からわずかに縮小した。粗利率は77.2%と前年から改善しており、製品・サービスミックスは良好である。【キャッシュ品質】営業CFは355.4億円で純利益の約2.4倍に達し、利益の現金裏付けは良好である。フリーCFは72.6億円のプラスで、売上債権の減少(+235.8億円寄与)が押し上げに寄与した。【投資効率】ROEは12.5%で、純利益率・資産効率・財務レバレッジの組み合わせで支えられている。設備投資は7.2億円と減価償却131.4億円に対して小さく、有形投資よりも無形資産(ソフトウェア等)への配分が中心とみられる。【財務健全性】自己資本比率は29.4%で前年の30.2%からやや低下、現金及び預金は2199.0億円と総資産の約54%を占め、流動性には一定の余裕がある。

キャッシュフロー分析

営業CFは355.4億円で前年比+1.4%とほぼ横ばいながら、純利益148.9億円を大きく上回る水準を確保しており、利益の現金転化は良好である。投資CFは-282.8億円で、設備投資は7.2億円と小規模だが、それ以外の投資項目が投資CFの大半を占めている。財務CFは-282.5億円で、内訳には自社株買い50.0億円と配当支払235.6億円が含まれる。この結果、フリーキャッシュフロー(営業CF+投資CF)は72.6億円のプラスとなり、売上債権の回収進展(+235.8億円の寄与)がキャッシュ創出を支えた。半期の配当・自社株買いの合計はフリーCFを上回っており、現金及び預金の高水準(2199.0億円)を背景に資金配分がなされている。

収益の質

当期の経常的な収益構造は高い粗利率(77.2%)に支えられているが、経常利益の増益(+15.6%)には為替差益13.7億円と受取利息16.4億円という営業外要因が大きく寄与しており、これらは通期での再現性が限定的な性質を持つ。特別利益は1.2億円と軽微で、一時的要因の影響は小さい。営業外収益は売上高の約2.1%に相当し、構成は利息収入と為替差益が中心である。営業CFは純利益の約2.4倍、営業CF小計430.1億円に対し法人税等支払90.9億円と、アクルーアルの観点からは利益の質は高いとみられる。ただし営業利益自体は-23.5%と減益であり、経常・純利益段階の増益は営業外要因に依存している点は留意すべきである。

業績予想・ガイダンス

通期計画に対する進捗率は、売上高49.3%(1486.0億円/3015.0億円)、営業利益49.1%(217.9億円/444.0億円)、経常利益54.0%(248.2億円/460.0億円)となっている。半期時点での標準的な進捗(約50%)に概ね整合するが、経常利益はやや先行しており、これは為替差益等の非営業要因による押し上げが一因とみられる。通期営業利益予想は前年比-23.2%の減益計画であり、上期の実績(-23.5%)とほぼ整合的な進捗である。なお、当四半期において業績予想の修正が行われている。

株主還元

当第2四半期末時点の配当は無配で、期末配当については未定とされている。上期における現金配当支払は235.6億円、自社株買いは50.0億円であり、両者の合計はフリーキャッシュフロー72.6億円を上回っている。現金及び預金は2199.0億円と潤沢な水準にあるため当面の資金制約は限定的だが、株主還元の水準は内部創出キャッシュフローの範囲を超えており、下期のフリーキャッシュフロー創出動向が今後の還元原資の観点で注目される。

リスク要因

  1. 販管費の高成長による利益率低下リスク: 販管費は前年比+26.4%増加し、売上成長+11.0%を大きく上回った。この傾向が継続すれば、営業利益率の趨勢的な低下が続く可能性がある。

  2. Americasセグメントの採算悪化: 同セグメントの営業利益率は6.3%と4セグメント中最低で、営業利益は前年比-54.0%と大幅に減少した。他地域との利益率格差が拡大している。

  3. 非営業要因への利益依存: 経常利益の増益は為替差益13.7億円・受取利息16.4億円といった営業外要因に支えられており、営業利益自体は-23.5%の減益である。これらの非営業要因の反復性は限定的とみられる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率14.7%17.3% (4.1%–24.5%)-2.6pt
純利益率10.0%13.0% (2.0%–16.2%)-3.0pt

収益性は営業利益率・純利益率ともに業種中央値をやや下回る水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)11.0%22.5% (16.2%–26.8%)-11.5pt

売上高成長率は業種中央値を大きく下回り、IQR下限にも届かない水準にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 増収ながら販管費の増勢(+26.4%)が売上成長(+11.0%)を上回り、営業利益率は前年から低下した。トップライン拡大とコスト管理のバランスが今後の焦点となる。

  2. 経常利益・純利益の増益は為替差益・受取利息といった営業外要因に支えられており、営業利益自体は減益である。損益の質を評価する際には、営業段階と営業外要因を区別してみる必要がある。

  3. 地域別では、Americasの採算悪化(利益率6.3%)とJapanの利益減少(-26.2%)が全社マージンを押し下げる一方、AsiaPacific・Europeが成長を牽引している。地域ミックスの変化は収益性の構造的な変化として注目される。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,407円
base(基準)1,472円
bull(強気)1,553円
算出前提
1株純資産(BPS)918円
調整後予想EPS251.8円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.60倍 / 5.8倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,429円〜1,517円、ω±0.1で 1,457円〜1,495円。

注記:

  • のれん償却 5.4円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。