| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥10236.8億 | ¥8524.3億 | +20.1% |
| 営業利益 | ¥1523.2億 | ¥1173.2億 | +29.8% |
| 税引前利益 | ¥1442.5億 | ¥1121.9億 | +28.6% |
| 純利益 | ¥1058.0億 | ¥857.4億 | +23.4% |
| ROE | 5.2% | 4.7% | - |
増収増益で、価格・ミックス改善とコスト管理が利益成長を牽引した決算。売上高は10,236.8億円(前年比+20.1%)、営業利益は1,523.2億円(同+29.8%)、純利益(親会社株主帰属)は1,051.5億円(同+24.4%)となった。営業利益率は14.9%で前年から+1.1pt改善しており、増収効果に加えて粗利率改善(+1.4pt)が寄与した。通期計画に対する進捗は営業利益で53.8%と標準進捗(50%)を上回り、上期の収益性改善が下期にも継続すれば計画達成の確度は高いとみられる。
【売上高】売上高は10,236.8億円で前年比+20.1%の増収。セグメント別ではAOCが+66.2%、DuluxGroupが+23.2%、Nipseaが+15.0%、Japanが+13.3%、Americasが+9.1%と全セグメントが増収した。売上構成比はNipseaが49.3%と最大で、DuluxGroup22.7%、AOC10.5%、Japan11.1%、Americas6.4%と続く。
【損益】営業利益は1,523.2億円(前年比+29.8%)で、粗利率43.3%(前年比+1.4pt)と販管費率のコントロールにより営業利益率は14.9%(同+1.1pt)に拡大した。セグメント損益ではAOCが営業利益340.7億円(+77.8%)、利益率31.7%と高採算を維持し全体を牽引した一方、DuluxGroupは売上増にもかかわらず営業利益164.9億円(-10.2%)と減益で、コスト高やミックス変化が示唆される。純金融費用は95.3億円の負担となったが、税引前利益は1,442.5億円(前年比+28.6%)、純利益は1,051.5億円(同+24.4%)と、営業増益が金融費用負担を吸収した。増収増益の決算である。
Nipseaが最大セグメントで営業利益865.1億円(前年比+25.1%)、利益率17.2%と高い成長を維持している。AOCは売上1,076.1億円(+66.2%)、営業利益340.7億円(+77.8%)、利益率31.7%と全セグメント中最高水準の採算性を示し、増益幅の拡大に最も寄与した。Japanは売上1,140.6億円(+13.3%)に対し営業利益は143.9億円(+45.3%)と増収以上の増益で、利益率も12.6%に改善している。一方DuluxGroupは売上2,323.6億円(+23.2%)と大きく伸びたが営業利益は164.9億円(-10.2%)に減少し、利益率は7.1%に低下した。増収と減益が同時進行している点は、コスト構造や販促費の増加を反映していると考えられる。Americasは売上654.8億円(+9.1%)、営業利益42.2億円(+8.2%)、利益率6.5%と相対的に低採算な水準にとどまる。
【収益性】営業利益率は14.9%で前年の13.8%から+1.1pt改善し、純利益率も10.3%で前年から+0.4pt上昇した。粗利率は43.3%(前年41.9%)で+1.4pt改善しており、価格・ミックス効果が利益率向上の主因とみられる。【キャッシュ品質】ROEは5.2%で、純利益率10.3%×総資産回転率0.24倍×財務レバレッジ2.12倍に分解される。総資産回転率が相対的に低く、レバレッジと利益率の掛け合わせでROE水準が形成されている。【投資効率】EPS(基本)は45.30円で前年35.98円から+25.9%増加し、純利益成長を上回るペースとなっている。【財務健全性】自己資本比率は46.7%(前年44.9%から+1.8pt)と資本基盤は強化されている。有利子負債(流動・非流動合計)約14,208.9億円に対し純資産20,194.2億円で、負債純資産比率は概ね0.70倍程度であり、EBIT/金融費用は約8.5倍とインタレスト・カバレッジも良好な水準にある。
営業CFは1,058.3億円で前年比+466.7%の大幅増加となり、純利益1,051.5億円に対して概ね同水準の現金化がなされている。営業CF小計(運転資本変動前)は1,545.0億円だが、売掛金の増加(-288.9億円ではなく実際は棚卸資産-288.9億円、売掛金-622.0億円)と在庫積み増しが資金を圧迫し、仕入債務の増加(+351.4億円)が一部相殺している。投資CFは-302.8億円で、設備投資218.7億円を中心とした支出となっている。財務CFは-383.0億円で、配当支払186.2億円と自社株買い50.3億円が主な使途である。フリーCF(営業CF+投資CF)は755.5億円となり、配当・自社株買い・設備投資を十分にカバーする水準で、現金及び現金同等物は4,772.7億円に積み上がっている。売上・利益の拡大に伴い運転資本(特に売掛金・在庫)が増加している点は、成長局面における一時的な資金需要と捉えられる一方、回収サイトや在庫効率の動向は今後のキャッシュ創出力を左右する要素となる。
営業利益の増加は粗利率改善と販管費コントロールによるもので、特別損益的な一時要因は確認されず、経常的な事業活動から生じている。営業外では金融収益83.4億円に対し金融費用178.7億円と純負担95.3億円となっており、その他収益49.0億円・その他費用71.0億円を含めても、税引前利益1,442.5億円に対する営業外の影響は限定的である。持分法損益は14.7億円とプラス寄与だが規模は小さく、利益成長は本体オペレーション主導といえる。税引前利益1,442.5億円から純利益1,058.0億円への乖離は法人税等384.6億円(実効税率約26.7%)が主因であり、非支配株主帰属分を除いた親会社株主帰属純利益は1,051.5億円となる。営業CF(1,058.3億円)が純利益とほぼ同水準にあることから、利益の現金化という観点では質の良い決算であることが確認できる。
通期計画に対する進捗率は、売上高が51.2%(10,236.8億円/20,000.0億円)、営業利益が53.8%(1,523.2億円/2,830.0億円)となっており、上期時点で標準進捗(50%)を上回っている。通期営業利益予想2,830.0億円は前年比+10.1%の計画だが、上期はそれを上回るペース(+29.8%)で推移しており、上期の粗利率改善が下期も継続すれば、計画に対する上振れの可能性がある。なお当四半期に業績予想の修正が行われている一方、配当予想の修正はない。
中間配当は1株当たり8.0円で、上期純利益(親会社株主帰属)に基づく配当性向は概算で18%程度となり、保守的な水準にある。フリーCF755.5億円に対する配当支払186.2億円のカバレッジは約4.1倍であり、キャッシュフロー面からの配当持続性に懸念は見られない。自社株買いは50.3億円実施されており、配当と合わせた株主還元は財務CFの範囲内で無理なく実行されている。通期の配当予想は17.0円、EPS予想81.45円に基づく配当性向は約21%であり、当期の配当予想修正は行われていない。
のれんの集中リスク: のれんは15,179.7億円で純資産20,194.2億円の75.2%、総資産42,894.6億円の35.4%を占める。今後の事業環境変化により減損テストの前提(成長率・割引率)が下方修正された場合、減損リスクが相対的に高い構造となっている。
運転資本の長期化: 売掛金は前年比+24.6%増(+1,006.8億円)と売上成長率(+20.1%)を上回るペースで増加し、棚卸資産も-288.9億円のキャッシュ吸収要因となっている。回収サイトや在庫日数の動向は、今後の営業CF創出力に影響を与える可能性がある。
セグメント間の採算差: DuluxGroupは増収(+23.2%)にもかかわらず営業利益が-10.2%と減益で、利益率は7.1%に低下している。コスト環境や競争状況の変化がセグメント全体の利益成長に与える影響について、今後の推移を確認する必要がある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 14.9% | 9.7% (5.4%–23.7%) | +5.2pt |
| 純利益率 | 10.3% | 5.4% (1.3%–20.1%) | +4.9pt |
営業利益率・純利益率ともに業種中央値を上回り、収益性は同業内で相対的に高い水準にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 20.1% | 10.6% (-3.4%–25.4%) | +9.5pt |
売上成長率は業種中央値を上回るが、IQR上限(25.4%)内にとどまり、同業内での成長ペースとしては上位圏に位置する。
※出所: 当社調べ
コア事業のマージン拡大が明確で、営業利益率は14.9%(前年+1.1pt)に改善し、業種中央値(9.7%)を+5.2pt上回っている。通期進捗も営業利益53.8%と標準を上回り、上期の収益改善傾向が決算データから確認できる。
営業CF(1,058.3億円)は純利益とほぼ同水準にあり、利益の現金化という観点で質の高いキャッシュフローが確認できる。フリーCF755.5億円は配当・自社株買い・設備投資を十分にカバーしている。
一方でのれんが純資産の75.2%を占め、売掛金の増加率(+24.6%)が売上成長率(+20.1%)を上回っている点は、今後のB/S構造・運転資本効率の推移を確認すべき事実として決算データに表れている。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 863円 |
| base(基準) | 885円 |
| bull(強気) | 903円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 863円 |
| 調整後予想EPS | 87.5円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 20.9% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.075(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.03倍 / 10.1倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 860円〜911円、ω±0.1で 885円〜886円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。