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45692027 第1四半期プライムJGAAP

杏林製薬(4569) 2027年度第1四半期決算 減収・営業益59%減

2027年度第1四半期の売上高は296.5億円(前年同期比-1.9%)、営業利益は9.6億円(同-59.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

杏林製薬株式会社

医薬品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥296.5億¥302.3億−1.9%
営業利益¥9.6億¥23.7億−59.3%
経常利益¥12.4億¥26.2億−52.7%
純利益¥8.2億¥21.0億−60.8%
ROE0.6%1.5%-

Executive Summary

売上高は小幅減収にとどまったものの、粗利率の悪化と販管費負担の増加が重なり、営業利益は前年から6割近く落ち込む大幅減益となった。売上高は296.5億円(前年比-1.9%)、営業利益は9.6億円(同-59.3%)、経常利益は12.4億円(同-52.7%)、純利益は8.2億円(同-60.8%)となった。粗利率は41.1%と前年から約2.8pt低下し、販管費比率は37.8%と約1.8pt上昇したことが営業減益の主因で、経常段階では受取配当金2.9億円を含む営業外収益が一部下支えしたが、投資有価証券評価損1.5億円の特別損失計上により最終利益はさらに圧縮された。

業績変動要因

【売上高】売上高は296.5億円で前年同期比-1.9%の減収となった。当社は単一セグメントで開示されており、セグメント別の増減要因は開示されていないが、売上原価が174.8億円と前年比+3.0%増加する一方で売上高が減少しており、価格ミックスの悪化やコスト上振れが売上総利益を圧迫した可能性がある。売上総利益は121.8億円(前年132.6億円)で粗利率は41.1%となり、前年の43.9%から約2.8pt低下した。

【損益】販管費は112.1億円(前年108.9億円、+2.9%)で、減収下でも増加したため売上高販管費比率は37.8%と前年の36.0%から約1.8pt上昇した。この結果、営業利益は9.6億円(同-59.3%)、営業利益率は3.3%と前年7.8%から大幅に悪化した。経常利益は12.4億円(同-52.7%)で、受取配当金2.9億円を中心とする営業外収益3.4億円が営業減益の一部を補った。純利益段階では、投資有価証券評価損1.5億円を含む特別損失1.5億円が税引前利益を押し下げ、実効税率約30.6%の税負担を経て純利益は8.2億円(同-60.8%)となった。経常利益と純利益の乖離は約33.6%に達しており、特別損益要因の影響が大きい。総じて減収減益の決算であり、収益性の趨勢的な低下が確認される。

セグメント別分析

当社は単一セグメントで開示されており、セグメント別の売上・損益情報は記載が省略されている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は3.3%で前年同期の7.8%から約4.6pt低下し、純利益率も2.8%と前年の6.9%から大きく悪化した。粗利率41.1%(前年43.9%)の低下と販管費比率37.8%(前年36.0%)の上昇が同時に生じており、コスト構造と収益力の双方が下押し要因となっている。【キャッシュ品質】包括利益は0.3億円と純利益8.2億円を大きく下回り、有価証券評価差額金が-8.2億円と悪化したことがその主因である。経常利益と純利益の乖離が約33.6%に及ぶことも踏まえると、当期利益の質は特別損益や評価性項目の影響を強く受けている。【投資効率】ROEは0.6%で、純利益の絶対水準が小さいことを反映して資本効率は低い水準にある。総資産は1886.1億円、純資産は1403.0億円で、いずれも前年から微減しており、資産規模の拡大を伴わない減益局面にある。【財務健全性】自己資本比率は74.4%と前年の72.9%から上昇し、財務基盤は保守的な水準を維持している。現金及び預金は136.7億円で前年の118.0億円から増加する一方、長期借入金は203.9億円とほぼ横ばいであり、財務レバレッジは低位で安定している。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示はないため、貸借対照表の期中推移から資金動向を確認する。現金及び預金は136.7億円と前年同期の118.0億円から+18.7億円増加した一方、売掛金・受取手形は404.4億円と前年の473.4億円から-69.0億円減少し、買掛金・支払手形も116.8億円と前年の144.4億円から-27.6億円減少している。売掛金の圧縮が現金残高の増加に寄与した可能性がある一方、買掛金も同時に減少しており、仕入・支払サイドの資金流出も伴っている。棚卸資産は233.8億円で前年の238.7億円からほぼ横ばいであり、在庫水準に大きな変化は見られない。有形固定資産は301.9億円、投資有価証券は174.4億円といずれも前年から減少しており、評価損計上や資産の圧縮が資産サイドの縮小要因となっている。長期借入金は203.9億円とほぼ前年並みであり、財務活動を通じた資金調達・返済の大きな変化は確認されない。

収益の質

今期の利益はコア営業の減速が主因であり、営業外収益・特別損益の影響を織り込むと利益の質はやや低下している。営業外収益3.4億円のうち受取配当金が2.9億円を占め、売上高比では約1.1%と限定的な水準にとどまるため、経常利益への外部要因の寄与度は大きくない。一方、特別損失1.5億円は投資有価証券評価損が大半を占め、現金支出を伴わない評価性の損失である点は留意される。この結果、経常利益12.4億円に対し純利益は8.2億円となり、両者の乖離は約33.6%に達している。また包括利益は0.3億円と純利益を大きく下回り、有価証券評価差額金の悪化がその主因であることから、当期の利益とその他の包括利益要素との間に相応の乖離が生じている。

業績予想・ガイダンス

通期計画に対する第1四半期の進捗は、売上高が24.3%(296.5億円/1218.0億円)とほぼ標準的な水準にある一方、営業利益は48.2%(9.6億円/20.0億円)、経常利益は54.0%(12.4億円/23.0億円)と、利益指標は売上に比べて大きく前倒しの進捗となっている。この差異は、下期における販管費や原価の増加を織り込んだ保守的な計画、または費用発生の季節性が要因として考えられる。当四半期において業績予想・配当予想の修正は行われておらず、会社は期初計画を据え置いている。今後は第2四半期以降の粗利率・販管費比率の推移が、通期計画の達成可能性を見極める上での焦点となる。

株主還元

会社が公表する年間配当予想は1株当たり10.00円であり、前期の配当実績20円から減少している。会社予想のEPS26.11円に基づく配当性向は約38.3%(10.00円/26.11円)であり、単年度の利益水準に対しては十分にカバーされる水準にある。現金及び預金は136.7億円、自己資本比率74.4%と財務基盤は厚く、配当原資の観点からは支払余力は確保されている。なお、当四半期において配当予想の修正は行われていない。

リスク要因

  1. 収益性悪化リスク: 粗利率は41.1%と前年から約2.8pt低下し、販管費比率も37.8%と約1.8pt上昇した。売上減少下でのコスト増加により営業利益率は3.3%まで低下しており、価格ミックスやコスト構造の改善が進まない場合、収益力のさらなる毀損が懸念される。

  2. 運転資本効率リスク: 売掛金404.4億円、棚卸資産233.8億円と、いずれも売上高296.5億円に対して相応の規模を占めている。在庫・売掛金の回転が長期化した場合、キャッシュ創出力を圧迫する可能性がある。

  3. 有価証券評価変動リスク: 投資有価証券は174.4億円を保有し、当期は評価損1.5億円を特別損失として計上した。有価証券評価差額金は-8.2億円となり包括利益を押し下げており、市況変動が財務諸表に与える影響が相対的に大きい。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率3.3%17.5% (6.9%–23.1%)−14.3pt
純利益率2.8%8.9% (2.5%–15.6%)−6.1pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を大きく下回り、収益性は業種内で低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−1.9%9.8% (2.9%–13.0%)−11.8pt

売上高成長率は業種中央値を大きく下回り、トップラインの伸び悩みが同業と比較して顕著である。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率3.3%は業種中央値17.5%を14.3pt下回り、粗利率低下と販管費比率上昇が重なったマージン構造の弱さが決算データから読み取れる。

  2. 通期計画に対する進捗は売上高24.3%に対し営業利益48.2%、経常利益54.0%と利益側が大きく前倒しとなっており、下期の費用増を見込んだ保守的な計画が示唆される。

  3. 自己資本比率74.4%、現金及び預金136.7億円と財務基盤は厚いが、ROE0.6%、包括利益0.3億円と資本効率・利益の質の面では低水準にあり、収益性回復の推移が引き続き注目点となる。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,880円
base(基準)1,892円
bull(強気)1,896円
算出前提
1株純資産(BPS)2,442円
調整後予想EPS28.7円
株主資本コスト r9.65%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向38.3%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.77倍 / 65.9倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,840円〜1,946円、ω±0.1で 1,874円〜1,903円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(55%)が標準(25%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。

杏林製薬(4569) 2027年度第1四半期決算 減収・営業益59%減