| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥3118.1億 | ¥2599.7億 | +19.9% |
| 営業利益 | ¥894.8億 | ¥558.9億 | +60.1% |
| 税引前利益 | ¥903.2億 | ¥552.6億 | +63.5% |
| 純利益 | ¥704.3億 | ¥418.4億 | +68.3% |
| ROE | 4.2% | 2.6% | - |
テルモの2027年3月期第1四半期は、コア事業の採算改善に加え受取和解金という一時的要因が上乗せされ、増収増益となった。売上高は3,118.1億円(前年比+19.9%)、営業利益は894.8億円(同+60.1%)、純利益は704.3億円(同+68.3%)となった。営業利益率は28.7%と前年21.5%から大幅に改善したが、その他の収益に含まれる受取和解金201.1億円が押し上げ要因となっており、これを除いた調整後営業利益(セグメント利益合計)は796.1億円、マージン約25.5%とコア収益力そのものも改善している。
【売上高】売上高は3,118.1億円で前年比+19.9%増収。心臓血管カンパニーが1,881.4億円(同+19.2%)と全体の60.4%を占め最大の牽引役となり、血液・細胞テクノロジーが607.8億円(同+17.7%)、メディカルケアソリューションズが565.9億円(同+12.3%)で続いた。当期新規セグメントのオーガンテクノロジーズ事業(M&Aにより追加)が62.2億円を計上した。
【損益】営業利益は894.8億円(同+60.1%)で、粗利率は57.3%(前年比+1.4pt)、販管費率は35.2%(同▲0.2pt)と収益構造は改善した。一方、営業利益にはその他の収益211.98億円が含まれ、このうち受取和解金201.1億円が一時的要因として寄与している。純利益は704.3億円(同+68.3%)で、法人税等の実効負担率は22.0%(前年24.3%)に低下し純利益の伸びを押し上げた。増収増益であり、一時益を除いた基礎的な利益成長も確認できる。
心臓血管カンパニーは売上1,881.4億円(同+19.2%)、営業利益599.7億円(同+31.3%)、利益率31.9%と全セグメント中最高水準で、全社営業利益の伸びの主因となっている。血液・細胞テクノロジーは売上607.8億円(同+17.7%)に対し営業利益111.3億円(同+58.3%)と増収率を上回る増益率を示し、利益率も18.3%へ拡大した。メディカルケアソリューションズは売上565.9億円(同+12.3%)に対し営業利益は70.8億円(同+6.2%)と増収に対して増益ペースが鈍く、利益率は12.5%で他セグメントより低位にとどまる。オーガンテクノロジーズ事業はM&Aにより当期新規セグメントとして加わり、売上62.2億円、営業利益9.4億円(利益率15.1%)を計上した。
【収益性】営業利益率は28.7%(前年21.5%から+7.2pt改善)、純利益率は22.6%(前年16.1%から+6.5pt改善)となり、粗利率57.3%・販管費率35.2%とも改善方向にある。【キャッシュ品質】営業CFは744.8億円で純利益704.3億円をわずかに上回るが、売上債権・棚卸資産の増加と買掛金の減少が運転資本面でCFを押し下げており、営業CF小計(運転資本変動前)979.0億円との差は約204億円に達する。【投資効率】ROEは4.2%、自己資本比率は70.0%と資本は厚いが、総資産回転率が低く資本効率は限定的である。【財務健全性】社債・借入金は短期1,799.4億円・長期2,095.2億円で、現金及び現金同等物3,146.3億円が短期債務を十分にカバーしている。短期借入金の一部を長期債務へ組み替えたことで満期構成は平準化した。
営業CFは744.8億円で前年比+128.2%増加し、純利益704.3億円をわずかに上回る水準となった。ただし売上債権+65.9億円、棚卸資産+31.8億円の増加、仕入債務▲37.3億円の減少という運転資本の悪化要因が計上額を押し下げており、法人税等の支払240.4億円を含めても小計979.0億円からの目減りが目立つ。投資CFは▲282.7億円で、設備投資126.1億円、無形資産投資62.1億円に加え、事業取得による支出62.9億円を含む。財務CFは▲161.9億円で、長期借入980.0億円・社債発行792.6億円の調達がある一方、長期借入返済1,600.0億円・配当支払219.0億円を実施し、負債構成の長期化を進めた形跡がうかがえる。結果としてフリーCFは462.1億円となり、配当・設備投資を十分に上回るキャッシュ創出力を示している。
当期の営業利益894.8億円には、その他の収益211.98億円のうち受取和解金201.1億円という非反復の一時的要因が含まれており、これを除いた調整後営業利益(セグメント利益合計)は796.1億円、マージン約25.5%とコアの収益力もなお改善している。一方でオーガノックス社買収に伴う棚卸資産ステップアップの費用化▲25.6億円が一時的に利益を押し下げており、一時要因は純額でプラスに寄与した。金融収益23.8億円は前年8.7億円から増加し、持分法投資損失は▲0.6億円と前年▲2.2億円から改善した。営業CF744.8億円が純利益704.3億円をわずかに上回る点は利益の現金化が概ね機能していることを示すが、運転資本の増加分を勘案すると、報告利益の質は一時益の反動が剥落する次期以降の推移を確認する必要がある。
通期予想に対する進捗率は、売上高が25.2%(3,118.1億円/12,390.0億円)、営業利益が34.7%(894.8億円/2,575.0億円)、純利益が36.5%(704.3億円/1,931.0億円)となり、いずれも単純進捗の目安である25%を上回っている。ただし営業利益・純利益の進捗には受取和解金等の一時的要因が含まれており、これを除いた場合の進捗はより緩やかになると見られる。当四半期において業績予想の修正が行われており、通期見通しに対する上乗せが反映されている可能性がある一方、配当予想の修正は行われていない。
当第1四半期の配当支払額は219.0億円で、四半期純利益704.3億円に対する配当性向は約31.1%である。通期予想EPS130.91円・DPS36.00円から算出される通期の配当性向は約27.5%となる。自社株買いの実施額は0.0億円であり、当期の株主還元は配当のみで構成されている。フリーCF462.1億円は配当支払額219.0億円の2.1倍に相当し、株主還元の原資は十分に確保されている。
セグメント集中リスク: 心臓血管カンパニーが売上の60.4%、調整後営業利益合計の約75%を占め、単一セグメントへの依存度が高い。当該セグメントの需要変動や価格改定は全社業績に大きく影響する。
のれん・無形資産の高水準: のれん及び無形資産は8,091.5億円で総資産23,740.9億円の約34.1%を占める。M&A(オーガノックス社取得含む)に伴う資産計上が続いており、将来の減損リスクをモニタリングする必要がある。
運転資本効率: 営業債権223.9億円・棚卸資産341.1億円が増加する一方、仕入債務は79.8億円へ減少し、営業CFの押し下げ要因となっている。在庫・売掛金の回収サイクルの動向が今後のキャッシュ創出力を左右する。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 28.7% | 8.7% (4.2%–14.2%) | +20.0pt |
| 純利益率 | 22.6% | 7.0% (3.2%–10.6%) | +15.5pt |
自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を大きく上回り、業種内で高い位置にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 19.9% | 6.2% (-1.1%–14.6%) | +13.6pt |
売上高成長率も業種中央値および上位四分位を上回る水準にある。
※出所: 当社調べ
営業利益率28.7%(前年21.5%)への改善は、受取和解金という一時要因を含む一方、調整後営業利益ベースでもマージン約25.5%まで拡大しており、価格改定・製品ミックス改善によるコア収益力の底上げが確認できる。
通期進捗(営業利益34.7%、純利益36.5%)は標準的な25%を上回るが、一時的要因を除いた進捗はより緩やかであり、次期以降のコア利益の継続性が業績動向を評価する上での注目点となる。
売上債権・棚卸資産の増加と仕入債務の減少が運転資本面で営業CFを押し下げており、利益成長とキャッシュ創出のギャップの動向がモニタリングポイントとなる。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 1,172円 |
| base(基準) | 1,262円 |
| bull(強気) | 1,262円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 1,127円 |
| 調整後予想EPS | 144.0円 |
| 株主資本コスト r | 8.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 27.5% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.12倍 / 8.8倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 1,226円〜1,300円、ω±0.1で 1,259円〜1,267円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。