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45402027 第1四半期プライムJGAAP

ツムラ(4540) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益2%増

2027年度第1四半期の売上高は497億円(前年同期比+15.3%)、営業利益は78.8億円(同+2.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社ツムラ

医薬品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥497.0億¥430.9億+15.3%
営業利益¥78.8億¥77.2億+2.1%
経常利益¥97.5億¥61.8億+57.8%
純利益¥67.2億¥44.4億+51.4%
ROE1.8%1.2%-

Executive Summary

2027年度第1四半期は、医薬品事業の単一セグメントで増収を確保しつつ、営業段階は粗利率低下により伸び悩んだ一方、経常・純利益は為替差益の押し上げで大幅増益となった。売上高は497.0億円(前年比+15.3%)、営業利益は78.8億円(同+2.1%)にとどまったが、経常利益は97.5億円(同+57.8%)、親会社株主に帰属する純利益は64.6億円(同+47.8%)と大きく伸長した。営業利益率は15.9%と前年17.9%から低下した一方、経常利益率は19.6%(前年14.3%)へ改善しており、この差は営業外収益24.8億円(うち為替差益21.4億円)の寄与が主因である。EPSは86.63円(前年58.16円)となった。

業績変動要因

【売上高】売上高は497.0億円で前年同期430.9億円から+15.3%増収した。当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、事業別の内訳開示はないが、売上原価は271.1億円(+20.1%)と売上の伸び以上に増加しており、原価上昇を伴う増収であったことがうかがえる。

【損益】売上総利益は226.0億円で、粗利率は45.5%と前年47.6%から2.1pt低下した。販管費は147.2億円(+15.0%)とほぼ売上並みの増加率にとどまりコスト統制は維持されたが、粗利率悪化の影響で営業利益は78.8億円(+2.1%)と増収率を大きく下回る伸びとなった。一方、営業外収益24.8億円(うち為替差益21.4億円、受取配当金1.3億円)が経常利益を押し上げ、経常利益は97.5億円(+57.8%)と大幅増益となった。特別損益は特別利益0.2億円、特別損失0.1億円と軽微でボトムラインへの影響は限定的である。親会社株主に帰属する純利益は64.6億円(+47.8%)となった。結論として、営業段階は微増益にとどまるものの、経常・純利益は為替差益という営業外要因により大幅増益となった増収増益であり、増益の質は為替要因への依存度が高い点に留意が必要である。

主要財務指標

【収益性】粗利率は45.5%(前年47.6%)、営業利益率は15.9%(前年17.9%)といずれも前年から低下した一方、経常利益率は19.6%(前年14.3%)、純利益率(親会社株主帰属ベース)は13.0%(前年10.1%)へ改善しており、営業外の為替差益が収益性指標の押し上げ要因となっている。【キャッシュ品質】営業CFは-44.4億円で、純利益(親会社株主帰属ベース64.6億円)との乖離が大きく、売上債権・棚卸資産の増加と仕入債務の減少による運転資本の逆回転が主因であり、利益のキャッシュ化には遅れが生じている。【投資効率】ROEは1.8%で、設備投資が減価償却の約2.9倍に達する積極投資局面にあり、EBITDAマージンは22.8%と高水準を維持しているものの、資産効率の改善は途上にある。【財務健全性】自己資本比率は62.9%と厚みのある水準を維持する一方、短期借入金は157.9億円と前年33.3億円から急増しており、資金調達構成が短期化している。現金及び預金772.8億円は流動負債1000.2億円を大きく上回り、当面の支払能力に懸念は小さい。

キャッシュフロー分析

営業CFは-44.4億円と前年の-11.7億円からマイナス幅が拡大し、フリーCFは-152.2億円となった。営業CFの悪化は、売上債権の増加(-32.7億円)と棚卸資産の増加(-28.7億円)、仕入債務の減少(-41.4億円)による運転資本の逆回転に加え、法人税等の支払(-48.4億円)が重なったことによる。投資CFは-107.7億円で、設備投資99.3億円が中心を占め、積極的な投資が継続している。財務CFは+66.1億円で、短期借入金の増加(+124.7億円)が資金不足を補う形となり、社債は償還が進み残高が減少している。営業活動によるキャッシュ創出が投資・配当支払を賄いきれず、短期資金調達に依存する構図であり、次期以降の運転資本の正常化が資金繰りの質を左右する。

収益の質

経常的な収益源である営業利益78.8億円に対し、営業外収益は24.8億円で売上高の約5.0%に相当するが、その大半(21.4億円)は為替差益であり一時性の高い項目である。特別損益は特別利益0.2億円、特別損失0.1億円と僅少で、当期利益への影響は限定的である。実効税率は法人税等30.4億円/税引前利益97.6億円で約31.1%と平常的な水準にある。一方、営業CFが-44.4億円と純利益(親会社株主帰属64.6億円)を大きく下回っており、売上債権・棚卸資産の増加を伴うアクルーアル(会計発生高)が拡大していることから、当期利益はキャッシュフローの裏付けを伴わない部分が相対的に大きい状態にある。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対するQ1進捗率は、売上高23.3%(497.0億円/2136.0億円)、営業利益21.0%(78.8億円/375.0億円)、経常利益27.5%(97.5億円/355.0億円)、純利益24.6%(64.6億円/262.0億円)となった。営業利益の進捗は単純比例(25%)をやや下回る一方、経常利益は為替差益の計上により先行して進捗している。通期の経常利益予想は前年比-11.3%の減益を見込んでおり、Q1時点の大幅な経常増益は上期の為替環境を反映したものであるため、通期を通じた進捗ペースの平準化が想定されている。当四半期において業績予想・配当予想の修正はない。

株主還元

通期の配当予想は1株あたり158.00円で、通期EPS予想351.46円に基づく配当性向は約45.0%となる。当四半期の配当予想修正はなく、既定の還元方針が維持されている。自社株買いの実施は当期データからは確認されず、還元の評価は配当性向を基準とするのが適切である。当第1四半期はフリーCFがマイナスであるため、四半期単位では配当を営業キャッシュフローで賄いきれていないが、通期ベースでの運転資本正常化が進めば還元の持続性は評価が変わり得る。

リスク要因

  1. 粗利率の低下: 粗利率は45.5%と前年47.6%から2.1pt低下し、原価271.1億円が売上の伸び(+15.3%)を上回る+20.1%で増加した。原価上昇が営業利益の伸び率(+2.1%)を売上成長率から大きく乖離させている。

  2. 為替依存度の上昇: 経常利益増益57.8%のうち、営業外収益24.8億円(大半が為替差益21.4億円)の寄与が大きく、この項目は市況変動により反転し得る一時的性格を有する。

  3. 運転資本の逆回転と短期資金調達の増加: 売上債権・棚卸資産が計61.4億円増加し仕入債務が41.4億円減少した結果、営業CFは-44.4億円となった。この資金不足を短期借入金の増加(+124.7億円、+374%)で補っており、短期資金への依存度が上昇している。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(pharma)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率15.9%17.5% (6.9%–23.1%)−1.7pt
純利益率13.5%7.0% (2.5%–15.6%)+6.5pt

営業利益率は業種中央値をやや下回るが、純利益率は業種中央値を大きく上回る水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)15.3%9.8% (2.9%–13.0%)+5.4pt

売上高成長率は業種中央値を上回り、IQR上限にも近い高い伸びを示している。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. トップラインは前年比+15.3%と業種平均を上回る伸びを示す一方、粗利率が2.1pt低下したことで営業利益の伸びは+2.1%にとどまっており、増収の質と原価コントロールの動向がポイントとなる。

  2. 経常・純利益の大幅増益は為替差益21.4億円の寄与が大きく、営業外要因による増益であるため、営業段階の利益動向と切り分けて評価する必要がある。

  3. 営業CFが-44.4億円、フリーCFが-152.2億円となり、運転資本(売上債権・棚卸資産の増加、仕入債務の減少)の逆回転が資金需要を押し上げ、短期借入金が前年比+374%と急増している。この運転資本の正常化ペースが今後の資金繰り動向を左右する構造的な観察点である。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)4,702円
base(基準)4,872円
bull(強気)4,950円
算出前提
1株純資産(BPS)5,082円
調整後予想EPS395.8円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向45.0%
予想EPSの信頼度調整×1.085(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.96倍 / 12.3倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 4,738円〜5,012円、ω±0.1で 4,864円〜4,876円。

注記:

  • のれん償却 14.5円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。