| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥12199.0億 | ¥11066.9億 | +10.2% |
| 営業利益 | ¥2014.2億 | ¥1845.7億 | +9.1% |
| 税引前利益 | ¥1627.2億 | ¥1506.3億 | +8.0% |
| 純利益 | ¥1132.6億 | ¥1242.8億 | -8.9% |
| ROE | 1.5% | 1.7% | - |
売上高と営業利益は二桁・一桁の伸びを確保した一方、税負担の増加により純利益は減益となり、利益段階間でばらつきが生じた決算である。売上高は12,199.0億円(前年11,066.9億円、YoY+10.2%)、営業利益は2,014.2億円(同+9.1%)と増収増益を確保したが、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,132.0億円(前年1,242.4億円、YoY-8.9%)と減益した。営業利益率は16.5%で前年16.7%からほぼ横ばいだが、純利益率は9.3%と前年11.2%から低下しており、実効税率の上昇(30.4%、前年17.5%)が主因である。
【売上高】売上高は12,199.0億円、前年比+10.2%。当社は医薬品の研究開発・製造・販売を単一の事業セグメントとして経営管理しており、セグメント別の売上内訳は開示されていない。売上原価率は33.3%と前年34.8%から改善し、製品ミックスは良好な水準を維持している。
【損益】営業利益は2,014.2億円、前年比+9.1%で増収の伸びをやや下回った。販管費率は23.5%(前年23.1%)、研究開発費率は13.7%(前年13.0%)とともに上昇し、費用面で成長投資が先行した。製品無形資産の償却費は1,109.3億円で前年1,316.4億円から減少した一方、減損損失は300.0億円と前年23.6億円から増加し、その他営業費用は552.3億円(前年280.6億円)へ拡大した。税引前利益は1,627.2億円(+8.0%)となったが、金融収益246.1億円が前年737.6億円から大幅に減少し、金融収益・費用の純負担は392.4億円(前年334.0億円)へ拡大した。法人税等は494.6億円(前年263.5億円)で実効税率は30.4%と前年17.5%から大幅に上昇し、税引前利益の伸び+8.0%に対し純利益は-8.9%と逆行した。結論として、営業利益段階では増収増益だが、金融純負担と実効税率の上昇により最終利益は減益となった。
【収益性】営業利益率は16.5%(前年16.7%)、純利益率は9.3%(前年11.2%)、売上原価率は33.3%(前年34.8%から改善)で、粗利面のコア収益性は維持されている。【キャッシュ品質】営業CFは1,276.2億円(前年比-40.8%)で、純利益1,132.0億円に対する比率は1.13倍と定義上は堅調だが、運転資本の悪化が下押し要因となっている。【投資効率】ROEは1.5%(四半期実績、年率換算前)で、営業利益の伸びに比して資本効率は限定的な水準にとどまる。【財務健全性】自己資本比率は48.3%で前年同期末47.9%から改善し、現金及び現金同等物は460.98億円(前年595.05億円)、社債及び借入金は流動519.97億円・非流動4,420.0億円の合計約4,940.0億円である。
営業CFは1,276.2億円で前年比-40.8%と大きく減少した。純利益1,132.0億円に対する比率は1.13倍と定義上は良好だが、売上債権及びその他の債権が709.7億円増加、棚卸資産が334.1億円増加、仕入債務及びその他の債務が229.1億円減少するなど運転資本の逆風が強く、実際のキャッシュ創出は抑制された。投資CFは-877.0億円で、有形固定資産の取得538.1億円と無形資産の取得494.3億円が主な支出となった。財務CFは-1,803.5億円で、配当支払1,501.3億円が中心を占め、自己株式取得は10.1億円にとどまった。この結果フリーCF(営業CF+投資CF)は399.2億円となり、当四半期の配当支払1,501.3億円を大きく下回っている。現金及び現金同等物は期首595.1億円から期末460.98億円へ減少したが、為替換算影響として63.5億円のプラスがあった。
営業利益2,014.2億円から税引前利益1,627.2億円への乖離は、金融収益246.1億円と金融費用638.5億円の純負担392.4億円によるもので、前年の純負担334.0億円から拡大している。今期は減損損失300.0億円を計上しており、前年の23.6億円から増加した一時的要因として区別して捉える必要がある。実効税率は30.4%と前年17.5%から大幅に上昇し、税引前利益の伸び+8.0%に対し純利益が-8.9%となった主因となっている。一方、包括利益は2,713.0億円(前年1,191.0億円)と純利益1,132.6億円を大きく上回っており、これは在外営業活動体の換算差額が1,633.0億円のプラスに寄与したためで、為替評価によるOCI項目が主導している。したがって包括利益の大幅増は事業の経常的な収益力の改善を示すものではなく、純利益との乖離は円建て評価の変動によるアクルーアル的な要素が大きい。
通期予想は売上高46,400.0億円、営業利益4,200.0億円、純利益(親会社株主帰属)1,660.0億円、EPS104.26円、配当102円であり、当四半期の業績予想・配当予想の修正はない。第1四半期時点の進捗率は、売上高26.3%(12,199.0/46,400.0)、営業利益47.9%(2,014.2/4,200.0)、純利益68.2%(1,132.0/1,660.0)である。売上高・営業利益の進捗は四半期均等(25%)をやや上回る水準にとどまる一方、純利益の進捗が相対的に高いのは、通期予想の純利益水準が前期実績対比で抑制的に設定されていることを示唆しており、下期の税負担・金融費用の動向が通期達成の鍵となる。
通期の配当予想は102円で、前年配当実績100円から2円の増額となっている。予想EPS104.26円に対する配当性向は97.8%(102円/104.26円)と高水準である。自社株買いは当四半期10.1億円で、前年同期の516.3億円から大幅に縮小しており、株主還元は配当を中心とした構成となっている。当四半期のフリーCF399.2億円は配当支払1,501.3億円を下回っており、単四半期のキャッシュフローでは配当を完全にはカバーしていない点はモニタリングの余地がある。ただし現金及び現金同等物は460.98億円を保有しており、通期でのキャッシュ創出動向を踏まえた評価が必要である。
のれん・無形資産の減損リスク: のれんは5兆8,869.1億円、無形資産は3兆3,911.5億円で、合計は総資産156,632.7億円の約59%、純資産75,588.8億円の約123%に達する。当四半期の減損損失は300.0億円と前年23.6億円から増加しており、M&A由来資産の評価変動が今後の利益に影響を与える可能性がある。
金融純負担・実効税率上昇リスク: 金融収益・費用の純負担は392.4億円(前年334.0億円)へ拡大し、実効税率は30.4%と前年17.5%から大幅に上昇した。これらが税引前利益の伸び+8.0%に対し純利益を-8.9%へ押し下げる要因となっており、下期以降の金利・税務環境の変化が業績の変動要因となり得る。
運転資本の悪化とキャッシュ創出の鈍化: 売上債権が709.7億円、棚卸資産が334.1億円それぞれ増加する一方、仕入債務は229.1億円減少し、営業CFは前年比-40.8%となった。フリーCF399.2億円は配当支払1,501.3億円を下回っており、運転資本の巻き戻し動向が今後のキャッシュフロー水準を左右する。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 16.5% | 17.5% (6.9%–23.1%) | -1.0pt |
| 純利益率 | 9.3% | 8.9% (2.5%–15.6%) | +0.4pt |
営業利益率は業種中央値をやや下回るが、純利益率は中央値を上回り、収益性は総じて業種内で中位水準にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 10.2% | 9.8% (2.9%–13.0%) | +0.3pt |
売上高成長率は業種中央値をわずかに上回り、トップラインの伸びは業種内で標準的な水準にある。
※出所: 当社集計
増収増益基調を確保しつつも、金融純負担の拡大と実効税率の上昇(30.4%、前年17.5%)により純利益は-8.9%と減益しており、利益段階間の乖離が今回の決算の特徴である。
のれん・無形資産が総資産の約59%を占め、当四半期の減損損失は前年比で拡大しており、資産構成における評価変動の感応度がやや高い状態が続いている。
配当性向は97.8%と高水準で、当四半期のフリーCFは配当支払を下回っており、通期でのキャッシュ創出動向と還元水準の関係性は引き続き注視される点である。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 3,933円 |
| base(基準) | 3,986円 |
| bull(強気) | 4,004円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 4,783円 |
| 調整後予想EPS | 114.7円 |
| 株主資本コスト r | 8.65%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 97.8% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.83倍 / 34.8倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 3,880円〜4,097円、ω±0.1で 3,961円〜4,002円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。