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44032027 第1四半期プライムJGAAP

日油(4403) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益10%減

2027年度第1四半期の売上高は690.1億円(前年同期比+23.1%)、営業利益は107億円(同-9.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

日油株式会社

素材・化学/化学


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥690.1億¥560.6億+23.1%
営業利益¥107.0億¥118.5億−9.7%
経常利益¥115.0億¥122.7億−6.3%
純利益¥76.0億¥86.1億−11.7%
ROE(年換算)10.3%11.6%-

Executive Summary

売上高が大幅増収となる一方、原価率上昇により営業増益には至らず、増収減益の決算となった。売上高は690.1億円(前年比+23.1%)と伸長したが、営業利益は107.0億円(同-9.7%)、経常利益115.0億円(同-6.3%)、純利益76.0億円(同-11.7%)と減益が続いた。化薬事業の販売急拡大が増収を牽引した一方、医薬・医療・健康事業の大幅減益と全社的な原価率上昇が減益の主因である。

業績変動要因

【売上高】売上高は690.1億円と前年比+23.1%の増収。セグメント別では機能化学品事業が401.2億円(同+7.6%)で構成比58.1%を占める中核事業。化薬事業は184.1億円(同+197.7%)と急拡大し、増収の最大の牽引役となった。一方、医薬・医療・健康事業は115.8億円(同-16.8%)と減収した。

【損益】営業利益は107.0億円(同-9.7%)と減益。粗利率は31.2%で前年の39.5%から約8.4pt低下し、売上原価が売上高の伸び(+23.1%)を上回る+40.2%増加したことが主因。販管費率は15.7%と前年の18.4%から改善しており、費用面ではなく原価率上昇が減益の要因である。セグメント利益では機能化学品事業が78.5億円(同+11.0%)、化薬事業は前年の小幅損失から23.0億円へ黒字転換したが利益率12.5%は主力事業を下回る。医薬・医療・健康事業は12.2億円(同-77.6%)と大幅減益し、利益率は10.6%へ低下した。経常利益は営業利益を8.1億円上回る115.0億円、特別損益は純損失0.4億円で純利益への影響は限定的。結論として増収減益。

セグメント別分析

機能化学品事業は売上401.2億円(同+7.6%)、営業利益78.5億円(同+11.0%)、利益率19.6%と収益の中核を担い、増収増益を維持している。化薬事業は売上184.1億円(同+197.7%)と急伸し、営業利益は前年のほぼ損益均衡水準から23.0億円へ黒字転換したが、利益率12.5%は機能化学品事業を下回る。医薬・医療・健康事業は売上115.8億円(同-16.8%)、営業利益12.2億円(同-77.6%)と大幅減益し、利益率は10.6%まで低下した。全社利益に占める機能化学品事業の構成比が高く、同事業の増益が化薬事業の急拡大や医薬事業の落ち込みを補う形となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率15.5%は前年の21.1%から低下し、純利益率11.0%も前年15.4%を下回る。粗利率は31.2%と前年39.5%から約8.4pt低下しており、売上原価の伸びが増収ペースを上回ったことが背景にある。【キャッシュ品質】現金及び預金は648.5億円で前年比26.6%減少したが、有利子負債34.5億円を大きく上回る水準を維持している。【投資効率】年換算ROEは10.3%で、純利益率・総資産回転率(0.72回)・財務レバレッジ(1.30倍)の組み合わせによって構成される。回転率は保守的な資本構成を反映し相対的に低い。【財務健全性】自己資本比率77.0%、流動比率は流動資産2164.6億円に対し流動負債697.9億円で約310%と極めて高く、有利子負債への依存度も低い。

キャッシュフロー分析

CF計算書の個別開示は限定的だが、貸借対照表の推移から資金動向を読み取ると、現金及び預金は648.5億円で前年同期比235.2億円(26.6%)減少している。一方で仕掛品が102.2億円と前年比20.7億円(25.4%)増加しており、化薬事業の急拡大に伴う生産増強や在庫積み増しに資金が向かった可能性がある。売掛金・受取手形は687.7億円とやや減少したものの、棚卸資産全体は353.6億円へ増加しており、運転資本の拡大が現金水準の低下に寄与しているとみられる。有利子負債は34.5億円と小規模で、資金調達に依存せず自己資金で運転資本の増加を賄っている構図がうかがえる。

収益の質

営業利益と経常利益の差は8.1億円で、営業外収益9.8億円(うち受取配当金5.7億円、為替差益1.7億円)が主因であり、いずれも経常的な性格に近い項目である。特別損益は固定資産売却益0.4億円と除却損0.8億円で純損失0.4億円にとどまり、純利益への影響は軽微である。包括利益は105.6億円と純利益76.0億円を上回り、その差はその他有価証券評価差額金27.8億円の増加が主因で、事業損益とは別に保有株式の含み益拡大が包括利益を押し上げている。営業利益段階での減益は原価率上昇という事業実態を反映したものであり、一時的要因による歪みは小さいと言える。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高3190.0億円(前年比+23.7%)、営業利益500.0億円(同+5.5%)、経常利益510.0億円(同+1.3%)であり、業績・配当予想の修正はいずれも無い。当第1四半期の進捗率は売上高21.6%、営業利益21.4%であり、標準的な25%をやや下回るが乖離は3〜4pt程度にとどまる。通期予想の営業利益率は15.7%とQ1実績15.5%とほぼ同水準であり、会社計画は大幅なマージン改善を前提としていない。今後は化薬事業の増収継続と医薬・医療・健康事業の収益性回復が、通期計画達成の焦点となる。

株主還元

通期配当予想は1株70.00円であり、予想EPS169.60円に基づく配当性向は41.3%となる。前年配当実績26円(中間分)から通期での増配方針がうかがえるが、当四半期時点で配当予想の修正は無い。自己資本比率77.0%、有利子負債34.5億円という財務基盤の厚さが配当支払余力を裏付けている。

リスク要因

  1. 医薬・医療・健康事業の収益性低下: 売上高は前年比-16.8%、セグメント利益は-77.6%と大幅減益し、利益率は10.6%へ低下した。連結利益率低下の最大の要因であり、回復時期が今後の焦点となる。

  2. 原価率上昇による採算悪化: 売上原価が前年比+40.2%と売上高の伸び(+23.1%)を上回り、粗利率は約8.4pt低下した。原材料・エネルギーコストや製品ミックス変化が一過性か構造的かの見極めが必要である。

  3. 運転資本の滞留: 仕掛品が前年比+25.4%増加し、棚卸資産全体も353.6億円に拡大している。化薬事業の急拡大に伴う在庫・仕掛品の積み上がりは、資金効率面でのモニタリング対象となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率15.5%8.7% (4.2%–14.3%)+6.8pt
純利益率11.0%7.1% (3.2%–10.6%)+3.9pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値および上位レンジを上回り、収益性は業種内で高い水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)23.1%6.2% (-1.1%–14.6%)+16.9pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、化薬事業の拡大により業種内でも突出した増収率を示している。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高は23.1%増と業種平均を大きく上回る一方、営業利益は9.7%減となり、規模成長と収益性の乖離が生じている。原価率上昇が主因であり、一過性か構造的かの見極めが今後の分析ポイントとなる。

  2. 主力の機能化学品事業は増収増益かつ利益率19.6%を維持し、連結利益の中核を担っている。一方、医薬・医療・健康事業の利益率は39.9%相当の水準から10.9%程度へ大きく低下しており、事業ポートフォリオ内での収益構造変化が読み取れる。

  3. 自己資本比率77.0%、有利子負債34.5億円という財務基盤の強さは、原価率上昇局面や運転資本の拡大に対する耐性を示している。仕掛品の増加傾向は、化薬事業拡大に伴う資本効率面の変化として継続的な観察が有用である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,440円
base(基準)1,487円
bull(強気)1,526円
算出前提
1株純資産(BPS)1,310円
調整後予想EPS182.3円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向41.3%
予想EPSの信頼度調整×1.075(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.14倍 / 8.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,446円〜1,531円、ω±0.1で 1,483円〜1,494円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。