クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥310.9億 | ¥269.4億 | +15.4% |
| 営業利益 | ¥29.7億 | ¥22.2億 | +33.7% |
| 経常利益 | ¥29.6億 | ¥22.4億 | +32.1% |
| 純利益 | ¥18.7億 | ¥14.6億 | -29.6% |
| ROE | 26.0% | 24.2% | - |
Executive Summary
増収増益ながら純利益は前年比-29.6%となった点が本決算の最大の注目点であり、営業・経常段階の伸長と純利益の減少という損益構造上のねじれが特徴的な決算である。売上高は310.9億円(前年比+15.4%)、営業利益は29.7億円(同+33.7%)、経常利益は29.6億円(同+32.1%)と増収増益が続いた一方、純利益は18.7億円(同-29.6%)と減少した。前年の純利益14.6億円との比較で減益となっているが、税引前利益は29.3億円で前年比+30.7%増加しており、法人税等の負担(10.6億円、実効税率36.2%)が最終利益を押し下げた主因とみられる。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は18.7億円で前年比+28.5%増となっており、連結の当期純利益(親会社株主帰属分を含まない値)とは区分して理解する必要がある。
業績変動要因
【売上高】売上高は310.9億円(前年比+15.4%)となり、5セグメント全てで増収を確保した。クラウドインテグレーションが117.4億円(+20.8%)、システムインテグレーションが151.9億円(+13.5%)と2大事業が拡大を主導し、プロダクトも12.1億円(+29.6%)と高成長を示した。アウトソーシングは25.1億円(+2.2%)、海外事業は6.1億円(+2.8%)と伸びは緩やかだった。
【損益】営業利益は29.7億円(前年比+33.7%)、営業利益率は9.5%(前年8.2%)へ改善した。システムインテグレーションの営業利益が8.7億円(+94.2%)と大幅に伸長し、費用配賦方法の見直しと採算管理の改善が寄与したとみられる。一方でアウトソーシングの営業利益は3.6億円(-8.8%)と減益であり、事業間でマージンの方向性に差が出ている。特別損失としてシステムインテグレーション事業に係るのれん減損0.3億円を計上したが、影響は限定的である。結論として増収増益。
セグメント別分析
クラウドインテグレーションが売上117.4億円(+20.8%)・営業利益15.9億円(+22.1%)で全社利益の過半を占める主力事業となっている。システムインテグレーションは売上151.9億円(+13.5%)と規模最大だが、営業利益率5.7%とマージンは低く、前年からの改善(+94.2%)は費用配賦見直しの効果が大きい。プロダクトは営業利益率17.0%、アウトソーシングは14.3%と高マージンだが、アウトソーシングは利益が前年比-8.8%と軟化している。海外事業は売上6.1億円で営業損失0.06億円ながら赤字は縮小傾向にある。セグメント間のマージン差(プロダクト17.0%対システムインテグレーション5.7%)は、事業ポートフォリオの質を評価する上で重要な観察点である。
主要財務指標
【収益性】ROEは26.0%、営業利益率は9.5%(前年8.2%から+1.3pt改善)、純利益率は6.0%(前年5.4%)で、粗利率は29.4%(前年27.9%)へ上昇している。【キャッシュ品質】営業CFは23.6億円で純利益18.7億円の約1.26倍にあたり、キャッシュを伴う利益であることを示す一方、営業CFはEBITDA(営業利益29.7億円+減価償却2.1億円+のれん償却0.9億円)に対して0.74倍程度に留まり、売上債権の増加(3.4億円)がキャッシュ化のタイムラグとなっている。【投資効率】設備投資は1.3億円と減価償却2.1億円を下回り抑制的で、無形資産取得や子会社化等の投資に比重が置かれている。【財務健全性】自己資本比率は44.0%(前年44.1%)とほぼ横ばいで安定的、流動資産123.2億円に対し流動負債72.5億円と流動性は十分である。
キャッシュフロー分析
営業CFは23.6億円で前年比-0.6%とほぼ横ばいだった一方、純利益18.7億円を上回る規模を確保しており、利益の裏付けとなるキャッシュ創出力は保たれている。運転資本面では売上債権が3.4億円増加してキャッシュを圧迫したが、仕入債務の増加1.5億円が一定程度相殺した。投資CFは-11.6億円で、設備投資1.3億円に加え無形資産取得や子会社株式取得を含む投資が中心であり、有形投資より無形投資・M&Aに比重を置く姿勢がうかがえる。財務CFは-3.0億円で、自社株買い1.3億円と配当支払等が主な使途である。この結果フリーCF(営業CF+投資CF)は12.0億円のプラスとなり、投資と株主還元を内部資金で賄える構図にある。
収益の質
経常的な収益が利益の大半を占め、営業外収益0.7億円と営業外費用0.7億円はほぼ相殺し合い、金融損益による歪みは小さい。営業利益29.7億円と経常利益29.6億円はほぼ同水準であり、本業の収益力がそのまま経常段階に反映されている点は収益の質の観点で良好である。特別損失はシステムインテグレーション事業に係るのれん減損0.3億円のみで、一時的要因の影響は限定的である。一方、税引前利益29.3億円に対し法人税等10.6億円(実効税率36.2%)が課され、これが純利益18.7億円への圧縮要因となっており、経常利益と純利益の乖離は主として税負担に起因する。営業CFが純利益を上回っていることは、アクルーアル(会計上の利益とキャッシュの差)が過度に大きくないことを示唆する。
業績予想・ガイダンス
会社は次期(2026年6月期に続く期)の業績予想として、売上高347.2億円(+11.7%)、営業利益34.1億円(+15.0%)、経常利益34.1億円(+15.0%)、EPS104.63円、配当42.00円を開示している。今期の営業利益率9.5%に対し、予想ベースでは9.8%程度への改善を織り込んでおり、クラウドインテグレーションの拡大継続とシステムインテグレーションの採算改善が前提になっているとみられる。なお、本予想は会社が現在入手している情報と一定の前提に基づくものであり、実際の業績は前提条件の変化により異なる可能性がある点が会社資料でも注記されている。
株主還元
当期の配当は中間32円・期末16円(分割前基準)で、配当性向は35.3%である。同社は2026年1月1日付で1株を2株に株式分割しており、分割後基準に換算すると前期の年間配当は25円00銭、当期は32円00銭に相当する。自社株買いも1.3億円実施しており、配当と自社株買いを合わせた総還元性向は配当性向35.3%を上回る水準となる。次期の配当予想は42.00円(分割後基準)で、増配計画が示されている。フリーCF12.0億円は当期の配当総額6.6億円と自社株買い1.3億円の合計を上回っており、内部資金での還元原資の確保が確認できる。
リスク要因
-
キャッシュ転換の遅延: 営業CF23.6億円は前年比-0.6%とほぼ横ばいで、純利益の伸び(+28.5%)に見合った拡大を伴っていない。売上債権が3.4億円増加しており、増収に伴う請求・回収サイクルの長期化が資金効率に影響しうる。
-
事業間の収益性ばらつき: アウトソーシング事業の営業利益は前年比-8.8%となり、他セグメントの増益傾向と対照的である。売上25.1億円に対し利益率14.3%への低下がみられ、価格改定や稼働率の動向が今後のマージンを左右する。
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のれん・無形資産の増加: のれんは5.5億円(前年4.2億円、+30.1%)、無形固定資産は10.6億円(前年5.3億円、+102.3%)と増加している。当期にシステムインテグレーション事業でのれん減損0.3億円を計上した実績があり、M&A関連資産の評価動向が留意点となる。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
業種ベンチマーク(it_telecom)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 9.5% | 8.1% (3.7%–16.1%) | +1.4pt |
| 純利益率 | 6.0% | 5.9% (2.2%–11.8%) | +0.1pt |
収益性は業種中央値をやや上回る水準にあり、特に営業利益率は業種内で相対的に高い位置づけにある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 15.4% | 10.1% (1.8%–20.2%) | +5.3pt |
売上成長率は業種中央値を上回り、IQR上位に近い成長水準にある。
※出所: 当社集計
決算上の注目ポイント
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増収増益の一方で純利益が前年比-29.6%となった構造は、税負担(実効税率36.2%)の影響が大きく、営業・経常段階の収益力向上とは区別して捉える必要がある決算データとなっている。
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クラウドインテグレーションが利益の中核を担い、システムインテグレーションも費用配賦見直し等により営業利益+94.2%と改善したことは、事業ポートフォリオ全体の収益構造が変化している可能性を示す。
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営業CFが前年比ほぼ横ばいにとどまり、売上債権の増加がキャッシュ化を遅らせている点は、増収局面における運転資本管理の状況を示すデータとして注目される。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 582円 |
| base(基準) | 611円 |
| bull(強気) | 647円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 349円 |
| 調整後予想EPS | 113.9円 |
| 株主資本コスト r | 9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 40.1% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.75倍 / 5.4倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 594円〜630円、ω±0.1で 604円〜622円。
注記:
- のれん償却 4.2円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。