記事一覧に戻る
43692027 第2四半期プライムJGAAP

株式会社トリケミカル研究所 2027年度 第2四半期 決算

株式会社トリケミカル研究所の2027年度第2四半期決算レポート

素材・化学/化学


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥147.1億¥123.8億+18.8%
営業利益¥38.4億¥31.8億+20.8%
経常利益¥45.3億¥38.0億+19.1%
純利益¥33.7億¥27.8億+21.5%
ROE8.8%7.7%-

Executive Summary

半導体製造用高純度化学化合物の需要拡大を背景に、増収増益かつ営業利益率の改善を伴う質の高い決算となった。売上高は147.1億円(前年比+18.8%)、営業利益は38.4億円(同+20.8%)、経常利益は45.3億円(同+19.1%)、親会社株主に帰属する純利益は33.7億円(同+21.5%)。営業利益率は26.1%と前年同期比で約40bp改善し、売上成長を上回る利益成長により営業レバレッジの発現がうかがえる。

業績変動要因

【売上高】半導体製造用高純度化学化合物の単一事業で、需要拡大により売上高は147.1億円、前年同期比+18.8%の増収となった。事業セグメントは単一のため、セグメント別の増減要因は開示されていない。

【損益】営業利益は38.4億円(同+20.8%)で、粗利率36.2%と販管費率10.1%(前年10.4%程度から低下)を背景に営業利益率は26.1%へ改善した。経常利益は45.3億円で、営業利益との差額6.9億円の主因は持分法投資利益6.5億円であり、営業外収益(7.4億円)の大半を占める。純利益は33.7億円で、税負担は法人税等11.5億円、実効税率は約25.5%と正常な水準にある。増収増益であり、増収率を上回る増益率から収益性の質は良好と評価できる。

セグメント別分析

当社は半導体製造用高純度化学化合物事業の単一セグメントであり、セグメント別の業績開示は行われていない。

主要財務指標

【収益性】営業利益率26.1%、純利益率22.9%、EBITDAマージン34.4%と高水準の収益性を維持している。粗利率は36.2%で、高付加価値な製品構成を反映する。【キャッシュ品質】営業CFは48.8億円で純利益33.7億円の1.45倍に達し、OCF/EBITDAは0.97倍、アクルーアル比率はマイナス3.1%であり、利益の現金裏付けは強い。【投資効率】ROEは8.8%で、純利益率22.9%×総資産回転率0.30倍×財務レバレッジ1.28倍に分解され、資産集約的な事業構造が総資産回転率を押し下げ、ROEを純利益率対比で抑制している。年換算DIOは149日、CCCは177日で、仕掛品が在庫全体の40.2%を占めるなど運転資本効率には改善余地がある。【財務健全性】自己資本比率は77.9%、流動比率437.3%、D/E比率0.28倍、Debt/EBITDA0.96倍と極めて保守的な財務構成であり、大型設備投資を進めながらも財務的な余力は厚い。

キャッシュフロー分析

営業CFは48.8億円で、前年同期の27.3億円から+78.8%増加し、純利益33.7億円を上回る現金創出力を示した。増加要因は消費税等の増減11.1億円のプラス寄与に加え、減価償却費12.1億円が挙げられる一方、棚卸資産の増加2.5億円、買掛金の減少6.5億円は運転資本面の流出要因となった。投資CFはマイナス29.8億円で、その大半は設備投資29.7億円が占め、減価償却費の2.45倍に相当する能力増強投資を進めている。財務CFはプラス8.6億円で、長期借入金24.0億円の調達が主因であり、設備投資資金の一部を賄っている。フリーキャッシュフローは19.0億円のプラスを確保しており、投資拡大局面でも内部資金創出力は維持されている。

収益の質

当期利益の大半は本業由来の経常的な収益であり、特別損益に関する記載はなく一時的要因は限定的とみられる。経常利益45.3億円は営業利益38.4億円を6.9億円上回るが、その主因は持分法投資利益6.5億円であり、営業外収益7.4億円の大部分を構成する。営業外収益が売上高の5.1%に相当する点は、経常利益の一定部分が持分法適用会社の業績に依存する構造を示す。包括利益は32.4億円で純利益33.7億円をやや下回るが、これは主に持分法適用会社に係るその他包括利益のマイナス1.9億円が要因であり、純利益と包括利益の乖離は限定的である。営業CFが純利益の1.45倍に達し、アクルーアル比率はマイナス3.1%であることから、会計上の利益は現金の裏付けを伴っており、収益の質は総じて良好と評価できる。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想に対する進捗率は、売上高49.8%、営業利益51.5%、経常利益51.9%、純利益51.3%と、いずれも標準的な上期進捗(50%)を小幅に上回る水準にある。通期予想は売上高295.0億円(前年比+23.5%)、営業利益74.5億円(同+26.2%)、経常利益87.2億円(同+23.0%)であり、下期にも上期を上回るペースの増収増益を織り込んだ計画となっている。当四半期において業績予想の修正が行われており、下期は半導体市況や顧客の設備投資動向、増強設備の稼働状況が進捗の鍵となる。

株主還元

第2四半期末時点の中間配当は1株当たり0円であり、通期の年間配当予想は35.0円である。予想EPS202.17円に基づく配当性向は約17.3%となる。年間配当総額は発行済株式数ベースで約11.4億円と試算され、上期のフリーキャッシュフロー19.0億円の範囲内に収まる。自社株買いは軽微(0.0億円)であり、資本還元は実質的に配当を中心とする構成である。高い営業CF創出力と保守的な財務構成を踏まえると、現行配当水準の持続性は良好とみられる。

リスク要因

  1. 事業集中リスク: 半導体製造用高純度化学化合物の単一事業であり、半導体設備投資サイクルや顧客の稼働率変動が売上高・設備稼働率に直接影響しうる。

  2. 運転資本・在庫リスク: 年換算DIO149日、CCC177日、仕掛品比率40.2%と、在庫・運転資本の滞留水準が高い。需要鈍化局面では在庫評価損や追加的な資金拘束につながる可能性がある。

  3. 投資回収リスク: 設備投資は29.7億円で減価償却費の2.45倍に達する能力増強投資であり、立上げ遅延や想定稼働率未達が生じた場合、投資回収時期が後ずれする可能性がある。また持分法投資利益6.5億円が経常利益の一部を構成しており、投資先の業績変動が経常利益を増幅させる要因となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率26.1%6.4% (3.1%–10.7%)+19.7pt
純利益率22.9%5.0% (2.3%–8.6%)+17.9pt

収益性は業種中央値を大幅に上回り、上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)18.8%1.9% (-3.1%–7.5%)+16.9pt

売上成長率も業種中央値を大きく上回り、増収ペースは業種内で優位な水準にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高+18.8%、営業利益+20.8%と増収率を上回る増益率を達成し、営業利益率は26.1%へ改善した。粗利率36.2%と合わせ、高付加価値な製品構成と固定費吸収が進んでいることを示す事実である。

  2. 営業CFは純利益の1.45倍、アクルーアル比率はマイナス3.1%であり、当期利益は現金の裏付けを伴っている。一方でDIO149日・CCC177日・仕掛品比率40.2%は、成長投資局面における運転資本管理上の観察点として挙げられる。

  3. 通期予想への進捗率は営業利益51.5%と上期基準(50%)をわずかに上回っており、下期も高い増収率を前提とした計画が据え置かれている点は、生産設備の稼働状況とともに確認すべき事実である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,435円
base(基準)1,499円
bull(強気)1,552円
算出前提
1株純資産(BPS)1,177円
調整後予想EPS217.3円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向17.3%
予想EPSの信頼度調整×1.075(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.27倍 / 6.9倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,456円〜1,545円、ω±0.1で 1,491円〜1,512円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。