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40912027 第1四半期プライムIFRS

日本酸素ホールディングス(4091) 2027年度第1四半期決算

2027年度第1四半期の売上高は3,618億円(前年同期比+14.9%)、営業利益は647.3億円(同+42.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

素材・化学/化学


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥3617.6億¥3147.6億+14.9%
営業利益¥647.3億¥455.5億+42.1%
税引前利益¥593.7億¥399.9億+48.5%
純利益¥447.8億¥292.6億+53.0%
ROE3.4%2.3%-

Executive Summary

2027年3月期第1四半期は増収増益で、特に営業利益・純利益の伸びが売上成長を大きく上回った点が特徴である。売上収益は3617.6億円(前年比+14.9%)、営業利益は647.3億円(同+42.1%)、税引前利益は593.7億円(同+48.5%)、親会社所有者帰属純利益は437.2億円(同+54.0%)となった。営業利益の伸びには固定資産売却益124.2億円が寄与しており、これを除いたコア営業利益は546.9億円で前年比+19.9%となる。海外セグメント(米国・欧州・アジア/オセアニア)の増収増益が牽引した一方、日本セグメントは減収減益であった。

業績変動要因

【売上高】売上収益は3617.6億円で前年比+14.9%増収。セグメント別では欧州978.8億円(同+18.8%)、米国991.2億円(同+18.0%)、アジア・オセアニア588.9億円(同+39.2%)と海外3地域が二桁成長を牽引した一方、日本967.2億円(同-0.7%)は減収。サーモスは91.2億円(同+5.5%)と小幅増収にとどまった。海外3地域の合計売上構成比は約44.3%で、成長ドライバーは海外事業の拡大である。

【損益】営業利益は647.3億円(同+42.1%)で、営業利益率は17.9%(前年14.5%から+3.4pt)。ただし固定資産売却益124.2億円(一時的要因)と減損損失18.9億円、ブランド再構築費用4.2億円(いずれも一時的要因)を含み、これらを除くコア営業利益は546.9億円(同+19.9%)、コア営業利益率15.1%(前年14.5%から+0.6pt)である。粗利率は43.5%(前年42.6%から+0.9pt)と改善した一方、販管費は前年比+17.5%と売上成長率を上回り、費用面ではやや先行増加がみられる。税引前利益から純利益への転嫁は法人税等145.9億円(実効税率24.6%)で、大きな乖離要因はない。結論として増収増益であり、報告利益は一時的要因で嵩上げされているが、コアベースでも増益基調は維持されている。

セグメント別分析

セグメント利益(コア営業利益)は、欧州189.9億円(同+18.4%、利益率19.4%)、米国149.8億円(同+30.8%、利益率15.1%)、日本120.7億円(同-9.7%、利益率12.5%)、アジア・オセアニア71.2億円(同+106.9%、利益率12.1%)、サーモス19.0億円(同+10.3%、利益率20.8%)となった。アジア・オセアニアは利益増加率が全セグメント中最大で、当期の成長ドライバーである。日本のみ減収減益となっており、国内需要の弱含みが海外との収益格差を拡大させている。セグメント利益合計546.9億円から固定資産売却益124.2億円等の調整を経て、連結営業利益647.3億円に至る。

主要財務指標

【収益性】営業利益率17.9%、コア営業利益率15.1%、粗利率43.5%、親会社帰属純利益率12.1%といずれも高水準にあり、増収に伴う固定費吸収と粗利率改善(前年比+0.9pt)が収益性を押し上げた。【キャッシュ品質】営業CFは547.5億円で親会社帰属純利益437.2億円に対し1.25倍となり、利益の現金裏付けは良好である。【投資効率】ROE(四半期実績ベース)は3.4%であるが、これは四半期累計値であり年換算では二桁水準となる可能性がある点に留意が必要である。設備投資285.2億円は売上収益の約7.9%に相当し、投資規模はやや高めである。【財務健全性】自己資本比率45.4%(前年44.0%から改善)、社債・借入金合計は流動・非流動で8684.6億円、EBIT対比では十分に利払い可能な水準にある。のれん6943.0億円は純資産13116.8億円の約52.9%を占め、資本構成上の特徴点である。

キャッシュフロー分析

営業CFは547.5億円で前年比+31.3%増加し、親会社帰属純利益437.2億円を上回る水準で利益の現金化は良好である。営業CF小計746.5億円から、法人税等の支払200.4億円、利息の支払73.6億円が控除された。運転資本面では、売上債権の減少により48.8億円のキャッシュ流入があった一方、棚卸資産の増加53.5億円、仕入債務の減少83.9億円が資金を圧迫し、事業拡大に伴う運転資金負担の増加がみられる。投資CFは-164.9億円で、設備投資285.2億円に対し有形固定資産売却収入126.8億円が相殺したため、前年より投資CFの流出は縮小したが、恒常的な投資負担軽減とは言い難い。フリーCFは382.6億円となり、配当支払142.8億円を約2.7倍カバーした。財務CFは-384.8億円で、長期借入金の返済267.7億円、配当支払142.8億円、リース料支払47.2億円が主な流出要因である。現金及び現金同等物は期末1666.5億円で、期首から12.6億円増加した。

収益の質

当期の報告営業利益647.3億円には、固定資産売却益124.2億円という経常的とは言い難い一時的要因が含まれる一方、減損損失18.9億円、ブランド再構築費用4.2億円という一時的な費用も計上されており、これらを相殺した一時項目の純効果は約101.2億円の利益押し上げとなる。これを除いたコア営業利益は546.9億円で、前年同期比+19.9%と経常的な収益力も着実に改善している。営業外では金融収益11.4億円に対し金融費用65.1億円が計上され、純額で53.7億円の費用超過となっているが、EBIT対比では十分吸収可能な水準である。持分法損益は12.8億円のプラスに寄与した。包括利益は656.0億円(親会社株主分643.6億円)で、純利益447.8億円との差は主に在外営業活動体の換算差額178.8億円によるものであり、為替換算という非現金項目が包括利益を押し上げている。営業CFが純利益を上回る良好なキャッシュ変換率も踏まえると、利益の質は総じて良好だが、報告利益成長率(+42.1%)を評価する際は一時項目の影響を割り引く必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高13800.0億円、営業利益2150.0億円(前期比+8.7%)、純利益1345.0億円(同+5.7%)であり、当第1四半期時点で予想・実績とも修正はない。Q1進捗率は売上高26.2%、営業利益30.1%、純利益33.3%となり、標準的な四半期進捗率25%を上回っている。ただし営業利益の進捗には固定資産売却益124.2億円が含まれており、これを除いたコア営業利益ベースの進捗率は約25.4%と標準的な水準にとどまる。通期予想の伸び率(営業利益+8.7%、純利益+5.7%)はQ1の実績伸び率(営業利益+42.1%、純利益+53.0%)を大きく下回っており、下期にかけて増益率の鈍化を織り込んだ計画となっている。

株主還元

当第1四半期の配当支払額は142.8億円で、親会社所有者帰属純利益437.2億円に対する配当性向は32.7%である。自己株式取得はほぼゼロ(-0.0億円)であり、総還元性向も配当性向と同水準にとどまる。フリーCF382.6億円に対する配当カバー率は約2.7倍で、内部創出キャッシュにより配当は十分に賄われている。通期会社予想の年間配当は66円(前期比修正なし)で、通期予想純利益1345.0億円に基づく配当性向は約21.8%となる。

リスク要因

  1. のれん減損リスク: のれんは6943.0億円と純資産13116.8億円の52.9%を占める。当期も減損損失18.9億円が計上されており、買収先資産の収益性低下時には資本・利益への影響が大きい。

  2. 地域別業績格差: 日本セグメントは売上収益-0.7%、セグメント利益-9.7%と減収減益であり、海外3地域(米国・欧州・アジア/オセアニア)の高成長との格差が拡大している。国内需要の動向次第で連結収益への影響が継続し得る。

  3. 運転資本負担の増加: 棚卸資産が期首比+53.5億円、仕入債務が-83.9億円となり、営業CFを圧迫した。事業拡大に伴う運転資本の積み増しが継続する場合、キャッシュ転換効率の低下要因となり得る。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率17.9%8.7% (4.2%–14.3%)+9.2pt
純利益率12.4%7.1% (3.2%–10.6%)+5.3pt

製造業中央値を大きく上回る収益性水準にあり、業種内でも上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)14.9%6.2% (-1.1%–14.6%)+8.7pt

売上成長率も業種上位グループに位置し、収益性・成長性ともに業種平均を上回る。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 報告営業利益647.3億円には固定資産売却益124.2億円が含まれ、これを除くコア営業利益546.9億円(前年比+19.9%)が経常的な収益力の実態を示す。通期進捗率評価もコアベースでは約25.4%と標準的である。

  2. 海外3地域(米国・欧州・アジア/オセアニア)が増収増益を牽引する一方、日本セグメントは減収減益となり、地域別の業績格差が構造的な特徴として観察される。

  3. のれんが純資産の52.9%を占め、当期も減損損失が計上された。営業CFは純利益の1.25倍と利益の現金化は良好で、配当カバー率も約2.7倍と株主還元の原資は確保されている。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,002円
base(基準)3,087円
bull(強気)3,155円
算出前提
1株純資産(BPS)2,928円
調整後予想EPS325.3円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向21.8%
予想EPSの信頼度調整×1.075(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.05倍 / 9.5倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,999円〜3,179円、ω±0.1で 3,083円〜3,093円。

注記:

  • 純資産に対するのれんの比率が高く、減損が発生した場合は前提が大きく変わります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。