| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥2347.0億 | ¥2195.0億 | +6.9% |
| 営業利益 | ¥-371.6億 | ¥625.4億 | -3.9% |
| 税引前利益 | ¥131.9億 | ¥134.9億 | -2.2% |
| 純利益 | ¥82.6億 | ¥85.3億 | -3.2% |
| ROE | 1.8% | 1.9% | - |
今期は大型の減損損失計上により営業損益・最終損益がともに黒字から赤字に転落し、増収にもかかわらず収益性が大きく毀損した決算となった。売上高は1兆667.95億円(前期1兆130.70億円、前期比+5.3%)と増収を確保したが、営業利益は前期625.38億円の黒字から371.57億円の赤字に転落、税引前利益も前期608.69億円から514.47億円の赤字となった。親会社株主に帰属する当期純利益は前期399.29億円の黒字から639.49億円の赤字に転落し、基本EPSは174.58円から△279.01円となった。主因は減損損失が前期95.18億円から1,079.81億円へ急増したことで、うちデジタル&インダストリーセグメントだけで706.45億円を占める。
【売上高】全社売上高は1兆667.95億円で前期比+5.3%の増収。セグメント別ではヘルス&セーフティーが2,684.71億円(構成比25.2%、前期比+21.8%)と大幅増収し全社の伸びを牽引した。一方、デジタル&インダストリーは3,299.38億円(構成比30.9%、同-4.2%)と減収。エネルギーソリューション985.02億円(+6.3%)、アグリ&フーズ1,529.88億円(+2.2%)、その他事業2,168.94億円(+5.4%)はいずれも小幅増収にとどまった。
【損益】営業利益は前期625.38億円の黒字から371.57億円の赤字に転落し、変化額は約997億円の減益となった。主因はその他の費用が94.14億円から999.90億円へ急増したことで、背景には減損損失の急増(95.18億円→1,079.81億円)がある。セグメント別ではデジタル&インダストリーが706.45億円の減損計上を主因に前期301.13億円の黒字から408.88億円の赤字へ転落し、全社赤字の中心要因となった。他の全セグメントも減益で、金融費用も57.78億円から184.90億円へ約3.2倍に膨らみ、税引前利益・最終利益の悪化を増幅させた。結論として、今期は増収減益(営業・最終ともに赤字転落)である。
デジタル&インダストリーは売上3,299.38億円(-4.2%)に対し営業損益は△408.88億円と、前期301.13億円の黒字から赤字転落した。706.45億円の減損損失計上が主因で、マージンも前期8.74%から△12.39%へ急落した。ヘルス&セーフティーは売上2,684.71億円(+21.8%)と増収したが、営業利益は103.95億円(前期119.42億円、-13.0%)と減益、マージンは5.42%から3.87%へ低下。エネルギーソリューションは売上985.02億円(+6.3%)、営業利益63.94億円(-21.4%、マージン6.49%)、アグリ&フーズは売上1,529.88億円(+2.2%)、営業利益36.64億円(-26.5%、マージン2.39%)といずれも減益。その他事業は営業利益14.75億円(前期74.69億円、-80.3%)と落ち込みが大きい。全セグメントが揃って減益するなか、デジタル&インダストリーの大型減損が全社赤字化の中心的要因となっている。
【収益性】営業利益率は△3.5%で前期6.2%から大きく悪化し、親会社株主帰属ベースの純利益率も3.9%から△6.0%へ転じた。ROE(親会社株主帰属当期純利益÷期中平均自己資本)は△15.4%で、前期のプラス水準から大幅に低下している。【キャッシュ品質】営業利益・純利益が赤字化する一方、営業CFは1,075.83億円(前期927.37億円、+16.0%)とむしろ増加しており、損益とキャッシュの方向性が乖離している。【投資効率】設備投資は736.06億円(前期853.20億円、-13.7%)で、減価償却費570.56億円に対しCapex/減価償却は1.29倍と依然投資超過の水準にある。【財務健全性】自己資本比率は32.09%(前期36.55%、-4.46pt)に低下し、のれんは515.87億円(前期782.24億円、-34.1%)へ縮小した。これは主にデジタル&インダストリーでの減損計上を反映したものである。
営業CFは1,075.83億円で前期927.37億円から+16.0%増加し、純損益が赤字に転じたこととは対照的な動きとなった。これは減損損失1,079.81億円や減価償却費570.56億円といった非資金項目が損益計算書上の赤字をキャッシュベースで押し戻したためである。投資CFは△886.11億円で、設備投資736.06億円に加え子会社株式取得等の支出があった。財務CFは△57.08億円で、短期借入金の純増加622.56億円がある一方、長期借入金の返済537.25億円や配当支払184.63億円が資金流出要因となった。差引フリーCFは189.72億円のプラスを確保し、設備投資・配当を賄う水準を維持している。
当期利益の質を評価するうえでは、減損損失1,079.81億円という非経常的要因が営業赤字の主因である点を切り離して見る必要がある。持分法投資利益は40.01億円(前期43.31億円)とほぼ横ばいで、安定的な収益源として機能している。一方、金融費用は57.78億円から184.90億円へ急増しており、こちらは借入構成や金利水準を反映した構造的な費用増加とみられる。純損失にもかかわらず営業CFがプラスかつ増加している点は、非資金損益(アクルーアル)の影響が大きいことを示し、キャッシュベースの事業運営自体は大きく毀損していないことを示唆する。包括利益は△299.32億円で、当期純損失△662.82億円との差額はその他の包括利益36.35億円(金融資産公正価値変動や為替換算差額のプラス)による。
本決算は通期実績の確定であり、開示されている業績予想は次期の見通しにあたる。次期は売上高1兆1,000億円(今期実績1兆667.95億円比+3.1%)、営業利益780億円(今期の営業赤字371.57億円からの黒字転換)、EPS218.88円、DPS64円を計画している。今期の大幅減損という非経常要因が一巡することを前提に、来期は収益性の正常化を見込んでいるとみられる。当該予想および配当予想に直近の修正はない。
当期は親会社株主帰属当期純利益が△639.49億円の赤字となったため、配当性向は算定できない。配当支払額(CFベース)は184.63億円で前期151.14億円から増加しており、赤字下でも配当水準を維持した形である。自社株買いはごく僅少(0.03億円)にとどまる。次期予想ではEPS218.88円・DPS64円が示されており、これらから算出される予想配当性向は約29.2%となる。
減損リスクの再発可能性: デジタル&インダストリーセグメントで706.45億円の減損損失を計上し、連結のれんは782.24億円から515.87億円へ34.1%減少した。残存するのれんや長期性資産についても、事業環境次第で追加減損が生じる可能性がある。
金融費用の増加: 金融費用は57.78億円から184.90億円へ約3.2倍に急増した。借入金は流動1,770.19億円・非流動2,914.36億円の合計4,684.55億円に達しており、金利負担の高まりが収益を圧迫するリスクがある。
収益性悪化の広がり: デジタル&インダストリー以外の全セグメント(エネルギーソリューション、ヘルス&セーフティー、アグリ&フーズ、その他)も揃って営業減益となった。単一セグメントの一過性要因にとどまらず、事業横断的な採算悪化が生じている可能性がある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | -15.8% | – | – |
| 純利益率 | 3.5% | – | – |
自社は営業利益率がマイナスで、業種内でも厳しい水準にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 6.9% | – | – |
売上高成長率はプラス圏で推移している。
※出所: 当社集計
減損損失1,079.81億円の計上により、営業利益は前期625.38億円の黒字から371.57億円の赤字に転落し、通期の親会社株主帰属当期純利益も639.49億円の赤字となった。損益面では非経常的な減損要因の影響が極めて大きい決算である。
一方で営業CFは1,075.83億円と前期比+16.0%を確保し、フリーCFも189.72億円のプラスを維持した。損益の悪化とは対照的に、キャッシュ創出力自体は毀損していない点が特徴的である。
自己資本比率は32.09%(前期36.55%)へ低下し、のれんは減損を反映して515.87億円へ縮小した。次期予想は営業利益780億円の黒字転換を見込んでおり、今期の減損一巡後の収益性回復ペースが今後の観察点となる。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 2,032円 |
| base(基準) | 2,093円 |
| bull(強気) | 2,144円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 1,917円 |
| 調整後予想EPS | 235.3円 |
| 株主資本コスト r | 9.15%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 29.2% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.075(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.09倍 / 8.9倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 2,034円〜2,155円、ω±0.1で 2,089円〜2,100円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。