| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥856.5億 | ¥818.3億 | +4.7% |
| 営業利益 | ¥60.8億 | ¥78.8億 | -22.9% |
| 経常利益 | ¥67.1億 | ¥76.0億 | -11.8% |
| 純利益 | ¥52.4億 | ¥50.5億 | +3.7% |
| ROE | 1.7% | 1.7% | - |
2027年3月期第1四半期は、増収ながら販管費増加が利益を圧迫し、営業・経常段階で減益となった一方、投資有価証券売却益を含む特別利益が最終利益を押し上げた。売上高は856.5億円(前年比+4.7%)、営業利益は60.8億円(同-22.9%)、経常利益は67.1億円(同-11.8%)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は52.0億円(同+6.0%)で、営業・経常減益にもかかわらず増益を確保している。増収の主因はライフサイエンス事業の拡大(+61.5%)、営業減益の主因は販管費の18.9%増加である。
【売上高】売上高は856.5億円で前年比+4.7%の増収。セグメント別では、ライフサイエンスが146.9億円(+61.5%、構成比17.2%)と大きく伸長し、電子先端材料も223.0億円(+5.0%、構成比26.0%)で増収に寄与した。一方、化成品は246.9億円(-10.1%、構成比28.8%)、環境事業は10.9億円(-26.0%)と減収となり、セメントは160.5億円(-0.2%)でほぼ横ばい。増収の主因はライフサイエンス事業の拡大であり、化成品の需要・価格面での軟化が全体の伸びを抑制した。
【損益】粗利率は35.0%で前年34.2%から+0.8pt改善したが、販管費率が27.9%と前年24.6%から+3.3pt上昇し、営業利益率は7.1%(前年9.6%)へ-2.5pt低下した。販管費の増加率(+18.9%)は売上成長率(+4.7%)を大幅に上回っており、営業段階の減益要因となっている。営業外損益は受取配当金5.5億円、持分法投資利益4.6億円、為替差益2.5億円等でネットプラスとなり、経常利益は67.1億円(-11.8%)と営業利益より減益幅が縮小した。特別利益7.0億円(主に投資有価証券売却益6.4億円)は一時的要因として計上され、税引前利益は73.2億円(-4.6%)、実効税率28.4%の法人税等控除後、親会社株主に帰属する当期純利益は52.0億円(+6.0%)となった。営業・経常段階では増収減益、最終利益は特別利益の押し上げにより増収増益という構図であり、本業の収益性は前年から悪化している。
セグメント別では電子先端材料(営業利益31.3億円、+10.8%、利益率14.0%)とライフサイエンス(同26.4億円、+54.8%、利益率18.0%)が高採算セグメントとして全社利益を牽引した。セメントは25.5億円(+1.4%、利益率15.9%)で安定的に推移している。一方、化成品は5.2億円(-81.4%、利益率2.1%)と急減し、環境事業は-0.1億円の赤字に転落、両セグメントの採算悪化が全社営業利益を押し下げた。なお、ライフサイエンス事業では2025年10月取得の株式会社トクヤマライフサイエンス(旧JSR-01)に係るのれんの会計処理が当第1四半期に確定し、のれん残高が減少している。セグメント間の利益率格差が拡大しており、化成品の採算改善がなければ全社ミックスは高採算2セグメントへの依存度を強める構図となる。
【収益性】営業利益率は7.1%で前年9.6%から-2.5pt低下、純利益率(親会社株主帰属ベース)は6.1%で前年6.0%からほぼ横ばい。EPSは72.34円(前年68.27円、+6.0%)。【キャッシュ品質】包括利益は75.7億円で親会社株主帰属純利益52.0億円を22.2億円上回り、有価証券評価差額金+12.6億円、為替換算調整額+11.0億円が主因で、評価性要因の寄与が大きい。【投資効率】ROEは1.7%で、総資産回転率の低さがボトルネックとなっている。【財務健全性】自己資本比率は52.2%で前年52.3%からほぼ横ばい、流動比率173.8%・当座比率149.4%と短期の資金繰り耐性は良好である。
CF計算書データは開示されていないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。現金及び預金は490.3億円で前年471.9億円から+18.4億円増加した。売上債権(受取手形・売掛金合計)は668.8億円で前年758.7億円から-89.9億円減少した一方、電子記録債権は+17.4億円増加しており、決済手段の一部代替が進んだ可能性がある。棚卸資産は302.8億円で前年263.0億円から+39.8億円(+15.1%)増加し、原材料・仕掛品の積み増しが目立つ。買掛金は495.4億円で前年423.2億円から+72.2億円(+17.1%)増加し、調達活動の増加を示している。建設仮勘定は180.3億円で前年300.4億円から-120.1億円(-40.0%)減少しており、投資案件の固定資産への振替が進展したことを示唆する。棚卸資産の増加と売上債権の減少が相殺し合う形で、運転資本の変動は限定的とみられる。
経常的な収益の源泉は本業の営業利益60.8億円であり、特別利益7.0億円(主に投資有価証券売却益6.4億円)は一過性の要因で、親会社株主帰属純利益52.0億円の約13.5%を占める。営業外収益26.6億円は売上高比3.1%にとどまり過度な依存とは言えないが、うち為替差益2.5億円は市況変動により振れやすい項目である。包括利益は75.7億円で純利益を22.2億円上回っており、乖離の主因は有価証券評価差額金と為替換算調整額の増加であるため、必ずしも事業活動による現金創出力の向上を意味しない。全体として、本業の収益性は前年から低下しており、最終利益の増益は一時的な特別利益と評価性の包括利益要因に支えられている点に留意が必要である。
通期計画に対する第1四半期の進捗率は、売上高21.9%(3,920.0億円計画)、営業利益17.9%(340.0億円計画)、経常利益19.7%(340.0億円計画)、純利益20.0%(260.0億円計画)であった。単純進捗の目安である25%をいずれの指標も下回っており、特に営業利益の遅れが目立つ。通期計画は売上高+12.2%増収に対し営業利益-8.2%・経常利益-11.0%の減益を見込んでおり、第1四半期の実績(売上+4.7%、営業利益-22.9%)は減益幅がより大きく、下期にかけての回復ペースが計画達成の鍵となる。
通期の配当予想は1株当たり60円で、前年の配当実績60円から据え置きとなっている。予想EPS361.38円に基づく配当性向は約16.6%であり、低水準にとどまっている。自己資本比率52.2%、流動比率173.8%という財務基盤を踏まえると、配当原資の安定性は良好とみられる。
化成品セグメントの収益性悪化: 売上高246.9億円(-10.1%)に対し営業利益は5.2億円(-81.4%)と急減し、利益率は2.1%(前年10.2%程度)まで低下している。全社営業利益に占める化成品の寄与度が大きく縮小しており、同セグメントの採算動向が全社業績のモニタリングポイントとなる。
販管費増加によるマージン圧縮: 販管費率は27.9%で前年24.6%から+3.3pt上昇し、伸び率(+18.9%)が売上高成長率(+4.7%)を大きく上回っている。粗利率の改善(+0.8pt)を販管費増が相殺しており、費用増加が先行投資か構造的なコスト増かの見極めが必要である。
一時的利益・評価性項目への依存: 特別利益7.0億円(投資有価証券売却益6.4億円)が親会社株主帰属純利益の約13.5%を占め、包括利益と純利益の乖離(22.2億円)も有価証券評価差額金・為替換算調整額といった市況連動項目が中心となっている。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 7.1% | 8.8% (4.4%–14.3%) | -1.7pt |
| 純利益率 | 6.1% | 7.3% (3.3%–10.6%) | -1.1pt |
自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を下回り、収益性は業種内で相対的に低位に位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 4.7% | 6.6% (-0.3%–14.8%) | -1.9pt |
売上高成長率も業種中央値を下回るが、IQR下限は上回っており、成長性は業種内で中位水準にとどまる。
※出所: 当社集計
営業減益の主因は販管費の18.9%増加であり、売上成長率(+4.7%)を大幅に上回っている。粗利率は+0.8pt改善しており、費用増加が一時的なものか構造的なものかが今後の営業利益率回復の見極めどころとなる。
セグメントミックスは電子先端材料・ライフサイエンスの高採算2セグメント(利益率14.0%・18.0%)への依存度を強めており、化成品(利益率2.1%)の採算悪化が全社利益構成の変化として表れている。
通期計画に対する第1四半期の進捗率は営業利益17.9%など標準的な水準(25%)を下回っており、通期計画自体が売上増収・利益減益を見込む中で、下期にかけての回復ペースが計画達成の判断材料となる。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 3,958円 |
| base(基準) | 4,058円 |
| bull(強気) | 4,138円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 3,989円 |
| 調整後予想EPS | 388.4円 |
| 株主資本コスト r | 9.15%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 16.6% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.075(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.02倍 / 10.4倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 3,941円〜4,179円、ω±0.1で 4,056円〜4,060円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。