| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥234.9億 | ¥209.7億 | +12.0% |
| 営業利益 | ¥22.6億 | ¥17.0億 | +32.6% |
| 経常利益 | ¥26.2億 | ¥20.1億 | +30.6% |
| 純利益 | ¥18.8億 | ¥14.0億 | +34.5% |
| ROE | 4.0% | 3.2% | - |
多木化学の当第2四半期累計は、価格・製品ミックスの改善とコスト管理の両輪で増収増益となり、利益成長が売上成長を上回る質の高い決算となった。売上高は234.9億円(前年209.7億円、YoY+12.0%)、営業利益は22.6億円(前年17.0億円、YoY+32.6%)、経常利益は26.2億円(前年20.1億円、YoY+30.6%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は18.7億円(前年14.0億円、YoY+33.5%)となった。営業利益率は9.6%と前年8.1%から+1.5pt改善し、粗利率改善と販管費率低下がともに寄与している。
【売上高】売上高は234.9億円(前年比+12.0%、+25.2億円)と二桁増収を達成した。セグメント別の開示はないため詳細な内訳は不明だが、売上原価の伸び(+10.4%)が売上高の伸び(+12.0%)を下回っており、単価改善または製品ミックスの好転が示唆される。
【損益】売上総利益は60.0億円(粗利率25.6%、前年24.5%から+1.1pt)と改善し、販管費は37.4億円(販管費率15.9%、前年16.4%から-0.4pt)と売上成長対比で抑制的に推移した。この結果、営業利益は22.6億円(+32.6%)、営業利益率9.6%(+1.5pt)となった。経常利益は26.2億円(+30.6%)で、営業外収益3.8億円(うち受取配当金3.4億円)が押し上げ要因となった一方、営業外費用は0.2億円と軽微。特別損益は利益0.1億円・損失0.2億円と純額-0.1億円で一時的要因としての影響は限定的である。親会社株主に帰属する四半期純利益は18.7億円(+33.5%)、純利益率7.9%(前年6.7%から+1.3pt)。増収増益であり、利益率改善を伴う質の高い増益局面と言える。
【収益性】営業利益率9.6%(前年8.1%から+1.5pt)、純利益率(親会社株主帰属ベース)7.9%(前年6.7%から+1.3pt)と、粗利率改善(+1.1pt)と販管費率低下(-0.4pt)の両面から収益性が向上した。【キャッシュ品質】営業CF21.1億円は親会社株主純利益18.7億円に対し1.13倍で利益の裏付けは確保されているが、EBIT・減価償却合計29.6億円に対する営業CF比率は0.71倍にとどまり、売上債権の増加が現金転換をやや抑制している。【投資効率】ROEは4.0%で、純利益率7.9%、総資産回転率(平均総資産ベース)約0.35回、財務レバレッジ約1.5倍に分解でき、投資有価証券が総資産の30.4%を占める資産構成が回転率を抑える方向に作用している。【財務健全性】自己資本比率(純資産/総資産)は67.2%(前年66.0%から+1.2pt)で、有利子負債は長期借入金3.2億円・短期借入金4.8億円と限定的であり、財務基盤は強固な水準にある。
営業キャッシュフローは21.1億円で、前年同期(-0.2億円)から大幅な改善となった。この改善は利益成長に加え、棚卸資産が7.1億円減少し現金化に寄与した一方、売上債権の12.8億円増加と仕入債務の8.1億円減少が押し戻す形となり、増収に伴う運転資本の積み上がりが現金創出の一部を相殺している。投資CFは-5.0億円で、設備投資4.4億円が主な資金使途である。財務CFは-7.0億円で、配当金支払い6.3億円が中心となっている。フリーキャッシュフロー(営業CF+投資CF)は16.0億円となり、当期の配当支払いと設備投資を十分に賄う水準を確保した。
当期の増益は経常的な事業活動の改善が主因であり、一時的項目の影響は限定的である。営業外収益3.8億円(売上高比1.6%)は主に受取配当金3.4億円で構成され、経常利益を押し上げる寄与度は相応にあるものの、事業本体の外にある投資収益である点は留意点となる。特別損益は利益0.1億円・損失0.2億円で純額-0.1億円と純利益に対する影響は軽微であり、経常利益26.2億円から親会社株主純利益18.7億円への乖離は法人税等の負担(実効税率約28.0%)で説明できる範囲にとどまる。一方、包括利益は47.5億円と親会社株主純利益の2.5倍超に達しており、この差の主因は投資有価証券の評価差額金28.9億円である。この評価益は株式市況の動向に左右される性質を持ち、本業の収益力とは切り離して理解する必要がある。
通期予想(売上高453.0億円、営業利益34.5億円、経常利益41.0億円、EPS419.57円、配当105円)に対する進捗率は、売上高51.9%、営業利益65.4%、経常利益63.9%となっており、営業・経常利益は上期の標準的な進捗目安(50%)を10pt超上回っている。親会社株主純利益の進捗率も53.4%と過半に達しており、上期の利益成長ペースが通期計画を上回って推移していることを示している。なお、当四半期において業績予想および配当予想の修正が行われている。
前期(2025年12月期)の期末配当は普通配当60円に創業140周年記念配当5円、特別配当10円を加えた合計75円であった。当期(2026年12月期)予想の期末配当は普通配当105円であり、前期の合計75円から金額として+30円増加している。ただし前期は一時的な記念・特別配当15円を含んでいたため、単純比較では増配の性格が異なる点に留意が必要である。通期EPS予想419.57円に対する配当性向は約25.0%(105円÷419.57円)で、保守的な水準にある。自己株買いに関するデータはなく、配当のみに基づく配当性向として評価した。
運転資本の積み上がり: 売上債権は前期末比+13.9億円(+12.7%)増加した一方、仕入債務は-8.1億円(前年からの増減額)減少し、増収局面において運転資本の負担が拡大している。営業CFが純利益を上回る一方でEBIT・減価償却対比のCF比率が0.71倍にとどまる背景となっている。
投資有価証券の市況感応度: 投資有価証券は214.9億円と総資産の30.4%を占め、評価差額金28.9億円の計上により純資産・包括利益が押し上げられた。株式市況が反転した場合、純資産および繰延税金負債(前年41.4億円→当期55.0億円、+32.9%)に相応の変動が生じ得る。
退職給付債務: 退職給付に係る負債は33.7億円で、前年から横ばい圏で推移している。金額自体はバランスシート規模に対し限定的だが、運用環境・割引率の変動によって将来的な負債評価に影響を与える可能性がある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 9.6% | 9.7% (5.4%–23.7%) | -0.1pt |
| 純利益率 | 8.0% | 5.4% (1.3%–20.1%) | +2.6pt |
営業利益率は業種中央値とほぼ同水準だが、純利益率は業種中央値を+2.6pt上回っており、営業外収益(受取配当金)を含めた収益構造で相対的に優位にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 12.0% | 10.6% (-3.4%–25.4%) | +1.4pt |
売上高成長率は業種中央値を+1.4pt上回るが、業種のばらつき(IQR -3.4%〜25.4%)を踏まえると突出した水準ではない。
※出所: 当社集計
営業利益率は9.6%(前年8.1%から+1.5pt)へ改善し、粗利率+1.1ptと販管費率-0.4ptの両面から利益率上昇が生じている構造的な変化点として注目される。
通期進捗率は売上高51.9%に対し営業利益65.4%・経常利益63.9%と上回っており、上期の増益ペースが通期計画のペースを超過している点が決算データから読み取れる。
包括利益47.5億円は親会社株主純利益18.7億円の2.5倍超に達しており、その主因は投資有価証券の評価差額金28.9億円である。この差異は本業収益とは性質が異なる市況要因である点が、収益の質を評価する上でのポイントとなる。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 5,287円 |
| base(基準) | 5,395円 |
| bull(強気) | 5,484円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 5,689円 |
| 調整後予想EPS | 452.0円 |
| 株主資本コスト r | 9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 25.0% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.075(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.95倍 / 11.9倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 5,245円〜5,553円、ω±0.1で 5,385円〜5,402円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。