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40052027 第1四半期プライムIFRS

住友化学(4005) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益140%増

2027年度第1四半期の売上高は5,782億円(前年同期比+9.9%)、営業利益は610.4億円(同+139.8%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

素材・化学/化学


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥5782.0億¥5261.4億+9.9%
営業利益¥610.4億¥254.5億+139.8%
税引前利益¥603.1億¥58.2億+936.8%
純利益¥513.5億¥38.7億+1225.8%
ROE(年換算)14.5%1.3%-

Executive Summary

2027年3月期第1四半期は、素材市況の改善と持分法損益の黒字転換により営業利益・純利益が大幅に回復した増収増益決算となった。売上高は5782.0億円(前年同期5261.4億円、+9.9%)、営業利益は610.4億円(同254.5億円、+139.8%)、税引前利益は603.1億円(同58.2億円、+936.8%)、純利益は513.5億円(同38.7億円、+1225.8%)となった。親会社株主に帰属する四半期利益は407.8億円で、前年同期の45.2億円の損失から黒字転換した。増益の主因はエッセンシャル&グリーンマテリアルズのコア営業損益反転と持分法投資損益の改善である。

業績変動要因

【売上高】売上高は5782.0億円で前年同期比+9.9%増収。セグメント別では住友ファーマが+20.2%、アドバンストメディカルソリューションが+15.0%、アグロ&ライフソリューションが+12.5%と伸長した一方、エッセンシャル&グリーンマテリアルズは+2.9%の低成長にとどまった。全セグメントが増収となっており、事業ポートフォリオ全体で需要は底堅い。

【損益】営業利益は610.4億円(+139.8%)、営業利益率は10.6%で前年同期4.8%から572bp改善した。粗利率は33.6%(前年31.1%)と改善し、販管費増加率8.9%を売上増加率9.9%が上回る営業レバレッジが働いた。増益の中心はエッセンシャル&グリーンマテリアルズのコア営業損益が前年同期の54.6億円の赤字から272.2億円の黒字へ転じたことで、持分法損益も98.3億円の損失から122.2億円の利益へ転換し営業利益を押し上げた。一方、ICT&モビリティソリューションは増収ながら利益YoY-29.0%、住友ファーマも増収ながら利益YoY-10.3%と、事業別の明暗が分かれている。金融収益125.5億円と金融費用132.8億円はほぼ相殺され、税引前利益は営業利益に近い603.1億円となった。増収増益。

セグメント別分析

エッセンシャル&グリーンマテリアルズは売上1701.9億円(+2.9%)、営業利益272.2億円(+598.3%、利益率16.0%)と全社増益の最大の牽引役となった。アグロ&ライフソリューションは売上1089.9億円(+12.5%)、営業利益96.3億円(+334.0%、利益率8.8%)と大幅改善。住友ファーマは売上1290.0億円(+20.2%)と増収ながら営業利益188.5億円(-10.3%)で減益、ICT&モビリティソリューションも売上1485.7億円(+8.1%)の増収に対し営業利益130.3億円(-29.0%)と減益となった。アドバンストメディカルソリューションは売上104.5億円(+15.0%)増収だが営業損益は-19.4億円(前年-9.2億円)と損失が拡大している。全社的な増益は素材系2セグメントの改善に依存し、医薬・ICT系は採算圧迫が続く構図が読み取れる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率10.6%(前年4.8%)、純利益率8.9%(前年0.7%)と大きく改善し、粗利率も33.6%(前年31.1%)へ上昇した。ROEは年換算14.5%で、財務レバレッジの寄与も含めた株主資本収益性の回復が確認できる。【キャッシュ品質】営業CFは49.6億円にとどまり、親会社帰属利益407.8億円に対する営業CF/純利益比率は約0.12倍と低水準で、会計上の利益回復に対しキャッシュ転換が遅れている。棚卸資産は6436.2億円(期首比+481.5億円)、売上債権は6445.3億円(期首比+358.6億円)と積み増しが続いており、在庫・売掛金の回転改善が今後の観察点となる。【投資効率】持分法投資利益は122.2億円で、営業利益の約20%を占め、利益改善への寄与度が高い。【財務健全性】自己資本比率は30.5%(前年29.6%)とわずかに改善。流動資産1兆6590.6億円、流動負債1兆1038.4億円で流動比率は約150%と短期流動性は確保されている一方、短期有利子負債は2885.5億円(期首比+471.3億円)と増加している。

キャッシュフロー分析

営業CFは49.6億円で前年同期比-79.3%と大幅に減少し、税引前利益603.1億円との乖離が大きい。この乖離は主に棚卸資産の625.9億円の増加とその他運転資本の1170.1億円の流出によるもので、営業債務の925.5億円の増加が一部相殺した。投資CFは-492.3億円で、固定資産取得359.1億円や定期預金の増加123.1億円が主因である。フリーキャッシュフローは-442.7億円となり、当四半期は営業活動のみで投資・配当を支える構造にはなっていない。財務CFは555.7億円の流入で、非支配株主からの出資968.8億円が投資・運転資本の資金需要を補った。この結果、現金及び現金同等物は期首208.6億円から223.2億円へ増加したが、資金調達に依存した増加である点は留意される。

収益の質

当四半期の利益回復は、事業構造改善費用10.7億円を除けば概ね経常的な事業損益の改善によるものであり、一時的要因は限定的である。営業利益にはその他営業収益35.5億円とその他営業費用33.7億円が含まれるが、純額寄与は1.8億円と小さく、利益改善の主因はコア事業の採算改善と持分法損益の転換である。金融収益125.5億円と金融費用132.8億円はほぼ均衡しており、金融項目が利益を大きく歪めてはいない。一方、営業CFが純利益の伸びに追随せず、営業CF/親会社帰属利益比率が約0.12倍にとどまっている点はアクルーアル的な観点で留意すべきであり、棚卸資産・売上債権の増加を伴う利益成長は、キャッシュフローでの裏付けが弱い状態にある。包括利益は916.5億円(親会社株主分789.4億円)で純利益513.5億円を上回り、在外営業活動体の換算差額132.1億円などの為替関連その他包括利益が上乗せされている。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高2兆3600億円、営業利益1770.0億円(前期比+16.6%)、EPS42.40円、配当16.00円である。当第1四半期の進捗率は、売上高が約24.5%、営業利益が約34.5%と、営業利益は標準的な四半期進捗(25%)を上回っている。親会社帰属利益についても第1四半期407.8億円は通期予想700.0億円に対し約58.3%の進捗となり、大きく先行している。業績予想・配当予想の修正は当四半期時点でともに実施されていない。

株主還元

通期配当予想は1株16.00円で、前年配当(6.00円、前年同期実績ベース)から増額されている。当第1四半期の配当支払額は123.9億円で、親会社帰属四半期利益407.8億円に対する比率は約30.4%である。通期予想ベースでの配当性向は、配当総額を期中平均株式数16.51億株×16.00円で概算すると約264.2億円となり、通期親会社帰属利益予想700.0億円に対し約37.7%となる。自社株買いはほぼ実施されておらず(-0.0億円)、配当のみでみた還元姿勢である。

リスク要因

  1. キャッシュ転換の遅延: 営業CFは49.6億円にとどまり、親会社帰属利益407.8億円に対する営業CF/純利益比率は約0.12倍と低い。棚卸資産625.9億円の積み増しとその他運転資本の流出が主因であり、フリーキャッシュフローは-442.7億円である。利益改善が現金創出に結びつくかが今後の確認点となる。

  2. セグメント別採算のばらつき: ICT&モビリティソリューション(利益YoY-29.0%)と住友ファーマ(利益YoY-10.3%)は増収ながら減益となっている。全社増益はエッセンシャル&グリーンマテリアルズとアグロ&ライフソリューションの改善に依存しており、これらの反動があれば通期営業利益1770.0億円の達成に影響する可能性がある。

  3. 運転資本・在庫水準: 棚卸資産は6436.2億円、売上債権は6445.3億円で、いずれも期首から増加している。原燃料価格や製品需要の変動により在庫評価や資金効率に影響が及ぶ可能性がある点は、化学品・医薬品事業を含む事業構成上のモニタリング対象である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率10.6%8.7% (4.2%–14.3%)+1.9pt
純利益率8.9%7.1% (3.2%–10.6%)+1.8pt

収益性指標はいずれも業種中央値を上回り、製造業内で相対的に高い水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)9.9%6.2% (-1.1%–14.6%)+3.7pt

売上成長率も業種中央値を上回り、上位グループに位置する。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は10.6%(前年4.8%)へ572bp改善し、増益はエッセンシャル&グリーンマテリアルズの損益反転と持分法損益の黒字化に主導されている点が特徴である。

  2. 通期計画に対する第1四半期進捗は営業利益34.5%、親会社帰属利益58.3%と先行しているが、これは会計上の利益回復であり、営業CFの回復は伴っていない。損益とキャッシュフローの乖離が今後の観察ポイントとなる。

  3. ICT&モビリティソリューションと住友ファーマは増収減益であり、素材系セグメントの改善に依存した増益構造となっている点は、通期業績の質を評価する上での留意点である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)611円
base(基準)625円
bull(強気)631円
算出前提
1株純資産(BPS)668円
調整後予想EPS46.6円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向37.7%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.94倍 / 13.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 608円〜643円、ω±0.1で 624円〜626円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(58%)が標準(25%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 40%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。