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38652027 第1四半期プライムJGAAP

北越コーポレーション(3865) 2027年度第1四半期決算 営業益79%減

2027年度第1四半期の売上高は725.6億円(前年同期比+0.3%)、営業利益は6.9億円(同-78.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

素材・化学/パルプ・紙


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥725.6億¥723.5億+0.3%
営業利益¥6.9億¥32.6億−78.9%
経常利益¥16.9億¥36.0億−52.9%
純利益¥16.6億¥22.2億−25.2%
ROE(年換算)2.6%3.5%-

Executive Summary

売上高は横ばいながら、本業の採算悪化により営業利益が大幅減少した点が本決算の最重要ポイントである。売上高725.6億円(前年比+0.3%)に対し、営業利益は6.9億円(同-78.9%)、経常利益は16.9億円(同-52.9%)、純利益は16.6億円(同-25.2%)となった。粗利率は17.6%と前年の21.4%から悪化し、主力の紙パルプ事業のセグメント利益が前年比84.6%減となったことが全社利益を押し下げた。一方、受取配当金8.4億円が経常・純利益を支え、営業利益単体の減少幅よりも純利益の減少幅は小幅に留まっている。

業績変動要因

【売上高】売上高は725.6億円で前年同期比+0.3%とほぼ横ばい。セグメント別では紙パルプ事業662.7億円(-0.4%)、パッケージング・紙加工事業44.5億円(+3.5%)、木材事業17.8億円(+5.5%)、その他70.4億円(+2.7%)となり、主力の紙パルプ事業は微減、非中核事業が売上を補った。

【損益】営業利益は6.9億円で前年比78.9%減。粗利率が17.6%(前年21.4%)に低下したことが主因で、販管費は121.0億円と前年比1.2%減とコスト削減は進んだが、原価上昇を吸収できなかった。紙パルプ事業のセグメント利益は4.5億円(同-84.6%)、利益率0.7%まで低下し、連結減益の中心となっている。経常利益は16.9億円(同-52.9%)で、受取配当金8.4億円の増加(前年5.6億円)が押し上げに寄与した。特別損益は利益11.4億円・損失10.5億円(投資有価証券評価損7.2億円を含む)とほぼ相殺され、税引前利益17.8億円に対する影響は限定的。純利益16.6億円(同-25.2%)は、実効税率が6.9%と低位であったことも下支えとなった。結論として、増収減益である。

セグメント別分析

紙パルプ事業は売上662.7億円(-0.4%)、営業利益4.5億円(-84.6%)、利益率0.7%と、連結売上の91%超を占める主力事業でありながら採算が大きく悪化した。パッケージング・紙加工事業は売上44.5億円(+3.5%)、利益0.4億円(-36.2%)、利益率0.8%と規模は小さいが同様に減益。木材事業は売上17.8億円(+5.5%)、利益0.9億円(+1.1%)、利益率5.0%と相対的に高採算を維持し、唯一増益となった。その他事業は売上70.4億円(+2.7%)に対し利益1.0億円(-28.9%)。全社利益の変動は紙パルプ事業の採算悪化に規定されている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は0.9%で前年の4.5%から大幅に低下し、粗利率も17.6%(前年21.4%)へ悪化した。純利益率は2.3%、年換算ROEは2.6%と、いずれも低水準にある。【キャッシュ品質】受取配当金8.4億円が営業利益6.9億円を上回り、経常利益・純利益の押し上げに本業以外の要素が相応に寄与している。特別損益は利益11.4億円・損失10.5億円とほぼ相殺され、純利益への影響は限定的である。【投資効率】総資産4159.2億円に対し年換算ベースの資産回転は高くなく、資本効率面での改善余地がある。【財務健全性】自己資本比率は60.3%(前年59.9%)と高水準を維持し、流動資産1844.4億円は流動負債818.9億円を上回る。有利子負債は長期借入金536.7億円、社債150.0億円、1年内償還社債250.0億円で構成され、短期借入金は前年比+46.2%(79.8億円→116.7億円)と増加している。

キャッシュフロー分析

CF計算書の個別開示はないが、BSの変動から資金動向をみると、現金及び預金は250.5億円で前年の301.2億円から減少している。この間、短期借入金は79.8億円から116.7億円へ、長期借入金は478.9億円から536.7億円へそれぞれ増加しており、借入による資金調達が進む一方で現金残高は縮小した。棚卸資産は360.4億円で前年比小幅増、売掛金は623.7億円で前年比減少しており、営業利益の縮小局面において運転資本の圧縮ペースは緩やかである。利益剰余金は1223.5億円で前年の1227.9億円からわずかに減少し、当期の純利益に対して配当等の社外流出が上回っている状況がうかがえる。

収益の質

当期の収益構造は、本業由来の利益と非経常的な要因が併存する形となっている。営業利益6.9億円に対し、営業外収益は14.8億円(うち受取配当金8.4億円)に達し、経常利益16.9億円の押し上げに大きく寄与した。特別利益11.4億円・特別損失10.5億円(投資有価証券評価損7.2億円、固定資産除売却損3.3億円)はほぼ相殺され、純特別利益は0.9億円と純利益への影響は限定的である。包括利益は0.1億円と純利益16.6億円から大きく乖離しており、有価証券評価差額金-15.1億円や退職給付に係る調整額-5.1億円といった評価項目の悪化が要因である。この乖離は、当期純利益が示す業績と、市場価格変動を含めた包括的な資産価値の変動との間にギャップがあることを示している。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高3050.0億円(前年比+6.0%)、営業利益30.0億円(同-60.2%)、経常利益40.0億円(同-64.5%)である。Q1進捗率は売上高23.8%、営業利益22.9%、経常利益42.4%となった。売上高・営業利益の進捗は標準的な25%をやや下回るが、経常利益の進捗は受取配当金など営業外収益に支えられ標準を上回っている。会社側は通期でも前年比大幅減益を見込んでおり、収益性低下は一時的要因に限らないとの見立てが予想に反映されている。当期における業績予想・配当予想の修正はない。

株主還元

通期の1株当たり配当予想は26.00円で、通期EPS予想31.49円から算定される配当性向は82.6%である。この数値は配当金のみを親会社株主帰属純利益予想に基づき算定したものであり、自己株式取得を含む総還元性向ではない。前年の実際配当13円(中間期時点比較値)から通期予想は増額されているが、82.6%という配当性向は一般的な持続可能性の目安である60%を上回る。Q1の親会社株主帰属純利益は通期計画の32.7%まで進捗しているが、本業の営業利益進捗率は22.9%にとどまっており、配当原資の質については本業利益の回復状況を注視する必要がある。

リスク要因

  1. 主力事業の採算悪化: 紙パルプ事業のセグメント利益が前年同期比84.6%減の4.5億円となり、利益率は0.7%まで低下した。連結売上の91%超を占める同事業の採算が回復しなければ、連結営業利益の改善は制約される。

  2. 利払い余力の低下: インタレストカバレッジは営業利益6.9億円と支払利息3.2億円から算出すると2倍台に留まり、3倍未満の水準にある。短期借入金は前年比+46.2%、長期借入金は同+12.1%と増加しており、営業利益が低位で推移する場合、利払い負担の監視が必要である。

  3. 投資有価証券の価格変動リスク: 投資有価証券709.3億円は総資産の17.1%を占め、当期は投資有価証券評価損7.2億円を特別損失に計上した。有価証券評価差額金は-15.1億円と包括利益にも影響しており、市場価格変動が純利益・包括利益双方に及ぶ構造となっている。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率0.9%8.7% (4.2%–14.3%)−7.7pt
純利益率2.3%7.1% (3.2%–10.6%)−4.8pt

自社の収益性は業種中央値を大きく下回り、製造業内でも低採算の位置にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)0.3%6.2% (-1.1%–14.6%)−5.9pt

売上成長率も業種中央値を下回り、増収ペースは業種内で緩やかな水準にある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高が横ばいの中で営業利益が78.9%減少しており、決算データからは紙パルプ事業のマージン悪化が連結業績の中心的な変動要因であることが読み取れる。

  2. 経常利益・純利益は受取配当金8.4億円や特別損益の相殺により本業の減益幅より小幅な減少にとどまっており、経常利益単体では本業の収益力を測りにくい構造となっている。

  3. 通期会社予想は営業利益・経常利益ともに前年比60%超の減益を見込んでおり、当期の収益性低下が一時的要因に限られないという会社側の見立てが計画に反映されている。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,227円
base(基準)1,232円
bull(強気)1,236円
算出前提
1株純資産(BPS)1,578円
調整後予想EPS21.7円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向82.6%
予想EPSの信頼度調整×1.075(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.78倍 / 56.9倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,200円〜1,266円、ω±0.1で 1,222円〜1,239円。

注記:

  • 一時的な損益の影響を除くため、経常利益等から算出した正規化EPSを使用しています(会社予想EPSは31.5円)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。