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38352027 第1四半期プライムJGAAP

eBASE(3835) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益12%減

2027年度第1四半期の売上高は11.6億円(前年同期比+7.9%)、営業利益は1.3億円(同-12.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥11.6億¥10.7億+7.9%
営業利益¥1.3億¥1.5億−12.2%
経常利益¥1.4億¥1.5億−8.2%
純利益¥0.8億¥1.0億−24.2%
ROE(年換算)4.5%5.5%-

Executive Summary

2027年3月期第1四半期は増収減益となり、増収の質が問われる決算となった。売上高は11.6億円(前年比+7.9%)と増収を確保したが、営業利益は1.3億円(同-12.2%)、経常利益は1.4億円(同-8.2%)、純利益は0.8億円(同-24.2%)といずれも減益となった。主因は販管費が17.4%増と売上成長を上回るペースで拡大したことに加え、実効税率が44.8%へ上昇し税負担が純利益を圧迫したことにある。

業績変動要因

【売上高】売上高は11.6億円で前年比+7.9%増収。セグメント別ではeBASE-PLUS事業(IT開発アウトソーシング中心)が7.2億円(+9.8%)と全社売上の61.9%を占め成長を主導した。eBASE事業は4.4億円(+4.8%)と増収したが、内訳ではクラウドサービスが+23.7%と伸長した一方、パッケージソフトは-54.3%と大きく減少し、事業内で構成の変化が生じている。

【損益】営業利益は1.3億円(前年比-12.2%)、経常利益は1.4億円(同-8.2%)、純利益は0.8億円(同-24.2%)といずれも減益。粗利率は43.1%で前年から小幅改善したが、販管費率が31.9%(前年29.3%)へ上昇し利益率を圧迫した。純利益の減益率が営業利益を上回るのは、実効税率が33.1%から44.8%へ上昇したことが主因である。営業外損益は経常利益を0.09億円押し上げる程度で、経常利益と純利益の乖離は主に税負担による。結論として増収減益であり、増収を利益成長に転換できていない点が今回の決算の特徴である。

セグメント別分析

eBASE-PLUS事業は売上高7.2億円(+9.8%)、セグメント利益1.2億円(+17.6%)、利益率16.6%(前年15.5%)と増収増益で改善傾向にある。全社セグメント利益合計1.4億円のうち約86%を同事業が占め、主力事業として全社利益を牽引している。一方、eBASE事業は売上高4.4億円(+4.8%)と増収したものの、セグメント利益は0.2億円(-61.2%)と大幅減益となり、利益率は11.7%から4.3%へ急低下した。増収にもかかわらず利益率が大きく悪化している点は、費用構造や案件採算の変化を示唆し、今後の四半期での回復状況を確認する必要がある。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は11.1%で前年同期13.7%から2.6pt低下、純利益率も6.6%で前年9.4%から2.8pt低下した。粗利率は43.1%とほぼ前年並みであり、収益性悪化は原価要因ではなく販管費率の上昇(29.3%→31.9%)によるものである。【キャッシュ品質】営業外収益は0.1億円で売上高の0.8%にとどまり、経常利益と営業利益の差は僅少である。実効税率は44.8%と前年33.1%から上昇し、税引前利益から純利益への転換率を押し下げている。【投資効率】ROE(年換算)は4.5%で、純利益率の低下と低い財務レバレッジ(総資産回転率0.607倍)が背景にある。【財務健全性】自己資本比率は89.0%、流動資産51.9億円に対し流動負債8.0億円と流動性は極めて高い。現金及び預金は43.4億円で総資産の56.9%を占め、財務基盤は保守的かつ強固である。

キャッシュフロー分析

本開示にはキャッシュフロー計算書のデータが含まれないため、バランスシートの推移から資金動向を分析する。現金及び預金は43.4億円で前年の49.5億円から6.2億円減少しており、株式会社KSP-SPの連結子会社化に伴う投資支出や、配当等の株主還元が資金を使用したことが背景にあると考えられる。売掛金は6.6億円で前年の9.4億円から2.8億円減少し、回収が進展したか売上計上時期の変動があった可能性がある。無形固定資産はのれん2.97億円の発生により3.4億円増加した。総じて資産規模は縮小したが、自己資本比率89.0%と高い水準を維持しており、資金の余力は十分に確保されている。

収益の質

今回の減益は主に経常的な費用構造の変化によるもので、特別損益による一時的要因は確認されない。営業外収益は受取利息・受取配当金など安定的な収益で構成され、売上高の0.8%と小規模にとどまるため、経常利益への影響は限定的である。一方、実効税率が33.1%から44.8%へ上昇したことは、税引前利益と純利益の乖離を拡大させ、税負担が今期の利益の質を左右する主要因となっている。事業面では、主力のeBASE-PLUS事業が増収増益を確保する一方、eBASE事業のセグメント利益が大幅に減少しており、全社利益はこの二極化した構造の上に成り立っている点に留意が必要である。包括利益は0.9億円で純利益0.8億円とほぼ同水準であり、有価証券評価差額金による上乗せがあるものの、純利益と包括利益の乖離は限定的である。

業績予想・ガイダンス

通期計画に対する第1四半期の進捗率は、売上高21.5%、営業利益8.4%、経常利益8.6%であり、いずれも標準的な進捗(25%)を下回る。特に営業利益・経常利益の進捗の遅れは、売上進捗との差が大きく、通期計画(営業利益15.4億円、前年比+7.6%)の達成には第2四半期以降の販管費効率化やeBASE事業の採算改善が必要となる。業績予想の修正は行われていない。

株主還元

2027年3月期の年間配当予想は1株15.20円で、普通配当12.20円に創立25周年記念配当3.00円を加えた構成となっている。会社予想EPS24.34円に基づく配当性向は62.4%であり、記念配当を除く普通配当ベースでは50.1%となる。第1四半期のEPSは1.74円で通期予想に対する進捗率は7.1%にとどまるため、年間配当の実現には後半の利益積み上げが前提となる。自己株式取得の実施額は本開示に示されていないため、総還元性向は算定していない。

リスク要因

  1. eBASE事業の採算悪化: 売上高4.4億円(+4.8%)に対しセグメント利益は0.2億円(-61.2%)に急減し、利益率は11.7%から4.3%へ低下した。増収にもかかわらず利益が縮小しており、費用構造や案件採算の変化が継続する場合、全社利益率の回復を阻害する可能性がある。

  2. 実効税率上昇による純利益への影響: 実効税率は44.8%と前年の33.1%から上昇し、税引前利益の8.2%減に対し純利益は24.2%減と、税負担の増加が減益を増幅させた。税務要因が今後も継続するか、正常化するかを注視する必要がある。

  3. のれんの取得原価配分未完了: 株式会社KSP-SPの連結子会社化により発生したのれん2.97億円は暫定額であり、純資産比4.4%、総資産比3.9%と規模は限定的だが、取得原価配分確定後の無形資産計上額や償却負担、将来の減損可能性を確認する必要がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率11.1%8.0% (2.4%–15.8%)+3.1pt
純利益率6.6%5.9% (1.6%–10.7%)+0.7pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を上回り、収益性は業種内で相対的に高い水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)7.9%9.3% (0.4%–16.9%)−1.4pt

売上高成長率は業種中央値をやや下回り、成長性は業種内で中位水準にとどまる。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高は7.9%増収を確保したが、販管費増加(+17.4%)が売上成長を上回り、営業利益率は13.7%から11.1%へ2.6pt低下した。増収を利益成長へ転換できていない点が今回の決算の構造的な課題である。

  2. 主力のeBASE-PLUS事業は増収増益(売上+9.8%、利益+17.6%)と好調を維持する一方、eBASE事業はセグメント利益率が11.7%から4.3%へ急低下しており、事業間の収益性の二極化が進んでいる。

  3. 自己資本比率89.0%、流動比率653.1%、現金及び預金43.4億円という強固な財務基盤は、KSP-SP連結化に伴う統合投資や株主還元の実行余力を支えている。のれん2.97億円は暫定額であり、取得原価配分確定後の償却・減損動向が今後の確認事項となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)179円
base(基準)184円
bull(強気)190円
算出前提
1株純資産(BPS)154円
調整後予想EPS25.5円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向62.5%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.19倍 / 7.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 179円〜189円、ω±0.1で 183円〜185円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。