記事一覧に戻る
36612027 第1四半期プライムJGAAP

株式会社エムアップホールディングス 2027年度 第1四半期 決算

株式会社エムアップホールディングスの2027年度第1四半期決算レポート

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥90.2億¥74.1億+21.6%
営業利益¥16.1億¥13.9億+15.8%
経常利益¥17.1億¥14.1億+21.1%
純利益¥8.0億¥9.7億-17.3%
ROE7.9%8.8%-

Executive Summary

売上・利益とも二桁増収増益となったが、純利益は特別損失計上と税負担増により減益となっており、増収増益・減益が混在した決算である。売上高は90.2億円(前年74.1億円、+21.6%)、営業利益は16.1億円(前年13.9億円、+15.8%)、経常利益は17.1億円(前年14.1億円、+21.1%)と好調に推移した一方、純利益(連結ベース)は8.0億円(前年9.7億円、-17.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は6.7億円(前年8.6億円、-22.4%)と減少した。純利益段階の減益は特別損失4.0億円の計上と実効税率上昇が主因であり、営業・経常段階の収益力自体は堅調を維持している。

業績変動要因

【売上高】売上高は90.2億円で前年比+21.6%の増収。主力のMobilePhoneセグメントが77.5億円(構成比85.7%、+22.4%)と全体を牽引し、Applicationセグメントも12.8億円(構成比14.2%、+17.1%)と両セグメントがバランスよく拡大した。

【損益】営業利益は16.1億円(+15.8%)、営業利益率17.8%(前年18.7%から約0.9pt低下)とやや圧縮したが、依然として高水準を維持している。経常利益は為替差益0.5億円・受取利息0.4億円の営業外収益寄与により17.1億円(+21.1%)と営業利益を上回る伸びとなった。一方、特別損失4.0億円の計上と税負担の高さ(税引前利益13.1億円に対し法人税等5.1億円)により、純利益は8.0億円(-17.3%)、親会社株主帰属分は6.7億円(-22.4%)と減益に転じた。経常利益と親会社株主帰属純利益の乖離は約61%に達し、一時的要因が押し下げ要因となっている。結論として、営業・経常段階は増収増益、純利益段階は増収減益という構図である。

セグメント別分析

MobilePhoneセグメントは売上77.5億円(構成比85.7%、+22.4%)、営業利益14.4億円(+21.5%)、営業利益率18.6%と収益の柱を形成している。Applicationセグメントは売上12.8億円(構成比14.2%、+17.1%)、営業利益4.4億円(+21.8%)、営業利益率34.6%と全社平均を大きく上回る高収益性を示す。売上規模はMobilePhoneに大きく偏在するが、Applicationの高マージン成長が全社の利益率を下支えしている。その他セグメントは売上0.1億円、営業損失0.2億円と規模は僅少で影響は限定的である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は17.8%と高水準を維持しつつ前年から約0.9pt縮小し、粗利率は30.4%で前年からやや低下した。純利益率は親会社株主帰属ベースで7.4%となり、特別損失と税負担増により前年から大きく低下している。【キャッシュ品質】現金及び預金は153.4億円と潤沢で総資産の約49%を占め、契約負債(前受金)は83.1億円と前年から増加しており、事業モデル上のキャッシュ先行受領構造が継続している。【投資効率】ROEは7.9%で、資本効率面では改善余地がある水準にとどまる。【財務健全性】自己資本比率は32.7%で前年33.7%から低下し、流動負債206.8億円に対し流動資産240.1億円と流動比率は約116%であり、短期的な支払能力は確保されているが負債構成は流動負債偏重である。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示はないが、貸借対照表の推移から資金動向を分析すると、現金及び預金は153.4億円で前年153.4億円台から16.3億円減少している。一方、契約負債(前受金)は83.1億円と前年79.8億円から増加しており、事業運営に伴う前受金による資金流入が継続している。前払費用は31.1億円と前年25.3億円から増加しており、一時的な資金支出要因となっている。自己株式は22.8億円まで積み増され前年17.7億円から拡大しており、株主還元に伴う資金流出が現金残高の減少に寄与したとみられる。

収益の質

営業利益率17.8%、経常利益の押し上げ要因である営業外収益は為替差益0.5億円・受取利息0.4億円を中心に構成され、売上高の約1.1%相当と過度な依存はなく、経常的な収益力は良好である。一方、特別損失4.0億円の計上により税引前利益は13.1億円まで圧縮され、経常利益17.1億円との乖離が生じている。この特別損失は一時的要因である可能性が高く、その剥落があれば純利益の回復余地がある。加えて法人税等5.1億円は税引前利益に対し実効負担率が高く、純利益の下押し要因となっている。包括利益は11.0億円で親会社株主帰属純利益6.7億円を上回り、有価証券評価差額金3.0億円の増加が寄与しており、当期純利益と包括利益の間に一定の乖離が見られる。

業績予想・ガイダンス

通期計画に対する進捗は、売上高が90.2億円/360.0億円で25.1%、営業利益が16.1億円/58.0億円で27.7%、経常利益が17.1億円/60.0億円で28.4%と、いずれも単純進捗率25%を上回るペースで推移している。一方、通期純利益予想(記載上のEPS予想¥50.00に対応する利益水準)に対しては、特別損失の計上と税負担増の影響で進捗がやや遅れている可能性がある。業績予想・配当予想ともに当四半期での修正は行われていない。

株主還元

配当予想は年間¥24.00とされている。前年同期の配当実績データは開示されていないため単純比較はできないが、通期業績予想を前提とすると配当性向は一定水準にとどまるとみられる。自己株式は22.8億円(前年17.7億円)まで積み増されており、配当に加えて自社株買いによる株主還元も実施されている。両者を合わせた還元は総還元性向の観点で評価すべきだが、自社株買いの具体的な取得金額の詳細開示は限定的である。

リスク要因

  1. セグメント集中リスク: MobilePhoneセグメントが売上高の85.7%を占めており、特定事業領域の需要変動やプラットフォーム方針変化が業績全体に与える影響が大きい構造となっている。

  2. 財務レバレッジと負債構成: 流動負債が206.8億円と流動資産240.1億円に対し大きく、自己資本比率も32.7%(前年33.7%)へ低下している。短期負債への依存度がやや高い財務構成である。

  3. 特別損失・税負担の変動リスク: 当期は特別損失4.0億円を計上し、法人税等負担も高水準となった。これらが一過性か反復的かにより、今後の純利益のボラティリティに影響を与える可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率17.8%8.1% (2.3%–15.9%)+9.7pt
純利益率8.9%5.9% (1.6%–10.7%)+3.0pt

収益性は業種中央値を大きく上回り、IT・通信業界内でも上位に位置する水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)21.6%9.3% (0.4%–16.9%)+12.3pt

売上高成長率も業種中央値を大幅に上回り、業種内でも高成長のグループに位置づけられる。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高+21.6%、営業利益+15.8%と増収増益基調が継続し、営業利益率17.8%は業種中央値を大きく上回る水準にある一方、親会社株主帰属純利益は特別損失と税負担増により-22.4%と減益となっており、利益の質を見る上で営業・経常段階と純利益段階の乖離に注目する必要がある。

  2. セグメント別ではMobilePhoneが売上の85.7%を占める一方、Applicationが営業利益率34.6%と高マージンを維持しており、事業ポートフォリオの収益構造を理解する上で両セグメントのマージン格差が鍵となる。

  3. 自己資本比率は32.7%へ低下し、流動負債が流動資産に対し高い比率を占めるなど、財務構成の変化が観察される。契約負債(前受金)83.1億円の増減は今後の需要動向を示す先行指標として引き続き注視される。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)256円
base(基準)270円
bull(強気)287円
算出前提
1株純資産(BPS)146円
調整後予想EPS52.4円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向48.0%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.85倍 / 5.1倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 262円〜278円、ω±0.1で 267円〜275円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。