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36262027 第1四半期プライムJGAAP

TISI(3626) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益12%増

2027年度第1四半期の売上高は1,501億円(前年同期比+7.0%)、営業利益は183.5億円(同+12.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

TISI株式会社

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1501.1億¥1403.2億+7.0%
営業利益¥183.5億¥163.5億+12.2%
経常利益¥184.2億¥170.6億+8.0%
純利益¥148.3億¥129.9億+14.1%
ROE(年換算)19.5%15.4%-

Executive Summary

増収率を上回る営業増益となり、販管費抑制を伴う収益性改善が確認された決算である。売上高は1501.1億円(前年比+7.0%)、営業利益は183.5億円(同+12.2%)、経常利益は184.2億円(同+8.0%)、純利益(親会社株主帰属)は144.1億円(同+15.1%)となった。増益率が増収率を上回った主因は、販管費増加率3.8%が売上増加率7.0%を下回った営業レバレッジ効果である。なお純利益には投資有価証券売却益24.9億円を含む特別利益28.5億円が寄与しており、増益の一部は一時的要因による。

業績変動要因

【売上高】売上高は1501.1億円で前年比+7.0%増となった。セグメント別では広域ITソリューションが458.6億円(構成比30.6%、YoY+4.7%)で最大、産業ITが340.8億円(同+5.3%)、オファリングサービスが398.3億円(同+9.9%)と続く。全セグメントが増収となり、金融・産業・広域の各領域で需要が広がっている。

【損益】営業利益は183.5億円(YoY+12.2%)で、営業利益率は12.2%と前年同期比で拡大した。産業ITが利益62.0億円(YoY+21.4%、利益率18.2%)と最も高い採算を示す一方、オファリングサービスは売上9.9%増にもかかわらず利益16.4億円(YoY-5.0%)と減益であり、利益率は4.1%にとどまる。経常利益は184.2億円で営業利益との差は僅少(+0.8億円)だが、税引前利益210.8億円は投資有価証券売却益24.9億円を含む特別利益28.5億円により経常利益を上回った。純利益は148.3億円(YoY+14.1%)となったが、この伸びには一時的要因が含まれる。結論として増収増益である。

セグメント別分析

広域ITソリューションは売上458.6億円(YoY+4.7%)、営業利益52.7億円(YoY+9.0%)、利益率11.5%で主力セグメントである。産業ITは売上340.8億円(YoY+5.3%)に対し利益62.0億円(YoY+21.4%)と伸びが大きく、利益率18.2%は全セグメント最高水準にある。金融ITは売上258.0億円(YoY+9.2%)、利益35.3億円(YoY+18.4%)、利益率13.7%と収益性が向上した。オファリングサービスは売上398.3億円(YoY+9.9%)と伸びが大きい一方、利益16.4億円(YoY-5.0%)の減益となり、利益率4.1%は最も低い。BPMは売上110.5億円(YoY+3.4%)、利益14.4億円(YoY+1.0%)とほぼ横ばいである。産業ITとオファリングサービスの利益率には14.1ptの差があり、事業ポートフォリオ内の採算格差が全社マージンの構造的な変数となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は12.2%で前年同期の11.7%程度から拡大し、粗利率も27.6%と改善した。純利益率は9.9%に達し、増収に加え販管費率の低下が寄与した。【キャッシュ品質】税引前利益210.8億円は経常利益184.2億円を14.4%上回るが、差額の主因は投資有価証券売却益24.9億円を中心とする特別利益であり、経常的な収益力は営業・経常利益の伸びで判断するのが適切である。【投資効率】ROE(年換算)は19.5%と高水準にあり、二桁の純利益率と1回超の総資産回転率、財務レバレッジの組み合わせによって支えられている。【財務健全性】自己資本比率は58.0%(前年55.7%)と高い。一方、短期借入金は前年比+140.5%の513.1億円に急増し、長期借入金は83.0億円に減少しており、有利子負債の短期化が進んでいる。現金及び預金820.6億円は短期借入金を上回り、短期の資金繰りへの懸念は限定的だが、借換条件・調達満期構成の推移は確認すべき点である。

キャッシュフロー分析

本資料にはキャッシュフロー計算書の明細データがないため、バランスシートの変動から資金動向を確認する。現金及び預金は820.6億円で前年同期の872.4億円から減少した一方、短期借入金は513.1億円(前年213.3億円)へ大幅に増加し、長期借入金は83.0億円(前年135.0億円)へ減少した。この結果、有利子負債は満期構成が短期側へシフトしている。同時に自己株式は670.2億円(前年312.8億円)へ大きく増加し、資本政策上の資金使途となっている可能性がある。純資産は3042.3億円で前年比△9.9%となり、自己株式の積み増しが株主資本を圧縮した形である。総資産は5246.6億円で前年から減少し、投資有価証券や売掛金の圧縮を伴う資産効率化の動きがうかがえる。

収益の質

営業利益183.5億円と経常利益184.2億円の差は0.8億円にとどまり、営業外損益は概ね中立である。営業外収益10.9億円のうち受取配当金7.8億円が71%を占めるが、売上高比では0.7%と小さく、営業外収益への依存度は高くない。税引前利益210.8億円は経常利益を14.4%上回るが、これは投資有価証券売却益24.9億円を中心とする特別利益28.5億円(特別損失2.0億円を相殺後の純特別利益26.5億円)によるものであり、一時的要因である。したがって純利益148.3億円(YoY+14.1%)の伸びは、営業増益(+12.2%)に加えて一時益の寄与を含んでおり、経常的な収益力としては営業利益・経常利益の伸び率で評価するのが妥当である。包括利益は131.4億円で純利益を下回り、その他有価証券評価差額金の悪化(-14.2億円)が主因であり、保有有価証券の市場変動が純資産に影響している。

業績予想・ガイダンス

通期計画は売上高6200.0億円(前期比+3.9%)、営業利益810.0億円(同+6.3%)、経常利益810.0億円(同+5.9%)である。Q1進捗率は売上高24.2%、営業利益22.7%、経常利益22.7%であり、売上は標準的な25%進捗に近い一方、利益は標準よりやや低いペースにある。ただし、標準進捗との差は2〜3ptで±10%の判定閾値内であり、この時点で通期計画の上振れ・下振れを判断する材料とはならない。業績予想の修正は当四半期において実施されていない。

株主還元

通期の配当予想は1株90.00円、予想EPS271.70円に基づく配当性向は約33.1%であり、これは配当のみを分子とした値である。前年配当(38円、期末単独)から年間ベースでの増配が計画されている。一方、自己株式は前年同期比+357.4億円(+114.2%)増加しており、配当とは別に資本還元的な動きが確認できるが、当四半期における自己株式取得の規模自体は本データからは特定できない。配当予想の修正は当四半期において実施されていない。

リスク要因

  1. 有利子負債の短期化: 短期借入金は前年同期比+140.5%増の513.1億円となり、有利子負債全体に占める短期比率が高まった。現金及び預金820.6億円は短期借入金を上回り当面の資金繰りに懸念は小さいが、借換条件や金利上昇時の調達コストへの影響は継続的な確認が必要である。

  2. オファリングサービスの採算悪化: 同セグメントは売上9.9%増となった一方、営業利益は5.0%減、利益率4.1%と全セグメント中最低水準にある。売上成長が全社利益成長に転化するかは、当該事業の採算改善にかかっている。

  3. 投資有価証券売却益への依存: 特別利益28.5億円のうち投資有価証券売却益が24.9億円を占め、純利益の伸びの一部を支えている。市場価格の変動や売却益の反動により、今後の税引前利益・包括利益が変動する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率12.2%8.0% (2.4%–15.8%)+4.2pt
純利益率9.9%5.9% (1.6%–10.7%)+4.0pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を上回り、収益性は業種内で相対的に高い位置にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)7.0%9.3% (0.4%–16.9%)−2.3pt

売上高成長率は業種中央値をやや下回り、成長速度は業種内で中位程度の位置にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は12.2%となり、販管費増加率(+3.8%)が売上増加率(+7.0%)を下回ったことで営業レバレッジが働いた。産業IT・金融ITの利益率改善が全社の収益性拡大を牽引している。

  2. 純利益の増加率(+14.1%)は営業利益の増加率(+12.2%)を上回るが、これは投資有価証券売却益を中心とする特別利益の寄与を含む。経常的な収益力の評価には営業利益・経常利益の伸びを重視する必要がある。

  3. 自己資本比率58.0%、ROE19.5%と資本効率・健全性は高水準にあるが、短期借入金の急増による有利子負債の満期構成の短期化は、今後の資金調達方針を確認すべき論点として残る。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,849円
base(基準)1,915円
bull(強気)1,997円
算出前提
1株純資産(BPS)1,449円
調整後予想EPS284.9円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向33.1%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.32倍 / 6.7倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,861円〜1,973円、ω±0.1で 1,904円〜1,934円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。